ストライク・ザ・ブラッド~黒輪の根絶者〜 作:アイリエッタ・ゼロス
「オシアナス・グレイブの中ですって!?」
『そんなにでかい声で叫ぶな....一応夜だぞ』
ヴァトラーの船の外に出た俺はキレ気味の紗矢華にそう言った。
「それで、どうして先輩達をこの船に乗るように言ったんですか。黒輪の
『連中は"空隙の魔女"を追いかけている。もしあのまま街中にいれば民間人に被害が
出る。この船だったら民間人に被害も出ないし船が壊れたところでアイツの船だ。
一隻壊したところで問題ないだろ』
「無茶苦茶に言うわね....」
『アイツの扱いなんてこんなもんでいいんだよ』
「....それで、先輩達は今何を?」
『何か風呂入りに行ったぞ』
「えっ?」
「はぁ!?」
『(さっき俺も誘われたが....)』
~数分前~
「こちらにいらっしゃったのですか、黒輪の
ヴァトラーの船に来て、俺はデッキの所にいた。すると、背後から声をかけられた。
振り向くと、金髪で碧眼の赤いメイドがいた。
『お前は?』
「アルデアル公にお仕えするメイド軍団の一人、ヴィクトリア・カーマインと申します。
先程、大浴場の準備ができましたので。第四真祖と二人のお客様は入るそうなので、
黒輪の
『そうか。わざわざありがたいが俺は遠慮しておく。アイツの船で呑気に風呂なんて
入れるか』
「随分とバッサリおっしゃいますね」
『これまでのアイツを見てたら誰もがそう思う....で、お前、それを言うためだけに
俺に近づいたわけじゃないな』
俺はヴィクトリアから感じた気配に気づき警戒しながらそう聞いた。
「....やはり気づかれてしまいますか。さすがは黒輪の
『御託は良い....とっとと話せ』
「そうですね。では、簡潔に申しますが黒輪の
『....悪い。何て言ったかもう一回言ってくれ』
「黒輪の
『(聞き間違いじゃなかった....)』
『(
『(今の会話で大体わかるわ....)』
ヴィクトリアの言葉を聞いて、俺とジョーカーは警戒心を引き上げた。
『....取り敢えず、何で俺の子種を欲しいのか聞いても良いか?』
「その言い方から察するに理由があれば子種をいただけるということですか?」
『そうは言ってない....というか、何でアイツのメイドが俺にそんな事を言ってくる』
「そうですね....まず私はアルデアル公のメイドなのですが、元々私は戦王領域近くの
国の王族の娘でした。レイズ王国というのをご存じですか?」
『....確か戦王領域のすぐ近くの国だっだな』
「その通りです。レイズ王国の国王、私の父は国を守るために戦王領域に私を売りましてね。
なので、黒輪の
あなたほどの強力な子種であればアルデアル公を超えそうですし」
『下剋上ならヴァトラーでも良いだろ....』
「駄目ですよ。あの人、女性に興味がないですし」
『そういえばそうだったな....』
「そんなわけで一発どうですか?」
『どうですかって聞かれても断るに決まってるだろ....』
俺は一連の話しを聞いて呆れながらそう言った。
『そもそも、よく知りもしない女とそういうのは俺はごめんだ。というか、俺がOKとでも
言うと思っていたのか』
「まぁ、3割ほど」
『....はぁ。下剋上を狙うなら俺じゃなくて第四真祖に言ってみろ。俺よりも奴の方が
いくらか可能性はあるだろ』
そう言って、少し面倒と思った俺は全部古城に丸投げするようなことを言った。
「あら、そうなのですか?」
『さぁな。知りたかったら自分で聞いてみろ』
「そうですか。では後程聞いてみることにします」
『好きにしろ』
「では、私はこの辺りで。気が変わったらいつでもおっしゃってくださいね」
そう言って、ヴィクトリアは一礼してここから去っていった。
~~~~
「この緊急事態に何やってんのよあのアホ真祖!?」
「先輩....」
『(おっかね....そういや、アイツ大丈夫なのか?)』
俺は目の前でキレている二人を見ながらそんなことを考えていた。
その頃、大浴場では五人のメイドに言い寄られ、浅葱に抱き着かれて鼻血を噴き出した
男がいたとか....