俺が異世界に転生して、3年が経った。
二足歩行もできるし、言葉も喋れるようになり、自分の名前もわかった。
ジョイル・ジョレンタイン。それが俺の名前だ。
ジョジョと大統領が混ざっているような名前だな。
父親の名前はジョナス、母親はレイアだ。
俺のあだ名は、ジョジョになるのかなと思っていたが、それは父親のあだ名だったため、俺は普通に名前で呼ばれていた。
少し期待してたのに。
最初は勉強をたくさんして、子供のうちから色々なことを知ろうと思ったが、その知識を得るための本が、家には1冊もなかった。
なぜなら、この世界では本という物が非常に高価だったからだ。この家も、貧乏という程ではないらしいが、息子1人のために本を買う余裕は、なかった。
本が無いならしょうがないと思い、両親との会話で知識を深めることにした。
そして、わかったことだが、俺が住んでいるところはアスラ帝国のフィットア領、町の名前はロアというらしい。
フィットア領で1番大きい都市であり、グレイラットという貴族が治めている町だ。
この町なら、役に立つ本がたくさんあるかもしれないな。
それともう1つ、魔術について少し教えもらうことができた。
魔術は大きくわけて、攻撃魔術、治療魔術、召喚魔術の3つにわかれる。
魔術を使うには魔力が必要なこと。
魔術を発動させる時には詠唱or魔法陣が必要。
魔術を使うための魔力は生まれた時からほぼ決まっており、魔力量は遺伝すること。
生まれた時の魔力は決まっているというのが少し厄介だな。RPGみたいにモンスターを倒したり、修行をすることで魔力が増えるとかならよかったのに、これではどれだけ努力をしても魔法を撃てる回数は変わらないのか……。
ジョナスとレイアに、魔力の量はどのくらいなのか聞いてみたところ、2人とも普通の人間の平均くらいらしい。
……まあ、いいか。
別に、強くなるための手段は魔術だけではないからな。
どうやら、レイアは魔術を全然使えない変わりに、剣に自信があると言っていた。
剣神流という剣の流派の初級を持っているらしい。
剣で強くなるという方法もあるから、ゆっくり考えていこう。
―――それからさらに5年がたった。
俺も、もう7歳だ。使えるようになった魔術は、初級治療魔術のヒーリングだけで、剣に関してはダメダメだった。
最初、この魔術を使えるようになった時はとても嬉しかった。2人の両親もとても喜んでくれた。
この時に、家庭教師を雇おうという話も出たが、金の都合で結局雇えなかった。
普通の人間であれば、7歳でここまでやれれば上等くらいに思っているのかもしれないが、俺は少し焦っていた。
前世の記憶があるから、普通の人間より自分は強くなれると思っていたが、それは思い上がりだった。
フィットア領のブエナ村というところには俺と同じ年齢ですごい魔術を使える子供がいるとジョナスから聞いた。
会ったこともない他人と自分を比べるのは、少しおかしいと思うが、比べざるをえない。
(本当に俺はこれから強くなれるのだろうか……)
そんなことを思っていた時、突如、この世界に転生する前の夢のことを思い出した。
結局、この夢はなんだったのだろうか……。
その時、とてつもない痛みが俺の頭を襲った。
「くっ…ぐうッ!?」
すぐにヒーリングをかけたが、効果がなかった。
1階から両親を呼ぼうと思った。だが……
(ここで助けを呼んでしまっては……、俺はもう強くなることができない気がするッ!このまま、何もせずに一生を終わらせてたまるかッ!)
ここで親を呼べばすぐに、中級魔術で治してもらえただろう。だが、ジョイルの本能がそうはしなかった。この痛みを乗り切れば、新たな道が切り開けると思ったからなのかもしれない。
痛みと戦うこと約1分、ようやく痛みが消えた。
ジョイルは……、笑っていた。
あまりの痛みに、頭がおかしくなったからではない。
この世界では入手不可能だと思っていた力、前世で欲しくて堪らなかった力を手に入れたからだ。
「あの夢はそういう事だったのか……。あのテレビは、俺が望む力を与えてくれたのか……。
フフフフフ……ハハハハハハハハハ!」
そう高笑いするジョイルの後ろには、銀の甲冑を纏っている大柄な男がいた。
「まさか、シルバーチャリオッツとザ・ワールドの特性を持つ、スタンドを手に入れられるとはなァ!」
道は切り開かれた。
四話でスタンドを登場させると言いましたが、いても立ってもいられずこの話で登場させちゃいました
ツッコミどころ満載ですがあまり気にせずに楽しんでくれたら嬉しいです