新生怪獣王戦いの歴史   作:surugana

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お久しぶりです。大規模戦闘シーンは難しく時間が掛かってしまいました。
やっとジュニア君の活躍シーンが描けました。
ゴジラの強さとそれに負けない人類兵器の強さ、バランスとって描くのがとても難しい……




第6話

99年。

特生自衛隊は次世代の対特殊生命体用兵器を開発するMFS計画を発動する。

目標はメカゴジラ同様のゴジラ型戦闘マシーンの建造で、当初は機体のメインフレームに96年に死亡した先代ゴジラの骨を利用することが予定されていた。

今現在、かつてのゴジラの骨はつくばのG対策センターに封印されていたからだ。

 

だが、G対策センターや国連生命科学研究所のスタッフたちが、計画に対し非常に強く難色を示した。

ゴジラは同族に危害を加える存在に強い怒りを示す習性をもつため、骨を人類が利用するとなれば、それは今ある程度安定した関係にある現代のゴジラとの間に再び決定的な亀裂を作りかねないと言う事であった。

 

ゴジラとの完全な敵対は何としても避けたいのは当然であり、自衛隊はその意見を汲んで方針を転換。

保管されているゴジラの全身骨を様々な非破壊検査で徹底的に分析し、その構成を再現した堅牢なメインフレームを新たに作り上げ、ゴジラのDNA配列を参考にしたDNAコンピューターで制御する機動兵器へと設計を変更したのだった。

 

 

日本海溝を探査中の日本の深海艇わだつみが、鹿島灘沖にて強力な磁力線を放出する謎の岩塊を発見。

内閣府内閣官房安全保障室直属組織CCIは調査の為に船団を派遣した。

 

推定7千万年前からそこに存在し続けているとされる岩塊は、探査艇が照射した探照灯の光に反応して急浮上。

内部の熱エネルギーと磁力線の放出が強まった事からCCIは岩塊を怪獣、あるいは外宇宙から太古に飛来した異星人ではないかと判断。

オブザーバーの少女たちのデータベースにも照合されなかったこともあり、特生自衛隊に出動を要請。

海岸線に車両部隊が展開し、潜水艦部隊と護衛艦隊も岩塊を包囲するように海上に集結。上空には今回が初出動となる轟天号の姿もあった。

 

 

潜水艇は岩塊の浮上を阻止するために重りを巻き付けるなどの作業を行っていたが、既に僅かな海面からの太陽光でも十分にエネルギー転換が出来るほどに浮上していた岩塊は、一気に水面を突破し空中へ飛翔。

 

警戒する各部隊を尻目に、唐突に進路を西に向け加速。

包囲網をすり抜けた岩塊はそのままG対策センター本部上空へと飛来し、半透明の触手の様なものを生やしてセンター周囲の回線からネットワークへの侵入を図った。

設備の一部がダウンして運用不可能になる中、G対策センターとGフォース指令室のディスプレイには意味不明な文字の羅列が高速で並び、やがてそれは明確な言語となった。

 

 

我々はミレニアン。個を超え全となった支配者である。我々は今再び王の戴に舞い戻り、千年王国の建国を宣言する。

 

 

Gフォースはこれを異星人、ミレニアンからの宣戦布告であると断定。

本部及び中国、アメリカ支部のスーパーコンピュータを併用してハッキングへのカウンターを開始。

ネットワークの完全掌握と言う最悪の事態は防がれるが、出現した怪獣のデータ等機密情報のいくつかを取得されてしまう。

 

 

 

Gフォースからの協力要請を受けた自衛隊は、直ちに轟天号と海上待機中の護衛艦群に攻撃命令を発令。

 

轟天号からは月岡一尉と小林一尉が率いるXF-1部隊が出撃し、ミサイルとメーサーが雨霰の様に岩塊へと殺到した。

着弾した攻撃は岩塊を次々と破壊し、その内側からは銀色の流線形で出来たミレニアンの母船が出現する。

 

母船は船体周囲をフォースフィールドと呼ばれる力場で包み込んでおり、ミサイルやメーサービームは命中するも本体にダメージは確認されず、更にそのフォースフィールドを外側に向け放射することでXF-1部隊を吹き飛ばし撃墜寸前に追い込む。

轟天号は立花特将の指示でXF-1を援護しつつ母船前方に展開し、攻撃を一点に集中しフィールドを突破する作戦に出る。

 

