戦姫絶唱シンフォギア ~最善を生み出すその男は~ 作:青海 翠果
さて今回はプロローグということで、主人公『葛城悠斗』君が、どのようにしてシンフォギアを使うのかという感じです。
それでは、プロローグ1スタート!
#プロローグ1 この奇跡は始まり
~帰り道~
「はあ...ついてねぇなぁ...。」
買い物からの帰り道、今日起きたいろんなことを振り返っていたこの少年の名は『葛城 悠斗(かつらぎ ゆうと)』。彼は夏休みが終わり、新学期スタートということで張り切って学校に向かったのだが、相変わらず友達も出来ずに一人で過ごし、階段からこけて落ちそうになった同級生の少女を受け止めただけなのに「身体を触っていた。」と周りから誤解を受けてしまう(もちろん助けた女性は悠斗を弁護し、誤解は解けた)。そして母も父も出かけていて家にいないということを校門を出てから思い出し、切れた食材を買いに行くために商店街に走り、こうして食材をゲットしたところだった。しかし色々と不幸なことが続く中お目当ての食材が売り切れていなかったことは彼にとってまさに不幸中の幸いだった。
悠「とりあえず、さっさと家に入って...ん?何だあの石?」
自宅の前で悠斗が見つけたのは赤い縦長の石が付いたペンダント。
悠「落とし物か?綺麗だから間違えて踏まれて割れるといけないし、一度持っといて明日交番に届けるか。」
そういって悠斗は石を掴み、自宅に入る。
~悠斗の部屋~
悠「ふう、さてそろそろ寝るか...にしても綺麗な石だな。なんであんなところに落ちてたんだ?まあいいや...。」
そういって悠斗は寝た。彼の机の上で仄かに石が輝いたことに気づかずに...。
~翌日・放課後~
悠斗は学校にあのペンダントを持ってきていた(ちゃんとカバンに隠して。)。そして校門を出たところでもう一度持っているかを確認する。
悠「よし、あるな。ん?なんで光ってんだ!?」
手に持った瞬間ペンダントが光を放ち、そして目の前には...
一般人A「うわぁぁぁ、ノイズだぁぁぁぁ!!!」
一般人B「きゃあああああ!!!!」
悠「え、ノイズ!?」
認定特別災害『ノイズ』。人類の天敵であるその存在は、突如として彼らの目の前に現れた。
悠「な、なんでここにノイズが!?」
そしてペンダントはまだ光を放つ。
悠「何が起こってんだ!?」
そう言いながら逃げようとするが、近くで女性が転んで足をくじいていた。
女性「いやぁ、いやっ!?」
悠「!?危なっ!?」
その瞬間、悠斗の意識は途切れる。
~???~
悠「ん?...ここどこだ?」
そして目覚めると、一面真っ白な空間にいた。
悠「ど、どうなってんだ!?」
?「ようこそ、精神世界へ。」
悠「うわぁ!?な、なんだ!?」
?「おっと失礼、驚かせてしまいましたね。私はこの世界とは別に存在する世界の神です。」
悠「別の世界の...神?」
神「はい。そしてあなたは死んだわけではありません。」
悠「え、そうなのか?...確かに精神世界っていってたしな。」
神「理解が早くて助かります。そしてあなたが持っている赤いペンダント、あれは元々貴方にあげるものなんです。」
悠「え!?アンタが俺に!?」
神「はい、あれはシンフォギアというノイズに対抗できる力なんです。」
悠「シンフォギア...?ノイズに対抗できる!?」
神「シンフォギアというのはこの世界であと約数年後に出来るものなのですが、使えるのが女性だけなんです。しかしあなたに渡したシンフォギアは貴方しか使えません。」
悠「そ、そうなんだ!じゃあ今は俺しか戦えないってことか。」
神「はい。シンフォギアという力ではありますが、いろんな種類があります。貴方に渡したのは『レーヴァテイン』というシンフォギアです。」
悠「レーヴァテイン?それって北欧神話の神殺しの剣の名前...。」
神「おお、その通りです。性質は違いますが、そのレーヴァテインから名前を取っていますよ。」
悠「なるほどな、で?そのレーヴァテインの使い方を教えてくれ。」
神「レーヴァテインを持つと、心の中に歌の歌詞が浮かびます。それを自分の思うままに歌うと、レーヴァテインはあなたを包む鎧となります。そして、自分が使う武器をイメージして強く念じることで『アームドギア』という武器を展開することが出来ます。」
悠「なるほど。」
神「そしてシンフォギアを使うことでノイズに触っても炭化しません。」
悠「そ、そうなのか!?」
神「はい、しかしこの力はまだこの世界では生まれてすらいません。なので出来るだけ正体がバレないようにしてください。」
悠「そうか、未だ対抗手段のないノイズに勝てる力なわけだもんな。」
神「はい、そろそろ戻ってもいいんじゃないでしょうか?」
悠「わかった、心の歌を歌うんだよな?」
神「はい、ずっと心の歌を信じ続ければ、貴方は負けることはないでしょう。」
悠「分かった。じゃあ行ってくる!」
神「貴方の作る未来に幸あらんことを...。」
~現実~
悠(心の歌を聞くんだ、そして歌うんだ!)
