前回、零たちは夕食を食べている時に深海棲姫から奇襲をかけられてしまいました。
交戦中の瑞鶴さんたちは港湾棲姫に大苦戦中で大ピンチ。急げ!白露駆逐隊!
...って事で今回は出撃をメインにした話となっております。少々話が長引いてしまい、前半戦後半戦と分かれております。白露駆逐隊は無事に瑞鶴さんたち、第二艦隊を救えるのか...駆逐艦零!抜錨する!!
さて、続きの第漆話前半 『我、出撃する!』をご覧ください!
一方、第2艦隊では強敵の深海棲艦相手に苦戦していた。
目の前には陸にいるはずの港湾棲姫...。
何故本拠地から遠いはずの鎮守府に奇襲を仕掛けたのかは誰もが分からなかった。
瑞鶴「敵接近!回避運動始め!」
敵からの航空攻撃を避ける。
もう既に照月と比叡は中破している...。
爆撃機も戦闘機も数少ない...。
戦闘には長く持たないだろう...。
そう悟った瑞鶴。
相手に...港湾棲姫に勝てるにはどうすれば...!
金剛「...意外としつこいデース...。傷一つもついてまセーン。」
...そう。港湾棲姫に航空攻撃したり砲戦したり雷撃戦をしているのに...傷一つもつかない。
提督に聞いたときはまさかとは思ったけれど...。陸にいるはずの港湾棲姫が接近してるなんて思わなかった。
比叡(中破)「恋も戦いも負けません!...だとしても...これは強すぎる...!」
港湾棲姫「アノ子ヲッ...!帰シテ!」
...先程からこんな風に言っているのだ。
アノ子...とは誰のことを示しているのかそのとき瑞鶴は分からなかった。
吹雪「...あの子...?誰の事を示しているんですかね...」
確かに言動的にはまるで仲間を捕らえられたかのような言い方をしている。
だが、深海棲艦を捕虜にした覚えはない。
そもそも敵の捕虜するのは主力艦隊であり、その主力艦隊から捕虜したなんて聞いていない。
翔鶴「捕虜...というわけでは無さそうですね。」
金剛「そーですヨネー。...それならジャパンガール(大和)から聞きますシー。何よりも無闇やたらに姫級が単艦で突っ込むなんてふつーならえりえまセーン。」
照月「何か用事が有ったのでは...?」
嗤うように港湾棲姫が答えた。
港湾棲姫「用事ダト?...アァ!アルサ!アノ子ヲ襲ッタアイツヲ!!零ヲ殺スコトガ!!」
...何故鎮守府に奇襲を仕掛けた理由が解った。
きっと私たちが提督に呼び出されているうちに何かやらかしたのではないかと。
金剛「...何ですっテ?...よく聞こえませんでしたケド?」
...珍しく金剛が怖い顔をしている。
港湾棲姫「アイツガ!!北方棲姫ヲ殺シタ!!ダカラ今度ハ私ガ!!...」
金剛「ちょっとうるさいデース...黙ってなサーイ。」ガチッ
金剛がそう言うと港湾棲姫の首を絞めた。
比叡「ちょっ!?金剛御姉様!?」
金剛「良いですカ?...まだあの子は新米ネー。深海棲艦の一匹すら戦ったことのない艦娘デース...その子が陸にいるはずの北方棲姫にたどり着く訳がありまセーン。...意味、分かりマス?」
...つまり、新米である零は北方棲姫のところに行くのは不可能だということ。
港湾棲姫「フザケルナ!!私ハ確カニコノ眼デ見タ!」
金剛「チッ...!やはり深海棲艦相手に話なんて通じまセーン。...皆サーン、砲撃開始ネー!!」ドオォーン!!
一斉噴射する。...だが、丸で避けるほどのものではないと言うかのように直に当たる。
...やはり無傷だ。何故なんだろう。
いくら攻撃を仕掛けても無傷なんて...可笑しい。いくら固くても多少は傷がつくはず。
港湾棲姫「フザケルナ!!...フザケルナ!!」
港湾棲姫も攻撃を仕掛ける。
私たちは避けるので精一杯だ。
瑞鶴「回避運動開始!」
金剛「ヘーイ、瑞鶴ぅー。アレ、どーするんですカー?あいつに攻撃仕掛けてもびくともしまセーン。」
何の攻撃も防いでしまう...
瑞鶴「ねぇ!援軍って呼んでる?」
翔鶴姉に私は聞いた。
翔鶴「ええ。呼んでいるわ。急いで要請したから誰が来るのかは分からないけれど...」
...どうやら援軍は呼んでいるらしい。
それまでに何とか持ち越さないと!
瑞鶴「よし!援軍が来るまで耐え抜くわよ!...翔鶴姉!」
翔鶴「ええ!...艦載機の皆さん行きますよ!、全機発艦!」ビューン!!
残り数少ない艦上戦闘機を放つ。
港湾棲姫「オロカ...モノメ!!」
港湾棲姫撃破作戦、いま此処で始まる。
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その頃白露たちは...