 

小型低出力な航空機搭載仕様とは比べ物にならない高出力メーサーと、ヴァンガード一族から齎された陽子制御技術を応用したプロトンミサイルは、フィールド上からでもなお母船を大きく揺るがし、危険と判断したのか母船はハッキングを停止し、北に向け逃げ始めた。

 

 

轟天号はGフォースの追撃許可を即座に受信し、その後を追う。

直線上にはベーリング海のアドノア島が存在していた。

 

 

ほぼ同時刻、アドノア島近海の海底からも、鹿島灘と同様の岩塊が浮上。

空中で振動して堆積した表面の岩を振るい落とすと、二隻目のミレニアンの母船となってアドノア島上空へ飛来。

 

日本の同胞からの情報を得て再起動した2隻目は、アドノア島中央上空で静止すると、つくばのGフォース基地同様に国連研究施設へとハッキングを開始。

様子を見るために現れたゴジラの胴体に量子流体状の触手を突き刺すと同時に、船体から赤い霧の様なものを放出し始める。

 

 

篠田博士を始めとした国連スタッフの分析によって、母船は人体に有害なレベルで金属粒子を散布し、同時にジュニアのゴジラ細胞を吸収して解析していることが判明。

 

Gフォース基地へのハッキングしたことや、ゴジラ細胞を求めていることから、篠田博士は彼らは肉体を取り戻すために、ゴジラ細胞内部に存在する自己再生能力遺伝子『オルガナイザーG1』を求め、そして自分たちに最適な住環境に地球の大気組成を作り替えようとしていると推測する。

 

 

攻撃を受けて母船を敵と認識したゴジラは熱線を発射して母船を迎撃。

母船はフォースフィールドを展開して防ごうとするも、一瞬抵抗は出来たがそのままに貫通され船体後部に被弾。

防御が不可能だと判断した母船はそのまま空中でゴジラの攻撃を回避しつつ収束させた波動攻撃を行い、一進一退の攻防が始まった。

 

 

国連スタッフを巻き込まないようにゴジラは苦慮しながら戦っていたが、そこにエリアG警護の為に周辺基地からスクランブル発進した米ロの両空軍機が飛来。

ゴジラを援護し母船に攻撃を仕掛けゴジラから引き離す。

 

 

体勢を立て直したゴジラは熱線を連射するが、高い機動性を持つ母船は掠りこそするもなかなか直撃出来ず、迂闊に連射すれば周囲の森を燃やし火災を発生させてしまう。

直接狙撃が無理と判断したゴジラは敢えて熱線の発射を辞め、体内でエネルギーチャージをしながら母船の前で仁王立ちした。

攻撃をやめたと判断した母船は熱線攻撃と戦闘機のミサイル攻撃をかわすために高速でジグザグに機動しながらゴジラに接近、再び量子流体触手を伸ばしゴジラを突き刺そうとした。

 

その時

 

ゴジラはおもむろに体を反転させ、同時に体内でチャージした熱線のエネルギーを背鰭を通じて尻尾の先端部分へと収束させた。

 

熱線の青白いエネルギースパークを纏い、音速で振るわれた尻尾の攻撃、『放射熱閃』は鋭いブレードの様に母船を直撃、その船体を両断する。

 

 

爆発しながらゴジラの目の前に割けて墜落する母船。

ゴジラは勝利の雄たけびを上げながらも油断せずじりじりと母船へと接近する。

すると、両断された母船の残骸から銀色の量子流体がまるで液体のようにあふれ出し、驚くゴジラの目の前で一つの形を作り出していった。

 

半透明で細長い4本の足と2本爪の両腕、昆虫を思わせる頭部と青白く透けて見える量子流体の肉体。それこそがミレニアンの正体だった。

 

 

ミレニアンは立ち上がると同時にその姿に異変が現れた。

半透明だった体表はゴツゴツとした岩肌の様になり、地面につくほどの長い両腕は巨大なかぎ爪を持ち、いびつに膨れ上がった胸部からは前方に向けて直角に首が伸び、その先端には悪魔や怪物を思わせる頭部がある。

 

 

宇宙怪獣『オルガ』

ミレニアンがオルガナイザーG1を吸収しつつも完全に制御しきれず、肉体が怪獣化。否ゴジラ化してしまったのだ。

 

