ストライク・ザ・ブラッド~黒輪の根絶者〜 作:アイリエッタ・ゼロス
「黒輪の
『まったく....祭りをとんでもない規模にしてくれたな』
なっちゃんと姫柊の檻を破壊した俺は仙都木 阿夜にそう言った。
「....相も変わらず訳の分からない能力を使うな、汝は」
そう言いながら、仙都木 阿夜は俺と姫柊の方を見てこう言ってきた。
「....黒輪の
「....どういう意味ですか」
「剣巫....汝が持つ槍、"
斬り裂く破魔の槍と言われていたな。だがそれは事実か?」
「....何が言いたいんですか」
「汝の槍は魔力を無効化しているのではなく、本来あるべき世界の姿に戻しているのではないか?
異能という存在がない世界にな....」
「そんなもの、ただの憶測ではないですか」
そう言った姫柊の言葉に、仙都木 阿夜は笑っていた。
「憶測か。ならば、汝は何故闇聖書の効果を逃れて、今も呪術を使える理由を我に聞かせて
欲しいものだな」
「っ! それは....」
姫柊は仙都木 阿夜の言葉に何も言い返せなくなっていた。
「そしてそれは汝もだ、黒輪の
そして、仙都木 阿夜は俺に向かってそう言ってきた。
「誰も知らない数々の異形の姿を持ち、真祖と同等....いや、それ以上の力を持つ汝は一体
何者だ? ただ一人の存在が、あれだけの異形の力を持ち、自在に操るなど....汝は本当に
この世界の存在なのか?」
『そうだな....一つ言えるとすれば、俺はこの世界....いや、この惑星の存在ではないな』
仙都木 阿夜の言葉に、俺はそう返した。
「えっ....?」
「何だ? それはつまり、汝は宇宙人とでも言いたいのか?」
『そうなるな』
「ふっ....宇宙人か。ならば、この世界が消滅した時、汝はどうなるのだろうな?」
『さぁな....というか、そもそもこの世界を消滅させると思っているのか?』
そう言って、俺はブラスター・ブレードを構えた。
『それに、どうやらアイツが来たみたいだ』
「この魔力....!」
「っ! 馬鹿な....」
仙都木 阿夜は、自分が創り上げた障壁が謎の霧によって包まれているのに気付いた。
『(注意を引いて正解だったな....)』
俺がそう思っていると、障壁は第四真祖の三番目の眷獣、"
破壊された。そして、破壊された穴から血まみれの古城と仙都木 優麻を背負った紗矢華が
入ってきた。
「何故だ....汝の魔力は既に....」
「アンタが不要と言ったユウマのおかげだ」
「....まだ動けたのか、あの人形は」
仙都木 阿夜は怒りで身体から魔力があふれ出ていた。
「あんたは俺の仲間を大勢傷つけた....あんたがユウマの母親だろうが関係ねぇ! 目的も
知ったことか! ここから先は、
「いいえ先輩! 私達の
「....言ってくれるな餓鬼どもが! ここはいまだ我が世界の中ぞ!」
そう叫んだ瞬間、仙都木 阿夜は空中に文字を描きだした。すると、文字を描いた場所から
俺達が倒した監獄結界の囚人の偽物が現れた。
「記憶を元に魔導犯罪者を....!」
『偽物如きが....失せろ! バースト・バスター!』
「煌華麟!」
だが、偽物の囚人は俺と紗矢華が全て消し去った。その間に、古城と姫柊は連携攻撃で
仙都木 阿夜が自身の前に創り出した水晶の壁を破壊していた。
「世界に拒絶された異端どもの連携がこれほど厄介とはな。ならば....!」
すると、仙都木 阿夜は袖口から一冊の魔導書を取り出した。それと同時に、姫柊は黒い触手に
捕まった。
「汝の記憶、奪わせてもらうぞ剣巫! "
そう叫ぶと、仙都木 阿夜の"守護者"が現れ姫柊に斬りかかろうとした。だが....
