ストライク・ザ・ブラッド~黒輪の根絶者〜 作:アイリエッタ・ゼロス
『(随分と大所帯だな....それに、矢瀬もいるのか)』
俺は星骸者 ルールリにライドして気配を消しながら矢瀬と
見ていた。すると、突然地面が割れてそこから謎の金属生命体が現れた。その瞬間、
近くにあった装甲車から水が放射された。だが、水はただの水ではなく、白く煙るほどの
冷気を纏っていた。そして、同時に金属生命体を包むように魔法陣が浮かび上がり
金属生命体を凍らせていた。
『(ここまで上手くいってるな....だが、あの映像の事を考えると....)』
そう考えていると、凍結している金属生命体の前に天塚が現れた。そして、天塚は
凍結した金属生命体の凍結を解除すると杖の様な物を突き刺した。すると、金属生命体の
色は赤く変色し形を変え始めた。
『(このタイミングだな....)』
そう思い、俺は
予想通り金属生命体は俺がゲートを作った場所に向かって荷電粒子砲を放ってきた。
『
俺はそう叫びながら荷電粒子砲を吸収し続けた。すると、危険だと思ったのか
荷電粒子砲を新たに作ったゲートから金属生命体に放った。金属生命体の放っていた
荷電粒子砲と直撃したのだが、俺が放った荷電粒子砲の方が威力は強く、金属生命体の
荷電粒子砲を押し返して金属生命体に荷電粒子砲は直撃した。直撃した金属生命体は
大爆発を起こし、周囲一帯は吹き飛ばした。俺も咄嗟に躱し、近くの物陰に移動して
ライドを解除した。
「あの近距離での爆発は流石にえぐいな....」
俺は服に付いた砂埃を払いながらそう呟いた。
「(そういえば天塚は....)」
俺は周囲の魔力の気配を探ったのだが、天塚の魔力の気配は感じなかった。その代わりに、
覚えのある魔力が俺の背後に一つ、少し離れた所に二つあった。
「これはまた随分な惨状だな。だが、
「お早いご到着で....」
俺の背後にいたのはなっちゃんだった。
「悪いが天塚には逃げられた。多分だが....」
「あぁ。叶瀬 賢生から大体の事情は聞いた。恐らく叶瀬 夏音のいるフェリーだろうな」
「どうする? 追いかけるか?」
「いや、今回はお前は行かなくていい。むしろ行くな。正体がばれかねん。それに、
夏音にはお前の部下を持たせてある。心配はいらんだろう。それに、行くとしたら
丁度いい奴が近くにいるだろう」
「....まぁ確かにそうだな」
「まぁ少し私に付き合え。良いな?」
「了解」
そう言って、俺はなっちゃんとともに空間転移で跳んだ。すると、跳んだ場所には
服がはだけて倒れている浅葱と、褐色肌の浅葱、古城がいた。
「やはり来ていたな暁。それと、貴様がニーナ・アデラードだな」
「那月ちゃん! それに終....!」
「教師をちゃん付けで呼ぶな」
那月ちゃんはそう言いながら日傘で古城の頭を叩いた。
「まったく、お前は常にトラブルの渦中にいるな」
「それは悪かったな....って、それどころじゃねぇんだよ! 急いで天塚の居場所を
探してくれ! アイツが復活させようとしてるワイズマンってのは相当ヤバいんだよ!」
「心配すんな古城。居場所はほぼ確定で姫柊達が乗ってるフェリーだ。天塚は叶瀬を
供物に使う気だからな」
「いや、それだけとは限らん。雪菜という娘も優れた霊媒を持っておる。狙われて
いてもおかしくはないだろうな」
「マジかよ....! 那月ちゃん、今すぐフェリーまで跳んでくれ!」
「無理だな。距離が遠すぎる」
「っ....」
「心配するな。そう言うと思って足は用意してある」
「そうなのか?」
俺は那月ちゃんの発言を不思議に思いそう言った。
「あぁ」
「ならそこに早く!」
「....後悔するなよ」
そう言った時、那月ちゃんは少し笑っていた。
「(絶対ヤバい奴だな....)」
俺はあえて口に出さず心の中でそう思った。
~~~~
俺達五人が転移した場所には謎の巨大飛行船があった。
「あのマークってまさか....」
俺は飛行船に描かれているマークに見覚えがあった。すると、突然飛行船からホログラムの
映像が映った。
『えぇ。アルディギア王国が誇る装甲飛行船、”ベズヴィルド”です』
ホログラムに移ったのはリアだった。
「お久しぶりですね古城、終夜」
「おう。元気そうで何よりだ」
「ラ・フォリア、あんたが手を貸してくれるのか」
『事は一刻を争いますからね。我がアルディギアが持つ最速の移動手段を用意させて
頂きました。ただし、機体の関係で乗れるのは二人までですが....』
「いや、それでも十分だ。俺と誰が行く?」
「今回は俺は留守番しとくわ。魔力の使い過ぎであんま役に立てなそうだし。大錬金術師様、
俺の代わりに古城を頼んでも良いか?」
