新生怪獣王戦いの歴史   作:surugana

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レギオン戦もいよいよ佳境、人類、ゴジラ、ガメラの反撃なるか?


第34話

涸沼川、第二次防衛ラインとして設定された河川を越えて、ゴジラとガメラが大きく吹き飛ばされる。

マザーレギオンに向かい、進行を阻止するべく組みついては、その剛力に弾き飛ばされ大地に叩きつけられていた。

ホワイトラドンが懸命に上空から援護を行おうとするも、オフィサーレギオンに率いられたソルジャーの軍団が襲いかかり、それの対応に時間をとられてしまう。

ゴジラとガメラのパワーだけでは、片方がレギオンの背後に回ろうとした場合振り切られてしまうのだ。

 

一方で、ダメージが徐々に蓄積しつつあるマザーレギオンも、積極的な攻撃にでれないでいる。

仙台の時の様にサイズレッグによる攻撃を行えば、電磁障壁の外側に大脚が出てそこを攻撃されかねない。

ソルジャー、オフィサーの生成も、人類とゴジラ達の波状攻撃の前に生成が追い付かなくなってきていた。

 

 

少しずつ、攻守が逆転し始めている。

 

 

 

戦いの最中、最初にそれに感づいたのはマザーだった。

膠着した戦況を打破するため、マザーは後頭部を発光させて、各戦線に放ったオフィサーを経由して総てのソルジャーを結集させようとしたのだ。

急反転しゴジラとガメラに向かい一直線に向かうソルジャーの群れ。

 

Gフォース側もソルジャー軍団の挙動は捕捉出来ていたが、既に各地に設置されていた仮説電磁誘導装置の殆どが、ソルジャーの群れにとりつかれ許容限界を迎えて自爆してしまっていた。

ソルジャーを誘導し、ガメラ達から引き離す手段はもう無い…そう思われた時だ。

 

ゴジラ達の面前にまで迫ったソルジャーの群れが急に西に向けて転身、マザーの驚きを他所に遥か彼方に飛び去ってしまった。

 

同時に、戦闘司令部に通信が入る。保の提案で、茨城県三和町にある旧名崎送信所を復活させ、ソルジャー誘因を行ったと満と時彦からの報告だった。

ゴジラの勝率を少しでも上げるためにも、送信所にて奮闘している仲間達を助けるためにも、一刻も争っては要られない。

祐介は即座にソルジャー撃滅を提案し、坂東陸将、黒木も許可を出した。祐介の誘導を受けながら、攻撃ヘリとメーサー攻撃機の部隊が名崎に向かう。

 

戦いの場は水戸から下り、小山町内、霞ヶ浦の北側平野部に移っていた。

最後の頼みと言ってよかったソルジャーの援護が受けられなくなったマザーの動きは、明らかに精細を欠いている。

力任せに残った左のスレッジアームを振り回し、二体の怪獣を蹴散らそうとするも、左右に別れたガメラとゴジラはその攻撃をかわしながら、肉弾戦で確実にダメージを与え、背後からはソルジャー達の相手をする合間合間にホワイトの熱線攻撃が加えられていく。

 

その隙を付いて、マザーを包囲するようにMPM部隊がビルや建築物の合間に展開を完了していた。

3体の怪獣に気を取られている間に、マザーの切り札たる電磁防御を突破する作戦だ。

付かず離れずの距離を維持する轟天号のブリッジ前にも、ブースターユニットを追加装着したジャガーが滞空し、地上部隊轟天号が連携を取れるようにレーザーフラッグを用いて手旗信号で攻撃タイミングを計っている。

 

攻撃を受けて吹き飛ぶガメラ、すかさずレギオンはスレッジアームを伸ばしてゴジラの首を締め付ける。

首の骨が軋み、呼吸が止まり泡を吹き悶えるゴジラ、だがその瞬間こそ最大の好機だ!

 

ゴジラの背鰭が明滅し、喉から昇ってきた光のエネルギーが再び体内に戻っていく。瞬間、ゴジラを中心に球状に空間が揺れた。

 

体内放射、ゴジラ起死回生の一撃は、空間を伝搬した衝撃波こそディストーションクローの干渉波障壁に防がれる。

だがスレッジアームを経由し、マザーの体内に注ぎ込まれたエネルギーまでは防げない。外殻が絶縁性を持っていたことが災いし、スレッジアームの内側を熱線のエネルギーが暴れ狂い、ついには内側から大爆発を引き起こした。

 

マザーの前腕が左右両方ともに粉砕された瞬間だった。

 

悲鳴を上げて仰け反るマザー。おそらくは最後の好機、逃すものはいなかった。

MPM隊が一斉にブースターユニットを点火し飛翔。マザーの周囲を取り囲み、4連装超音速ミサイルランチャーを発射した。

攻撃を察知したマザーは干渉波による防御を試みる。だが放たれたミサイルは有線誘導方式。決死の覚悟を持ったジャガードライバー達の作戦勝ちだった。

第一派ミサイルの誘導を妨害したのもつかの間、続けてより重武装なレオーネ部隊のミサイルがディストーションクローに向かって殺到する。

これにはマザーも攻撃を捌ききれず、頭部を囲む10本のディストーションクローのうち5本が粉砕、更にホワイトラドンが背部に続けて渾身のボルカニック熱線を叩き込み、とうとう全てのコクーンスポットが破壊された。

もうマザーにオフィサーレギオンを産み出すことは出来ない。

 

状況を打開しなければ!

 

高周波シェルで周囲の敵を一掃する!

 

スラッシュアキュートを展開してエネルギーチャージを敢行するマザーだったが、そこに体勢を立て直したガメラが迫る。

プラズマエネルギーを纏った両の豪腕は紅く明滅し、スラッシュアキュートをへし折ろうとしていた。

 

そうはさせじと右のサイスレッグを前方に向け、振り下ろそうとするマザー。

レギオン種は骨格を持たず、間接の稼働限界と言うものが地球上の生物と比べても非常に広い。

だが無論限界が無いわけではなく、部位を稼働させれば内部に充填されている圧縮酸素が更に圧縮され、外皮部分が張り詰めることになる。

 

立花艦長はその瞬間をこそ待っていた。

砲撃指示、目標、マザーレギオン右側後脚。最後に残った轟天号のレール砲が発射される。

金色の電撃を纏った特殊合金製弾頭は、見事にサイズレッグの間接稼働部位を貫いた!

吹き出す圧縮酸素によってあらぬ方向に風船のように暴れ散らかすサイズレッグは、やがて自らの酸素の勢いで千切れ、地面へと落下した。

 

自らの邪魔をする障害全てが解消されたガメラは遂にマザーへとたどり着き、プラズマエネルギーを込めた両湾でスラッシュアキュートを強く強く掴む。

アキュートを振り回し、何とガメラを振りほどこうとするマザー、だが高熱に皮膚が焼かれてもガメラはその手を放さない!

渾身の力が腕に注がれ、遂にマザーの両角が引きちぎれた!

 

今までに無い苦痛のこもった悲鳴を上げるマザー。

更にはチャージ途中だった高周波シェルのエネルギーも逆流し、前身が連鎖的に爆発する。

ソルジャーを産むエッグチャンバーも爆発で内側から弾け飛び、ふらふらと鑪を踏んで、遂にマザーは大地に倒れた。

 

冬の茨城、冷たい夜の風が加熱した戦場に吹きわたる。




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