ストライク・ザ・ブラッド~黒輪の根絶者〜   作:アイリエッタ・ゼロス

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ヴァルキュリアの王国 Ⅱ

 車に乗って着いたのはファミレスだった。俺達は窓の方から姫柊、古城、俺、リアの

 順番に座っており、俺達の向かいの席には包帯を巻いたさっきのヴァイキングの男、

 リアの父親が座っていた。

 

「な、なぁ....これどういう状況だ?」

「知らん。俺に聞くな」

 そう言いながら、俺はコーヒーを一口飲んだ。

 

「貴様が第四真祖か....真祖と言うにはあまりに冴えない男だな。これでは長老や貴族の方が

 よっぽど迫力があるわ」

「だとよ、古城」

「余計なお世話だ....」

「....貴様が第四真祖ではないのか」

「第四真祖はこっちだ。俺はただの第四真祖の親友で見張り役だ」

「ただの見張り役、ではないでしょう? 終夜」

 俺の言葉にリアは微笑みながらそう言ってきた。

 

「....余計なことは言うな」

「ふふふ。分かっています」

「はぁ....もう帰って良いか? 正直この状況、ものすごく面倒なんだが....」

「まぁ待ってくださいな。....お父様。お父様がどうしても私に結婚をしろというのなら、

 私は彼を、終夜を結婚相手の候補に希望します!」

「....はぁ!?」

「「結婚!?」」

 リアの言葉に、俺と姫柊、古城は驚きの声を上げた。

 

「ラ、ラ・フォリア、終夜と結婚って....」

「ほ、本気で言ってるんですか!?」

「えぇ。もちろんです」

「で、でも黒輪の根絶者(デリーター)とキスを....」

「あれは私なりのけじめです。彼、誰とも結婚しないと言われたので。だから、あのキスは

 決別のキスです」

「(よくもそんなペラペラと噓が出るもんだ....)」はぁ

 そう思いながら、俺はため息をついた。

 

「ラ、ラ・フォリア....儂は誰でもいいから結婚しろと言っているのではない。そ、それに、

 その男はただの一般人で....」

「でしたら終夜はお父様を倒したではありませんか。これまで私の婚約者を力比べと称して

 返り討ちにしてきたお父様をです」

「ぐぬっ....!」

「お父様を倒すほどの実力を持った終夜です。婚約者としては申し分ないではありませんか」

「ぐぬぬぬっ....!」

 リアの言葉に、リアの父親は顔を歪ませていた。そして、リアの父親は俺の方を睨んできた。

 

「貴様! 儂に勝ったぐらいで図に乗るなよ! 我がアルディギアには最新の軍用魔導兵器が

 多数ある! 人型サイズのベルゲルミル! それより大型のアウルゲルミル! さらにロキに

 トール、最終兵器のオーディンが控えておる! だから....!」

「お、おい終夜....このままだとまずくねぇか....?」

「知るかよ....」

 そう呟いた時....

 

「あらあら、落ち着いてくださいなあなた」

 突然店の入り口の方からそんな声が聞こえてきた。声の方を見ると、そこにはリアによく似た

 女の人がいた。

 

「言ったじゃないですか。本末転倒になるって」

「お母様!?」

「ポリフォニア!?」

「(なんかややこしくなってきた....)」

 リアによく似た女の人はリアの母親で、アルディギアの現王妃でもある

 ポリフォニア・リハヴァインだった。

 

「ラ・フォリア、お父様はお父様なりに考えて他の方との縁談を勧めようとしていた

 のですよ」

「それは....存じていますわお母様」

「あなたも。力比べで負けたのですから少しはラ・フォリアの言い分を聞いてあげてくださいな」

「いやなポリフォニア。儂は負けを認めたわけじゃ....」

「あなた?」

「はい」

「(怖....)」

 俺は王妃の笑顔を見て心の中でそう思った。

 

「私はポリフォニア・リハヴァイン。娘と妹が随分とお世話になったようですね。暁 古城さん、

 伊吹 終夜さん」

「妹?」

 王妃の言葉に古城は首を傾げた。

 

「叶瀬の事だ古城」

「....あぁ、そういう事か」

「色々とお伺いしたいことはあるのですが、これ以上はお店の方にご迷惑になってしまうので....

 古城さんに終夜さん、それと剣巫のお嬢さん。実は今夜パーティーがあるんです。よければ

 皆さんを招待させてくださいな?」

 

 ~~~~

 

「(やっぱ面倒なことになった....)」はぁ

 店を出ると、俺はそう思いながらため息が出た。

 

「(行くの面倒だな....)」

 そう思った時、俺はどこからか悪意のある視線を感じた。

 

「(....どこだ)」

 周囲の建物を下から上に見ていくと、ファミレスの目の前にあるビルの屋上に双眼鏡を持った

 女がいるのが見えた。

 

「(そこか....)」

顕現せよ(Revelation)

 俺はそう呟くと、俺の右手にチャクラムの様な武器が現れた。そして、俺は双眼鏡でこっちを

 見ている女に向かってチャクラムを投げた。だが、女は勘が良いのか投げたチャクラムを

 躱して姿が見えなくなった。俺は脚に魔力を流して地面を蹴って屋上まで跳んだ。屋上には

 既に女の姿はなく壊れた双眼鏡だけが残されていた。

 

「逃げたか....」

 俺は双眼鏡を回収して下まで降りた。

 

「終夜!」

「急にビルに攻撃してどうしたんですか!?」

 下に着くと、古城と姫柊に詰め寄られた。

 

「こっちを悪意のある視線で見てるやつがいた。多分テロリストだろうな」

「テロリスト!?」

「そのテロリストは!」

「逃げられた。かなり逃げ足は速いな」

 そう話していると、周囲のSPは辺りを警戒していた。

 

「リア、気をつけろよ。今この周囲には連中はいないがパーティーには来る可能性はあるぞ」

「....わかりました」

「そういう事だ王妃さん。パーティーの警備、強化しといてくれ」

「わかりましたわ」

「....さて、じゃあ俺らは一回学校行くか。行くぞ古城、姫柊」

 そう言って、俺は二人とともに学校に向かった。

 

 

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