戦姫絶唱シンフォギア ~最善を生み出すその男は~ 作:青海 翠果
さて今回は、入院中のひびみくと悠斗たちによる手厚すぎるお詫びと、二人がフィンフディーヴァに会います。
それでは、プロローグ5話スタート!
~病院~
響「あのぉ...あの時助けてくれた人、ですよね?」
悠「助けることは出来なかったけどね、大怪我をさせてしまったんだから助けたとは言えないよ。でもこうして目を覚ましてくれて、本当に良かった...。」
悠斗は涙ぐんでいる。響と未来は、こうして見ず知らずの自分たちが目を覚ましただけで涙を流してくれる彼にときめいてしまった。
響(こんなにやさしい人に命を助けてもらえて、私はツイてるなぁ。なんてそんなこと思っちゃだめだよね...。)
未(優しすぎるよ...あの時迷惑をかけたのはこっちなのに...。)
悠「それで、どこも痛くない?看護師さん達呼んでくるから、ちょっと待ってて。」
未「あ、はい。」
そう言って悠斗は看護師を呼びに行った。
響「...かっこよかったなぁ。」
未「...そうだね。」
響「それで、あの時の変身みたいなの覚えてる?」
未「うん、あの人とステージの人たちが鎧みたいなのを着てノイズと戦ってたよね。」
響「公式で発表されてないってことは、きっと秘密にしなきゃいけないことなんじゃないかな?」
未「確かに、そんな情報誰も知らないみたいだし、一回本人に聞いてから他の人には内緒にしよう。」
響「うん。」
そうして看護師によるメディカルチェックなどを終えて、今二人は悠斗と面会している。
悠「あの時は本当にごめんなさい。俺たちの不手際で君たちに大怪我をさせちゃって。」
その謝罪は怪我をした響たちが申し訳なくなるほどだった。
響「いえいえ!私たちがさっさと逃げればよかっただけなんですから!」
未「そうですよ、悪いのは邪魔をした私たちなんですから。」
悠「でも、女の子の身体に傷をつけるなんて...。」
響「気にしてないですって!」
未「生きてるだけラッキーでしたし。」
悠「...本当にごめん。」
響・未来(さすがにもう謝らないで!)
悠「お詫びと言っては何だけど、治療費とか全部こっちが持つから。」
響・未来『ええっ!?』
未「い、良いんですか!?」
悠「この事件でけがをしたのが君たち二人しかいなんだ。これくらいさせてほしい。」
響「そんな、良いんでしょうか?」
悠「この話は数時間前にご家族ともさせてもらってて、なんとかよろしくお願いしますって言ってもらったから、全然気にしなくていいよ。」
響・未来『嘘ッ!?』
悠斗と弦十郎、そしてフィンフディーヴァと緒川が立花家と小日向家に、既に話をつけてきた後だった。しかも響と未来が目を覚ます約30分前に。
悠斗がひたすらに土下座をし続けて、両家族は困惑し続けたが、響の父親の洸が『生きていてくれれば、帰ってきてくれれば私たちはそれでいいんです。」と言った。だが悠斗は治療費や学校の復帰までの勉強関連の相談などを自分たちでやらせてほしいと頼んだ。流石に両家族もそこまでしてもらおうとは思ってなかったので断ろうと思ったのだが、悠斗の『これぐらいはさせてください。』という無言の圧のようなものを感じたのか、しぶしぶ承諾した。
響「そ、そこまでしてもらえるなんて...。」
悠「ちなみに勉強は俺とフィンフディーヴァの五人が毎日交代で教えに来るから、勉強は嫌かもしれないが頑張ってくれ。」
響・未来『ええっ、フィンフディーヴァ!?』
本日三度目の衝撃である。
未来「皆さんに教えてもらえるんですか!?なんて贅沢な!」
響「お釣りが沢山帰ってきちゃったよ!」
悠「喜んでもらえてよかったよ。」
未「何から何まで、ありがとうございます!」
悠「いやいや、こっちが迷惑かけたんだし、このくらいはさせてよ。あと、俺からの個人的なお詫びになるんだけど、これ。」
そして悠斗は、響に『ガングニール』、未来に『神獣鏡』のギアペンダントをお守り代わりとして渡す。
悠「お守り代わりに持ってて、あとこのペンダントを渡したってことはご家族には言って良いけど、他の人や特にフィンフディーヴァには言っちゃだめだよ。個人的な詫びの品とはいえやりすぎて皆に怒られたくないし。」
これは嘘である。二課の人間は知っているが、フィンフディーヴァには二人を装者にすることを伝えていないからだ。
響(綺麗...こんな綺麗なものもらっちゃっていいのかな?)
