ストライク・ザ・ブラッド~黒輪の根絶者〜 作:アイリエッタ・ゼロス
「(よく気づくもんだな....かなりうまく魔力は隠してたんだがな....)」
家に帰る道中、俺は叶瀬の言葉を思い出しながらそう考えていた。
「(話す、わけにもいかないな....まぁ、今はなるようなる事を祈るか)」
そう考えていると、気づけば家に着いていた。そしてエレベーター乗って自分の部屋の
階に着くと、家の前には何故か姫柊がいた。
「姫柊?」
「あ、おかえりなさい伊吹先輩」
「何してんだ俺の家の前で」
「....少し、伊吹先輩に話しておきたいことがあって。時間良いですか?」
「....? 別に構わないが....取り敢えず家に入れ」
そう言って、俺は自分の家の鍵を開けて姫柊を中に入れた。そして、適当に飲み物を淹れて
ソファに座った。
「それで、話ってのは何だ?」
「....凪沙ちゃんの事です」
「凪沙ちゃん?」
姫柊が名前を出した人物に俺は首を傾げた。
「はい....」
「凪沙ちゃんがどうかしたのか?」
「....実は、フェリーで先輩と覚醒した
いたんです」
「謎の力....」
「(アヴローラの事か....)」
「はい。戦いの中で先輩は金属化されてしまったんですが、突然何かが憑依した凪沙ちゃんが
現れて先輩の金属化を解除したんです。それと同時に先輩の眷獣が解き放たれて....」
姫柊の話しを聞く限り、俺は謎の力の正体がアヴローラであることを確信した。だが....
「何とか眷獣は私が抑えたのですが、私が抑えている間、凪沙ちゃんがたった一人で
相手をしていたんです。それも、見た事のない光の魔力で....伊吹先輩は何か知りませんか?」
姫柊から語られた魔力について、俺の頭の中にそのような魔力の記憶は無かった。
「光の魔力? ....いや、俺は全く知らないが。本当に光の魔力だったのか?」
「間違いありません。それに、何処か変わった形と剣と盾を持っていました。攻撃したら
すぐに消えたんで一瞬しか見えなかったんですが....」
「....」
「(アヴローラじゃない? いや、眷獣を解放させたのはアヴローラ以外考えられない....
だがアヴローラは剣や盾などは持っていなかった....じゃあ一体何だ? アヴローラ以外に
凪沙ちゃんの中には何かがいるのか?)」
俺はいくつかの可能性を考えて、一つの仮説を立てた。
「あの、伊吹先輩?」
「っ! 悪い、色々考えてた。....取り敢えず、姫柊の言った魔力については俺も知らない。
多分だが、古城も知らないだろうな」
「じゃあ、凪沙ちゃんのあの魔力は....」
「さぁな....ただ、話を聞く限り悪いものでは無い気がする。お前達や凪沙ちゃんを守るために
魔力が使われた、っていうのが俺の中での仮説だ」
「私達や凪沙ちゃんを....」
「....取り敢えず、一先ず様子見だ。恐らく魔力を使っている時に凪沙ちゃんの意思は
無いはずだ。聞いても凪沙ちゃんは何も知らないと思う」
「....わかりました」
「何かわかったら教えろ。こっちもこっちで調べておく」
「了解です」
そう言って、姫柊はコップに淹れていた紅茶を飲み干すと自分の家に帰っていった。
「....
そして、俺は姫柊が家から出るのを確認すると
「お前達、凪沙ちゃんを観察してくれ。アヴローラ以外の魔力を感じたらすぐに俺に報告しろ」
そう言うと、二体は首を縦に振って窓から外に出ていった。
「さて、鬼が出るか蛇が出るか....」