新生怪獣王戦いの歴史   作:surugana

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お久しぶりです、今回かなり難産だったのですが、何とか話が区切りの良いところまで纏まったので投稿させていただきます。
対レギオン最終決戦、ゴジラ参戦です。

原作見直して思ったのですが、赤雪山麓よりマザー出現からウルティメイトプラズマまでがかなり速いテンポで行われていたので、ここにゴジラ達が参戦するまでの区切り作るの難しくないか…?とうんうん唸っていたらこんなに間が開いてしまいました。

レギオン編もいよいよ佳境。お楽しみいただければ幸いです。


第32話

冬の張り詰めた空気が流れる仙台市街地。

レギオンと草体の脅威は去ったが、未だにJR仙台駅を中心とした半径1km圏内は立ち入りが禁止されている。

草体の空中起爆で放射された熱線が空から降り注ぎ、高熱を浴びた一部のビルの鉄筋の強度が下がり、崩壊の危険があるからだ。

の強度が下がり、崩壊の危険があるからだ。

 

仙台市から見て西側にある青葉山。伊達政宗縁の仙台城跡地に避難キャンプが構築され、碧に連れられた浅黄とみどりはそこからガメラを見下ろしていた。

自衛隊やボランティアが炊き出しを行っているテントから熱いお茶を貰い、二人に配る碧。

白く熱を持った吐息が夜空に溶けていく。

自衛隊が設置したサーチライトに照らされる、炭化したガメラ。

祐介曰く、生命活動は完全に停止しているらしい。

それでも、浅黄達は胸の前で強く勾玉を握って目を反らさなかった。

ふと、碧が周りを見渡す。自分たち以外にもガメラを見つめる幾つもの視線があった。

子供達だ。何人もの子供達が祈るような表情のままにガメラを見つめていた。

その瞳に、絶望の二文字は一切浮かんでいない。

 

 

 

Gフォース部隊は那珂川後方まで後退しつつも必死に抵抗を行っていた。

 

マザーレギオンをかく乱させ、反撃による損失を最小限にとどめるため部隊を分散させて包囲網を敷く。

 

周囲の最前線にいるのは無人戦車部隊。無人車両間の通信を復活させ、意図的にマザーレギオンがターゲットとする周波数の電波を車両間で飛び交わせる事で、マザーレギオンが無人車両部隊を全滅させるまで時間を稼ぐ目論見だ。

 

戦車部隊を追いかけながら進むマザーレギオン。

途中、那珂川の中央に差し掛かったあたりで後方の野砲部隊がマザーレギオンを、否マザーレギオン周囲の川底に向けて複数発の砲弾を発射する。

それはメーサー戦車が冷凍攻撃を行う際に、ミサイルランチャーに装てんさせる瞬間冷凍弾頭を戦車向けの砲弾として改良したものだ。

水面に着弾すると同時に、弾頭内部の特殊薬剤が化学反応を起こし、一瞬でレギオン周囲の那珂川を凍結させる。

数百tもの氷の中に閉ざされるマザーレギオン。自身のパワーを使えば氷を粉砕する事も容易だが、その一瞬の時間こそGフォースが求めていたものだ。

川底に接地されていた、数十基のブラストボムが一斉に起爆する!

 

 

見守っていたメーサー戦車の砲塔すら揺れる凄まじい地響き。レギオンの動きを鈍らせた上で、歩行に用いる脚部にダメージを与える作戦だった。

高層ビルすら一瞬で瓦礫に変える破壊力がレギオンの脚部に集中する、濛々と立ちこめる煙から現れたマザーレギオンには傷一つついていない、が。

 

偵察衛星からの動画解析によれば、先ほどよりも僅かな差ではあるが進軍速度にズレが生じている。

分厚い氷の壁の内側でブラストボムの爆風を受けたことで、本体真下の歩行に使用している付属肢が幾つかダメージを受けたようだ。

 

 

