召喚した絶剣が世界最強   作:焼肉定食

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深夜の特訓

「やあぁぁーーー!!」

「いっ!!」

 

ユウキの木刀の11連撃、マザーズロザリオが叩き込まれる。最初の6連撃までは対応できたのであるがそれ以降になると和人は追い込められ対応できるに体に叩きこまれ木刀を離しカランと乾いた木材の音が夜中の街に響く

オルクスの大迷宮に入る前日素振りを終えた後何度もユウキと八重樫に協力してもらっていたのだ。

 

「いっっ。」

「和人!!大丈夫?」

「ユウキやっぱ強いなぁ。……いてて。」

 

 

体はすでにあざだらけになっているだろう体に和人は少しため息を吐く

 

弱いな俺。

 

和人のとった本数は未だに2回。それも30戦以上やっての結果だ。

そしてもう一本と言おうとしたところで体がすでに限界をあげていた

 

「……っ!悪い。さすがに限界。体がもう動かない。」

「はぁ。もう。本当に無茶よ。」

「あはは。そうでもしないといつまでたっても追いつけないからな。」

 

和人は苦々しく笑う。和人が無茶をしていることを知った雫はあの後も結局訓練時は和人の見張りをしていた。

そして和人の無茶は言っても止まらなかった。女子相手の組手。そんな普通なら馬鹿らしいことを恥ずかしいとかそんな関係もなくただどんな訓練でもこなす。

それも和人はステータスの弱い生身での訓練だ、さすがに身体強化を使っているが補えても数倍程度。二人のステータスには遠く及ばない。

 

「……はぁ。ユウキ。いつもこんな無茶なことしてたのかしら?」

「ボクも冗談で言ったんだけど。でもカズがやるっ言ったきり聞かなくて。」

「……はぁ。上田くん。今日はここまでにするわよ。」

「あぁ。悪い。」

 

雫が和人に手を差し出しそれを掴む和人。

すでに痛みで動けなくなっているので体を少し動かしただけで苦い顔をする和人。

 

「……明日は弓の方がいいかな。連携とかは一通りはできるけど。まだ正直不安。」

「でも剣の筋はいいと思うよ。ね。雫。」

「え、えぇ。ところで大丈夫なの?」

「大丈夫。明日に治らなければ白崎に回復魔法かけてもらうから。」

「そういう問題じゃないんだけど。」

 

体のボロボロ具合はすでに分かっている。少し動かしただけで痛そうにしている和人のことだ。い

おそらくなんとかして二人に追いつこうとしていることは二人にも分かっていた。

 

でも二人は剣術にとって経験が多いのだ。ステータスも大幅に自分の方が有利。

でも泣き言ひとつ言わずずっと真剣に剣を振る。負けを恐れずにただ高みを目指す

それがどれだけ難しいことなのかを雫は知っていた。

 

そしてユウキも和人の剣から伝わってくる重さに気づいていた

ステータス上には記されない重い一撃。気迫。

それはユウキの戦闘本能が刺激され、油断ができないくらいに和人は成長していた。

ただその分ボロボロになる和人の怪我は反対にひどくなっているのだが

 

「……そういえば上田くんって南雲くんと同じ部屋だったわよね?」

「そうだけど今は戻れないかな?白崎が俺の部屋に来たから俺が抜け出してきたわけだし。」

「……それは災難だったわね。」

「本当にな。」

「えっ?あの二人って付き合っているんでしょ?何が災難なの?」

「……いや。あいつら人目をはばからないで普通にいちゃいちゃするからな。……マックスコーヒーに練乳を増加しはちみつを加えたくらいに甘いんだよ。」

 

実際にハジメ香織被害者の会の筆頭に雫と和人がいることは男子も女子も知っており、特にデートについては香織の近くにご都合主義の光輝がいるため毎回のように和人と雫を通じてのデートになるし、毎回のように保護者役として付き添っているのだ。

すると雫も物凄い勢いで頷く。毎回光輝の監視役として暴走を止めるために出勤する二人。そしてその甘ったるい空気をそのま間近に浴びているのだ。さすがに和人も雫も菩薩みたいになるしかないのだ。

 

「それってキリトとアスナみたいにいちゃいちゃしているってこと。」

「……う〜ん。……いや。あの二人は本当に夫婦だからな。あれと比べると」

「夫婦?」

「あぁ。SAO。さすがにユウキも知っているだろ?」

「うん。」

「SAO?」

「……史上最悪と呼ばれる殺人事件。ソードアートオンラインっていうMMOに一万人が拘束され、四千人以上が亡くなった。ユウキの世界最大のテロ事件の生存者。」

「えっ?」

 

雫は驚く。そんな物語みたいな話を聞いたことがないと言いながらよくよく考えたらユウキが物語の世界から来たという最初の話を思い出す。

 

