とある一室。そこにはカタカタと机の上に置いてあるパソコンのキーボードをいじっている人物がいた。
コンコンコン。
その部屋の扉を叩き、スーツ姿の女性が一人部屋の中に入ってきてその人物に話しかける。
「博士。会議のお時間です」
『博士』と呼ばれた人物はパソコンをいじるのをやめ、視線をパソコンの画面からその女性に合わせた。
「あれ? もうそんな時間? えーっとちょっと待ってね……」
博士はパソコンの横に置いてあるケータイの電源をいれ時間を確認する。
「うわー、また徹夜しちゃったよ。てか徹夜ってわかったら急激に眠くなってきた。ごめん、俺寝るわ」
「いけません、博士」
部屋に備え付けられていた簡易ベットで横になろうとするがスーツ姿の女性に止められる。それでも博士は寝たい、寝たいと駄々をこねる。女性はため息をはき、博士の服の襟を掴んで強制的に部屋から連れ出した。博士はその女性の手を振りほどこうとするが、彼女が異様に力が強いことを思い出し抵抗をやめおとなしくズルズルと引きずられることとなった。
「……相変わらずキミは力が強いね」
「こう見えて元『IS』操縦者ですので。そこいらの男性と力比べをしても勝つ自信があります」
『IS』。正式名称はインフィニット・ストラトス。今の世の中を女尊男卑に変えた直接の原因でもあり、世界最強の兵器でもあり、女性にしかあつかえないというおそらく今世紀最大にして最悪の発明品でもある。開発者は篠ノ之束という女性。特徴はコミュ障で頭にウサ耳をつけておりドレスのような服を着てメルヘンな発言が目立つイタイやつ。あと『天災』などと呼ばれている。
「さあ、博士。着きましたよ」
着いた場所には「会議室」と書かれていた。そして女性がドアを開けると大きな円型の机に5人ほどの人間が椅子に座って待っていた。会議室に入ってからはいきなりビシッとなった博士は空いている席に座り、空中に手をかざし何かの画面を投影した。
「それではこれより『ISの新作武器開発会議』を始めたいと思います」
そう言うと画面に武器の名前と図面、説明が出てきた。それを見るやいきなり「おおっ!」という声が上がった。そして博士直々の説明が始まった。
数十分後、説明が終わり質問も特になくその武器は作ることに決まり会議は終わりとなった。博士は会議が終わると女性と一緒に元いた部屋に戻った。
「博士は相変わらずスゴイですね。こんな武器普通は考えませんよ」
「そうかい? 少し頭をひねれば出てくると思うけどね」
この世界の科学技術は進歩している。篠ノ之束は例外としても天才とカテゴライズされる人間は表・裏問わず数多くいる。しかしその中でもこの博士は違う。
「博士。貴方はあの篠ノ之束と同じぐらいの頭脳を持っていると言われているのです。その辺はちゃんと理解してください」
「(本当はズルして今の地位にいるようなものなんだけどね)」
「聞いているんですか? 『最高』伊山慶四郎博士?」
「ああ、ちゃんと聞いてるよ。秘書の諏訪凜香ちゃん」
この小説の本当の主人公はあらすじに書いてある男性操縦者ですから。そこは間違えないでください。