俺はニーナ・アデラードの顔を見てそう聞いた。
「....良いだろう。古城も構わぬか?」
「あぁ。大丈夫だ」
「決まりだな」
「では、お二人はこちらへ」
すると、飛行船の近くにいたアルディギア王国の騎士団の服を着た女性がいた。その女性は
昔に何度か顔を合わせた事があるユスティナ・カタヤだった。ユスティナは俺を
見ると少し頭を下げた。俺もそれに気づいて少しだけ手を挙げた。
「じゃ、今回は任せたぞ古城」
「あぁ。じゃあ行って....」
『お待ち、第四真祖の坊や』
そう言って古城が飛行船に乗ろうとした時、突然俺達の背後からそんな声が聞こえた。
振り向くと、そこには黒い車と一匹の黒猫がいた。その黒猫からは相当の魔力を感じた。
「(おいおいマジか....何で獅子王機関の結構偉い奴がいるんだよ)」
俺は顔には出さなかったが心の中でかなり警戒した。
「ニャンコ先生!」
「(何でアイツはあんなに親しげなんだよ....)」
俺は古城が親しげにしてるのを見て頭が痛くなった。
「何でここに?」
『おまえさんに渡したい物があるんだよ。紗矢華! いつまで車にいるんだい! さっさと
車から降りな!』
「嫌です師家様! よりにもよって終夜がいる所でこんな格好で出たくないです!」
すると車の窓が開き、車の運転席にいた紗矢華が猫にそう叫んだ。
『ぐちぐち言ってんじゃないよ! たかだか服がちょっと変わったごときで!』
「これのどこがちょっとなんですか!」
「おい紗矢華? 何をそんなに怒って....」
俺はそう言いながら車に近づくと、突然車の扉が開いて運転席にいた紗矢華が俺の方に
飛んできた。
「きゃっ!?」
「っ!」
俺は咄嗟に飛んできた紗矢華を受け止めた。
「大丈夫か紗矢、華....」
俺は受け止めた紗矢華の服を見ると、紗矢華の服は昨日見た式神の紗矢華のメイド服と
同じだった。
「あ、ありがとう....って、見ないで!」
紗矢華はそう叫ぶと俺の目を手で押さえてきた。
「あの、紗矢華....言っちゃ悪いがその服装、式神の紗矢華で見たぞ」
「はぁ!? それ本当なの!?」
「あ、あぁ....」
「っ~~~! 師家様! 何してくれるんですか!」///
紗矢華は猫に向かってそう叫んでいた。それと同時に俺の目から手が離れたので紗矢華の
顔を見ると、紗矢華の顔は真っ赤だった。
「でも紗矢華、その服よく似合ってると思うぞ」
「な、何言ってんのよバカ終夜!?」///
『いちゃついてんじゃないよ紗矢華。さっさとあれを第四真祖の坊やに渡しな』
「わ、わかりましたよ!」
紗矢華はそう言うと、車の中から姫柊が普段持っているギターケースを古城に渡した。
「これは....」
『雪菜を頼んだよ、第四真祖の坊や』
「あぁ!」
そう言って古城とニーナ・アデラードは巡航ミサイルの様な物に乗ってフェリーの方に
飛んでいった。
『さてと、おまえさんが伊吹 終夜だね。うちの雪菜と紗矢華が世話になってるね。特に
紗矢華とは随分と仲良くしてくれているみたいだね。師匠として礼を言わせてもらうよ』
紗矢華が師家様と呼んでいた猫は律儀に頭を下げてそう言ってきた。
「それはこちらもだ。俺も俺で紗矢華には世話になった。お互い様ってやつだ」
『そうかい。なら、これからも紗矢華の事をよろしく頼むよ』
そう言って、猫は笑っていた。
『さて、紗矢華。そろそろ帰るよ』
「わかりました....じゃあ終夜、またね」
「おう。じゃあな」
紗矢華はそう言うと猫を車に乗せて走って行った。
「さて、伊吹。お前は学校に行け。特別に空間転移で送ってやろう」
「そいつはラッキーだ。じゃあリア、またな」
『えぇ。では』
そう言われた次の瞬間、俺は空間転移でこの場から消えた。
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紗矢華side
『紗矢華、あんた随分と良い男を捕まえたじゃないか』
帰り道、車を運転していると突然師家様は私にそう言ってきた。その言葉に驚き私は
急ブレーキをかけてしまった。
「お、男って!? 別に終夜とはそんなんじゃ!?」
『ありゃいい男だね。男嫌いのあんたが気にいるのが納得できるよ。で、あの子と
付き合ってんのかい?』
「つ、付き合ってはないです....」
『そんな事だろうと思ったよ。スタイルが良いんだから胸でも押し付けて誘惑でも
何でもしてしっかり落としなよ』
「だ、誰がしますかそんな事!?」///
笑いながらそんな呑気な事を言う師家様と違って、私の顔は鏡を見なくてもわかるほど
熱く真っ赤になっていた。
『ま、せめて後悔するんじゃないよ』
そう言うと師家様は眠りに就いた。