ストライク・ザ・ブラッド~黒輪の根絶者〜   作:アイリエッタ・ゼロス

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ヴァルキュリアの王国 Ⅳ

 王族の方を二人に任せた俺は避難通路の方に来ていた。客の避難は済んでおり、

 避難通路の方に客は一人もいなかった。

 

「(こっちは問題なさそうだな)」

 そう思いながら俺は避難通路を走り抜け、武器を消して一度ホテルの外に出た。

 

「(逃げ遅れもなし。後は....)」

「っ! アスタルテ!」

 俺はSPに指示を出しているアスタルテを見つけて声をかけた。

 

「終夜さん」

「避難指示ご苦労さん。怪我人は特にいなかったか?」

「はい。こちらは特に問題は」

「そうか。ありがとな」

 そう話していると....

 

「終夜!」

 突然浅葱が俺達の方に走って来た。

 

「浅葱、どうした?」

「凪沙ちゃんが! 凪沙ちゃんがどこにもいないの!」

「はぁ!?」

「あたりを探したんだけどどこにもいなくて!」

 その言葉を聞き、俺は地面に手をついた。そして、俺は凪沙ちゃんの観察を任せていた

 二体の魔力を探した。すると、二体の魔力はホテルの中にあった。

 

「マジか....! 浅葱、少しここで待っといてくれ! 凪沙ちゃんを助けてくる!」

 そう言って、俺はホテルの中に戻り二体の魔力がある場所に向かって走った。道中で魔獣が

 いたが、魔力を乗せた蹴りで全て潰し先に進んでいた。そして、魔力の感じる場所に着くと

 そこには凪沙ちゃんを守るようにヲルグとニヱが魔獣を倒していた。凪沙ちゃんは二体の

 後ろにおり、耳をふさいで座り込んでいた。

 

「凪沙ちゃん!」

 俺は凪沙ちゃんに近づき声をかけた。

 

「シュウ君....シュウ君!」

 凪沙ちゃんは俺に気づくと俺に抱き着いてきた。

 

「よしよし、怖かったな」

 俺はそう言いながら凪沙ちゃんの背中を撫でた。そしてしばらく撫でている間に二体は

 周囲の魔獣を全て殲滅していた。

 

「さて、急いで出るか」

 そう呟き、俺は凪沙ちゃんをお姫様抱っこした。

 

「ひゃっ!?」

「しっかり掴まっててくれよ」

 そう言って、俺は最短距離でホテルから出た。そして、俺は浅葱がいる所に向かった。

 

「浅葱!」

「終夜! それに凪沙ちゃんも!」

「悪いが凪沙ちゃんの事頼んだ。俺はもう一度ホールの方に戻る」

「わかったわ」

「頼んだ」

 そう言って俺はここから離れホールの方に戻った。

 

 ~~~~

 

 ホールの方に戻ると、既に魔獣の姿は消えていた。

 

「こっちは終わったか?」

「終夜。えぇ、そっちは?」

「逃げ遅れはなし。怪我人は少し出てたが軽傷で済みそうだった」

「そう」

 紗矢華とそう話していると、外で巨大な雷が落ちた。

 

「....こっちも終わったな。古城! 取り敢えずこっちに戻ってこい!」

 俺は窓の外に向かってそう言うと、出していた武器を消滅させた。

 

「咄嗟の判断力にその力、素晴らしいですね終夜さん」

「....どうも」

 武器を消滅させて近くの壁にもたれると、王妃が俺の前に立ってそう言ってきた。

 

「ねぇあなた。終夜さんに我が国に来ていただけたらとっても心強くないですか?」

「ポ、ポリフォニア!?」

「伊吹 終夜さん、あなたさえよければぜひ我が国に来てラ・フォリアを娶ってください

 ませんか?」

 王妃は突然突拍子もないことを言ってきた。

 

「なっ!?」

「お母様!」

「....いや王妃さん、無茶言わないでくれません?」

 俺は王妃の言葉にそう返した。

 

「あら、そうですか?」

「そうですかって、そりゃそうですよ」

「そ、そうです! 終夜は王族や貴族とは無縁の魔力の強いただの一般人ですよ!」

 俺の言葉に続いて紗矢華は王妃にそう言った。

 

「それなら心配いりませんわ。この人だって元々は傭兵でしたから。無縁の人間でも愛が

 あればどうにでもなりますよ」

「そ、そんな無茶苦茶な....」

「ではこうしましょう」

 そう言うと王妃はある提案をしてきた。詳しい話は明日に持ち越し、今夜はこのホテルで

 泊まり考えてもらうといった内容だった。

 

「いかがでしょうか?」

「まぁ俺は別に良いですよ。このホテルでやることもあるんで。二人はどうする?」

「私は構いませんが....どうします紗矢華さん?」

「泊まります!」

 紗矢華は随分食い気味に王妃にそう言った。

 

「....決まりだな。じゃ、俺はやることがあるから先行くぞ。何かあったら電話か警備室に

 来てくれ。それとリア、これ渡しとく」

 そう言って、俺はリアに一枚のカードを渡した。

 

「緊急時にそれに魔力籠めろ。俺の仲間が出てくる」

「わかりました」

「じゃ、部屋割りは適当にしといてくれ。あぁ、それと王妃さん。招待客の写真付きリスト、

 後で貰うことはできるか? 少し調べたいことがある」

「わかりました」

「ありがとうございます。じゃあ、また後でな」

 そう言って、俺は先にこの場から離れた。この事を、俺は後々後悔することになるとは

 知る由もなかった。

 

 

 

 

 

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