ストライク・ザ・ブラッド~黒輪の根絶者〜 作:アイリエッタ・ゼロス
「そうだ! 先輩は!」
俺とリアが氷柱を見ていると、姫柊は思い出したように古城がいた場所に走り出した。
すると、そこから砂けむりで咳き込んだ無傷の古城が現れた。
「せ、先輩....」
「無事だったか姫柊!」
「よ、良かった....」
古城が無事な様子を見ると、姫柊はその場で座り込んだ。
「心配、したんですからね....」ポロポロ
「うっ....悪い....」
古城は申し訳なさそうに姫柊に謝りながら背中を撫でていた。そして、しばらくして姫柊が
泣き止むと古城にこう聞いた。
「それよりも先輩。どうして無傷なんですか?」
「あぁ、実はな....」
『俺の部下がそいつを守ったからだよ』
姫柊の質問に俺はそう答えた。すると、古城がいた所に腕に盾を付けた男がこっちに
向かって来た。
『ご苦労だったな、コスモリース』
『いえ。あれぐらいの攻撃なら問題ありません』
そう言って、コスモリースは消滅してカードに戻った。
『運が良かったな暁 古城。後少し遅かったらお陀仏だったぞ』
「あぁ。ありがとな」
『礼はいらん。それよりも、これからどうするかだ』
俺は氷柱となった叶瀬 夏音を見た。
「どうすれば叶瀬を助けられるんだ....」
「私の雪霞狼も、先輩の眷獣もダメ....そうなると、打つ手はもう....」
「いえ、まだ打つ手はあります。そうでしょう? ジョーカー」
『あぁ。まだ彼女を救う方法はある』
そう言うと、二人は目を見開いた。
「本当なのか!」
『あぁ』
「でもどうやって....」
『この剣で、彼女と俺達の空間を繋ぐ』
俺はそう言ってブラスター・ブレードを地面に突き刺した。
「で、ですが! この世界に存在しないものをどうやって....」
『そんな事はこの剣の前では無意味だ。この剣はあるゆるものを断ち切る....
例えば、次元とか、空間とかな』
すると、姫柊はハッとした表情になった。
「そうか....! 叶瀬さんをこちらと同じ空間に戻す事ができれば....」
「俺達の攻撃も通るって事か!」
『その通りだ』
俺の言葉に、二人は納得したようにそう言った。
「なら、俺に出来る事は何かあるか!」
古城は詰め寄って俺にそう聞いてきた。
『....はっきり言うと、今のお前に出来る事はない。だが....』
「だが?」
『お前の中に眠る第四真祖の眷獣が覚醒すれば、少しは出来る事があるだろうな』
「俺の中に眠る眷獣が....」
そう言った瞬間、姫柊は制服のボタンを外した。
「だ、だったら先輩。私の血を吸ってください」
「ひ、姫柊!?」
「あ、あくまで叶瀬さんを助けるためです! そこのところを勘違いしないでくださいね!」
「....わかった」
そう言って、古城は姫柊の首筋に噛み付いた。そうしてしばらく吸血していたのだが、
一向に眷獣が覚醒した気配はしなかった。
「覚醒、していないようですね....」
「あぁ....この前は覚醒したのにどうして....」
『....なぁラ・フォリア。お前の血、少し貰っても良いか?』
俺は隣にいたリアにそう聞いた。
「私の血ですか?」
『あぁ』
「....何か考えがあるみたいですね。良いですよ」
『悪いな。じゃあ腕を出してくれ。
俺はそう言いながらレディヒーラーを召喚した。
『レディヒーラー、ラ・フォリアの血を少し採血してくれ』
『了解』
レディヒーラーは空間から注射器やら消毒液やらを出すと、リアの腕を消毒して注射器の針を
刺した。そして、目盛りの三分の一程度の血を採ると注射器を抜き絆創膏を貼った。
『はい』
『すまんな。さ、暁 古城。腕を出せ』
「あ、あぁ」
古城が腕を出すと、俺は注射器の針を突き刺し血を流し込んだ。すると、古城の魔力が
一気に高まった。
「....どうやら、成功したみたいですね」
『....みたいだな』
リアの言葉に俺はそう答えた。
「何故、ラ・フォリアの血で覚醒したのでしょうか....?」
「わかんねぇ。でも、これならきっと叶瀬を助けられる....」
