ストライク・ザ・ブラッド~黒輪の根絶者〜   作:アイリエッタ・ゼロス

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蒼き魔女の迷宮 Ⅺ

「私と初めて会ったのは何処でしたか?」

「学校の屋上だ。凪沙と一緒に猫の貰い手を探してたよな」

「正解でした....」

 朝、私の家ではユウマさんになった暁先輩の尋問が行われていた。

 

「質問。私があなたと初めて会った場所は?」

「倉庫街だ。ロタリンギアの宣教師のオッサンといたのをよく覚えている」

「....ピンポン」

「では、あの子の名前を覚えていますか」

 私は雪霞狼が入っているギターケースに付いているネコマたんを指差した。

 

「確か....マネキねこんだったか? 俺がゲーセンで取ったやつだろ?」

「名前はネコマたんです....とりあえず、先輩だという事は分かりました」

「本当か!」

「えぇ。こんないい加減な人は先輩しかいませんから」

「ぐっ....ひでぇ言われようだなおい....」

 私の言葉に、先輩は少し傷ついているようだった。

 

「さてと....まず、どうして先輩の精神が優麻さんの身体に入っているんですか。それと、

 先輩の身体は今何処に?」

「それがわかんねぇんだよ。普通に考えたら俺の身体はユウマがいるはずなんだが、

 あいつ何処にも見当たらなくてな....」

「自発的に出ていった....いや、それよりも私の式神に気付かれずにどうやって....」

 私は色々と考えたが、これといって確証を持てたものは無かった。

 

「何か、こうなったキッカケになりそうな事は無かったんですか?」

「キッカケ....そういえば、昨日アイツにキスされた時に意識が消えたような....あと、なんか

 蒼い何かの影を見たような....」

 その言葉を聞いた瞬間、私は何故かイラッとした。

 

「....優麻さんと、キスしたんですか」

 そして、気づけば私は雪霞狼を握りしめていた。

 

「ちょ、ちょっと待て姫柊! 今の俺の身体はユウマのだぞ!」

「っ! そういえばそうでしたね....」

 私はその言葉を聞いて、着ているパジャマの裾を押さえた。私は着替えの途中で出たため、

 下着とパジャマの上以外は着ていない状態だった。

 

「....先輩、覚悟を決めてくださいね」

「ちょっ....!?」

 私のその発言の後、マンションに可愛らしい悲鳴が響き渡った。

 

 〜〜〜〜

 

「....本当に誰もいませんね」

 波朧院フェスタの衣装に着替え、雪霞狼を持った私は先輩の家に来ていた。先輩の家には

 優麻さんも、凪沙ちゃんもいなかった。

 

「ユウマの荷物も消えてるか....アイツ、一体どこに行ったんだ....?」

「先輩、この机の上にあるオムレツは凪沙ちゃんが作った物ですか?」

 私は机の上に置かれてある巨大なオムレツを見ながらそう言った。

 

「あぁ。いつも凪沙が作ってるやつだからな」

「そうですか」

「(朝ご飯の準備をしているという事は誰かに連れ去られたわけではなさそうですね....)」

 私は今と、これまでの状況を思い返しながら、一つの仮説が浮かび上がった。

 

「....先輩、おおよその事情はわかりました。それと、先輩が見たという蒼い影の正体も」

「えっ?」

「これはまだ仮説の段階ですが、ユウマさんがこの空間異常を引き起こしているのでは

 ないかと、私は考えています」

「アイツが!?」

 私の言葉に、先輩はそう叫んで驚いていた。

 

「まだ仮説ですよ。それに、もしこの仮説が本当なら、空間異常はただのブラフ。本当の

 目的は....」

 私は先輩を指差してこう言った。

 

「先輩の身体です」

「か、身体が目的って....えっ!?」

 そう言うと、先輩は自分の今の身体を両腕で押さえた。

 

「ち、違います! 何を想像してるんですか!?」

「お前が言い出したんじゃねぇか!」

「だからそうではなくて! 先輩の身体というのは第四真祖の肉体という意味です!」

 そう言うと、先輩の表情は驚愕といった表情に変わった。

 

「な、何でアイツがそんな事を....」

「そうとしか仮説が思い浮かばないんです。....こう言っては失礼ですが、優麻さんみたいに

 可愛らしい人が、わざわざ先輩なんかの身体と入れ替わる理由がありますか?」

「本当に失礼だな....」

 先輩はそう呟くと考え込み、何かを思いついたのか私にこう聞いてきた。

 

「てか、吸血鬼の身体ってそう簡単に奪えるのか?」

「今回の場合は少し違うと思います。おそらく、優麻さんは空間を歪めたんです。空間同士を

 接続して、先輩の五感と優麻さんの五感を入れ替えたんだと思います。その結果、先輩は

 自分の身体を動かしているつもりで優麻さんの身体を動かしているんです」

「....それってつまり、電化製品の配線を入れ替えた様な感じか?」

 先輩は私の言葉を聞き、少し考え込んでそう言ってきた。

 

「簡単に言えばそういう事です」

「でも、それってずっと空間を制御し続けるって事だよな。そんな事、ユウマができるって

 言うのか?」

「いえ....空間制御は超高等魔術です。ただの人間には不可能ですが、先輩は空間制御を

 得意としている人物を一人知っていますよね」

「まさか....!」

 先輩は私の言葉に再び驚愕の表情を浮かべた。

 

「....優麻さんの正体は魔女です。....それも、南宮先生と同じタイプの」

 

 

 

 

 

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