ストライク・ザ・ブラッド~黒輪の根絶者〜 作:アイリエッタ・ゼロス
「まいどあり。また来な」
俺とリアは会計をして店を出た。
「....お前、体調大丈夫か?」
「....まだ舌がヒリヒリします」
「だよな....じゃあ甘いものでも食べに行くか」
「甘いもの、ですか?」
「あぁ。ついでに遊びに行くか」
そう言って、俺は駅に向かって歩き出した。
〜〜〜〜
ショッピングモール
電車に揺られること二十分、俺とリアは俺がよく行くショッピングモールに着いた。
「さて、到着っと」
「終夜、何故ショッピングモールに来たんですか?」
リアは不思議そうな表情でそう聞いてきた。
「さっきも言っただろ? 甘いものを食うのと遊ぶためだ。とりあえず先に甘いものを
食いに行くぞ」
そう言って俺はたまに浅葱や凪沙ちゃんと行くクレープ屋に向かった。
「すごく色んな種類があるんですね....」
店に着き、リアはメニューを見ながらそう呟いた。
「まぁな。好きなの選べよ」
そう言ってしばらくすると、リアはメニュー表の一つを指差した。
「じゃあアレにします」
「わかった。すいません、生チョコ一つと季節のフルーツ一つ」
俺が店員に注文して少しすると、店員がクレープを渡してきた。
「リア」
「ありがとうございます終夜」
俺はリアにクレープを渡すと、自分の分のクレープを食べ始めた。そして、半分ぐらい
食べ終わったところでリアがこう聞いてきた。
「終夜、終夜のクレープ一口頂けますか?」
「良いぞ。ほら」
そう言ってクレープを差し出すと、リアは俺のクレープを一口食べた。
「....なかなか美味しい物ですね」
「そうか。美味いんだったら良かった」
そう話しながらクレープを食べていると、突然リアは俺の背後に隠れた。
「どうした?」
「....入り口の所を見てください」
「入り口?」
リアに言われた通り、俺は入り口の方を見た。すると、入り口の方には黒いスーツに
サングラスをした男達がいた。
「おい、まさかと思うがあの黒いスーツの男達って....」
「えぇ。私の護衛をしていた者達です」
それを聞いた瞬間、俺は頭を押さえた。
「お前....撒いてきたんじゃなかったのかよ」
「そのはずなんですが....どこかで足取りを掴まれたのかもしれません」
「はぁぁ....とりあえず、男共が入り口から離れたらここを出るぞ」
俺はそう言ったのだが....
「いえ、このままここで遊びましょう」
「....お前、マジで言ってるのか?」
リアは俺の予想と反した返事をしてきた。
「えぇ。その方がスリルがあって面白いじゃないですか」
リアは笑みを浮かべながらそう言ってきた。
「....はぁ。バレたら言い訳はしてくれよ。こんな所で殺されるのはゴメンだぞ....」
「あなただったら返り討ちにするでしょう?」
そんな事を話しながら、俺とリアはある所に向かった。その時、リアは俺の腕に
抱きついてきた。
「....おい」
「これぐらい許してください。こうしていれば、ただのラブラブのカップルに見えるでしょう?」
「....お前とカップルになった記憶はないんだが」
「あら、随分と冷たい対応ですね。キスもしたという仲なのに」
「アレはお前が勝手にやってきた事だろうが....」
俺はそう言いながらも、抵抗する事なくこの場から離れた。
〜〜〜〜
「ふぅ....こんなに楽しいなんて、日本のショッピングモールは侮れませんね」
「そうか。楽しかったのなら何よりだ」
あの後、俺とリアはゲーセンで遊んだり、服屋で服を見たり、アクセサリーショップで
アクセサリーを見たりした。ただ、ランジェリーショップに入ろうとした時は全力で
拒否したが....