【Zogern Sie Nicht leyvatain tron】
その歌をつぶやくと、ペンダントからカラフルな機械たちが展開されて、悠斗の身体を包んでいく。そして悠斗の身体に定着し、虹色の鎧になる。
♪「醒剣・レーヴァテイン」
悠「危なぁぁぁい!!!」
拳を握り締め、今にも女性に触れそうなノイズを殴る。
悠「オラァ!!」
炭化しない悠斗、消失するノイズ、呆然とする女性。
悠「大丈夫ですか?」
女性「は、はい...。」
悠「ここは危ない、早くシェルターの方へ!」
女性「は、はい!!」
しかし女性は危険な所を守ってくれた悠斗を信じて、彼の言うとおりにシェルターへと向かった。
悠「さて、他に人はいないな。じゃあさっき言ってたアームドギアを出してみるか!」
そして悠斗は心に巨大な剣をイメージする。すると...
悠「おお!本当に出た!大剣!」
そして大剣をできるだけ自分なりの無駄を省いた動きで振る。
悠「くっ、初めての戦闘ってのもあるし、体作りとかしてこなかったしなっ!!」
そう言いつつも、確実にノイズを倒している。
悠「こいつで、最後!!!」
そして最後の一体を切り裂くと、安心して腰を落とす。
悠「はぁ...だいぶ疲れたな...。こりゃ体力作り頑張らなきゃな...。」
そう言って、どうすれば解除できるのか聞き忘れたと思い、困惑する。
神『普段の服装を思い浮かべるのです。』
悠「お、おう。ナイスタイミング。」
そういって制服を思い浮かべ、元に戻る。
しかし数分後、突如現れた黒塗りの車が彼の前で止まり、中から大柄でYシャツを着崩した男性と黒いスーツを着た男性が現れる。
悠「え、え!?」
弦「驚かせて済まない、俺は『風鳴弦十郎』という。特異災害対策機動部二課というところで司令官をしている。
緒「特異災害対策機動部二課所属の『緒川慎次』と申します。すみませんが、先ほどあなたはノイズを攻撃して、消失させていましたね?それも貴方自身は炭化せずに。」
悠「え!?なんで!?」
弦「町の監視カメラに写っているぞ。」
悠「あ、そ、そんな...。」
弦「今回が初めてか?」
悠「あ、はい...偶然に偶然が重なりまくって...いや、偶然ではない...?とにかく、戦うのは初めてです。」
弦「そうか、とりあえず怪しまれるといけない。この後私たちのもとについてきてもらうが、良いだろうか?」
悠「...どうせ色々バレてんですよね。わかりました、宜しくお願いします。」
弦「助かる、それとこの後予定などはないだろうか?」
悠「大丈夫です、もともとこれを警察に届けようか迷ってたところですけど、俺しか使えないらしいですし。」
悠斗以外『!?』
弦「それは誰の情報だ!?」
悠「...信じてもらえますか?」
弦「?」
悠(神様!いっていい!?)
神『その者達なら信用に値しますね、ただし櫻井了子、そしてフィーネという者には言ってはいけませんよ。あとはあなたが信用できないものには伝えないことですね。』
悠(わかった。)
悠「これはこの世界とは別の世界の神様がくれたんです。その神様がこれを使う前にシンフォギアって名前とか、アームドギアって武器の出し方とか、いろんなことを教えてくれたんです。」
弦「!!シンフォギア、そう言ったのか!?」
悠「はい、今さっきも会話しました。」
弦「そ、そうなのか...。」
悠「あと、このことは櫻井了子って人とフィーネって人には言うなって。あとは俺が信用できる人間には言っていいって。」
弦「了子君のことを知っているのか!?...それにこのことを言うなとは、どういうことなのか...。」
悠「その人はどういう方なんですか?」
弦「我々二課の研究者だ。」
悠「へぇ、てことは神様は何を危惧してんだろう?しかもシンフォギアを皆さんも知ってるってことは、これがどういう物かわかるんですか?」
弦「そうだな、そのためにも付いてきてくれ。」
悠「はい、あと絶対に内緒ですよ!?バレたらきっと色々面倒なことになるとしか思えなくて...。」
弦「分かった、了子君をだますのは心苦しいが、それで面倒ごとが増えるのも厄介だしな。なんとかごまかしてみよう」
悠「ありがとうございます。」
こうして、ありえなかった最善の物語が動き出す。
この作品はほとんどだれも死なないことを目標にしています。ただし風鳴訃堂は許せないクズなので問答無用で死んでもらいます。何らかの形で絶対に死にます。
ですがセレナや奏だけでなく、クリス・奏のご家族、ナスターシャ博士も絶対に死なせません。フィーネも了子さんもウェル博士もキャロルもオートスコアラーも、パヴァリアの方々も死なせません。シェム・ハさんは更生させます。唯一救えないのがエンキさんですね、それが悲しい。
そして神獣鏡が強奪されないということは...?タグの通り早い段階で未来も戦います。ご期待ください!
それではまた次回、読了ありがとうございました。