ストライク・ザ・ブラッド~黒輪の根絶者〜   作:アイリエッタ・ゼロス

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天使炎上 Ⅴ

 リアが眠って数時間が経った。俺はその間にリアを探させていたユニットを呼び戻し

 ずっと周囲の見張りをしていた。すると、突然俺のいる反対側の方からヘリが飛んできた。

 そのヘリは一度着陸すると、すぐさま島を離れていった。

 

「(救援ではないな....てなると、敵か、それとも別の何かか)」

 俺は様子を見に行きたかったが、リアのそばから離れるわけにはいかなかった。そこで、

 俺はカードを展開して一枚のカードを手に取った。

 

召喚(コール)、落日の刀身 ダスクブレード」

 俺が地面にカードを投げると魔法陣が展開され、そこから燃えるような赤い髪をし、

 黒い刀を持った剣士が現れた。

 

『....我に任務か?』

「あぁ。さっきのヘリが降りた場所を見てきてくれ。敵なら斬っても良いが、

 それ以外なら様子見だ」

『承知』

 ダスクブレードはそう言うと、ヘリがいた所に向かって走って行った。

 そして数分後、ダスクブレードは困ったような表情で俺の元に戻ってきた。

 

「どうだった?」

『....非常に言いにくいのだが、いたのは主人の友人だった』

「友人って....まさか....!」

 俺はそれを聞いてとんでもなく嫌な予感がした。

 

『第四真祖と剣巫だ』

「はぁぁぁぁ....」

 それを聞いた瞬間、俺は深いため息が出た。

 

「どうしてアイツはこうもピンポイントに面倒ごとに巻き込まれるんだよ....」

『それは時の運としか言えないのでは?』

「どんな運してんだよ....まぁ良い。悪いがダスクブレード、二人を影から見守っといてくれ。

 あの二人だと何をやらかすか....」

『....承知した』

 ダスクブレードはそう言って再び古城達がいる方に向かっていった。その後、向こうからは

 巨大な爆発音が聞こえてきた。

 

「(あのバカは一体何をやってんだ....)」

 俺は爆発音が聞こえるたびに頭を痛めながらも見張りを続けていた。

 そして、辺りが真っ暗になった頃、リアがポッドから出てきた。

 

「起きたかリア」

「んっ....おはようございます終夜。見張り役ご苦労様です。何か変化はありましたか?」

「....第四真祖とその監視役の剣巫がこの島に来た」

 俺は古城達がいる方向を見てそう言った。

 

「第四真祖が、ですか....」

「あぁ....何でアイツはこうも面倒ごとに巻き込まれるんだか....」

「そういえば終夜の友人でしたね。会いに行ったんですか?」

「無理だ。リアの見張りもあるし、この島にいるって知られたら何を聞かれるか....

 それに俺の正体がバレるわけにはいかねぇんだよ」

 俺の正体を知っているのは、現状、リアとなっちゃんと俺が捕獲した一部の魔導犯罪者だけだ。

 

「まぁ、一応部下に二人を見守るようには頼んだけどな」

「そうですか」

 そう話していると、リアはポッドの中に戻りタオルを持って何処かに行こうとした。

 

「何処に行くんだ?」

「水浴びです。ここに来る時に湖がありましたよね? 終夜も一緒にどうですか?」

「....俺は遠慮しとく。だけど一人で行かせるのは流石にな....」

「そうですか。分かっていても、覗かれるのは少し恥ずかしいですね」///

 リアは顔を赤らめながらそう言ってきた。

 

「覗くかっ!」

「あら、そうなのですか?」

「....はぁ、行くなら早く行くぞ。ライド」

 俺はそう言ってブラスター・ジョーカーに姿を変えて湖の方に向かって歩き出した。

 

 〜〜〜〜

 

「では、出来るだけ早く済ませてきますね」

『あぁ。そこの岩陰にいるから何かあったらすぐに呼べよ』

「....なら、一緒に入れば良いのでは?」

『....勘弁してくれ』

 俺は疲れたようにそう言って岩陰に座った。そして、少しすると湖から波紋が起きた。

 おそらくリアが湖の中に入ったのだろう。俺は湖から聞こえる水音を聞きながら周囲を

 警戒し、時折月を見ていた。そして、二十分程経つとリアは髪を拭きながら俺に

 近づいてきた。

 

