ストライク・ザ・ブラッド~黒輪の根絶者〜 作:アイリエッタ・ゼロス
「っ!」
フェリーに突然嫌な気配がまとわりついた時、私は船内の中を走っていた。
「(この嫌な気配は....)」
そう思って私が駐車場に行くと、そこには叶瀬さんと腕を剣に変えて叶瀬さんに
振り下ろそうとしている天塚 汞がいた。
「叶瀬さん!」
私は咄嗟に天塚の攻撃を防ごうとしたのだが、それよりも早く叶瀬さんの前に
竜巻が起こり、竜巻の中から飛んだ攻撃が天塚を吹き飛ばした。そして竜巻が収まると、
そこには三体の機械の動物がいた。
「(アレは、伊吹先輩が使っていた....!)」
叶瀬さんの前に現れた三体の機械の動物は、私が以前見た伊吹先輩の狼とどこか酷似していた。
すると、天塚は状況がマズいと思ったのかこの場から逃げ出した。その隙を見て、
私は叶瀬さんに近づいた。
「叶瀬さん!」
「雪菜ちゃん....!」
「大丈夫でしたか! それよりも、この機械の動物達は....」
「南宮先生が護衛と言って私にこのカードを三枚渡してくれました」
そう言って、叶瀬さんが見せてくれたのは絵の部分が消えている三枚の黒いカードだった。
「(黒輪の
ないんですか....?)」
私は一人そんな事を思っていた。
「そうですか。怪我はないですか」
「はい。この子達が守ってくれました」
そう言いながら、叶瀬さんは機械の動物の頭を撫でていた。
「それなら良かったです....それよりも、叶瀬さんも早く避難を。再び天塚が来るかも
しれません」
「....いえ。それはできません。私は彼に、言わなければならない事があるんでした」
「彼に? それは一体....」
そう聞いた瞬間、突如私達が乗っている船が大きく揺れた。
「っ! 急がないと....私を乗せてくれませんか?」
叶瀬さんはライオンの様な機械にそう聞いた。すると、ライオンの様な機械は叶瀬さんの前で
膝をついて一度鳴き声を上げた。
「っ! ありがとうございました」
そう言って叶瀬さんがライオンに乗ると、ライオンはどこかに向かって走り出した。
「叶瀬さん!」
「(私も追わないと....!)」
そう思っていると、残っていた二体のうちの一体が私の前で膝をついて鳴き声を上げた。
「乗っていいんですか?」
そう聞くと、膝をついた方の機械の動物は鳴き声を上げた。
「ありがとうございます!」
私はそう言うと動物の上に乗って叶瀬さんを追いかけた。
~~~~
追いかけて着いたのは船首部分だった。
「あなたは可哀そうな人でした....偽りの記憶を与えられて自分が騙されていることに
気づかず、あの人の言いなりにさせられてました」
叶瀬さんは船首部分にいた天塚にそう言っていた。
「
「決まってるだろ! アイツに喰われた半身を取り戻して人間に戻るんだ!」
「....だったら、あなたは人間の頃の記憶はありますか?」
「何っ....?」
「一体どこで生まれて、どんな風に生きていたか....あなたは覚えていますか?」
「....黙れよ。叶瀬 夏音....」
「そうでしたよね。あなたは何も覚えていない....いえ、そもそも思い出す記憶は無い。
だってあなたは、
「黙れぇぇぇぇ!」
「叶瀬さん!」
天塚が叶瀬さんに斬りかかろうとしたその時、突然背後から凄まじい風が吹いた。
風の方向を見ると、フェリーに向かって何かが飛んでくるのが見えた。よく見てみると、
飛んできた物の正体は巡航ミサイルだった。
「なっ!?」
「巡航ミサイルだと!?」
巡航ミサイルは真っ直ぐにフェリーに接近していたのだが、突如霧に包まれて消滅した。
それと同時に、霧からは先輩の眷獣の気配がした。
「まさか....!」
「あぁ~くっそ! 着地ミスったか....」
すると、突然叶瀬さんの近くからそんな声が聞こえた。その声の正体は....
「まぁ着いたから良いか....天塚、決着をつけに来たぞ」
「先輩!」