古城は拳を握りしめてそう言った。
「では、反撃と行きましょうか。私と雪菜が吸血鬼と獣人の対処をします」
『....ラ・フォリア、お前も戦う気か?』
「えぇ。守られているだけはもうゴメンですから」
『....そうか。なら、お前に力を貸しておくか』
リアの覚悟を決めた目を見て俺はそう言うと、リアの手に自分の手を重ねた。
『我に宿りし破滅の力、共に戦う
俺がそう叫んだ瞬間、俺の左手とリアの右手に対となる剣の模様が現れ、リアの服の色が銀色と
赤色に変わった。
「これは....」
『今、ラ・フォリアに俺の力を貸した。これでラ・フォリアは、俺と同じ力を使う事が
出来るようになった』
「黒輪の
『て言っても一部だけだ。そんな全部を使えるわけじゃない』
驚いている姫柊に俺はそう言った。
『だが、奴等と戦うには十分な力だ』
「そうですか。わざわざありがとうございます、ジョーカー」
『気にするな。友人のお前に死なれるのは流石にな....』
そう言いながら俺はブラスター・ブレードを引き抜いた。
『さ、この戦い、終わらせに行くぞ』
俺はそう言って結界を解除して氷の壁をバースト・バスターで貫いた。そして、外に出ると
叶瀬 賢生がいた。
「っ、第四真祖!? 生きていたのか!」
「あぁ。こっちはピンピンしてるぜオッサン」
『....誰のお陰と思ってやがる』はぁ
俺はため息をつきながらそう呟いた。
「そうか....だがありがたい。君ともう一度戦えば今度こそ夏音は最終段階に達し、誰かを
傷つけずに済む」
「勝手な事を言わないでください!」
すると、姫柊は飛び降りて叶瀬 賢生に雪霞狼を向けた。
「あなたは、叶瀬さんを娘として育てていたんじゃないんですか!」
「あぁ。私は夏音を、実の娘も同然に思ってきた。何故なら、夏音の母親は私の妹なのだからな」
「「『っ!』」」
それを聞いて、リア以外の俺達は驚いた。
「だったら! 何で叶瀬を実験台なんかにしたんだよ!」
「娘の幸福を願わない親がいるかね?」
「幸福だと? あの姿がか!」
「夏音はまもなく人間以上の存在へと進化する。もう何者にも傷つけれれることはない。
やがて彼女は神の御元へと召され、本物の天使となるのだ。これを幸福と言わずして
何とする!」
『それは、彼女が望んだ事なのか』
俺は飛び降りて、叶瀬 賢生の前に立ってそう聞いた。
「何だと....?」
『確かにアンタは彼女を愛していたのかもしれない。だが、それは本当に彼女自身が
望んだのか? ....もしも、それが彼女が望んでいない事ならそれはただの、アンタの
押し付けだ』
「っ、知ったような口を....!」
叶瀬 賢生がそう言った瞬間、突如紫色の触手のようなものが叶瀬 賢生に向かって行った。
俺は咄嗟に地面を蹴って叶瀬 賢生に向かって来た触手のようなものを斬り伏せた。
『厚化粧のババア....』
「のんびりと育児方針について話してるとこ悪いんだけどさぁ。アタシら時間外労働でさっさと
帰りたいのよ。だからさっさと第四真祖をぶっ殺しちゃってくれないかしら。でないと....
コイツらが売れ残っちゃうからさぁ!」
そう言うと、手元のリモコンを起動させると上空に二つの眩しい光が現れた。見ると、
それは
「
『おい....アンタが造ったのは七体じゃなかったのか』
「そのはずだ! 私は儀式に必要な最低数しか素体を用意していない!」
『てことは、アイツらはクローンか....』
「出来は悪いけど、アンタ等を殺すには十分なんだよ!」
ババアがそう言うと、
叩き斬ろうとしたが、突然背後から飛んできた黒い銃弾が光の槍を打ち消した。
「黒輪の
そう言いながら、呪式銃を構えたリアがババアにそう言った。
『ラ・フォリア....』
「確かに強力な力ですね。ですが、何とか使いこなす事は出来そうですか」
『そうか。なら、全て終わらせようか。行けるか暁 古城』
俺は後ろにいる古城にそう聞いた。
「あぁ! コイツらをぶっ飛ばして叶瀬を助ける! ここから先は、
「いいえ先輩! 私達の