『今度はお前がかかったな、仙都木 阿夜!』
俺がそう叫んだ瞬間、姫柊の前に金色の"守護者"が現れた。
「黄金の、"守護者"だと....!?」
『ライド!』
仙都木 阿夜が金色の"守護者"に注意が向いた一瞬の隙をつき、俺はフリックヒッターに
ライドして仙都木 阿夜の取り出した魔導書を奪った。
「しまっ....!?」
『返してもらったぞ、南宮 那月の時間』
そう言って、俺はなっちゃんに魔導書を投げた。
「礼を言うぞ、黒輪の
「那月ちゃん! 魔力が戻ってたのか?」
「一瞬だけ魔術が使える程度のわずかなストックだがな。どこぞの真祖が風呂場で鼻血を
出したおかげだ。藍羽にも感謝しなければな」
「幼児化の記憶も残ってんのかよ!?」
そう話している二人を、触手から脱出した姫柊は冷めた目で見てた。
「姫柊 雪菜、阿夜の意識を一瞬刈り取れ。あとそこの舞威媛! 阿夜の娘には意識があるか」
「意識は....」
「....少しだけならあるよ」
紗矢華に背負われた仙都木 優麻はなっちゃんにそう言った。
「あくまで我の敵に回るのか! 那月!」
仙都木 阿夜はそう叫び、無数の溶岩や氷塊、地面から突き出す針をなっちゃんに飛ばした。
『させるか!』
だが、その攻撃は俺の持つ鞭によって全て破壊された。
「鳴雷!」
仙都木 阿夜の意識がこっちに向いている隙をつき、姫柊は仙都木 阿夜に蹴りを一発お見舞い
した。
「ぐはっ....!?」
「悲嘆の氷獄より出で、奈落の螺旋を守護せし無謀の騎士よ....」
仙都木 阿夜の意識が一瞬飛んだ瞬間、なっちゃんは呪文を唱えだした。
「我が名は空隙。永劫の炎をもって背約の呪いを焼き払う者なり。汝、黒き血の軛を裂き、
在るべき場所へ還れ、御魂を恤みたる蒼き処女に剣を捧げよ!」
なっちゃんの呪文が言い終わった瞬間、"守護者"の黒い鎧がひび割れて蒼い鎧が見えた。
「ユウマ!」
「"
仙都木 優麻の言葉に、"守護者"は共鳴し、仙都木 阿夜は"守護者"を失った。
「我が生み出した人形が、我の支配に逆らうか....!」
膝をついた仙都木 阿夜は血を吐きながらそう呟いた。
「潮時だ、阿夜....監獄結界に戻れ。お前が見た夢は、もう終わった」
なっちゃんは諭すように、仙都木 阿夜にそう言った。
「孤立無援とはこの事か....LCOの魔導師を見限ったツケがこのような形で回ってくるとはな」
仙都木 阿夜はゆっくりと首を振りながらそう言った。
「だが、まだ我の世界は終わっていない。夜明けまで耐えれば我の勝ちだ」
「そうなる前に、あなたを倒します」
姫柊は雪霞狼を向けながらそう言った。
「....できるか、剣巫?」
その瞬間、仙都木 阿夜から魔力が急上昇する気配を感じた。その気配はなっちゃんも
感じたのかどこか焦った様子だった。
「っ、よせ! やめろ阿夜!」
なっちゃんはそう叫ぶが、仙都木 阿夜には聞こえず、仙都木 阿夜は謎の紫色の炎に包まれた。
「な、なんだこれ!?」
「
「こうなったら、誰にも止められない。阿夜はもう....」
「嘘だろ....」
『諦めるには早いぞ。ライド』
俺は悔しそうにそう呟いたなっちゃんの頭をなでながらブラスター・ジョーカーにライドした。
「貴様....」
『助けるんだろ、親友を』
そう言いながら、俺は一枚のカードを指で挟んだ。
「....あぁ、そうだな。借りるぞ、お前の力」
『あぁ。....我に宿りし破滅の力、共に戦う
俺はそう唱えなっちゃんにカードを投げると、なっちゃんの姿は伴星の
姿が変わった。
『一撃で決める。合わせろよ』
「あぁ」
そう言って、俺となっちゃんは仙都木 阿夜だった存在に向かって走り出した。
仙都木 阿夜だった存在は、俺達が向かってくるのを防ぐため、怪物を呼び出した。だが、
現れた怪物達は姫柊や紗矢華が全て倒してくれた。
「終わりの刻だ! 阿夜!」
『チェックメイトだ、仙都木 阿夜!』
そして、俺となっちゃんの
その瞬間、なっちゃんは虚空から鎖を呼び出し仙都木 阿夜は引きずり出し、俺は分離された
炎を
「....終わったか」
『あぁ』
そう言いながら、なっちゃんは気絶している仙都木 阿夜を見ていた。
『(魔女としての力はかなりやられたか....)』
俺は仙都木 阿夜の様子を見て少し考え、ある事を思いついた。
『空隙の魔女、仙都木 阿夜はこちらで少し預かるぞ』
そう言って、俺は気絶している仙都木 阿夜を背負い、黒門を開く者を
「お、おい!」
『安心しろ。事が終わればすぐに返す。ではな、お前ら』
俺はそう言って黒門が開く者が創り出した黒いゲートに入りこの場から去った。