新生怪獣王戦いの歴史   作:surugana

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26年一回目の更新です、大分遅れて申し訳ありませんでした。
どうにも昨年から諸々重なり安定して定期的に更新できない状態が続いてしまっております。
そんなダメダメな作品ではありますが、どうか楽しんでいただければ幸いです。
そして何より話数40の大台に乗れたのは皆さまの感想あってのことです、改めてお礼申し上げます!


第40話

02年8月、茨城県沖に建築されたGフォースのギガフロート拠点トワイライト・ワンにあるG01特殊ドッグ。

200mにも及ぶ巨大立坑を見下ろすコントロールルームには、Gフォース並びにG対策センターの高官たちが集結し、モニターを注視していた。

そこに映り出されているものこそ、Gフォースの新たなる切り札の一つ。

 

 

UX-02-01 SMG-Ⅱnd

 

かの対ゴジラ超兵器スーパーメカゴジラの後継機である。

燻した銀を思わせる、各種火器を内包したスリムな外装。

背部には無人型支援飛翔ユニット『ガルーダII』が接続され、ガルーダIIとは別に本体主翼兼メインスラスターとなる機動制御ウイングも背部に装備され、分離時の機動性低下を補い、劣悪だった原型機に比べて格段に向上させることに成功した、まさに人類の切り札だ。

 

 

旧メカゴジラクルーの一人である曽根崎淳大尉率いるMGチーム5名がパイロットクルーとして選出されておリ、有事の際には彼らが脅威に立ち向かうことになる。

 

 

 

新Gフォース司令宮田はSMG-Ⅱndを見下ろしながらため息をつく。

 

スーパーXⅢ、轟天号と立て続けに自衛隊製超兵器が戦線離脱状態に陥り日本の本土防衛機能に大きな空白が出来ていたが、これで首の皮一枚繋がったと言えるだろう。

無論、日本以外の世界各地での戦いをSMG-Ⅱndは想定しているため、油断はできないのだが。

 

そして何より、人類にとって見ても強大な力であるこの超兵器を使わずに済めば良いのだが、それが不可能であろうことも、また理解できてしまっているのだった。

 

 

 

 

02年8月中旬。

月面開発の一環で月の裏側にあるツィオルコフスキークレーターに設立されたツィオルコフスキー国際月面天文台が、地球から14万キロの空間で重力と時空の強い歪みを計測。

真空空間に裂け目が現れ、そこから光る何かが複数個地球に向けて放たれた。

 

 

未知の天体現象に世界中の天文機関、G対策センターが警戒する中、衛星無線通信の一部がハッキングを受ける。

無線通信を通じて世界各国の政府機関にメッセージが届けられた。

 

 

青き堕落を貪る下等生命に、ガロガの名において矯正を行う。

然るべき状態に速やかに移行せよ。

 

 

 

ガロガ、その名を聞いた瞬間、G対策センターの面々に激震が走った。

 

それはかつてヴァンガード一族が住んでいた惑星シャロームを滅ぼした者たちの名だ。

 

闘争と侵略による生存圏の永久拡大こそ生物のあるべき姿であり、争いのない平和な状態を惰弱と蔑む侵略戦闘種族。

彼等の侵略を受けた他文明は数知れず、ガロガにとって侵略とは生物のあるべき永久的な闘争状態へ移行させる矯正であり、その結果こそが然るべき状態なのである。

 

 

ヴァンガード族の少女達からその存在を知らされていたG対策センターでは潜在的な敵性侵略組織として存在を認知、加盟各国で共有がなされており、その懸念が的中した形になる。

 

Gフォースは発光体、高エネルギー内包飛行体をガロガの種略兵器であると認定し、世界各国は即座に迎撃準備に掛かった。

 

 

かつてのアサルトボートの時と違い、既に高エネルギー内包飛行体は月軌道内側に入り込んでおり月からの核弾頭攻撃は届かない。

そこでGフォースは衛星軌道上のある兵器を起動させる。

 

 

高層軌道対隕石迎撃用レールガン集中配備システム

(High-earth orbit anti-meteorite railgun centralized deployment system)、通称HIRADだ。

国連宇宙局がスペースディフェンス計画の一環として高軌道帯に配備した隕石破壊・軌道変更を目的としたレールガン設備で、目標が地球侵略を目的とした悪意ある存在と断定された場合、Gフォースからの要請を受けプロトン弾頭弾による迎撃発射が可能となる。

 

 

