ストライク・ザ・ブラッド~黒輪の根絶者〜 作:アイリエッタ・ゼロス
次の日、俺は紗矢華と待ち合わせをしているホテルの前に来ていた。
「終夜!」
そして、十分ほど待っていると後ろから紗矢華の声が聞こえてきた。
振り向くと、白色のトップスに水色のスカートを履いた紗矢華がこっちに走ってきた。
「ごめんなさい! 着替えに時間がかかって....」
「俺も今来たところだから気にすんな」
「そ、そう? なら良かった....」
紗矢華は安心したように息を整えていた。そして、息が整うと俺は紗矢華に聞いた。
「....それで、今日は何処に行くんだ?」
「えっと、服を見に行きたいのよ。後は何か美味しい物を食べたいわ」
「服と美味い飯か....行きたい服屋とか決まってるか?」
「えぇ、一応ね」
「そうか。じゃあ飯屋は後で決めて先に服を見に行くか」
「そうね」
そう言って、紗矢華は歩き出そうとした。その時、俺は紗矢華を見て思った事を口にした。
「そういえばその服、紗矢華によく似合ってるな」
「ふえっ!?」///
「....? どうした?」
「な、何でもないわよ! ....きゅ、急に何言うのよ」///
紗矢華はそう叫ぶと早歩きで歩いて行った。
「(何故怒られた....)」
俺はそう考えながらも紗矢華を走って追いかけた。
〜〜〜〜
ショッピングモール
「(....まさか二日連続でココに来るとは)」
俺は、昨日リアと来たショッピングモールの中にある服屋に来ていた。
そして、俺の視線の先には秋物の服を選んでいる紗矢華がいた。
「ねぇ、コレとコレだったらどっちが良いと思う?」
「そうだな....薄紫色の方が似合うんじゃないか」
「そう。じゃあこれは後で試着っと」
そう言って、紗矢華はカゴの中に服を入れていった。カゴの中には既に
数着の服やスカートが入っていた。
「じゃあ一回試着してくるから。そこで待ってて」
「わかった」
紗矢華はそう言うと、カゴを持って試着室の中に入っていった。
そして紗矢華が着替えている間、俺は外で待っていると店員に話しかけられた。
「彼女さんですか? 綺麗な人ですね」
「あぁいえ....アイツは彼女じゃなくて友人です」
「あ、そうだったんですね。すごくお似合いのカップルに見えたのでつい....」
「(何か似たような事を昨日も言われたような....)」
〜〜〜〜
昨日
『じゃあコレとコレ、試着してきますね』
『あぁ。俺はここで待ってるぞ』
そう言うと、リアは試着室の中に入っていった。すると、店員が近づいてきて
こう聞かれた。
『綺麗な方ですね。彼女さんですか?」
『あぁいや....アイツは友達です。この島に用事で来たついでに買い物をしたいって
言われて....』
『そ、そうだったんですね。それは大変失礼いたしました』
〜〜〜〜
「(....似たような事じゃなくて同じ事じゃねぇか)」
そう考えていたら、紗矢華が入っていた試着室のカーテンが開いた。そこには、さっきまで
選んでいた服とスカートをコーディネートした紗矢華が立っていた。
「ね、ねぇ....どう、かな」///
「....いや、良く似合ってると思うぞ。すごく綺麗だ」
「ほ、本当....?」///
「あぁ。嘘じゃねぇよ」
「そ、そっか....じゃ、じゃあ次のやつ着るから少し待ってて!」///
そう言って、紗矢華は試着室の中に戻っていった。
「....あの、お客様。本当に彼女さんではないのですか?」
「....? そうですけど」
「....これはあの女性も苦労されますね」
すると、店員の人は紗矢華のいる試着室の方に合掌していた。
「?」
俺は合掌している理由が分からず首を傾げていた。
〜〜〜〜
「....な、なんか悪いわね。荷物持ちさせて」
「別に。荷物持ちは慣れてる」
「(にしても結構買ってるな....)」
俺は両手に持っている袋を見てそう思った。
「そういえば、紗矢華って食べれないものってあるか?」
「食べれないものは特に無いけど?」
「そうか....じゃああそこに行くか」
「あそこ?」
「あぁ。結構美味いレストランみたいな所だ」
〜〜〜〜
PSY
「....ここ?」
「あぁ」
俺と紗矢華はショッピングモールを出てすぐ近くの裏路地に入った。
そして、PSYと書かれた看板が置かれた店の前にいた。
「....何か、ここの時点ですっごい不穏なんだけど」
「まぁ場所と外観を見たらそうなるわな....でも安心しろ。味は保証する」
「....そ。じゃあ期待してるわよ」
そう話しながら、俺は店の扉を開いた。
「....えっ?」
すると、紗矢華は中を見た瞬間、驚いたような声を上げた。店の中は
外観からは想像出来ないほど綺麗で広いからだろう。すると、赤い髪の
店員が近づいてきた。
「いらっしゃいませ〜、って、伊吹じゃん!」
「ようレッカ。久しぶりだな」
「アンタが来るなんて珍しいわね。てか、隣にいる人はアンタの彼女?」
「か、彼女....!?」///
レッカの言葉に、紗矢華は顔を赤らめていた。
「違ぇよ。コイツは友人だ」
「....ふーん。ま、いいや。とりあえず席にどうぞ」
レッカはそう言って席に案内してくれた。
「注文決まったらそこのボタン押して呼んで」
レッカはそう言い残して厨房に戻っていった。
「紗矢華、俺が奢るから好きな物選んでくれて良いぞ」
「....」
俺は紗矢華にそう言うが、紗矢華からは何故か返事が返ってこなかった。
「紗矢華?」フリフリ
「っ! な、何!?」
俺が目の前で手を振ると、紗矢華は驚いていた。
「いや、俺が奢るから好きな物選んでくれよ」
「わ、わかったわ」
紗矢華はそう言うとメニュー表を見てどれにするか考えていた。そして五分後....
