ストライク・ザ・ブラッド~黒輪の根絶者〜   作:アイリエッタ・ゼロス

86 / 87
ヴァルキュリアの王国 Ⅹ

「....」

『目が覚めましたか?』

「あぁ....」

 俺は目覚めるとベッドの上にいた。俺の左腕にはチューブが、口には酸素マスクが

 付けられていた。

 

「今何時だ?」

 俺は酸素マスクを外しながらカリーナに聞いた。

 

『今は朝の9時です。もっとも、倒れてから既に一日経ってますが』

「そんな経ってんのかよ....調印式は?」

『問題なく終わりました。暁 古城も空隙の魔女によって回収され元に戻っています』

「そうか....問題なく全部片付いたか」

 俺はそう呟き肩の力が抜けた。

 

「古城達は?」

『空港です。ラ・フォリア達王族は本日、国に帰るそうなので見送りに』

「今日帰るのか....俺も見送りに行っていいか?」

『まぁ構いませんが....チューブが外れると困るので車椅子で行ってください。私が

 押しますので』

「わかった」

 俺はそう言うと、カリーナが持ってきた車椅子に乗り黒門を開く者を召喚(コール)した。

 

「黒門、空港に繋げてくれ」

『かしこまりました』

 そう言うと、黒門は俺の目の前にゲートを創った。

 

「んじゃ、行きますか」

 

 ~~~~

 

 ゲートをくぐると出た場所は空港の外だった。

 

「さて、アイツ等はっと....」

『飛行機の時間的に....あちらの方ですね』

 カリーナは電光掲示板を見ながらアルディギア行きのゲートの方に車椅子を押し始めた。

 そして搭乗口ゲートに着くとリア達がいるのが見えた。それと同時に、リアは俺に

 気づいたのか俺の方に走ってきた。

 

「おうリア。調印式ご苦労さん」

「終夜! もう起きて大丈夫なんですか?」

「まぁな。流石に腕はすぐには治らんが痛みは無いからな」

「そうですか。....今回はこちらのごたごたに巻き込んでしまい申し訳ありませんでした」

 そう言うとリアは俺に頭を下げてきた。

 

「よせよ。俺とお前の仲だろ。それに....ごたごたにはそこの二人で慣れてんだよ」

 そう言って俺はリアの背後にいた古城と姫柊を指差した。

 

「伊吹先輩....」

「終夜....その、迷惑かけちまった」

「今さらだバカ古城。一月もしたら元に戻るから気にすんな」

 俺はそう言いながら無い方の腕の袖を揺らした。すると、いつの間にかリアの背後にいた

 王妃さんが俺の前に来た。

 

「伊吹さん、この度は娘を助けていただきありがとうございます」

「気にせんでくれ王妃さん。俺は俺の仕事をやったまでだ」

「....本当に、ここに残していくには惜しい人材ですね。以前にもお話ししましたが、

 ラ・フォリアとの結婚はどうでしょうか? あの子も伊吹さんの事は随分好いているの

 ですが....」

「....リアの事は嫌いじゃないが、悪いがその話は受けらんねぇな」

「その理由は?」

「....まぁ、結婚ってのがよく分かんねぇのと、俺は愛がよくわからないんだ。

 だから軽はずみにその話は受けらんねぇ。それに、一つ見届けたいものがあるんでな」

 そう言って、俺は古城の顔を見た。

 

「?」

 古城は不思議そうな顔をして俺を見ていた。

 

「....そうですか。では、今回はここで打ち切りにしておきましょう。ですが、

 気が変わった際にはいつでもご連絡ください」

「ポリフォニア!?」

「さ、私達は先に行きますよあなた」

「お、おい! おい小僧! 儂は絶対認めんからなぁぁぁ!」

 そう叫びながら、国王は王妃に引きずられながら搭乗ゲートの方に連れていかれた。

 

「じゃあ、しばらくお別れだな」

「えぇ。....終夜、私はこれでも欲しいものは必ず手に入れる主義なんです。だから、

 いつかあなたの心を手に入れてみせますわ」

 リアはそう言うと、俺の頬にキスをしてきた。

 

「それじゃあ終夜、今度は私の国に遊びに来てくださいね」

 そう言って、リアは搭乗口の方に歩いて行った。

 

「(アイツ、ふいうちでしてくんなよ....)」

 そう思いながら、俺はキスされた方の頬を触った。

 

「相変わらず嵐のような人ですね....」

 姫柊は俺の隣に立ちそう言ってきた。

 

「まったくだ。....って、いててて!?」

 俺が姫柊にそう返すと突然誰かに耳を引っ張られた。見ると、俺の耳を引っ張っていたのは

 紗矢華だった。

 

「何だよ紗矢華!」

「このっ...! 人がどれだけ心配したと思って....!」

「やめっ....! おまっ、耳取れる!」

「ふんっ!」

 紗矢華は飽きたのか耳から手を離すと空港の入り口の方に歩いて行った。

 

「....俺、アイツになんかやった?」

「....はぁ。そういうところですよ伊吹先輩」

 姫柊は呆れたようにそう呟いた。

 

「シュウ君の唐変木! 行こ夏音ちゃん!」

 すると、突然俺は凪沙ちゃんに罵倒され凪沙ちゃんは叶瀬を連れて空港の入り口に

 向かってしまった。

 

「俺、凪沙ちゃんにも何かした....?」

「....ほんと、私の先輩はダメな先輩達ですね」はぁ

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。