新生怪獣王戦いの歴史   作:surugana

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お久しぶりです、今回から新しいエピソードがスタートします!
果たしてちゃんと書ききれるのか不安ですが全力で頑張ります!
そろそろモスラとか出したいのですがそれをやるにはどうしてもこっちを先にやらないといけないジレンマも…



第26話

NASAが地球への落下軌道に乗る複数の隕石群を発見したのは、落下予想日時の僅か二日前。

 

地球への衝突の懸念がある近傍天体は、一定以上の大きさであれば本来は最低でも地球への最接近一週間前頃までにはその大体を捕捉する事が出来る。

Gフォースの宇宙レーダーが各国の監視網、木星、火星、月の開拓団のレーダーネットワークと連携して常に太陽系の全領域に目を光らせているためだ。

 

 

だが数週間前に地球に飛来した大規模太陽風と、昨年末欧州に出現したドゴラにより磁力帯に混乱が起きたことで、衛星軌道上の天体観察衛星ネットワーク本来のスペックが発揮できず制度が格段に低下してしまっていた。

 

幸運にも解析の結果、隕石その物の大きさや質量は決して大きい物ではない事。

落下軌道も太平洋上から北海道南西部にかけて、人的被害の懸念が少ない場所と言う計算結果がはじき出されている。

そして少なくとも、データ上では人工物=外宇宙からの侵略者の可能性が低い、と言う事も。

パニックを懸念した各国は流星群と一般市民に発表することを決定した。

 

 

 

隕石落下当日。隕石は計算で算出された軌道そのままに、北マリアナ諸島上空から地球の大気圏に突入。

断熱圧縮の影響で隕石は三つの破片に分裂し、茨城県の沖合約345kmの地点、岩手県三陸海岸沖合約90kmの地点にそれぞれ落下。

最後に最も巨大な本体核は、北海道白老町付近で流星群を観察しようとしていた札幌青少年科学館の観望会ツアーの子供達の真上を通り越し、支笏湖北西1km、千歳市奥潭付近に落下。

陸自は真駒内から化学防護小隊を出動させ、特自もヘリにて生物災害対応班を派遣した。

だが季節は年明け直後の真冬、折しも北海道南部は大雪が降り注いでおり、陸路空路共に現地入りにすら時間がかかり、本格的な調査は夜が明けてからと言う事となった。

 

 

翌朝、雲一つない快晴の直下。先発した自衛隊員が落着跡で作業を進めている所に一機のグリフォンが着陸。

CCIから派遣された宮坂四郎博士、特自内の特殊生物研究セクションGグラスパー所属の山口剛博士、二人の護衛役として小早川時彦三等殊佐の三名と、埼玉の大宮化学学校から科学的・生物学的汚染に対するスペシャリストとして、渡良瀬佑介二等陸佐と部下の花谷保三尉がそれぞれ派遣された。

化防小隊指揮官笹井小隊長と合流した各々は笹井から奇妙な事を知らされる。

化学的、生物学的な汚染は確認できず、また特殊生物と思われる異常な生命体も発見されていない。

 

だが、予想された落下軌道に比べて着弾したと思わしき箇所に若干のずれがあった事。

ヘリによる上空からの3Dスキャニングによるクレーター形状と、更に周辺の森林の燃焼具合から、着地寸前に一方方向に急激な高熱を帯びた気流の噴出があったことが判明。

まるで落下の勢いを和らげるために制動が掛かったようだと言う。

勿論何かしらの偶然が積み重なれば発生しうる現象ではあるが、すでに地球は異星生命による侵略を数回受けている。

また何かしらの存在が地球に潜入した可能性があるとして四郎はGグラスパー及び特自にスタッフの増員派遣を要請した。

 

 

同日の夜、支笏湖上空に緑色のオーロラが発生、隕石の落下によって磁力線のひずみが発生したと思われ、その奇妙な光の下で探索作業を続けていた祐介達は、夜の雪の中で立ち往生した車と、乗車していた札幌青少年科学館の職員穂波碧、同所長野尻明雄を救助する。

二人は発生したオーロラを調べるために札幌からやってきたのだ。

隕石の正体が気になると言う碧に祐介は宇宙から飛来した隕石は何かしらの特殊生物が関係しているかもしれないと言う推察を話し、碧、昭雄ともに今後何かあった場合調査への協力を約束。

