新生怪獣王戦いの歴史   作:surugana

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当シリーズ30話に到達いたしました、これも皆さんの応援あってこそです!
改めて感謝申し上げます!本当にありがとうございます!

そして連続投稿が途切れてしまいましたが、実はコロナになってしまいまして先日までぶっ倒れていた有様でございました…遅れてしまい申し訳ありません。
後遺症こそありませんがまあしんどかった…

さて今回はレギオン決戦の準備回。原作とは違うストーリーの流れになっていますが、こう言う浪花節な展開はガメラとは似合わない?かもしれませんが、果たして皆さまどういう感想言抱かれますでしょうか?


第30話

ゴジラとガメラの敗北。

その事実は日本のみならず世界中に衝撃を与えた。

人類に味方する数少ない、そして最大戦力である彼等二体でもレギオンに太刀打ちできないとなれば、人類の滅亡がにわかに現実味を帯びてくる。

 

動揺が人心に広がる中、それでもそれに懸命に対処しようと奮戦する人々もまた存在する。

 

 

G対策センターの会議室、祐介は強い口調でレギオンのせん滅を口にする。

東北有数の仙台市を通り過ぎた以上、レギオンは間違いなく東京を目指すだろう。

地中に姿を消したレギオンの姿を一刻も早く見つけ出し、首都圏到達前に撃滅しなければいけない。

 

G対策センターではすでに満と協力して、小型レギオン=通称ソルジャーレギオンの行動パターンに対して、一定の法則性を見つけ出していた。

 

 

千歳市のビール工場の電源規格、札幌地下鉄の変電施設、ガメラの頭部から離れたソルジャーレギオンが密集した商店街の発電機。

そしてパチンコ店のイルミネーション。

これらの電磁波は複数のフィルターを用いて処理することで、共通の波長パターンを見つけ出すことができた。

 

碧や四郎曰く、これはハチやアリが外敵が出現した際に分泌させ、群の攻撃性を向上させるフェロモンと同じ働きをすると推察された。

レギオンにとってこの波長を発生させる存在こそが最大限の攻撃対象なのだ。

 

 

少なくともこれを使えばソルジャータイプのレギオンは誘導できる。

そしてもう一つ、Gフォース側から提案があった。

 

 

レギオンの軍団そのものを、つくばのGフォース基地に向け誘導することで、東京への進出を阻止あるいは遅延させようという作戦だった。

 

 

現在未だレギオンの居場所は不明だが、推定して南東北から北関東内の山岳地地下を掘り進んでいると思われ、電磁波探知機と対怪獣用に開発された地下震度測定器を用いた探索が進んでいる。

 

 

これでレギオンの位置を割り出し、Gフォース基地の消費電力を補っている3つのレーザー核融合炉の運転を全開に。

発生させた電磁波を宝篋山と筑波山にある電波送信所から指向性を持たせて放出、大型も含めたレギオンを転身させようと言うものだ。

 

 

敵を反抗の要たるGフォースの総本山に引き寄せる作戦内容は、非常に危険で反対意見も多かったが、これは麻生指令、兵頭副指令からもたらされた作戦でもあった。

 

 

自分たちの目の前を素通りして、首都に敵が侵攻する様を手をこまねいて見ている事だけは絶対にできない。

スーパーXⅢの修復は棚上げ、ゴジラとガメラが敗北しガメラは戦闘不能と状況は最悪と言っていい。

ならば僅かでも勝利の可能性をあげられるならば、実施可能な手段は全て切るべきだ。

 

 

まず、現在Gフォース地下ドッグで開発中の新型対怪獣長兵器SMG-2ndは、ドッグ船に移送され、日立港沖合300kmにあるG対策センター所有のメガフロート基地、『トワイライト1』へ移送。

職員も全員を八王子市に建設された、国連G対策センター南関東支局と、八王子にある特生自衛隊八王子戦術研究センターに避難させ、同時に基地機能も移転。

関東平野の北端にあたるつくば市の平原部でレギオンを待ち受け、そして最悪の場合は本部地下の核融合炉を自爆、本部諸共にレギオンに大ダメージを与える。

まさに背水の陣だ。

 

ここで一つGフォース内で悶着が起こる、基地の自爆システムは扱えるセキュリティレベルの問題から、麻生司令と兵頭副司令の二人にしか発動させることはできない。

それは万が一レギオンが基地に到達した場合、二人は基地とともに消滅することを意味する。

当然功二や清志を始め佐々木総隊長からも反対意見が噴出したが、今年それぞれGフォースへの出向と任期が切れる自分たちだからこそしなければならない任務であると、二人はこれを固持。

