ストライク・ザ・ブラッド~黒輪の根絶者〜   作:アイリエッタ・ゼロス

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蒼き魔女の迷宮 Ⅷ

「ふぅ....」

「(とりあえず、夏音の方は安心ですね。後は終夜の行方ですが....)」

 一先ず、古城と連絡して夏音の事を頼んだ私は終夜の事を考えていた。すると....

 

「あの、王女....少しよろしいでしょうか」

 何か、色々な感情が混ざった様な表情をした紗矢華が声をかけてきた。

 

「何ですか紗矢華?」

「王女はその....伊吹 終夜の知り合いなのですか....?」

 紗矢華はどこか不安そうな表情でそう聞いてきた。

 

「....えぇ、そうですよ。それがどうかしましたか?」

「っ! い、いえ! その....王女と終夜はどういった関係なのかと気になったもので....」

「終夜との関係ですか....」

 私は少し考えてこう言った。

 

「簡単に言えば、私の婚約者....」

「え....」

 そう言った瞬間、紗矢華の表情はショックを受けた様な表情になった。そして、目には

 少し涙が溜まっていた。

 

「と、というのは冗談で....終夜は私の個人的な友人ですよ」

 私は慌ててそう言った、すると、紗矢華は少し落ち着いた様な表情に変わった。

 

「そ、そうですか....! 良かった....

 紗矢華は小さな声でそう言っていたが、私の耳には聞こえていた。

 

「紗矢華も終夜の事を知っているのですか?」

「は、はい。少し前に知り合ったばかりですが....」

「そうですか....その時に、終夜に惚れましたか?」

「ふえっ!?」

 そう言った瞬間、紗矢華の顔は一気に真っ赤になった。

 

「わ、私がアイツの事を!? そ、そんな事は....」///

 紗矢華は慌てた様に否定しようとしているが、顔は真っ赤で、表情は完璧に恋する

 女の子だった。

 

「紗矢華、それだけ顔を赤くしていたら言い逃れはできませんよ」

「う、うぅ....」///

 そう言うと、紗矢華は顔を伏せた。

 

「(ふむ....やはり、終夜はモテるのですね。男性が苦手な紗矢華が恋をしたとなると、他にも

 私のライバルが多そうですね)」

 私は紗矢華の様子を見ながらそう考えていた。

 

「(....まぁ、それは後で考えるとして。一先ず紗矢華を落ち着かせましょうか)」

 私はベッドで悶えている紗矢華を見て、落ち着かせるためにこう言った。

 

「紗矢華、別に恋をするという事は恥じる事ではありませんよ。女の子だったら恋の一つや

 二つするものです」

「そうなのでしょうか....」///

「えぇ。私だって、現在進行形で恋をしていますから」

「王女が恋を....その人ってもしかして....」

「えぇ、終夜です。だから、紗矢華とはライバル関係になりますね」

「っ....!」

 すると、紗矢華は悲観した様な表情になった。

 

「安心してください紗矢華。別に終夜とはまだ友人関係です。婚約関係ではないので

 紗矢華が終夜とお付き合いしても問題はありません」

「それは....」

「紗矢華が何もしないというなら、私は終夜を攫っていきますが?」

「っ! そ、それはダメです!」

 私の言葉に、紗矢華は強くそう言い返した。

 

「でしたら、お互いに終夜に振り向いてもらえるように頑張りましょう。どちらかが

 選ばれた時に少しでも後悔を残さないように」

「王女....」

「お互いに頑張りましょうね、紗矢華」

「は、はい!」

 そう言うと、紗矢華は普段の様子に戻った。

 

「(ふぅ....何とかなりましたね)」

 私は紗矢華の様子を見て、ようやく落ち着く事ができた。

 

「紗矢華、明日に備えて今日はもう寝ましょう。少しでも体力を回復しておかないと、

 いざという時に力を発揮できませんからね」

「そ、それもそうですね」

 そう言って、私達はベッドに入った。すると、紗矢華はすぐに眠ってしまった。

 

「....」

 そして、私は紗矢華を見てこっそりある事をした。

 

 〜〜〜〜

 終夜side

 

「さて、現状報告を始めるぞ」

 俺は焚き火の炎の近くに座って召喚(コール)していたユニット達にそう言った。

 