醜悪なその姿に戦慄する篠田博士たち。

だが篠田博士の娘でクラッキングされたコンピュータを介してミレニアンの意識とリンクしてしまった篠田博士の娘篠田イオは、ミレニアン達はかつての肉体すら超越した姿になれたことに悦びを感じていると恐怖する。

 

 

ゴジラに匹敵する怪獣となったオルガは、背部の孔から超能力を収束させた波動を放射しゴジラを攻撃。

歪な外見に似合わない素早さを持つオルガは超能力でその脚力を強化してゴジラを翻弄。

 

背後からの波動攻撃や巨大なかぎ爪の攻撃はゴジラにダメージを与えるが、母船との戦い同様にゴジラはオルガの攻撃の瞬間に合わせて尾を振るいカウンター攻撃を仕掛け、オルガを大きく吹き飛ばすことに成功する。

 

 

地面にたたきつけられたオルガに熱線を撃ち込みながら殺到するゴジラ。

だがそこにつくばで復活したもう一隻のミレニアンの母船が現れ、オルガを援護する。

 

母船からの波動攻撃でゴジラが怯んだ隙に立ち上がり、母船と連携して波動攻撃を仕掛けるオルガ。

ゴジラを援護するために戦闘機部隊が母船に攻撃を仕掛けるが、オルガとの連携反撃で複数機が撃墜される。

 

そこに母船を追跡してきた轟天号が到着。

残存していた航空機部隊は轟天号艦載のXF-1部隊と合流して再び母船へと攻撃を仕掛ける。

展開される人類とゴジラ、オルガとミレニアンの共同戦闘。

 

 

轟天号の攻撃の隙を突いた母船はオルガと戦闘中のゴジラを攻撃。

怯んだゴジラにオルガはかみつき、再びオルガナイザーG1を吸収していく。

オルガの顔はよりゴジラに近い形に変貌し、背びれが巨大化。

機能性のなかった両腕のかぎ爪は大きさは変わらず、より指らしい形へと変化していく。

新たに右肩にも波動放射口が生み出されたオルガは、両肩から強力な波動放射を行ってゴジラを攻撃、最大出力の波動放射を受けてゴジラは吹き飛ばされてしまう。

 

 

前半身が口から大きく裂け、そのままゴジラを飲み込もうとするオルガ。

ゴジラの窮地を察した立花特将は航空機部隊にオルガへの集中攻撃を指示。

自身は轟天号に母船への突撃を命令する。

母船周囲のエネルギーフィールドの出力が、波動攻撃を行う瞬間に弱まる事を立花特将は見抜いていたのだ。

 

 

轟天号に相対し波動エネルギーをチャージする母船。

そして発射するタイミングに合わせ、轟天号は母船の波動発射孔に向けプラズマメーサーとプロトンミサイルを2発発射。

弱まったフォースフィールドをメーサーが貫通し、できた穴から侵入したプロトンミサイルが発射孔を直撃!

 

チャージされていた波動エネルギーもバーストしたことで母船の半分が大爆発を引き起こす。

 

トドメを刺すべく立花特将は轟天号の機関を最大に、艦首回転衝角の起動を命令。

エネルギーを纏って唸るドリルは身動きすらできなくなったミレニアンの母船に直撃し、粉々に粉砕した。

 

 

最後の母船が破壊されたことを感知し、戦闘機部隊の一斉攻撃を受けたオルガは一瞬怯み、それを見逃さなかったゴジラはあえて大きく開かれたオルガの口中へ突入。

両腕で口の両端を掴んでオルガが身動きを取れなくすると、体内でずっとチャージしていた熱線のエネルギーを、スパイラル放射熱線と体内放射、その両方として一気に開放する。

 

身動きすらできなくなっていたオルガにその攻撃を回避することはできず、上半身を中心に粉々に大爆発を引き起こす。

残された両足と両腕の一部も、細胞から崩壊して黒い粉末となってその姿は完全に消滅した。

 

オルガの完全消滅を見届けたゴジラは、周囲を飛び回る轟天号と戦闘機部隊を労う様に咆哮し、見守っていた篠田博士らを一瞥した後、島の奥へと歩んでいく。

 

立花特将はそれを敬礼で見守り、轟天号を日本へと向けるのだった。

 

 

 

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