いずれ人は死に絶え、輪廻の輪に従いまた生を授かり、また死にを繰り返す。
「俺がその輪から外される。地獄行きなら分かるがそれも違うと言うのはどういう事だ?神さん」
俺は目の前の声が出る玉に問うた
「いやー、一昔前に生き物の死ぬ量ものすごく多くなった時期があってですね。輪廻の輪の片側だけが重くなりそうでして…今は大丈夫だけどこれ以上この世界て転生させると死者の世界と生者の世界がグルンッ!て狂っちゃうんです」
この神さらっと恐ろしいこと言ったぞ
「まあそんなわけで、あなたには別の世界に転生してもらいたいわけなんですが」
「…それって魂の数が足りなくなったりしないのか?」
「1人くらい誤差」
それでいいのか神さん
「そうかい…それじゃああとはあんたらに任せるよ」
「分かりました」
生まれ変わるという事は記憶、経験、自分を失うということだ。それが変わらないなら別にいい、力だけを持って何も守れなかった出来損ないの自分などどうでも良い
ここで消えれるなら本望だ。
三日三晩では片付けられないくらい戦った。斬り合った。左腕もいつの間にかどこかに無くし、己も亡くした。
意思は蒸発し、魂の無い剣では精神で負けた。体では勝っても、己が乗ってない剣では、勝負に勝っても精神が負けて削り取られる
『もう来るな、お前らでは俺には勝てない。ただひたすら人を斬るこっちの身にもなってくれ』
それでも彼らは向かってくる。身体能力、技術で圧倒的に劣ってると言うのに
戦っている理由も忘れた。人を斬る理由もどこかに忘れてきた
首を斬った。苦しまないために斬った。
人を斬っていくうちに分かってきた。人の綻び、最も弱い所、それをなぞれば人は活動を停止する
人の死に触れるにつれてそれはよりハッキリと見えるようになった
人を斬っているうちに戦いは終わった。目を覆いたくなるような惨状だった。
人を斬って何が生まれた?ただ惨たらしく斬り合っただけじゃないか
弟が死んだ。頭を割られて即死だったらしい。
姉が死んだ。汚された後に殺されたらしい
母が死んだ。火で炙られたらしい。
父が死んだ。母と共に火で炙られたらしい。
守れなかった。安全だと思っていた場所は安全ではなかった
一晩で家族は俺以外死んだ。
家族を殺した奴らを同じ目に合わせても心が満たされる事は無かった
復讐などで心は救われなかった
そうなることを分かっていたはずなのに復讐を選んだ。
そこからは俺と同じように家族を殺され、復讐をしに来た人間達が来た。全員斬り殺した。
それは何回も繰り替えされて、何回繰り返されたかなんて数える事もいつの間にかやめていた
どこか懐かしいと感じる夢を見た。内容が記憶に残ってないのが惜しいところ
次回 生まれ変わり