「決めた。この海鮮パスタにするわ」
「そうか。んじゃ店員呼ぶか」
そう言って俺はボタンを押した。
「あ、決まった?」
「あぁ。海鮮パスタとアラビアータで」
「はいはーい。じゃ、ちょっと待ってて。コーちゃーん、海鮮とアラビアータだってー」
レッカは厨房にそう言いながら歩いていった。
「....何か、外観からは想像できないような内装ね」
紗矢華は内装を見渡しながらそう言った。
「最初に来た時は俺もそう思った。まぁあの外観のおかげで人が少ないから俺はこの店を
気に入ってるんだけどな」
「そう。でも、よくこんな店を見つけたわね」
「見つけたっていうか、教えてもらったってのが正しいけどな」
そう話していると、紗矢華は身体を伸ばした。その時、関節がポキポキと鳴った。
「随分と疲れてるんだな」
「....ちょっと昨日問題が起きて一日中走り回ってたのよ」
「問題?」
「えぇ。私が護衛することになっていた要人が消えて大騒ぎだったのよ。
まぁその要人は夕方になって戻ってきたんだけどね」
「(....なんかすまん)」
俺は紗矢華が誰を探していたのかを察し、心の中で謝った。そうしていると、
レッカが料理を運んできた。
「はーい、海鮮パスタとアラビアータ。ごゆっくりー」
「お、来たか」
「....へぇ、なかなかオシャレね」
紗矢華は目の前に置かれた海鮮パスタを見てそう呟いた。
「んじゃ、いただきますっと」
「私も、いただきます」
そう言って、紗矢華はパスタを一口食べると驚いた表情をした。
「っ!」
「どうだ? 美味いか?」
「え、えぇ。ちょっと頭の中が混乱するぐらい美味しいわ」
「そうか。なら、ここにした甲斐があったってもんだ」
俺がそう話している間にも、紗矢華は笑顔を浮かべながらパスタを食べていた。
「(前に可愛くないとか自分で言ってたが、可愛い所結構あるじゃしねぇか)」
「....? どうしたのよ、私の顔見て」
「いや、何でもねぇよ」
そう言いながら俺は料理を食べ終わると、紗矢華にこう聞いた。
「なぁ紗矢華。一つ聞きたい事があるんだが」
「何?」
「紗矢華の思う人を愛するってなんだ?」
俺がそう聞いた瞬間、紗矢華はむせた。
「だ、大丈夫か?」
「ア、アンタねぇ! 急に何を聞いてくるのよ!」
「何故キレられる....ただ質問しただけだろ....」
「その質問の内容が突拍子ないからよ!」
「す、すまん....」
俺は紗矢華の圧に押されて謝罪した。
「....で、何で急にそんな事を聞いてきたのよ」
謝罪してしばらくすると、紗矢華は呆れたような口調でそう言った。
「いや、まぁちょっと色々あってな....」
「色々ねぇ....まぁあまり深くは聞かないけど....愛する、か....」
紗矢華は少し考え込むと、こう言ってきた。
「....そうね。私はその人と一緒にいたいって思う事が愛するって事だと思うわ。
その人と同じ景色を見たい、同じ時間を過ごしたい....」
「一緒にいる、か....」
「で、でもこれは私が思っている事よ! 愛のカタチはきっと人それぞれだろうし....」
「....いや、貴重な意見をありがとな。お陰で、少し分かった気がした」
「そ、そう? なら良いんだけど....」
俺が紗矢華に礼を言うと、紗矢華は少しだけ困惑したような表情をしていた。