「お待たせしました」

『おう。それじゃあポッドに戻っ....』

 俺が続きを言おうとしたその時、突如轟音が響き渡った。その音の方を見ると、

 今日の昼に見た黒い船が島に停泊していた。

 

『性懲りも無くまた来やがったか....リア、先にポッドに戻っていろ。俺はあの船を

 破壊しに行く』

「除け者にされるのは心外ですね。私も行きます。自分の身は自分で守りますから」

 そう言ってリアが取り出したのは、金色に豪華な装飾が施された呪式銃だった。

 銃身には銃剣(バヨネット)が装着されていた。

 

『....残弾は』

「残り一発です」

 リアはどこか自信ありげにそう言った。

 

『....前線には出るなよ。あくまでお前は後方支援だ。ヤバいと思ったらすぐに逃げろ。

 わかったな?』

「えぇ。こうして貴方と肩を並べるなんて心が踊りますね」

『頼むからホントに無茶をしないでくれよ....』

 俺は少しの不安を感じながらも船の方に向かって走り出した。

 

 

 〜〜〜〜

 姫柊side

 

「鳴雷!」

 私は今、とある黒い兵士を蹴り上げていた。水浴びに行った帰り道、私と先輩は謎の

 黒い兵士からライフルを放たれた。そして、敵と認識した私は呪力で強化した脚で兵士を

 攻撃していた。

 

「姫柊無事か!」

 すると、銃弾の嵐から解放された先輩が駆け寄ってきた。

 

「っ! 先輩まだです!」

 次の瞬間、私がさっき攻撃して首を吹っ飛ばした兵士が私に襲いかかってきた。

 

「土雷!」

 私は懐に潜り込み、脇腹に肘打ちを叩き込んだ。すると、その部分は大きく陥没した。

 

「うおぉぉぉぉ!」

 その間に先輩も、自分に向かってきた兵士を吸血鬼の力を解放して殴り飛ばしていた。

 だが、何故か兵士達は何事もなかったように立ち上がった。その様子に気を取られている間に

 私達は黒い兵士達に包囲されていた。

 

「っ! ....すみません先輩。囲まれました....」

「くそっ....! 眷獣を使うしかねぇのか!」

 そう話していた次の瞬間、私の目の前を黒い何かが通り過ぎた。そして、私の方にいた

 黒い兵士達は全て胴体を真っ二つに斬られていた。

 

「なっ....」

「な、何だ急に!」

 先輩の方を見ると、先輩の方にいた黒い兵士達も真っ二つに斬られていた。

 

『そこにいた者達はメイガスクラフトの機械人形(オートマタ)だ。加減をする必要はない』

 すると、突然謎の声が聞こえてきた。私と先輩が声の方を向くと、そこには燃えるような

 赤い髪をし、黒い刀を持った男がいた。

 

「っ、何者ですか!」

 私は男から濃密な殺気を感じて雪霞狼を向けた。

 

『我は落日の刀身 ダスクブレード。黒輪の根絶者(デリーター)様に仕える者の一人だ』

「黒輪の根絶者(デリーター)だって!?」

 先輩は男の言葉に驚いていた。

 

「....何故、黒輪の根絶者(デリーター)に仕える者がこの無人島にいるんですか」

 私は警戒しながらもそう聞いた。

 

『それは....チッ!』

 男は突如私達の方に向かって走ってきた。そして、私達の背後にいた機械人形(オートマタ)

 斬り伏せていた。

 

『まだ来るか....』

 そう言った男の視線の先には数十体の機械人形(オートマタ)がこっちに向かって走ってきていた。

 男は刀を構えていたが、突然その構えを解いた。すると、次の瞬間、金色の閃光と黒い閃光が

 機械人形(オートマタ)達を貫いていた。

 

『ダスクブレード、そいつらの監視ご苦労だったな』

「三人とも無事ですか?」

 私達がこの状況に驚いていると、突然男女の声が聞こえてきた。声の方を見ると、

 そこには剣を持った姿の黒輪の根絶者(デリーター)と銀髪の美しい女性がいた。

 

『ラ・フォリア、俺はあの船を沈めてくる。ダスクブレードと一緒に先に戻っておけ。

 ダスクブレード。少しの間、ラ・フォリアの護衛を頼むぞ』

『承知』

「わかりました」

 そう言った黒輪の根絶者(デリーター)は海の方に向かって目にも留まらぬ速さで走っていった。

 

「....そういうわけなので。お二人とも、一緒に来ていただけますか?」

 女性は笑顔を浮かべて私達にそう言ってきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

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