ストライク・ザ・ブラッド~黒輪の根絶者〜   作:アイリエッタ・ゼロス

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ヴァルキュリアの王国 Ⅴ

「....時間掛かるな」

 警備室で俺はホテルの壊れた監視カメラの修復を確認しながら、壊れていない監視カメラの

 映像を見て招待客のリストにチェックを付けていた。

 

「(あの魔獣は術式に集まる習性があったはず....なら、間違いなくホテルの中に

 テロリストが侵入してると思うんだが....)」

 そう思いながら、カメラの映像を見ていると警備室の扉が叩かれた。

 

「誰だ?」

『終夜、私だけど。今良い?』

 扉の向こうから聞こえたのは紗矢華の声だった。

 

「紗矢華か? 良いぞ」

 そう言うと紗矢華が警備室に入って来た。

 

「お疲れ様。これ差し入れ」

 紗矢華はそう言って缶コーヒーを渡してきた。

 

「何が良いかわからなかったら適当だけど....」

「これでいい。ありがとな」

「....どう? 何かわかった?」

「今のところ成果0。カメラも何台か壊されて調べるのに時間がかかってる。まぁ入り口の

 監視カメラは生きてるからここで何か分かればいいんだが....」

「そう....」

「そういやあいつ等は?」

「全員部屋で休んでるわ。暁の妹さんと、あと藍羽っていう人もいたけど」

「(二人もいるのか....)」

 そう考えながら映像の方を見ていると....

 

「ん....?」

 映像の中に一人不審な人物がいた。俺は映像を止めて画像を拡大してみた。

 

「どうしたの?」

「この女....」

 俺は王妃から貰ったリストを確認したがリストの中にはその女の写真はなかった。

 

「リストにいねぇ....」

「....ちょっと待って! この女、さっき暁 古城といたわ!」

 すると、女の顔を見た紗矢華はそう言った。

 

「....それ本当か?」

「えぇ! 終夜がフロアを離れた時かしら....外で暴れてたアイツが助けた女がこの女だった

 はずよ。あの状況で外にいたのが奇妙に思ったからよく覚えているわ。それに、何だか

 随分と距離が近かったし....」

「っ....!」

「(距離が近かった....まさか....!)」

「紗矢華! 古城は今どこだ!」

「へっ....!? た、多分部屋だと思うけど....」

「っ....急いでアイツ捕まえるぞ!」

 そう言って俺は警備室から飛び出した。

 

「きゅ、急にどうしたのよ!」

「俺の予想が当たってれば....リアが危ねぇ」

「お、王女が?」

「あぁ。テロリストはジャコウネコの獣人だ。その獣人のフェロモンは一種の催眠効果が

 あるんだよ。恐らく古城に近づいてたのはフェロモンを吸わせるためだ」

「じゃあ今のアイツは....!」

「あぁ、恐らく....」

 そう言って走っていると....

 

「終夜、ここにいたのか」

 突然曲がり角から古城が現れた。

 

「古城....」

「おいおい、どうしたんだよそんなに警戒して?」

「....古城。お前は、誰の味方だ?」

「俺か? そんなの決まってるだろ?」

 そう言いながら、古城は右腕を上げた。

 

「俺はお嬢様の味方だ。龍蛇の水銀(アル・メイサ・メルクーリ)!」

「っ!? 紗矢華!」

 俺は咄嗟に紗矢華を突き飛ばした。紗矢華がいた場所には龍蛇の水銀(アル・メイサ・メルクーリ)が突っ込んでき、

 紗矢華を突き飛ばした俺の左腕は龍蛇の水銀(アル・メイサ・メルクーリ)によって消滅させられた。

 

「終夜!」

「っ....! 古城、テメェ....!」

双角の深緋(アルナスル・ミニウム)!」

 俺は右腕に拳銃を出そうとしたが、それよりも早く双角の深緋(アルナスル・ミニウム)の衝撃波によってホテルの

 外に突き飛ばされた。

 

「ガハッ....!?」

「(マズい....! モロに受けて態勢が....)」

 俺は空中で態勢を立て直そうとしたが攻撃をモロに受けたため態勢を変えれずにいた。

 そして、俺の頭上には獅子の黄金(レグルス・アウルム)がいた。

 

「ヤバ....」

 俺は確実に攻撃が当たると思ったため右腕で顔を覆った。そして、雷撃が落ちたその時、

 俺の前で突然雷撃は周囲に分散した。その理由は、俺の目の前に紗矢華がおり、煌華麟で

 雷撃を弾いてくれていた。

 

「終夜、手掴んで!」

「っ、あぁ....!」

 俺は紗矢華の伸ばしてくれた手を掴んだ。すると、紗矢華は身体を回転させながら

 ホテルの壁に近づくと壁に煌華麟を突き刺した。

 

「止まれぇぇ!」

 煌華麟は壁を斬り裂いていくが、地面に直撃するギリギリの所で止まった。

 

「(あぶね....)」

「紗矢華悪い、助かった」

「....助かったって、そんなボロボロじゃ助かったって言わないわよ! バカじゃないの!」

 紗矢華は半分泣きそうになりながらそう叫んできた。

 

「そこに座って! 今できる応急処置するから....!」

「....いや、それよりも先にリア達の方見てきてくれ」

「....っ! 何言って....!」

「リアが攫われると面倒なことになる。現状、あのバカを止められる可能性があるのは

 お前と姫柊だけだ。だから、どうにか二人がかりであのバカを止めてくれ。応急処置は

 最悪俺でどうにかなるから」

「でも....!」

「頼む紗矢華....今俺が頼れるのはお前だけなんだよ」

「っ....すぐ戻ってくるから!」

 そう言うと、紗矢華はホテルの方に走っていった。

 

「....召喚(コール)

 俺は紗矢華の姿が見えなくなると、終焉に灯る光 カリーナとアクシーノ・ドラゴンを

 召喚(コール)した。

 

先導者(マスター)、無茶しすぎですよ....』

「耳が痛いこと言わないでくれ....」

 そう言いながら、カリーナは俺をアクシーノ・ドラゴンの背中に乗せた。

 

『取り敢えず、少し大人しくしていてください。出血止めますから....』

 そう言うと、カリーナは俺の身体の傷の治療を始めた。

 

 

 

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