傷を与えられるならば、決して倒せぬ無敵の存在等ではない。

ソルジャーレギオンの群れをせん滅した轟天号旗下の航空隊も合流し、第一次防衛線の残存戦力と第二次防衛線の部隊の再編制も済んでいる。

立ち向かう戦士たちの戦意は折れていなかった。

 

 

 

午後18:48 マザーレギオン 第一防衛線 突破

 

 

 

 

マザーレギオンへの攻撃を継続するため、大洗港沖に向け移動中の護衛艦が、北東方面より高速で接近する大型の飛行物体を捕捉する。

雲間を切り裂いて現れ、月明かりに青く照り返す銀色の身体。

ホワイトラドンだ。ゴジラの声を脳波で受取り、アドノア島から飛来したと思われる。

 

 

それと同時に、護衛艦隊が目指す大洗港のやや南側、大貫町の海岸線に海を割ってゴジラが姿を現す。

二体が目指す先は水戸市内北部、マザーレギオンへのリベンジマッチだ。

戦友であるガメラの仇討ち、戦意は高く、ゴジラは時折背鰭に青白いスパークが迸っている。

 

 

ゴジラ、ラドン出現さる。一報を受けた司令部は速やかに前線に展開中の部隊に指示を出し、展開する陣形の再編を行った。

北関東自動車道沿いに分散・集結し、ゴジラの戦場到着までの時間を稼ぐ持久戦だ。

前線を構築する無人戦車部隊の数が減ったことで、遠方の海域からの長距離誘導ミサイル攻撃の命中制度も目に見えて低下し始めている。

 

 

陣形を変え始めたGフォースに対し、マザーレギオンの身体に変化が起こった。

水晶の様に青い複眼が紫色に変色し、更に象牙色の全身の一部が黒く変化する。

天に向かって狂ったように吠えたマザーレギオンは、地面に向かってスラッシュアキュートを深々と突き刺す。

 

 

地下に逃げるのか?黒木たちが警戒する中、マザーレギオンの全身からスパークが定期的に迸る。

だがマザーレギオンは爆弾や砲弾が降り注ぐ中もアキュートを地面に突き刺したまま動くことはない。

不気味な静寂の末に、それは起こった。

 

 

地響きと同時にあちこちのマンホールが上空に吹き飛び、そこから凄まじい蒸気が噴き出してくる。

車両が動けない程の地震が強くなったと思うと、地面が裂け、さらに大量の蒸気と爆風が吹き上がると同時に広範囲の地面が陥没。

メーサー車を中心とした陸上部隊を泥の様に溶けた地面に巻き込み、埋めてしまった。

埋没せずに済んだ車両は何とか陥没地帯から抜け出そうとするものの、そこにマザーレギオンが発射した最大出力のマイクロ波シェルが襲い掛かる。

 

遠方地から見えるほどの火柱が上がり、陥没に巻き込まれて行動不能となった車両と合わせて第一次・第二次防衛線の合同部隊の三割が消失する被害となった。

 

何が起こったかわからずに司令部の面々は愕然としていたが、衛星が取得した各種データから、祐介と保はマザーレギオンがなにを行ったのかをすでに見破っている。

 

 

マザーレギオンは地面深くにスラッシュアキュートを突き刺すと、地下に向かってマイクロウェーブを放出したのだ。

超高出力のマイクロウェーブは水戸市内の上下水道、地中に溜まっていた水分、地下水脈を流れている地下水を瞬時に沸騰蒸発させて水素を発生させ、そこに圧縮酸素を注入。

水素と結合し超大量の酸水素爆鳴気が発生。それが一気に水蒸気爆発を起こしたというわけだ。

更に、涸沼川の堆積で出来た土地であったことも災いし、液状化現象も併発してしてしまい、陸上車両は身動きが取れなくなったところで更に深さ4mもの陥没した大地に叩き落され、容赦なくマイクロ波シェルの洗礼を受けてしまった。

 

