ストライク・ザ・ブラッド~黒輪の根絶者〜 作:アイリエッタ・ゼロス
『(
キーストーンゲートに向かっている途中、謎の触手によって落とされていく軍用機を
見てそう思った。
『(ここは正面突破あるのみか....)』
俺はそう考え、キーストーンゲートに一番近いビルに着地して刀に魔力を込めた。
すると、刀のエネルギー波は凝縮され、赤く輝いていたエネルギー波は濃い赤色に変色した。
俺はその刀を構えると、軍用機に向かって攻撃した触手を足場にして、キーストーンゲートの
屋上を覆った触手の一部分を斬り裂いた。斬り裂いた部分は綺麗に消滅し、俺はその隙間を
潜ってキーストーンゲートの屋上に入った。
「なっ!?」
「私達の守護者を!?」
屋上に入ると、黒と緋色の魔女が触手を消滅した事に驚いていた。俺はその二人の魔女に
見覚えがあった。
『(こいつ等、十数年前のアッシュダウンの魔女か)』
俺の目の前にいる魔女どもは、十数年前に俺が北欧にいた際に、謎の魔術を使っていた
魔女どもだった。
『(つか、コイツらは後回しだ。今は....!)』
俺は魔導書を操っている古城の姿を仙都木 優麻に向かって走り出した。
「っ、守護者達よ!」
「そいつを止めろ!」
二人の魔女はそう叫んで触手を操り、俺の道を遮ろうとしてきた。それを俺は右手の刀で
斬り裂いたり、蹴飛ばして触手を消滅させていった。そして、後数メートルで届くといった
その瞬間....
「“
突如俺の目の前に緑色の蛇が現れた。その蛇は仙都木 優麻への道を防ぎ、俺に攻撃を
仕掛けてきた。
『チッ....!』
俺はその攻撃を躱して、一度距離を取った。
『邪魔をする気かヴァトラー』
「あぁ。黒輪の
「こ、黒輪の
「そんな馬鹿なっ!? 黒輪の
『あの雑魚どもなら全員ぶっ飛ばした』
「「何ですって!?」」
俺の言葉に、アッシュダウンの魔女どもは驚いて声を上げた。
「....やはり、あの数では足止めが限界か」
すると、突然古城の姿をした仙都木 優麻がそう言った。
『随分とやってくれたな、仙都木 優麻』
俺は右手に持った刀を向けてそう言った。
「僕の名前も把握済みか....」
『雑魚どもの記憶を覗かせてもらったからな。お前の目的も、既に把握済みだ』
「....だと思った。でも、だからといってここで降参するわけにはいかない」
そう言うと、仙都木 優麻は魔導書に魔力を込めた。すると、魔導書の光は強くなっていった。
俺はその光が強くなった魔導書を破壊しようとしたのだが、突然横から魔力の気配を感じ取り
魔力を感じた方向を見た。
『(あ....)』
そこから現れたのは、コスプレをした姫柊と、仙都木 優麻の姿をした古城だった。
「古城....それに姫柊さん....」
「優麻!」
「アルデアル公に、アッシュダウンの魔女....それに、そこにいる人は....」
「姫柊さん。そこにいる剣士は黒輪の
「....やはり、そうですか」
姫柊は俺の事を見極めるかの様な目で俺を見てきた。
「優麻! 俺の体を返してくれ!」
「ああ、すぐに返すよ。でも、少しだけ待ってくれないかな。もうすぐ見つけられそうなんだ」
「見つけるって....何のことだ?」
「僕の母親だよ。まだ一度も会ったことはないけどね」
「母親....」
『変に同情するなよ暁 古城。仙都木 優麻の母親が見つかればこの島は惨劇と化すぞ』
俺は古城に同情をさせないようにそう言った。
「どういう意味だよ」
『仙都木 優麻の母親はLCOの
魔女だ』
「なっ!?」
「それって....もしかして闇聖書事件の....」
『その通りだ姫柊 雪菜。奴の母親はその事件の首謀者、仙都木 阿夜だ』
俺はそう言うと、地面を蹴って一気に仙都木 優麻が持っている魔導書を斬ろうとした。
だが、それは再びヴァトラーに邪魔をされた。
『いい加減しつこいぞヴァトラー!』
「こんなチャンス、二度とないからね! いくら君でも邪魔はさせたくないんだよ!」
『テメェ....』
「それよりも、あっちは良いのかい?」
ヴァトラーはそう言うと俺の後方を指差した。俺は横目で後方を見ると、古城と姫柊は
触手に捕まっていた。
『(っ、アイツら....!)』
俺は助けに行こうと思ったが、ヴァトラーの邪魔のせいで思うように動けなかった。すると....
「“煌華麟”!」
その声とともに、古城達を捕まえていた触手が斬られた。その触手を斬ったのは、さっきまで
ここにいなかった紗矢華だった。そして、その後ろにはリアと叶瀬 賢生がいた。
俺はヴァトラーを蹴っ飛ばすとリアがいる場所まで後退した。
『ラ・フォリア、何でお前がこんなとこにいるんだよ....』
「今回の件を解決するためですよ」
『相変わらずのじゃじゃ馬っぷりだな....お前も巻き込まれた口か? 叶瀬 賢生』
「そんなところだ」
「あら、酷い言われようですね」
そう話していると....
「な、なんじゃそりゃぁぁぁぁ!?」
突然、紗矢華の絶叫が聞こえてきた。何の騒ぎかと思って見てみると、恐らく古城が女の姿に
なっている事に驚いている様だった。
「彼女が古城なのですか?」
『正確に言うと古城の魂があの肉体に入っているってとこだ』
「なるほど....確かに本物の古城があんなに凛々しい顔をしているのはおかしいですね」
『っ!』
俺は突然の発言に声を殺して笑った。
「ラ・フォリア酷くないか!? それにアンタも何笑ってんだ!」
『わ、悪い悪い....』
そんな事を話していると、突然途轍もない魔力の気配を感じた。俺は咄嗟に魔力の方を見ると、
仙都木 優麻が魔導書に古城の魔力を大量に流し込んでいた。
『(マズイ....!)』
俺は危険を察知し。持っていた刀を魔導書に向かって投げた。だが、刀が当たる直前に、
魔導書は炎を上げて燃えてしまった。それと同時に、絃神島の北側の海に巨大な神殿の様な物が
現れた。
『っ! しくった....』
その現れた神殿こそ、仙都木 優麻の目的である“監獄結界”だった。