Gフォースからの要請を受けた攻撃可能範囲内にあるHIRADが速やかに起動、照準を向けレールガンが露出、発射される。

目標は10個の高エネルギー内包飛行体。

命中し、軌道変更に成功したのは4個。残る6個の高エネルギー内包飛行体は地球の大気圏に突入し、それぞれに地表に向かって突き進む。

 

 

落下予測地点は

韓国の坡州市

ロシア北方サハ共和国の首都ヤクーツク

オーストラリア中心部アリススプリングス

アメリカ南部アトランタ

アイルランド西部ゴールウェイ

そしてフィリピンセブ島だ

 

 

 

各都市では速やかに非常事態警報が発令され、住民が避難を開始。

大気圏に突入した高エネルギー内包飛行体が空を駆け抜けていく。

未だ全盛の力を取り戻すことができないでいるゴジラは、アドノア島の上空を飛び抜けていくそれを見上げ悔しさを滲ませていた。

 

 

 

高エネルギー内包飛行体は、落下地点空中に差し掛かると内側からスパークを発っし消滅。

閃光が収まると、そこには異形の存在があった。

 

 

テラービースト

ガロガによる矯正侵略行為の主力となる生物戦闘兵器。

怪獣に匹敵する巨躯とパワーを持ち、辺り一面を破壊し尽くすまで止まることのない恐れるべき獣共。

 

 

 

坡州市に出現したテラービーストは、赤い体表に触手の生えた球状の手、そして胸の巨大な砲門が特徴だ。

触手の先端がエネルギーを帯びた鞭となって周囲のビルを切り刻み、胸の砲門から放つ高密度荷電粒子ビームでビルを粉砕し周囲を焼き尽くす。

 

 

ヤクーツクに降り立ったの全身がメタリックな金属で構築されたメカニカルなテラービーストである。

超振動するナイフ状の左腕、右腕の4本の指先が光線機関砲となり、無尽蔵にレーザーを乱射。

背中の赤いタワー状のパーツからは超磁力光線を放つ。

更に全身に協力な磁力線をバリアのように纏っているのが偵察衛星からの観測で判明。

 

 

アリススプリングスの市街地を腕がなく、ドラゴンのような双頭を持つ奇怪な姿のテラービーストが進む。

伸縮自在の首を伸ばして腕のように頭部を振り回し、先端の角での打撃、口から放つ火炎光線で逃げ惑う人々を尻目に街に甚大な被害を齎している。

 

 

アトランタに出現したテラービーストは、背部にも2つ目の頭部を持ち、生物と植物が融合したかのような不気味な姿をしている。

右腕は植物のような靭やかな鞭、左腕は類人猿のようにたくましく更にそこには鎌状の刃と異なる2種類の武器になっており、前後の口からは爆発性の赤色コロイド粒子を放つ。

 

 

ゴールウェイ市を破壊しているテラービーストは、動物的な身体と昆虫を思わせる動物、鋭い両腕のハサミが特徴だ。

頭部の先端から粘性の強い反応可燃流動体を発火させながら吹き付け対象を焼却する、背中に生える節足状のアームは高層ビルを破壊するパワーがある。

 

 

セブ島を襲ったのは、機械を思わせる直線的な頭部が突起物が全身から突き出た有機的な身体に乗っているサイボーグタイプのテラービースト。

万力型の両腕は数十万tものタンカーを投げ飛ばし、頭部から直角に伸びる角の先端の球体から青白いレーザーを放ちは豊富な森林資源を焼き尽くしていく。

 

 

 

 

世界各国に同時に降り立った脅威に対して、人類もまた団結して立ち向かう。

侵略者がどれだけ強大であろうとも、怯むことは戦士たちには許されない。

G対策センターは各国特殊戦略作戦部門を統括し各地に指示を出す。

 

 

未だ轟天級等の対G超兵器の完成に至っていない韓国坡州市には、G対策センターを経由して中国に救援要請が届き火龍がテラービースト迎撃に発進。

仁川市からも半島の危機を察知したプルガサリとヤンガリーのニ体が出現、坡州を荒らすテラービーストへと向け一直線に進撃を開始した。

 

 

 

ヤクーツクにはSMPA所属の轟天級ペイルーンが、今年になって完成したロシア初の対特殊生物戦闘攻撃機Ig-1イグニッション部隊を艦載して初出撃を飾る。

 

 

 

