新生怪獣王戦いの歴史   作:surugana

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お久しぶりでございます、箸休め回…だったのですが、後半のお話が長くなったので2回に分けて投稿いたします~


第38話

02年6月。夏本番の赤道直下インファント島を藤戸拓哉と安藤健二が訪れていた。コスモスの少女達から、見せたいものがあると誘いを受けたのだ。

拓哉としてもインファント島の遺構をより入念に調べたいと思っており、インファント島のインフラ開発に自分の会社が関わっている健二も丁度住民ヒアリングとすることがあると来訪タイミングがバッティング。

2人揃って島を訪れることとなった。

 

 

現在インファント島はエリアMと呼称され、国連G対策センターによって管理、監視されている

。とは言えエリアGと呼ばれ、無許可での民間人の入出が完全に禁止されているアドノア島とは異なり、島と外部の交流はエリアM認定前とほぼ変わらず、入出島に身分確認が必須になった程度である。

島に上陸した拓哉は、すっかり常連となった港町のスーパーマーケットで購入した、インファント島特産のフィッシュフライを食べ、健二が用意していたレンタカーに乗り込む。

 

 

現在インファント島には複数の民族グループが存在し、それぞれに暮らしている。

 

一つは島内の人口比率の多数を占める大陸系入植者の子孫達で、主に漁業を中心に生計を立てている者達。

一般のインファント島民は基本的に彼らのことを指す。

 

 

もう一つは、古代インファント文明の末裔であるエリアス族。

島の中心部にある高地地帯に村落を作り、モスラと自然を崇拝しつつも一般島民達とは普通に交流し生活している。

自然との共存を重視しているが、現代的な文明を否定しているわけではなく、村の中には普通にインターネット回線や電話線が敷かれ、外の世界に出て暮らしている者も少なくない。

そんなエリアス族には、双子が産まれやすいと言う不思議な特性がある。

そして、モスラに選ばれたエリアス族の姉妹は、肉体が19cm程度に縮小、成長と老化が停止しモスラと人々の意志疎通を手助けする巫女としての役割が与えられ、コスモスと呼ばれるのだ。

 

 

島全体を見下ろす山の中腹部分にある小さな村に到着した拓哉。駐車場に車を止めていると、彼等に声をかけてくる女性が2人。

かつて自らをコスモスと名乗り、モスラと共に宇宙の果てへ旅立ち、帰還した双子の少女達だった。

だがかつてとまったく違うところがある。鮮やかな橙色の衣服はそのままに、その身体は一般的な人間と変わらぬ大きさになっていた。

 

バトラから託された使命を終え、衰えの中にいるモスラは自らの命の終焉を悟り、彼女達のコスモスとしての役割を終わらせたのである。

 

セリシャとレリ、かつてのコスモスの双子に案内され、拓哉達はエリアス族の神殿祈りの岩屋に案内される。

そこには、かつてゴジラと死闘を繰り広げた時よりも翼や体毛の艶が落ち、どことなく小さくなったように見えるモスラと、新たなモスラの命を育んでいる卵、そしてその卵の中の新たなモスラの巫女として選ばれた2人の新たなコスモスの姿が。

 

理知的な姉モルと、活発な妹のロラ。年齢差のある姉妹が選ばれることは中々珍しいことだと言う。拓哉達ともすぐさま打ち解けるが、健二は2人姉妹と言う拓哉の言葉に一瞬だけ姉妹の表情が変化した事が気になっていた。

 

 

隕石破壊の旅がモスラの体に与えたダメージは深刻なようで、コスモスの役割が交代された以上、モスラの生命は今年一年持たないだろう。それがセリシャ達の見立てだった。

悲しみがないわけではないが、命は巡り重なっていくもの。

またいずれ新たなモスラとなってこの世に現れる、とインファントの伝承に語られる価値観を受け入れ、彼女達はその時を待っていた。

 

 

翌日、新たなコスモスとモスラの卵の存在を知り、G対策センターに報告を上げるため拓哉は帰国の準備を始める一方で、健二は後数日の間インファント島に残ると言う。

インファント島に住む3種類目の民族、フツアの民と交流を図るためだ。

 

フツアの民は、エリアス族と祖を同じくする古代インファント文明の末裔である。

だが、文明の崩壊から再び発展に向けて技術と文化を成熟させる道を選んだエリアス族と違い、彼等は祖先が科学技術の発展で驕り、自然を支配しようとした果ての滅びから、意図的に文明の発展を禁じ、他種族との交流を最低限にし、今日まで生き長らえてきた。

 

健二はそんなフツアの民とも交流し、彼等の生き方から今後の環境保全のヒントを得ることと、彼等の伝承を知ることが出来れば今後古代文明由来の怪獣が出現した際、知識での手助けにならないかとも考えていた。

その為、エリアスの村の人々の手助けを受けながら何度かコミュニケーションを図ろうとコンタクトをとろうとしている。独りよがりの善意にならないように、慎重に、敬意をもって。

気の長い話になると笑う拓哉に頭を下げ、健二は来た道を戻っていくのだった。

 

 

 

 

 

 




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