ストライク・ザ・ブラッド~黒輪の根絶者〜   作:アイリエッタ・ゼロス

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観測者たちの宴 Ⅵ

 フリックヒッターside

 

『いい加減しつこいぞ!』

 俺はヴァトラーの攻撃を捌きながらそう叫んだ。

 

「いいネ! さすがは彼の部下ダ!」

『(コイツ....これ以上は我が先導者(マイ・ヴァンガード)の友人に悪影響になりかねない。一度本気で

 気絶させたほうが....!)』

 そう思い、俺は鞭に魔力を込めてヴァトラーとヴァトラーの眷獣を潰そうとしたのだが、

 突然ヴァトラーの眷獣は地面に叩きつけられた。

 

『っ!?』

『(一体何が....)』

 そう思いながら上空を見ると、人影が俺の前に降りてきた。その人影の正体は....

 

『お前達、よく耐えた』

我が先導者(マイ・ヴァンガード)!』

 俺達の主である我が先導者(マイ・ヴァンガード)だった。

 

 ~~~~

 黒輪の根絶者(デリーター)side

 

 建物の屋根を伝って走り続け、俺はヴァトラー達がいる場所の近くのビルに着いた。

 

『(あの野郎....好き勝手やりやがって。ひとまず浅葱となっちゃんは無事だから良かったが

 これは流石に一度ぶっ飛ばしたほうが良いな....)』

 そう思い、俺はヴァトラーの眷獣の上空に跳んでブラスター・ブレードに力を溜めて

 渦状の衝撃波を放った。すると、ヴァトラーの眷獣は地面に叩きつけられ俺は眷獣と

 戦っていたフリックヒッターの前に降りた。

 

『お前達、よく耐えた』

我が先導者(マイ・ヴァンガード)!』

「おっと、思ったより早い到着だネ」

 俺がフリックヒッターにそう言うと、ヴァトラーは少し驚きながらも笑っていた。

 

『ヴァトラー....お前、いい加減にしろよ。今日だけでお前と顔を合わすのも三回目だ。

 いい加減に自分の国に帰れ。お前の相手をしてる暇はこっちにはないんだよ』

「冷たい事を言ってくれるネ」

『実際そうなんだよ』

 そう言いながら、ヴァトラーを睨みつけていると坂から何かが高速で登ってくる音が

 聞こえた。音のほうをちらっと見ると、何故か古城がチャリに乗って登ってきていた。

 

『(どこでそのチャリ手に入れた....)』はぁ

「ヴァトラー! お前色々とやりすぎだ!」

「やぁ古城。良い夜だね」

「呑気にあいさつしとる場合か!」

『暁 古城、先にそっちの心配してやれ』

 俺はそう言って浅葱の方を指差した。

 

「あぁ」

 古城はそう言うと、浅葱に近寄って行き何かを話していた。すると、ヴァトラーは

 小さくなっているなっちゃんを見ていた。

 

「南宮 那月....なるほど。脱獄囚の目的は空隙の魔女か」

『あぁ。誰かのせいであんな姿に変えられたしな』

 そう言いながら俺はヴァトラーを睨んだ。

 

「はは....ははははは....ははははははははは!」

 すると、突然ヴァトラーは声を上げて笑い出した。その様子を俺は警戒していたが、古城は

 困惑していた。

 

「まったく、何て姿だ。見る影もないな空隙の魔女。あははははは!」

「ヴァ、ヴァトラー....?」

 古城はヴァトラーの様子に困惑し続けていたが、俺は何か嫌な予感を感じていた。

 

「見たところ、君も手負いのようだね古城。その状態で彼女を守るのは大変そうだネ。だから、

 これは提案なんだが彼女をボクの船で預かろう」

「なっ!?」

『....どういう風の吹き回しだ』

「監獄結界の囚人は空隙の魔女を狙っている。このまま市街地にいれば一般人を巻き込むかも

 しれないヨ?」

『なるほど....そういう事か』

『(コイツは都合が良いか....奴の船だったら壊しても問題がない。いざ戦闘になった時に

 周囲への被害や一般人に戦闘を見られずに済む)』

『暁 古城。そいつの話しを受けておけ。南宮 那月が近くにいる以上、囚人どもは必ず

 狙いに来る。ここはヴァトラーの船を囮にして囚人を一ヶ所に集めたほうが良い。それに、

 民間人への被害もなくなるだろう』

「っ! 確かに....」

 俺の言葉に、古城はどこか納得したような表情をしていた。そして....

 

「わかった。お前の話しに乗ってやるよ」

「そうかそうか! ならば案内しよう。黒輪の根絶者(デリーター)、君も来るだろう?」

『当然だ』

「ちょ、ちょっと古城! あんた何勝手に決めてるのよ! てか、なんで古城が戦王領域の

 貴族と知り合いなのよ!? あとそこの騎士みたいなの誰!」

 古城がヴァトラーの話しに乗ると、浅葱が古城に向かって一気に質問攻めをしていた。

 

「いや、ちょっと色々あってだな....」

「あんたねぇ....私がそれで納得できると思ってるの?」

「だよなぁ....」

『おいお前ら。一回集合。あとアスタルテも』

 俺は古城と浅葱が言い争いをしている隙に三人を集めた。

 

『アスタルテ、特区警備隊(アイランド・ガード)の状況は?』

「今日一日で半分は壊滅状態になりました」

『そうか....お前はまだ戦えるか?』

「はい。魔力が温存できたので』

『そうか。なら、お前はそのまま残った特区警備隊(アイランド・ガード)を使って負傷者の手当てをしてくれ。

 なっちゃんの方はこっちでどうにかする』

「わかりました。....主人(マスター)の事、お願いします」

 そう言って、アスタルテは倒れている特区警備隊(アイランド・ガード)の方に向かっていった。

 

『フリックヒッター、囚人は何人捕らえた?』

『俺の方では二人だ。イフリートのジジイとクォラタス劇場の歌姫だ』

『あ、私も探してる時に一人ぶっ飛ばしたわよ我が先導者(マイ・ヴァンガード)。何か若い女だったけど』

『そうか』

『(三人か....少なくとも、あと二人いるな)』

 俺は二人の報告を聞いてそう考えていた。

 

『それと我が先導者(マイ・ヴァンガード)。空隙の魔女を探しながら仙都木 阿夜を探そうとしたのだけど

 何処にいるかわからなかったわ。この島全体に仙都木 阿夜のような魔力が点々と

 感じられたから、おそらくダミーが山ほどあるわ』

『それはわかっている....』

 そう言いながら俺は少し考えて、俺は二人にこう言った。

 

『ひとまず二人ともご苦労だった。あとは俺達に任せておけ』

『了解』

『じゃ、後は頼んだわよ我が先導者(マイ・ヴァンガード)

 そう言うと、二人はカードになって俺の手元に戻ってきた。そして、俺と古城と浅葱、

 小さくなったなっちゃんはヴァトラーの船に向かって歩き出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

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