ストライク・ザ・ブラッド~黒輪の根絶者〜   作:アイリエッタ・ゼロス

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観測者たちの宴 XIII

「阿夜はどうだ....?」

「取り敢えず、今の今まで治療して五割治療できた。そう時間はかからないはずだ」

「そうか....すまないな」

 仙都木 阿夜との戦いが終わった十数時間後、俺はなっちゃんと学園の屋上にいた。

 

「気にすんな。俺となっちゃんの仲だろ?」

「....そうか」

 そう言いながら、なっちゃんは虚空からワイングラスを二つと一本のワインを取り出した。

 そして、なっちゃんはワインを注ぐとグラスを一つ渡してきた。

 

「私からの奢りだ」

「どうも」

 そう言って、俺はグラスを受け取り一口ワインを飲んだ。

 

「はぁ....働いた後のワインは美味いな」

「そのワインも、そこそこ高いものだからな」

 そう言いながら、なっちゃんもワインを飲んでいた。

 

「あ、そういえば....これの処理頼んだ」

 俺は虚空に手をかざすと、虚空には黒いゲートが開き、そこから十数冊の魔導書と捕獲した

 LCOの魔導師と魔女が落ちてきた。

 

「何だこの数は....」

「俺に無謀にもケンカを売ってきた馬鹿どもだ。魔導書は一冊残らず回収、魔女が二人いる。

 記憶の処理はしておいたからそっちで処理を頼む」

「....はぁ。よくもまぁこれだけの人数を....」

 なっちゃんは呆れながら魔法陣の中にしまっていった。

 

「これだけの人数を捕まえたのだ。給料だけでは足らんだろう。何か欲しいものはあるか?」

 なっちゃんは俺の働きを認めてくれたのかそんな事を言ってきた。

 

「そうだな....強いて言うなら休みが欲しいな。ここ二日働きっぱなしなんでな」

「そうか、休みか....なら四日ほど病院に入院していろ」

「病院?」

「この二日間、お前は暁達と一度も会っていないだろう。そんなお前が普通に登校すれば

 間違いなく剣巫に怪しまれるぞ」

「確かに....」

 なっちゃんの言う事には一理あった。姫柊はああ見えて勘は鋭い。普通に登校すれば間違いなく

 怪しまれるのが想像できた。

 

「とにかく、今日中に病院に入院しておけ。後は私がどうにかしてやる」

「ありがとな、なっちゃん」

「....教師をちゃん付で呼ぶな」

 そう言いながら、なっちゃんは俺のグラスにワインを注いできた。

 

「そうだ。お前に会いたいという人間がいたぞ」

「俺に?」

「あぁ」

 なっちゃんはそう言って指を鳴らすと、なっちゃんの近くの空間が歪んだ。すると、空間から

 仙都木 優麻が現れた。

 

「こいつはまた意外な....」

「初めまして、黒輪の根絶者(デリーター)。今は伊吹 終夜って呼んだほうが良いのかな?」

「あぁ。そうしてくれると助かる」

「そっか。....君にはとても迷惑をかけたね。すまなかった」

 そう言うと、仙都木 優麻は俺に頭を下げてきた。

 

「気にすんな。お前が古城の親友じゃなかったら根絶(デリート)してただけだ」

「....手厳しいね」

 そう言いながら、仙都木 優麻は苦笑いしていた。

 

「で、俺に何か用があるのか?」

「いや、そんなに深い理由はないよ。ただ、古城がこの島でできた親友はどんな人物か興味が

 あったんだ」

「へぇ....」

 そう言って、仙都木 優麻は興味深そうに俺を見ていた。

 

「うん....確かに面白い人間だ。それに....いや、これはやめておくよ」

 仙都木 優麻は意味深に笑うとなっちゃんの背後に回った。

 

「もういいのか?」

「あぁ。彼がどういう人間がわかったからね」

「そうか。伊吹、これから私とコイツは暁達に会いに行く。お前は今のうちにこの病院に

 行っておけ」

 そう言って、なっちゃんは一枚の紙を渡してきた。そこには病院の場所と病室の番号が

 書かれていた。

 

「どうも」

「また病室でな、伊吹。二日間ご苦労だった」

「じゃあね」

 そう言うと、二人は空間転移でこの場から消えた。

 

「....あ」

 俺は二人が消えた場所を見ると、そこにはさっき飲んでいたワインの瓶が置かれていた。瓶の

 中にはまだ半分ほどワインが残っていた。

 

「お前も飲むか? ジョーカー」

 そう言いながら、俺はブラスター・ジョーカーのカードを手に取って自分の横に投げた。

 

『....そうだな。お言葉に甘えさせて頂こうか」

 ジョーカーはなっちゃんが置きっぱなしにしていたグラスを手に取った。俺はそのグラスに

 ワインを注ぎ、自分のグラスにもワインを注いだ。

 

「んじゃ、お疲れさん。乾杯」

『乾杯』

 その瞬間、この日のフィナーレを飾る花火が打ち上げられた。

 

 ~その頃~

 

「ねぇ、そういえば終夜は....?」

「「あっ....」」

 とある埠頭で親友の事を忘れていた吸血鬼と、吸血鬼の親友の事を忘れていた剣巫がそのことを

 思い出したとか....

 

 

 

 

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