「まずは結界組。結界について何か分かった事は増えたか?」

 すると、マヨロンが立ち上がった。

 

『はい。この結界は絃神島で最も魔力量が多い者が転移させられると分かりました。

 そのため、我が先導者(マイ・ヴァンガード)だけがこの島に転移させられたのだと思います』

「そうか....」

「(だから俺だけがここに転移させられたのか....)」

 俺は一人、心の中でそう思った。

 

『そして、現在は結界の解析作業に入っております。ですが、あまりにも結界の魔術式が

 めちゃくちゃなため、二割ほどしか解析が終わっておりません』

「そうか....」

「(二割か....思ったより時間がかかりそうだな)」

 そう思った俺はカードを展開して二枚のカードを手に取った。

 

召喚(コール)、超原子の合いの子、虚数領域のホロウゲイザー」

 そして、俺が地面にカードを投げると、二体のユニットが現れた。

 

「お前達、マヨロンのサポートで結界の解析を進めてくれ」

『『了解しました』』

 そう言って、二人は島の端っこの方に向かっていった。

 

「増援は出しておいた。引き続き解析を進めてくれ」

『了解しました。では』

 マヨロンはそう言うとこの場から消えた。そして、俺は記憶の書き換えを行なっていた

 四人の方を向いた。

 

「さて、じゃあ次は書き換え組。何かわかったか」

『では私が』

 そう言って前に出て来たのはマゼラニックストリームだった。

 

『記憶の書き換えでわかった事なのですが、LCOの目的は監獄結界にいる仙都木 阿夜の

 解放でした』

「(やっぱりか....)」

 俺は予想通りだったので特に何も言わなかった。

 

『そして、この件はある人物が先導している事がわかりました』

「ある人物?」

『はい。....その者の名は、仙都木 優麻』

「(優麻って、まさか!?)」

 俺は優麻という名前に、一つ心当たりがあった。

 

『そして、その優麻という者は第四真祖、暁 古城の肉体を奪い、第四真祖の魔力を利用して

 監獄結界の封印を解こうとしているようです』

「....マジかよ」

「(もう色々と最悪だ....)」

 マゼラニックストリームの言葉を聞いて、俺は頭を押さえた。

 

『既に仙都木 優麻はこの島に侵入しています。現状、この島に封じ込まれている先導者様に

 できることは殆ど無いかと....』

「言わなくてもわかってるっての....」はぁ

 俺は何もできない事への苛立ちでため息が出た。

 

『先導者様が出来る事を強いて言えば、出来るだけ睡眠をとって休憩される事かと....』

「....お前らが働いているってのに寝れるかよ」

『我々の事は気になさらないでください。先導者様は少しでも休んで魔力を回復させた方が

 良いと我々は考えております』

 その言葉に、記憶の書き換えを行なっていた他の三体は頷いていた。

 

『島に戻っても、LCOの構成員はまだ潜んでいます。それに、先導者様は今日一日我々を

 使役しています。いくら我々を召喚する魔力が少ないからといっても、我々が力を使えば

 先導者様の魔力はどんどんと減っていきます。先導者様も、自分の魔力がかなり減っている

 という事に気づいていますよね?』

「(....何も言えねぇ)」

 そう言われて、俺はマゼラニックストリームの視線から目を逸らした。

 

『戦うにも、我々を使役するにも魔力は必要です。先導者様の呪縛(ロック)している魔力を解放しない

 ためにも、ここはどうか』

 そう言って、マゼラニックストリームは頭を下げてきた。それに続いて、他の三体も頭を

 下げてきた。その様子を見て、俺はカードを展開して二枚のカードを手に取った。

 

「....召喚(コール)、無双の星輝兵(スターベイダー) ラドン、飛将の星輝兵(スターベイダー) クリプトン」

 そして、俺は二枚のカードを上空に投げると、ロボットの様なユニットが二体現れた。

 

「お前ら、俺は少し寝る。その間、周囲の警戒を頼む」

 そう言うと、現れた二体のユニットは頷いた。

 

「じゃ、俺は寝るから。お前達はカードに戻っておけ」

 その言葉を聞き、四体のユニットは頷いてカードに戻った。そして、四体のユニットが

 いた所には魔導書が積まれていた。

 

「(....これ枕にして寝るか)」

 そう思い、俺は丁度良さそうな魔導書を選んで枕にして眠りについた。

 

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