ストライク・ザ・ブラッド~黒輪の根絶者〜   作:アイリエッタ・ゼロス

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戦王の使者 Ⅻ

「っ! 二人とも! 無事だったか!」

「お前もな、古城」

 煌坂の血を採血してから急いで上に登った俺と煌坂は、ようやく古城と合流ができた。

 

「さて、合流して早々だが古城、これを飲め」

 俺は煌坂の血が入った筒を古城に渡した。

 

「コレは?」

「私の血よ」

「煌坂の!? 何で....」

「これでお前の新しい眷獣を覚醒させるためだ」

「っ! で、でも煌坂は....」

「その事に関してはしっかり話した。それに煌坂からは了承をもらっている。

 ....というか早く飲め。時間もあまり無いんだよ」

「いや、急に言われてもな....」

 古城はどこか躊躇っていたようだった。それに、眷獣を目覚めさせるには古城が吸血衝動を

 起こさないといけなかった。

 

「....煌坂、後で土下座でも何でもしてやる」

「えっ....?」

 俺は色々と考えた結果、煌坂に謝罪して俺が渡したマントを奪った。すると煌坂は、

 びしょ濡れの制服が肌に張り付いた姿になった。それを見た古城の口元からは鋭い牙が見えた。

 

「そいつを飲め!」

「っ!」

 俺の声に反応した古城、筒のフタを開けて一気に血を飲んだ。すると、古城の瞳は

 真紅に変わり、右腕は鮮血が走っていた。

 

「さ、頼むぜ古城」

「あぁ! "焔光の夜伯(カレイド・ブラッド)"の血脈を継ぎし者、暁古城が、汝の枷を解き放つ! 疾く在れ(きやがれ)

 九番目の眷獣"双角の深緋(アルナスル・ミニウム)"!」

 

 

 〜〜〜〜

 

「....誰がここまでやれって言った」

「本当よ。地上に出るためにこんな馬鹿でかいクレーターを造って....私がいなかったら

 今頃生き埋めになってたわよ」

「俺は通路を塞いでる瓦礫さえどうにかして貰えれば良かったんだよ。文句なら

 アイツに言ってくれ....」

 古城の眷獣のおかげで何とか地上に出る事は出来たのだが、古城の眷獣は一切の手加減を

 せずに力を使ったので巨大なクレーターを作っていた。俺達は煌坂の煌華麟が無ければ

 今頃生き埋めになっていただろう。

 

「まぁそれについての説教は後だな。今は....」

 俺はナラクヴェーラの方に視線を向けた。ナラクヴェーラは先程とは違い、瓦礫の影に

 隠れながら真紅のレーザーを放ってきた。

 

星輝兵(スターベイダー) パルサーベアー」

 俺は向かってきたレーザーを、全てパルサーベアーで防いだ。

 

「....動きが変わったか」

「多分、操縦者がいるのよ」

「チッ....制御システムは解読されたか。古城、防御は煌坂と俺に任せろ。

 お前はナラクヴェーラを破壊してこい」

「あぁ! 双角の深緋(アルナスル・ミニウム)!」

 ナラクヴェーラから放たれるレーザーを全てパルサーベアーと煌坂の煌華麟で防いでいる間に、

 双角の深緋(アルナスル・ミニウム)がナラクヴェーラに向かって衝撃波を放ってナラクヴェーラを原型が

 分からないほどに破壊した。

 

「....中の操縦者は、無事だよな?」

「そこ心配するのかよ....」

「獣人は生命力が高いから簡単には死なないわ。それよりも、あの五機を早く! 

 操縦者が乗ると面倒だわ」

 煌坂がそう言った視線の先には新たに五機のナラクヴェーラがいた。

 

「わかった。双角の深緋(アルナスル・ミニウム)!」

 そう叫び、双角の深緋(アルナスル・ミニウム)はナラクヴェーラに攻撃をしようとしたが、突如複数の爆発に

 襲われていた。

 

「っ! 何だ!?」

 古城の眷獣を襲ったのは円盤状のミサイルのような物だった。

 すると、オシアナス・グレイブの中から巨大な何かが現れた。

 

「ナラクヴェーラの派生....いや、上位個体って言った方が正しいか」

 現れたのは、ナラクヴェーラよりもひと回りもふた回りも巨大なナラクヴェーラと

 似た機体だった。その機体は俺達に向かって大量のミサイルを放ってきた。

 