未(こんなことまでされちゃったら、ときめきが止まらないよぉ!)
もう二人は悠斗に心を奪われていた。
悠「あ、そういえば名乗ってなかったね。特異災害対策機動部二課所属の葛城悠斗です。一応18歳だよ。」
響「高校生!?もっと大人かと思いました!」
未「私も、しっかりした方だからもっと二十代かなって。」
悠「そんなことはないよ。で、昨日見た俺たちの姿は、一応国家機密だから誓約書とか書いてもらうんだけど良いかな?」
響・未来『こ、国家機密...!?』
悠「ノイズに対抗できる唯一の手段だからね。あの鎧の名前はシンフォギア。」
響「シンフォギア...。」
悠「体に特定の数値をもつ人の歌声で起動する鎧、ノイズに触っても炭化しないように歌声による特殊なバリアが張ってあるんだ。」
未「それを使えば、ノイズを倒せるんですか?」
悠「そう、シンフォギアを使う人のことを装者っていうんだけど、今存在するシンフォギア装者があの時全員そろってたんだ。フィンフディーヴァと俺。」
響「すごい!シンフォギアで何の罪もない人たちを死なせることなく守れるんですね!」
悠「選ばれた人間だけだけどね。さっき言った特定の数値って言うのは個人の歌の力によって出てくるエネルギー『フォニックゲイン』の数値なんだ。そしてそのフォニックゲインの数値が生まれつき高かった人間が第一種適合者って言われるんだ。俺と翼とセレナとクリス。そしてLiNKERっていうフォニックゲインを高める薬を使って人力でフォニックゲインを上げたのが第二種適合者。奏とマリアがそうだな。」
響「いつか私も、皆さんのお力になれたらいいな...。」
悠「まだ中学生だし、それはさすがにさせられないよ...。」
響「そ、そうですよね...。」
悠「それに、LiNKERの投与って激痛が伴うんだからおすすめしないよ。もし通常でフォニックゲインが高かったら起動できるかもしれないけどね。」
未「シンフォギアを使わなくても、皆さんの助けになれるようなこととか...。」
悠「オペレーターは藤尭さんと友里さんいるしなぁ...俺たちが戦いから戻ってきたときに迎えてほしいな。日常を感じられるようにって。」
響「それぐらいでいいなら、全然大丈夫ですよ!」
未「いつか私たちがシンフォギアを使えるようになるまでは、ですかね?」
悠「そうか...二人とも、やる気なんだね?」
響「皆さんだけに大変な思いをさせたくないし、私たちが頑張れば誰かの命を助けられるんなら、へいき、へっちゃらです!」
未「助けてくれたお礼ってわけではなくて、私たちの意思でシンフォギアを使って戦いますよ。」
悠「二人とも...じゃあ高校に入るときぐらいに相談してね。あとシンフォギアがあったとしても自分の筋力とかも必要になるから、筋トレとか大事になるんだ。」
響「じゃあリハビリとか終わったらトレーニング頑張ろう未来!」
未「うん、陸上部だしメニューくらいは考えるよ。」
悠「もっときついかも。参考までに今度俺の練習メニューを持ってくるよ。」
未「陸上部よりきつい...必死についていかなきゃかも...。」
響「でも、助けられっぱなしは嫌だよ!」
悠「とりあえず、今はシンフォギアを使わせることはできない。その代わり将来の夢とか相談事とかいくらでも言って。出来るだけ力になるから。」
響・未来(この人優しすぎ...♡)
そして...