「それにしても、店員の人達は私達のことカップルと思ってたみたいですね」
「....そうだな」
「むぅ....気の無い返事ですね」
リアは俺の返事に納得がいかないという表情をしていた。
「終夜は私の事が嫌いなんですか?」
「何でそうなる....嫌いだったらわざわざこうして遊んでねぇっての....」
「じゃあどうしてそんなに反応が薄いんです」
「....俺は普通の人間と違って、愛や好意ってものがわかんねぇんだよ」
「....どういう事ですか?」
リアは不思議そうな表情になり俺にそう聞いてきた。
「....いつか話す時が来れば、その時に話してやるよ」
そう言って話している間に、俺とリアはリアが宿泊しているホテルの近くに着いた。
「悪いがここまでで良いか? 警備の人数がとんでもない事になってるからな....」
俺の視線の先にはアルディギアの防具を纏った人間が数人見えた。
「えぇ。今日は楽しかったですよ終夜。王族である事を忘れたのはあの時以来です」
「そうか。俺もお前と久しぶりにこうして遊べて面白かった」
俺はそう言いながら一枚の紙をリアに渡した。
「これ、お前にやる」
「コレは?」
「俺の携帯の番号だ。遊びに来る時や何かあった時はかけてこい。よっぽどの事が無い限り
すぐに駆けつけてやる」
「....ふふっ。なら、頼りにしていますよ」
そう言うと、リアは紙をポケットに直した。そして、俺はリアに買った物の袋を渡した。
「....んじゃ、俺も帰るか。じゃあなリア」
そう言って歩き出そうとした時....
「終夜」
俺はリアに呼び止められた。
「....何だ」
「私は終夜の事が好きです。そして、私はあなたとお付き合いをしたいと思っています。
その事を、どうか覚えていてください」
「....あぁ、わかった」
俺はそう言って歩き始めた。
〜〜〜〜
その日の夜
「....なぁジョーカー」
『何だ、
「人を愛するって何なんだ」
俺は家でベッドの上で寝転びながら頭の中でジョーカーに聞いた。
『....難しい質問だな。愛するといっても、人によってそのカタチは異なる場合がある』
「カタチ....」
『知りたいのならば、周りの友人に聞いてみたらどうだろうか?
電子の女帝や空隙の魔女は良い答えをくれるだろう。というか、
あの時にアルディギアの王女にも聞けば良かったのでは?』
「....言われてみればそうだな」
そう言われて俺は携帯を取り出すと、突然、携帯の着信音が鳴った。
電話をかけてきたのは紗矢華だった。
「....もしもし」
『しゅ、終夜? 今良いかしら?』
「あぁ。どうした」
『私、アルディギアの要人の護衛をするって言ったの覚えてる?』
「あぁ....そんな事を言ってたな。それがどうかしたのか?」
『じ、実はね....明日一日休暇になったの。だ、だから、その....あ、明日一日!
私に付き合いなさい!』
「明日か....」
俺は壁に掛けてあるカレンダーを見た。カレンダーには何も書かれておらず白紙だった。
「良いぞ。明日は俺も暇だ」
『ホ、ホント!』
「あぁ」
『じゃ、じゃあ明日の10時! 〇〇ホテルの前に来て』
「〇〇ホテル....わかった。じゃあ明日の10時にな」
『え、えぇ! 遅れてくるんじゃないわよ!』
紗矢華がそう言うと電話は切れた。
「(....明日、紗矢華にも少し聞いてみるか)」
俺はそう考えながらベッドから起き上がり、クローゼットから明日着ていく服を選び始めた。
〜〜〜〜
紗矢華side
「や、やった....!」
私は電話を切ると携帯を握りしめた。
「(まさかこんなに上手く行くなんて....!)」
私はこんなに上手く話が進むとは思っていなかった。にも関わらず、終夜は一切断らずに
私の誘いに乗ってくれた。
「(ど、どうしよう! 明日着ていく服とか行きたい場所とか決めないと....!)」
そう思い、私はスーツケースの中から服を取り出して部屋にある姿見の前に立った。