ストライク・ザ・ブラッド~黒輪の根絶者〜 作:アイリエッタ・ゼロス
ラ・フォリアside
「....全くと言っていいほど規則性がありませんね」
「そうですね....」
増設人工島に転移された私と紗矢華は現在、何処かのビルの屋上にいた。あれから既に
五回以上転移しており、私達は一向に転移の規則性が掴めなかった。
「王女、どうなさいますか?」
紗矢華の言葉を聞き私は少し考えた。その時、私は終夜から受け取った物を胸ポケットに
入れているのを思い出した。私はそれを取り出して、そこに書かれている番号を携帯に
打ち込み電話をかけてみた。
「王女、一体誰に電話を?」
「私の友人の魔術師にです」
そう言って電話を掛けるが、終夜は一向に電話に出る気配はなかった。
「....出ませんか?」
「えぇ。恐らく、私達と同じように転移の影響を受けているのかもしれません」
私は携帯をポケットに入れてこれからの動きを考えた。
「(さて、終夜もこれに巻き込まれているとなるとかなり厄介な事な気がしますね....
とりあえず、どこか屋内にいる方が良さそうですね)」
「紗矢華、一先ず私達は屋内に向かいましょう。このままでは、今夜は最悪野宿に
なってしまうかもしれません」
「っ、それは確かに避けたいですね....わかりました。では、早速向かいましょう」
そう言うと、紗矢華は扉の方に向かっていった。
「(....終夜、貴方は今、何処にいるんですか?)」
私は一人、街を見下ろしながらそう思った。
〜〜〜〜
古城side
「ったく、ユウマも叶瀬も凪沙も元気だな」
空港でユウマと合流した俺達はキーストーンゲートの最上部の展望ホールに来ていた。
そして、俺の目の前では三人が景色を見て喜んでいた。だが、何故か姫柊は....
「っ....!」
何故か後ろでガラス張りの所を躱しながら歩いていた。
「....そういや姫柊、飛行機とか苦手だったな」
俺は後ろで手すりに掴まりながら歩いている姫柊にそう言った。
「ち、違います! ガラスに強度が不安というだけで怖がっているわけではありません!」
「はいはい....ほら」
姫柊の強がりを適当に聞き流した俺は姫柊に手を差し出した。
「あ、ありがとうございます....」
姫柊は俺の手を掴むと俺の後をついてきた。すると....
「古城、ちょっと野暮用ができたから先に帰るな」
「私も。急にバイトが入ったから帰るわね」
突然、矢瀬と浅葱がそう言ってきた。
「あ、あぁ....」
俺がそう言うと、二人はエレベーターに向かって走り、そのまま下に降りていった。
それと同時に、別のエレベーターから一人の人物が上がってきた。その人物は俺の姿を
確認すると俺の方に近づいて来た。
「捜索対象を目視にて確認」
「ア、アスタルテ?」
その人物は那月ちゃんのメイドであるアスタルテだった。
「アスタルテ、さん?」
「現状報告。本日、午前九時の定時連絡を持って教官との連絡が途絶しました」
「途絶....?」
「南宮先生が、失踪したということですか?」
「発信機、および呪符の反応も
アスタルテは淡々とそう言ってきた。
「そして、このような場合の対応手順を、既に教官から伝えられています」
「南宮先生は何と?」
「叶瀬 夏音を最優先保護対象とし、緊急の事態が起こった場合には終夜さんの
指示を仰げ、との事です」
「伊吹先輩の指示、ですか....」
「ちょっと待ってくれ。那月ちゃんは自分がいなくなるって前から知っていたのか?」
「不明。データ不足により回答不能です」
アスタルテは目を伏せて答えた。
「あの、アスタルテさん」
すると、急に姫柊はアスタルテに声をかけた。
「伊吹先輩の行方が分かっていない場合は、どうしたら良いのですか?」
「....終夜さんは、行方不明なのですか?」
アスタルテはどこか驚いた様な表情をした。
「はい」
「....その場合でしたら、何があっても大人しくしておくようにと教官から言われています」
「....そうですか」
「終夜に続いて那月ちゃんまでも行方不明....何か、嫌な感じだな」
「....同感です」
俺と姫柊は、どこか嫌な予感を感じていた。
〜〜〜〜
終夜side
『
LCOの連中に記憶の書き換えをしている時、突然マヨロンが俺に声をかけてきた。
「マヨロン? どうかしたのか」
『はい。まだ完全には解析できてはいませんが、現状までで解析できた結界の報告を
させていただきます』
そう言うと、マヨロンが本を開くと、空中にホログラムのモニターが出現した。
『この島に張られている結界は絃神島に張られている空間転移の結界と同じ物で絃神島に
張られている空間転移の結界とリンクしていました。そして、この島の結界を破壊すれば
同時に絃神島の結界も消滅するという結果が出ました。しかし....』
マヨロンはどこか苦虫を潰した様な表情になりながらこう言ってきた。
『結界を破壊した際、その時に絃神島に張られた結界によって転移していたものは
空間と空間の狭間に取り残されるという結果になるようです。故に、無理矢理強力な力で
破壊した場合、必要のない犠牲が出ると分かりました』
「....そうか」
「(あの魔女め....面倒な事を)」
俺は心の中で苛立ちながらそう思った。
「ならば、解析が終わり次第、結界の解除に向けて動いてくれ。人手が必要なら言ってくれ」
そして、俺はマヨロンに次の指示を出しておいた。
『了解しました』
そう言うと、マヨロンは俺の前から姿を消した。
「さて、ここまで用意周到ってなると....LCOの目的は
そう呟いた俺は、