~ある日・病室~
奏「よっ、初めましてだな。」
響「あっ、ほ、本物の天羽奏さん!」
未「初めまして!」
奏「いやぁごめんな、色々こっちが迷惑かけちゃってさ。」
響「いえいえ!こうやって勉強まで面倒を見てもらえるなんて感謝しかないですよ!」
未「役得ばっかりですし、文句何てあるわけないじゃないですか。」
奏「そう言ってもらえると助かるよ、あの後悠斗先輩はガチでこの世の終わりみたいな顔でうつむいてたし。」
響「そ、そんなに...。」
奏「だから二人が目を覚ました時の嬉しそうな顔と言ったら、本当にいい笑顔でな。」
未(私たちが起きただけで喜んでもらえるって、本当に嬉しいことだなぁ。なんていうか、悠斗さんに何でもしてあげたくなっちゃう気持ちが出てきちゃったかも。)
奏「で、あたしは国語が得意だし、分からないとこあったらいくらでも聞いてくれ。」
響「ありがとうございます!」
~翌日~
ク「お邪魔しまーす。」
未「あ、雪音クリスさんだ!」
響「本物だぁ!」
ク「そんな芸能人を見る目で見られても...。」
未「いや芸能人だから!」
ク「今回は災難だったね、とりあえずあたしは理科得意だし、理科系の勉強なら何でも大丈夫だよ。」
響「ありがとうございます!」
ク「といってもあたしは二人の一個上だし、そんな堅苦しくしなくてもいいよ。」
未「そんなに年が近いんだ...もっと年上かと思ってた。」
ク「翼先輩にそれ言ったらキレられるかもなぁ...。」
響「えっ...年齢の話はしないようにしよう。」
ク「まぁ、悪い人じゃないし。あたしの学校の一個上の先輩だから面倒見てもらってるから仲はいい方だし。」
響「てことは、翼さんは二個上なのかぁ。皆さん大人の余裕みたいなのを感じますよね。」
ク「ほ、本当?嬉しいなぁ。」
~さらに翌日~
マ「お邪魔するわね。」
響「わぁ、本物のマリアさんだぁ!近くで見た方が綺麗だよね、未来!」
未「うん、肌がすごく白くて綺麗だね。」
マ「あ、そ、そう?最近の中学生はお世辞が上手なのね。」
響・未来『お世辞じゃありません!』
マ「え!?」
純粋な誉め言葉になれていないマリアは一瞬で顔が真っ赤になってしまった。
マ「ま、まあいいわ///私は英語が得意よ。苦手な部分とかあったら言ってちょうだい。」
響「はい、ありがとうございます!」
マ(元気で純粋な子達ね。あんな真っすぐに綺麗だなんて///)
~また翌日~
セ「失礼しますね。」
響「わぁ、本物のセレナさんだよ!昨日来てくれたマリアさんと同じくらい綺麗だよ!」
未「そうだね、目元とかキラキラしてるのがマリアさんと似てて綺麗だよね。」
セ「え!?そ、そんな、姉さんと同じくらいなんてぇ///」
せ(嬉しいです!姉さんのように綺麗な人になりたいと思っていたのですが、私もそれくらい綺麗だなんて、そんなこと言ってくれるなんて、この子達はほめ過ぎですよぉ!)
せ「あ、こほん。セレナ・カデンツァヴナ・イヴです。数学関連の勉強なら大丈夫ですよ。遠慮なく相談してください。あと世間話なんかも大丈夫ですよ。」
~そしてまた翌日~
翼「お邪魔するわ。」
響「ほ、本物の翼さんだよ、未来!」
未「う、うん!そうだね、実物は大和撫子みたいに綺麗だね!」
翼「え!?そ、そうかしら?」
翼(この子達は初対面の私を純粋に褒めてくれた、しかも私がいつか言われてみたい『大和撫子』って言ってくれた...私は大和撫子みたいなのかしら///)
翼「えっと、風鳴翼よ。宜しくね。私は歴史科目なら何でも聞いてちょうだい。特に日本史ならどれでも大丈夫よ。」
響「すごーい!フィンフディーヴァの皆さんそれぞれ得意科目が違うんですね!それをお互いに補い合ってる感じなんですかね?」
翼「そうね、得意な部分が違う人が集まれば、いろんな視点から物事を進められる。それも一種の助け合いね。」
未「素敵ですね、いろんな人と力を合わせて困難を乗り越える感じ。」
翼「ええ、私以外のメンバーもとても頼りになるのよ。いつも支えられることが多いわ。でも私も皆の力になりたいって思うことが多々あるから。」
響「きっと翼さんも、他の皆さんの力になれてますよ!私も翼さんの歌に元気づけられた時があるんですから!」
翼「そ、そうなの?」
未「私もですよ、翼さんの力強い歌声に勇気をもらったり、しっとりとした歌だと私も泣けてきちゃったり。」
翼「...こうしてファンの人の言葉をもらえるのは嬉しいわね、ありがとう。今後ともご贔屓に、ね。」
響・未来『はいっ!』
こうして響と未来は、五人の歌姫と悠斗に支えられて、無事に学校に復帰することが出来た。しかし、彼女たちと悠斗たちの交流は復学してからも続いたので、装者の話題にもたまに二人のことが出ることがあったりなかったり。
翼さんはやっぱり日本史が得意なイメージがあります。イヴ姉妹は賢そうなのでこんな感じです。クリスも根は真面目なので全般得意なイメージ。奏は微妙ですね。そして翼さんとファンなひびみくの会話もありました。
さあ、次回から1期を飛ばしてG編に入ります。ただし1期のような部分も所々に?
おそらく土曜日ごろに書けると思います。感想、誤字脱字報告お待ちしております!
それではまた次回、読了ありがとうございました。