「二人とも伏せてっ!」

 煌坂はそう言って防御障壁を造りミサイルを受け止めた。俺のパルサーベアーと

 古城の双角の深緋(アルナスル・ミニウム)もミサイルを破壊したが、いくつかが攻撃を抜けて絃神島に

 向かっていった。

 

「っ! ネグリジブル・ハイドラ!」

 俺は咄嗟にネグリジブル・ハイドラを召喚してミサイルを捨て身で受け止めさせた。

 

「野郎! 見境なしに撃ってきやがったか!」

 すると、ナラクヴェーラ達は統制のとれた動きで俺達を包囲した。

 

「....ふぅん、これが本来のナラクヴェーラか。やってくれるじゃないかガルドシュ。

 こんな切り札を隠していたとはね」

 俺がナラクヴェーラにキレていると、近くのビルの上からヴァトラーの声が聞こえてきた。

 

「どうする古城? やっぱりボクが代わろうか?」

 ヴァトラーは挑発したように古城にそう言った。

 

「引っ込んでろって言った筈だぜヴァトラー! どいつもこいつも好き勝手しやがって! 

 いい加減こっちも頭にきてんだよ!」

 古城の怒りに、双角の深緋も共鳴していた。

 

「相手が戦王領域のテロリストだろうが古代兵器だろうが知ったことか! 

 ここから先は、第四真祖(オレ)聖戦(ケンカ)だ!」

 すると、その言葉に合わせるかのように一つの人影が現れた。

 

「いいえ先輩。わたしたちの聖戦(ケンカ)です!」

 人影の正体は雪霞狼を持った姫柊だった。

 

「ひ、姫柊!?」

「何でしょう?」

「え、と....何でここに?」

「私は先輩の監視役ですから。ここへは南宮先生に空間転移で飛ばしてもらったんです」

 姫柊はさも当然のようにそう言った。

 

「姫柊。浅葱と凪沙ちゃんは?」

「安心してください伊吹先輩。南宮先生が既に保護してくれています」

「そうか....」

「(二人は無事、姫柊の援軍、そしてヴァトラーはここに....これなら)」

「先輩、新しい眷獣を掌握したんですね」

「あ、あぁ。でも心配ない! 煌坂を怖がらせるようなことは一切....」

 俺があることを考えている間に、古城は姫柊に必死に訳を話していた。

 

「とにかく、その話は後で聞きます。それよりも今は目の前の相手を優先しますよ!」

 そう言って雪霞狼を構えた時....

 

「姫柊、ここはお前に任せてもいいか?」

 俺は姫柊にそう聞いた。

 

「急に何故ですか?」

「奴は島にまで攻撃が飛ぶ。だから島に攻撃を仕掛けられると危険だ。だから、島への

 攻撃を俺が全て防ぐ。だから、姫柊にここを任せたいんだよ」

「なるほど、そういう事ですか。でしたら、ここはお任せください。先輩の分まで

 私が戦わせていただきます」

「すまないな....後は任せるぞ」

 俺はそう言ってその場から急いで離れてビルの陰に隠れた。

 

「さて、パルサーベアー、ネグリジブル・ハイドラ、アルベド・コンドル。ここは任せる」

 俺は三体のユニットを召喚(コール)し、それぞれ配置に着かせた。そして、俺はカードを展開した。

 

召喚(コール)、黒門を開く者」

 俺は展開したカードの中から一枚掴み、黒門を開く者を召喚(コール)した。

 

『お呼びでしょうか、我が先導者(マイ・ヴァンガード)

「適当に海の上に転送できるか?」

『う、海の上ですか?』

「あぁ」

『わ、分かりました』

 黒門を開く者は困惑しながらも黒いゲートを開いた。

 

「悪いな」

 俺はそう言ってゲートの中に入った。ゲートを出た先は、増設人工島(サブフロート)から数百m離れた

 場所だった。

 

「さて、始めるか」

 俺がそう呟くと、俺を中心に巨大な魔法陣が現れた。

 

「全てを根絶する無情なる者よ! 破滅、孤独、絶望を持って我に仇なす敵を滅ぼせ!」

 俺がそう叫ぶと、空は暗雲に包まれ俺の目の前に一枚の黒いカードが浮かび上がった。

 

「今ここに権限せよ、我が分身! ライド・ザ・ヴァンガード!」

 すると、カードと魔法陣は黒く光り、俺の身体は巨大な竜巻に包まれた。

 

 

 

 

 

 

 

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