どこか穏やかな雰囲気が場に漂う中、ふと祐介がタバコを吸うためにライターの火をつけると、彼の顔に匹敵する巨大な炎がライターから噴き出すという異常事態が発生、場が凍り付いた。

 

 

隕石落下から3日目の深夜、キリンビールの北海道千歳工場でビール用を始めとした数百ダースのビール瓶が消失。

更に千歳市、恵庭市、北広島市、札幌市の南部各地で電話通信、インターネット通信用光ファイバーケーブルが損失すると言う事件が発生。

 

NTT職員帯津満と懇意にしていた碧は祐介達との邂逅から、損失が恵庭岳近辺から時間に沿って北上しつつ発生していることを見抜き、翌日ビール工場の事件調査に出向いていた祐介達にもそのデータを示し、何かが札幌の中心部に向かって移動していることを告げる。

 

自分達の見えないどこかで、悪意を持った何かがうごめいていることは間違いない。

祐介達は隕石から出現した特殊生物による被害であると断定し、自衛隊、警察と共同して必死にその「犯人」を捜査探し出すべく奔走した。

だが、事態は既に彼の想定を超える規模にまで膨れ上がっていたのである。

 

 

 

隕石落下から5日経過した早朝の札幌。92年のギドラ事件の際にゴジラによって倒壊させられ、復興の中で復活を果たしたさっぽろテレビ塔に見下ろされる市営地下鉄南北線大通駅から、警察に緊急入電が入る。

 

真駒内駅行始発電車の車掌から奇妙な生物により運転手が殺害され、乗客にも被害が出ていると言う連絡が入ったと言う。

 

 

これを特殊生物災害と断定、北海道知事の承認を受け道警所属のSUMP、イプシロンチームとオミクロンチームが出動し、祐介達自衛隊も一報を受け札幌に急行する。

 

先着したSUMPの2チームは、地下鉄大通駅とすすきの駅の2か所から構内に突入を敢行。

大火力のロケットランチャーや火炎放射器は狭い地下鉄の構内では誘爆、誤爆の危険性、更に要救助者に被害を与える可能性がある事から持ち込みは禁止された。

後にこれは別の意味で隊員達の命を守る事となる。

 

 

構内に降りたSUMP隊は地下鉄車両を発見。救助の為に接近を試みたところ、突如地上との通信が途切れ、構内の四方八方から甲殻類、或いは昆虫を思わせる謎の生物が出現しSUMP隊員に襲い掛かる。

対特殊生命体戦を想定しているSUMPは奇襲に驚きながらも懸命に反撃。

幸運にも生物はライフル弾が効力を発揮し、隊員たちは傷付き無尽蔵に現れる生物に苦戦しながらもじりじりと車両に向かって距離を縮めつつあった。

そこに祐介達自衛隊化学班も、特自の緊急要請を受けたグリフォン2機で大通公園に緊急着陸。

フル武装の上で地下鉄に突入しSUMP隊に合流、戦局を打破し一気に車両内に雪崩れ込んだ。

 

 

そこは地獄だった。

血の海、数時間前まで生きていた人間の一部だった物が散乱する、百戦錬磨の彼等すら目を背け吐き気を催す地獄のような光景が車両内に広がる。

だがわずかながらの生存者を確認できる。一人でも生きているのならば絶対に助ける。

そう決意した祐介はSUMP、自衛隊の全隊員を地下鉄車両に乗り込ませ、無理やり運転席のドアを突破すると地下鉄を再起動させ強引に発進。

押し寄せる生物群を蹴散らしながら大通駅まで何とか運転すると待機していた後詰の自衛隊員と共に生存者、負傷者を懸命に外に向かって運び出す。

笹井も、保も、時彦も血まみれだった。

 

 

ついに生存者を連れて駅から脱出したその時、凄まじい地鳴りと共に、すすきの駅に隣接しているロビンソン百貨店札幌店が激しく振動し、窓ガラスが、壁面が砕け散り地面へと降り注ぐ。

 

 

唖然とする祐介達の目の前、ビルの屋上を突き破って、何かの『つぼみ』がその姿を現していた。




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