アトランタではすでに同州軍とテラービーストの間で戦闘が発生しており、壊滅を防ぐためランブリングが急行。

内部には新型の可変戦車の姿もある。

更に北アメリカ航空宇宙防衛司令部NORADが、アトランタに向け高速で飛行する物体、ホワイトラドンの存在を検知した。

戦えないゴジラの代わりに時折アドノア島を飛び出してはギャオス狩りを行っている事は幾分前から観測されていたが、どうやら今回異星からの侵略者を感知し撃退に向かっているようだ。

 

 

ゴールウェイのテラービーストにはフランスの轟天級エクレールと、今回が初出撃となる英国の轟天級艦ティンダジェルが対抗。

ティンダジェルは新型対特殊生物戦闘機カリバーンを艦載し急行する。

 

 

アリススプリングスには、高エネルギー内包飛行体を追尾していたアースライトSY-1が大気圏に突入しそのまま追撃をかけ、オーストラリア特殊戦略作戦部隊所属の空中戦艦NSWと合流した。

 

 

そして日本のGフォース基地も動く。

宮田司令の発した出撃命令に応え、曽根崎大尉以下SMG-Ⅱndのクルーが乗り込み、マシンが機動。

最終出撃チェックを施されながらエレベーターで地上に進出した機体は、その隣に控えているさらに巨大な航空機の中に運び込まれていく。

 

UXTR-02-01 Gジャイロ

 

全長350m、翼長480mの巨大超音速輸送機

SMG-IIndを始めとした新世代の対特殊生物スーパーマシンは、怪獣の出現が頻発する現代において世界中での展開が想定されている。

日本の茨城沖から迅速に地球各地に輸送する事を目的に開発されたのがこのGジャイロである。

さらに内部には簡易的な整備設備も整えられ、移動中のメンテナンス、燃料や実弾火器の補給も行うことができる正に空飛ぶ整備基地だ。

 

機体中央を上下に貫く格納ブロックにSMG-Ⅱndが格納されると、今度はGジャイロがトワイライト・ワンの外湾に伸びる可動型マスドライバーへと接続される。

超大型機であるGジャイロを瞬時にトップスピードに乗せる為に建造された、地球全土防衛の要となる天への橋だ。

 

発進に必要な全ての情報が確認され、ゴーサインが出ると同時にGジャイロの巨体がレールの上を滑る。

最高速度マッハ4まで瞬時に加速させられた巨体は、9発の熱核ジェットエンジンを全開にして空を突き進む。

目的地は3,400km南のフィリピンセブ島、およそ1時間で到着できる。

Gフォース首脳陣の見守る中、音速を超え機械の守護神とその方舟は空の果てへと飛び立っていくのだった。

 

 

 

そしてさらに別の格納庫から、1機の巨大な航空機が姿を現す。

ダークグリーンを基調としたカラーリング、機首の左右から攻撃兵器を内蔵したユニットが伸びる三胴構造。

惑星シャロームの創星神とされた宇宙を旅する流星鳥の名を冠したアンチテラービースト戦闘機。

 

メテオファイター ゾーン

 

元々テラービーストとガロガに対抗する切り札としてシャロームにて開発が進められていたが、シャローム陥落前の完成は成らず、ヴァンガード一族の祖先達によって一部パーツと設計図が持ち出され、G対策センターへの接触後に対G兵器技術やMG-Tecを用いて開発が続けられ、今年に入ってついに完成したのである。

 

 

 

第二の故郷である地球平和を守り、シャロームの二の舞にはさせない。

硬い決意を胸に、始祖達の遺産たるゾーンのコックピットにてヴァンガード一族のリーダーとして防人キラは操縦グリップを握りしめた。

 

彼女と2人の妹、マーシアとミアもゾーンのコックピットにいた。

シャロームの遺産を完全にGフォース任せにする事は出来ないと3人でパイロットとしての鍛錬を積み、戦いに備えていたのだ。

しかし、その初陣の相手が祖先の仇たるガロガだと言うのは運命の皮肉と言わざるを得ないだろう。

因果の巡り合わせを感じるキラに、ゾーンの機長青山光大尉の指示が飛ぶ。今は前を向いて突き進むのみ。

エンジンスロットルを全開、陽子サイクロトロンジェネレーターの出力が全開となり、幻想的なエギゾーストを曳いてゾーンの巨体が空を駆ける。

 

Gジャイロを追いかけ、ゾーンもまたセブ島へと向かう。侵略者の悪意を打倒するために。




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