後ろ髪を引かれる思いで、職員たちは基地機能移転の作業を開始するのだった。

 

 

G対策センターの外郭組織である国連生命開発研究所も避難・移転作業が進められており、最後までそれを見守った明日香は、同じく職員を退避させた一人の運転する車に乗って一路八王子を目指した。

 

怪獣との戦いというよりも、これはまるで戦争だ。

一人の言葉がやけに脳内で反芻される明日香だった。

 

 

やがて、福島県檜山間上空でレギオンを捜索していた陸自ヘリが巨大な電波源を探知。

グリフォンの震度計、衛星の熱源探査も合致し、レギオンであると断定された。

 

即座にG対策センター内の核融合炉の運転が全開状態となり、世界各地のGフォース基地とスーパーコンピューター同士の電波通信が増大、その中で生じた電波をレギオンがいるだろう方面に向け指向する。

 

しばしの時間の後、まっすぐに南西に向けて地下を進んでいたレギオンの動きが止まり、南に向きを変え、つくば市に転身。

南進し始めた。

 

レギオンの誘導が成功した!

 

すぐさま自衛隊はレギオン迎撃のため、地上部隊をレギオンが出現すると見做された常陸太田市、国見山の麓へと集結させる。

展開される戦車部隊の中には、正式採用されて以来初の実戦投入となった0式自走電磁砲の姿もあった。

配備されたメーサー車は全て超低温レーザー仕様に回路が切り換えられている。

ゴジラの熱線すら反射するレギオンの電磁バリアを貫通しての攻撃は無効であると考えられ、冷凍レーザーによる凍結を狙ったものだ。

 

 

那珂川を第一次防衛ライン。

黒沼川を第二次防衛ライン。

そして霞ケ浦を最終防衛ラインとし、主力部隊を支援する野砲部隊、対空高射部隊もそれぞれの防衛線に配備。

上空には轟天号、航空機部隊。

村松海岸沖には対艦ミサイルを備えた護衛艦隊。

投入可能なあらゆる精鋭部隊が茨城の地に集結する、特に自分たちの本部の司令官たちの命がかかっているGフォース隊員の士気は高い。

 

 

人員の避難が完了し、麻生と兵頭、二人しかいないGフォース指令室。

機械音とモニター音だけが鳴り響く、今までにないほど静かなこの場所で、二人は静かにコーヒーを飲んでいた。

コーヒーは兵頭が淹れたもの、インスタント以外を飲むのは何年ぶりだろうかと二人は苦笑する。

93年にG対策センターとGフォースが発足して以来、二人にとって人生とは怪獣との戦いそのものだった。

ゴジラを、あらゆる怪獣を討伐し人類に平和を齎す事こそ自分たちの使命であると。

だが時代は移り変わり、Gフォースの、人類と怪獣とゴジラの在り方も変化しつつある。

戦うことしか出来ない、頑迷な自分たちではこれからの時代には取り残されてしまうだろう。

かつての麻生ならば浮かべなかっただろう柔らかい笑みが浮かんでいる。

結局貴方を追い落とせなかったと大げさに嘆く兵頭の顔にも笑顔があった。

 

託すべき未来は若者たちに託された、自分たちはただ消え去るのみ。

ただその前に最後の大仕事が一つ残っている、それだけなのだから。

 

 

 

 

前線指揮所に赴いた祐介たちと別れた碧は、浅黄とみどりを連れて羽田空港に向かっていた。

 

目的地は仙台、炭化したガメラの元に二人を連れて行かなければいけないのだ。

浅黄もみどりも、口をそろえて言う。

 

 

 

ガメラは生きている。

 

ガメラはレギオンを許さない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

暗く静かな海の底。

傷を癒し、パワーをチャージするためにゴジラはじっと身をかがめていた。

瞑った目の奥で繰り返されるのは、焼き尽くされた戦友の変わり果てた姿。

自分の弱さがまた誰かを傷つけてしまった。

悔しさと苛立ちが溢れそうになるのを、歯を食いしばって身の内に封じ込める。

あの白い外訪者だけは絶対に倒す。

呼吸のたびに背びれに青白いスパークを帯電させながら、その時をただ待つのであった。




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