ストライク・ザ・ブラッド~黒輪の根絶者〜   作:アイリエッタ・ゼロス

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戦王の使者 Ⅷ

 姫柊が凪沙ちゃんと浅葱を連れて屋上から出て行くのを見送ると、

 俺は正座している二人の前に座った。

 

「....で、今度は何したんだ古城?」

「俺が何かやった前提かよ!」

「まぁ、最近のお前を見てるとな....」

「今回は俺じゃねぇよ! この嫉妬女が一方的に襲いかかってきたんだよ!」

 古城は煌坂を指差してそう叫んだ。

 

「はぁぁ!? そもそもアンタが雪菜を裏切るような破廉恥なことをするから

 いけないんでしょうが!」

「そんな事、俺がいつやった!」

「今日の朝、さっき気絶していた子を押し倒してたじゃない!」

「何でお前が知ってんだよ! それにあれはただの事故だ!」

「どうかしら! 鼻の下伸ばしてデレデレしてたくせに!」

「してねぇっつの!」

「....はぁ」

 古城と煌坂は小学生のような低レベルな言い争いをしていた。

 

「ていうか、アンタは誰よ! 暁 古城が第四真祖って事を知ってるなんて! アンタ、

 コイツと同じ吸血鬼なの!」

 すると、急に煌坂は俺の方を指差してそう言ってきた。

 

「違う。....俺は伊吹 終夜。このバカで変態な第四真祖のダチで魔術師だ」

「バカと変態は余計だ!」

「うるさい。で、お前こそ一体何者だ? 姫柊の知り合いみたいだが....」

「....煌坂 紗矢華。獅子王機関の舞威媛よ」

「....舞威媛」

「(ということは、フェンサーの報告にあった奴はコイツか)」

 俺はフェンサーからの報告を思い出し、煌坂のことをじっと見た。

 

「(....確かに、どこかで会ったことがあるような無いような)」

 俺はそんな気がするのだが、どこで会ったかまでは思い出せなかった。

 

「ちょっと! 何ジロジロ見てんのよ!」

「っ、悪いな。何だか、どこかで会った事があるような気がしてな....」

 俺はそう言って視線を逸らした。そうして30分以上の時間が経った。

 

「ていうか、俺達はいつまで正座してればいいんだよ....」

「雪菜、いくらなんでも遅すぎるわ....」

「確かにそうだな....」

 すると、突如拳銃の発砲音が五発ほど聞こえてきた。

 

「っ! 今の音!」

「拳銃の発砲音....!」

「それに、音の方向的に保健室の方からか....!」

 俺の言葉に二人は戦慄していた。

 

「保健室って、さっき雪菜が!」

「とにかくここで考えても仕方ない! 保健室に向かうぞ! 煌坂は迷わないように

 俺達について来い!」

「言われなくても分かってるわよ!」

 そう言って、俺達は保健室に向かって走り出した。

 

 〜〜〜〜

 保健室

 

 俺達は保健室の前に着くと勢いよく扉を開けた。そして、保健室に入って

 目にしたのは血を流して倒れているアスタルテだった。

 

「っ、アスタルテ!」

 俺はアスタルテを抱き起こした。

 

「終夜、さん....」

「一体何があった! それに姫柊達は!」

「....報告、します、第四真祖、終夜さん。現在時刻から、二十五分三十秒前、

 クリストフ・ガルドシュと名乗る人物が本校校内に侵入。藍羽 浅葱、暁 凪沙、

 姫柊 雪菜の三名を連れ去りました」

「「なっ....!?」」

 アスタルテの報告を聞いて二人は絶句した。

 

「何処に向かったかはわかるか?」

「行き先は不明です....謝罪します....私は、彼女達を守れなかった....」

 アスタルテはそう言うと気を失った。

 

「....報告、ありがとな」

 俺はそう言ってアスタルテを保健室のベッドまで運んだ。そして、俺はアスタルテを

 うつ伏せの状態で寝かせると、着ている服を脱がせた。

 

「お、おい!?」

「アンタ何やって....!」

「少し黙ってろ....来い、星輝兵(スターベイダー) エーテル・ルーパー」

 俺がそう言うと、アスタルテの上空に緑色の魔法陣が出現し、そこから

 ウーパールーパーの様な生物が現れた。

 

「エーテル・ルーパー、アスタルテを頼む」

 エーテル・ルーパーは俺の言葉に了承すると、アスタルテの肌の上に乗った。

 すると、エーテル・ルーパーとアスタルテの身体は緑色に光り出した。

 

「な、何が起きてるんだ?」

「エーテル・ルーパーは治癒の力を持っている。今、エーテル・ルーパーの

 力でアスタルテの傷の修復をしている。時間はかかるがな....」

 そう言いながら、俺はアスタルテに布団をかけた。

 

「よし、じゃあ行くぞ」

「行くってどこに....」

「決まってるだろ。....黒死皇派のアジトがある増設人工島(サブフロート)だ」

 

 〜〜〜〜

 

「なっちゃん」

『....今は授業中のはずだぞ、伊吹』

 古城と煌坂がタクシーを呼びに行っている間に、俺はなっちゃんに電話をかけていた。

 

「それどころじゃないんだよ。....ガルドシュが学園に現れて、姫柊、浅葱、凪沙ちゃんが

 連れ去られた」

『....何だと』

 俺の言葉になっちゃんは驚いていた。

 

「それにアスタルテも重傷を負った。今は傷を治すために仲間が治療しているが....」

『そうか....』

「それで、なっちゃんに頼みたい事がある。今すぐに特区警備隊(アイランド・ガード)増設人工島(サブフロート)から

 撤退させてくれ」

特区警備隊(アイランド・ガード)を? 何故だ?』

「そこにいる黒死皇派の奴等はただの囮だ。奴等の狙いは、特区警備隊(アイランド・ガード)をテストに使うことだ」

『テストだと....?』

「あぁ。....ナラクヴェーラのな」

『なっ....!』

 なっちゃんは電話越しにでもわかるくらい絶句していた。

 

『バカな! ナラクヴェーラの石版を解けるものは....』

「....浅葱なら、解けるかもしれない」

『っ! そういう事か....!』

 なっちゃんは納得して忌々しそうにそう言った。

 

「おーい終夜! タクシー来たぞ!」

 すると、古城が俺を呼んできた。

 

「わかった! ....てな訳でなっちゃん、俺達も今から向かうから」

『は....?』

 俺はなっちゃんの返事を聞かずに電話を切ってタクシーに乗った。

 

 

 

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