「本当だったの?」

「一応ライトノベルを読んでいる奴の入門編みたいなラノベだからな。時々学校の図書館にも置いてあるし。アニメでも放映されているし。」

「……ボクもまだ信じられないけどね。」

 

少し苦笑気味にユウキが笑う。

 

「まぁそのSAOってゲーム内でアスナとキリトは結婚システムを使ったんだよ。だからあの二人はカップルっていうよりも家族って言った方がいいんじゃないかな?ユイっていう娘もいるしな。」

「……そっか。」

 

すると少し羨ましそうにしているユウキ。

その光景に和人はコツンと頭を叩く

 

「ユウキも大切な人はこの世界で見つけられるんじゃないか?」

「へ?」

「ユウキは健康って診断が出ているんだろ?それならこの先キリトやアスナみたいに自分にとって大切な人も、家族だってできる可能性だってあるだろ。俺たちの世界に来るんだったら俺の家で面倒みるし。」

「いいの?」

「いいぞ。恵里も住んでいるからな。女子の家がいいっていうんだったら鈴か雫の家に住めばいいだろう。」

「まぁ。私の家も剣術を嗜んでいるからお父さんたちはいいっていうと思うけど…。」

 

雫の家は八重樫流という剣道道場を営んでいる。なので剣繋がりで居住させてくれるだろう。

 

「ってあなた恵里と一緒に住んでいるの?」

「あぁ。ちょっと色々あってな。鈴の家でもよかったんだけど恵里の希望でこっちに住んでいるな。つーか俺元々鈴と同棲しているって言えるほどの家族の付き合いだし。鈴も俺の家に泊まることの方が多いしあいつの両親もこっちにくるからな。てか俺の両親本当にプロのギャンブラーだからな。」

 

和人の両親は基本的にラスベガスなど世界中のカジノにいることが多く年に数回しか帰ってこない。そして鈴の家も同じように両親が仕事人間であるため両親同士が仲のいい和人と鈴が仲良くなるのには時間がかからなかった。

 

「……あなたたち付き合ってないのよね?」

「付き合ってない。てか近すぎてよくわからん。家族として扱っているしどちらかというと手間がかかる妹?そんな感じ。」

「それ鈴が聞いたら怒るわよ。」

「だろうな。」

 

まぁ本気で怒ることはないだろう。お互いに関係を求められたら分からないって答えるだろう。

幼馴染。

女子との幼馴染が一番難しいのだ。

 

「……話は逸れたけどユウキの行動を縛るなんてさらさらないし、召喚したのも正直事故みたいなものだ。だからある程度支援をするけどそれでも恋愛や交友関係、今後どうするかはユウキ自身に任せる。未だに罪悪感が消えるっていうのが無理だろ?まぁユウキがついてくるってことはけっこう前に聞いているからな。それをぞんざいに扱うって気はないしユウキと一緒にいるのは楽しいしな。」

「……なんというか。あなたって本当に律儀よね。」

「けっこう責任感じているって言っているだろうが。…こっちの姿あんまり見せるの嫌なんだけどなぁ。重い空気になるし。適度にふざけていた方が俺にとっては気楽だからな。」

 

と和人は少し困ったようにしている。いつもヘラヘラしていたのに実は一番大人なんだろう。一歩引いてみることができそして気を誰よりも使うタイプ。

雫はよくよく考えると和人はいつのまにか仲良くなっていたって人が多い。それは相手のことを理解しているってことだ。

だから相手の言うことをなんでも聞く光輝よりも相手を理解して相手に合わせることができる和人を教師は評価する。

 

「……てかなんでこんな話しているんだろうな。てか八重樫の部屋に避難していいか?確か白崎と同部屋だろ?白崎が帰ってきたら俺も部屋戻るから。」

「えぇ。私はいいわよ。まぁ流石にあの甘々な空気に入るのは酷ね。」

「てかユウキももう寝ろ。明日早いし。」

「本当にお父さんみたいだね。カズ。」

「……それ恵里にも言われた。」

「けっこう気にしているのね。」

 

そんなに親父くさいか?と和人は沈む。

 

「ボクもカズと雫ともうちょっと話したいし雫の部屋行っていいかな?」

「えぇ。もちろん。」

「まぁ。たまにはいいか。こんな日も。てか白崎が帰ってきたら絶対に回復魔法をかけてもらおうっと。」

 

と和人たちはその後夜遅くまでずっと雫の部屋で話していたのだが香織が帰ってこないのでを待つのを諦め一人部屋のユウキの部屋を使わせてもらい、就寝についた。

なお、翌朝、香織が戻ってこなかったと心配した雫が隼人とハジメの部屋に入った結果、愛し合った形跡が残されており呆れてしまったことはまた別の話。

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