四郎も複眼や体色の変化がレギオンの怒りを表していると推測する。

感情の高ぶりによって動物が肉体の一部の色を変化させる事、或いは一定の環境下において肉体が変化する現象を相変異と言い、マザーレギオンの変化は明確に人類に対し怒りを示している事に他ならない。

 

 

陣形が崩れ、懸命に崩壊した地面を乗り越えて後退する車両部隊になおも執拗に攻撃を行うマザーレギオン。

後退の援護を行う為、マザーレギオンに決死の突入を仕掛ける轟天号と航空部隊。

ミサイルとビームの雨がマザーに降り注ぐ中、再びマザーレギオンはソルジャーレギオンとオフィサーレギオンの群れを生みだし、航空隊と轟天号に向けて飛び立たせる。

 

 

群との正面衝突を避けるため、小林隊長の指示を受け航空隊は編隊を広げるが、それよりも更に広い範囲にソルジャーレギオンの編隊が広がっていく。

自分達を通り過ぎ、轟天号を包み込むように広がるソルジャーの群れに困惑を隠せない航空隊パイロット達。

 

だがそこに、『自らの子供達であるはずのオフィサー、ソルジャーレギオン達に向けてマイクロ波シェルをマザーレギオンが撃ちこんだ』事で、マザーの目論見にやっと気づくことになる。

 

電磁パルスを伴った大爆発が茨城の空を明るくする。

マイクロ波シェルの直撃を受けたソルジャーとオフィサーは体内に大量の圧縮酸素をため込んでおり、酸素が急激に熱されたためにプラズマ化、マイクロ波シェルのダメージを更に強化すると同時に周囲に向けて電磁波のバーストを発生させたのだ。

 

ブリッジのパネルから火花が飛び、椅子から吹き飛ばされたクルーが壁に叩きつけられる程の振動と衝撃に襲われる轟天号。

艦下部の重力制御クラスターユニットにもダメージが入り、推力が35%低下、船体の六割にダメージが発生し各セクションからの被害報告がひっきりなしに入って来る。

 

衝撃に巻き込まれた航空隊も、対電波バースト対策が不十分な空自、Gフォース機は操縦システムがダウンし制御不能に。次々とパイロットたちがパラシュートで脱出する。

XF-1部隊も辛うじて空中での爆発は免れるが、2機程が低空で爆圧を受けたことで地表に叩きつけられ飛行不能となってしまう。

 

 

勝利の為に子供すら平然と犠牲にする戦術、司令部の面々は怖気立った。

人ならば憤って当然だが、社会性の生物としては当然の事でもあった。

システムとして生態が形成されたレギオンにとって、あくまで自分達の種を保存する事が最優先なのである。

 

 

 

艦体のあちこちから煙を上げ高度が下がっていく轟天号。重力制御システムの出力低下が原因だ。

ブリッジで立花艦長が睨み付ける先、スラッシュアキュートを開きマイクロ波シェルの発射体勢に入るマザーレギオン。

轟天号に止めを刺すつもりだ。

青白くスパークを興す両角の先、だがその瞬間マザーレギオンの背部を深蒼の熱線が焼く。

 

攻撃態勢を解除し、振り向いたマザーの目の前を何かが通り過ぎた。

ホワイトラドンだ。旋回したホワイトラドンを敵と認定し、マイクロ波シェルを浴びせるマザーレギオン。

挑発するように嘶きながらホワイトラドンはそれを鋭角的に回避すると、マザーレギオンをけん制しつつ高度を上げる。

 

忌々しく睨むマザーレギオンに、背後から聞き覚えのある鳴き声が聞こえてきた。

青白のスパークを纏った背鰭。

碧がかった山脈の様な黒い体。

鮮やかな色彩の瞳に灯る怒りの炎。

 

ホワイトラドンに続いて、ゴジラも戦場に現れた。

二頭の瞳に浮かぶ、戦友の命を奪った相手への怒り。地球の生態系と人々を脅かす者への怒り。

もう絶対にお前には負けない、そんな決意と共に、2大怪獣は外宇宙の侵略者と対峙するのだった。

 

 

 




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