新生怪獣王戦いの歴史   作:surugana

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なんとか投稿できそうだったので、もう1話だけ投稿させていただきます!
やっぱりね!平成VSの敵怪獣と言ったらこれくらいどうすりゃいいねんこいつ感を出さないとね!いけないわけだと思いましてね!


第35話

旧名崎送信所。保と時彦は、満と共に制御室にバリケードを作り、そこで必死にソルジャーの誘因を続けていた。

時折建物内に入ってくるソルジャーを相手に銃撃戦となっており、その数はソルジャー達を引き付ければ引き付ける程増えていく。

残弾も残り少ない、不安が擡げてくる中で、三人は戦いが終わった後の事を口に出し、懸命にお互いを励まし合っていた。

これが終わったら呑みに行こう、札幌に地酒の美味いいい店を知っている。提案に二人は笑顔を見せ、ふと外から響く音に耳を澄ませた。

 

銃撃音、誰かが走ってくる音、ソルジャーの悲鳴。扉が開け放たれ、そこには祐介の姿があった。

 

祐介率いる突入部隊に守られながら、送信所の外に脱出を果たした満達。

その目にカーテンアンテナ一面にとりついたソルジャーの群れが目に入る。

今にもはち切れそうなアンテナに不安がよぎるが、そこに攻撃ヘリとメーサー攻撃機の混合編隊が到着した。

祐介が信号弾を上げると同時に、それを目視したヘリ部隊が一斉にミサイルやロケット弾、メーサービームをソルジャー達に向け発射。

次々とソルジャーは爆炎の中に消え去り、レギオンの子供たちは全滅した。

 

引きちぎったスラッシュアキュートを投げ捨て、空に向かって吠えるガメラ。

隣にゆっくりとゴジラも並び、空をホワイトが旋回する。

 

3体共に疲労の極地にあった。ガメラゴジラはもとより、只管戦闘機隊や轟天号にソルジャーが寄り付かないよう常に最大戦速で空を駆け抜けていたホワイトもだ。

 

マザーは倒せたのか…轟天号の艦橋に安堵感が広がる中、解析衛星の温度分布データを見ていたクルーが叫ぶ。

マザーレギオンの体温が急上昇している!

 

 

瞳が赤く染まった、怒りと、憎悪と、殺意が思考を埋め尽くす。

種族の繁栄よりも、自身の保存よりも、拡大よりも、目の前の忌々しい下等生物の抹殺を。

マザーレギオンは立ち上がる、全てを喪ってでも、目の前の敵を倒すために。

 

複眼を赤く染め、全身に黒みがかった紫色の文様を浮かべ、マザーレギオンがゴジラとガメラの目の前で立ち上がる。

その顔の中央部、超高出力のマイクロウェーブを生成するエネルギー増幅結晶体『リアクターシェル』が分裂した。

赤熱化するほどに超振動し、赤いプラズマを纏った生体ケイ素ワイヤーによって延長させられたリアクターシェルをマザーは周囲に向かって振り回す。

一本一本が精密に動作し、マザー周囲の建造物を材質等問わぬとばかりに切断し、ゴジラ達にも打ち出される。

急上昇してホワイトは何とか回避に成功するが、マザーの復活に狼狽えてしまった2体の

怪獣は回避する間もなく、その赤いレギオンの憎悪の洗礼を受けてしまった。

 

戦車砲の直撃をものともしない皮膚を削ぎ、数百万tの衝撃を受け止める骨と肉を貫き、無敵の防御を誇ったガメラの甲羅すら切り刻む。

 

驚異的な生命力に驚いたのは司令部も同じだ、周囲に展開していたMPM部隊は即座に離脱し、入れ替わりに残存していた地上の戦闘車両がゴジラ達を援護するべく攻撃を開始する。

スラッシュアキュートが破壊され、マイクロ波シェルを収束させることが出来ないと踏んでの判断だったが、それは誤りだった。

 

確かにスラッシュアキュートを失った事で、マザーレギオンは遠距離にまで到達させられるほどのマイクロウェーブビームを収束させる能力は失った。

だが、マイクロ波その物を生成する能力は、リアクターシェルの中でまだ生きているのである。

マイクロ波シェルは頭部のリアクターシェル内でエネルギーを生成、頭頂部の頂斬角『アクセラレーターホーン』が投射方向に向けて指向性を持たせ、スラッシュアキュートが増幅と収束を行う3つのプロセスで発射される。

遠距離の頑強なガメラやゴジラと言った標的に攻撃を行うならばスラッシュアキュートによる収束は必須だが、人類の作った兵器程度であれば、収束を行う必要はない。

 

青白い稲光のようなマイクロウェーブが、マザーレギオンの頭部から周囲のGフォース、自衛隊に向かって放出される。

威力はマイクロ波シェルには遠く及ばないが、一撃浴びれば戦車程度ならば瞬時に爆散し、直撃すればホワイトが動けなくなる程度の威力は持っている。

 

幽鬼悪鬼の如きマザーレギオンを、爆光が明るく照らし出す。

一歩一歩、左側だけ遺ったサイズレッグを用い、擦るように進んでいく。

最終防衛ラインとなる桜川、土浦市とつくば市の境界は目と鼻の先だった。

 

 

Gフォース司令室、モニターでそれを見ていた麻生司令と兵頭副指令はお互いを見合い、頷き合う。

立ち上がった二人はコンソールの液晶に手の平を押し付ける、指紋と静脈情報がスキャンされ、Gフォース司令部の最高責任者である事が認識されると、中央のモニター前方に地下からせりあがってくるものがある。

譜面台を横に大きくしたようなそれには、鍵穴が2か所。

二人が制服の内ポケットから取り出したディンプル式の鍵を差し込み、まったく同じタイミングで廻す。

 

アラートが鳴り響き、赤いサイレンが司令室を照らした。緊急基地放棄シークエンスが作動した証だ。

鍵穴の前方、透明なガラスのカバーに覆われたスイッチが2つ。

これこそ、Gフォース本部地下のレーザー核融合炉を自爆させるための、麻生達2名にしか発動を許されない、本当に最後の手段の発動装置だった。




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