出撃場にいた。
白露「...よし!みんな!準備は良い?」
みんな「うん、大丈夫(だよ)。」
大淀「え~...と。白露さんたちは大丈夫ですか?」
時雨「大丈夫だよ、大淀さん。ボクたちはそんなに弱くないから。」
司令官『大丈夫だろう。気にするな大淀。...零。』
司令に呼ばれた。
何でしょうかね。
零「はい。」
司令官「来たばかりですまないが出撃してくれ。...他の奴らが出れんのだ、主力艦隊はさっき帰ってきたばかりだし他の奴らはほとんど実戦経験がない。貴様が演習で発揮したようにすればよい。...頼むぞ。これは命令だ。...必ず帰ってこい。」
零「了解。」
再び前を向く。...初出撃がこれになるとはな。
白露「白露駆逐隊!旗艦 『白露』!抜錨しまーす!」
時雨「二番艦、『時雨』!行くよ!」
村雨「三番艦、『村雨』。行っきまーす!」
夕立「四番艦、『夕立』。ソロモンの悪夢、見せてあげる!」
五月雨「五番艦、『五月雨』。いきます!」
みんな次々と抜錨する。
私の番だ。
零「六番艦、『零』!抜錨する!!」
そうしてみんな出撃した。
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初めての出撃。演習の時とは違ってやはり緊張感があるな...しかも今、夜だから見えずらい。
白露「ん...見えずらいな...探照灯でもつけようかな。」パチッ
...さっきより見えやすくなった。
時雨「第2艦隊の人たちが苦戦するなんて...すごく強いんだね...覚悟しなくちゃ。」
確かにそうかも知れない。
未知の相手だ。どういう風に戦うのか私は知らない。だからなるべく生きれるようにする。
五月雨「何か...こっちに来てます?」
時雨「ッ...!敵艦隊発見!これより戦闘を行うよ!」
白露「時雨!敵の数と艦種は?」
時雨「...駆逐二、戦艦三、空母一!」
白露「...オーケ、数多いけど多分大丈夫。突撃よ!」
うむ、見る限り駆逐艦ロ級が二隻、戦艦ル級が3隻、空母ヲ級が一隻だな。
五月雨「敵接近!対空戦始め!」ダダダ
早速攻撃してきたな...さて!駆逐艦だからと舐めんなよ!!速さは伊達じゃない!
零「てぇーー!!」ダダダ
よし!全滅だ!!
白露「これより砲戦に入ります!砲戦よーい...てぇーー!!」ドオォーン!!
五月雨「喰らって下さい!」ドオォーン!!
駆逐ロ級①(大破)「グオォオオ...!!」
駆逐ロ級②(中破)「ギャアッ...!」
戦艦ル級「グッ...!?」
よし!ダメージがあるようだ!
...しかし、こちらに攻撃するような気配がしない。...まるで他の者に恐れていてそれどころじゃないと言うかのように。
何か可笑しい...。攻撃しても気にしないなんて。さっきの航空攻撃も私たちにするんじゃなくてその後ろに向かっていたような気がする。
何故だ、何故そんなことする必要がある。
戦艦ル級「ク、来ルナーーー!!」ドオォーン!!
...砲丸が飛んできた...そうして命中した...私たちにではなく...私たちの後ろに。
夕立「...ぽい?」
さすがにこの異変に夕立も気付いたようだ。
後ろを私は振り向いた。そこには...何もなかった。可笑しいな...さっきまで気配してたのだが。
村雨「何だかわからないけどチャンスね!雷撃戦突入!」パシャッ
零「ほいっと!」パシャッ
空母ヲ級(大破)「ヲヲーーー!!??」
戦艦ル級①(轟沈)「ガァァア!?」
戦艦ル級②(大破)「ウグッ!?」
駆逐ロ級①(轟沈)「グオォオオ」
駆逐ロ級②(轟沈)「グオォオオ...」
戦艦ル級③(中破)「クッ!?」
よし!いい感じだ!
3隻同時に撃沈できた。
流石に夜戦が出来るヲ級でも大破すれば無能である。
白露「一斉射!撃てー!!」ドオォーン!!
時雨「負けないよ!」ドオォーン!!
夕立「ソロモンの悪夢、見せてあげる!」ドオォーン!!
戦艦ル級②(轟沈)「グオォオオ...!!」
集中砲火...。後は中破のル級と大破のヲ級か。
でも、撤退しているな...深入りはしないでおこう時間もあまりない。
白露「敵撤退!...よし!私達も撤退するよ!」
...ん?何か今光ったような...?
その時だった。異変が起きたのは。
ゴォオオオ!!
村雨「え、何?何なの?」
海から出てきたのは黒い塊。
何が何だかよくわからないものだ。
謎の物体「グオォオオ...!!殺シテヤル!!」
...うわぁ、しゃべったー。
やべ、気持ち悪い見ためをしてやがる。
時雨「あぁ...っ、こ、こいつは...っ!」
なんだか時雨の様子が可笑しい。
どうしたのだろうか。
零「...?どうしたの?時雨。」
村雨「な、何で...あいつが...!春雨を殺したあいつがいるのよ!!」
...?こいつが春雨さんを殺したやつなのか?
白露「何だかよくわからないけど、逃げるわよ!」
撤退をしようとするがもはや手遅れ。
囲まれてしまった。
夕立「...っ!仕方がないっぽい。やらなきゃこっちが殺られる。」
何かに覚悟をしているようだ。
しかし、さっきから艦娘の気配がする。
なぁようちゃん。誰か捕らわれてないか?
ようちゃん「...あぁ確かに気配がする。だが気を付けろ殺気が半端なくヤバいぞ。」
...ようちゃんが言うくらいならなおさらヤバいと言うことだ。
さて、どうする。時間は残されてない。
ここでこのまま手こずれば時間ロスになる。
時間ロスになれば瑞鶴さんたちはどうなる。
ー最悪、轟沈だ。...絶対に轟沈なんてさせない。させるもんか。
こいつをどうするかだが...未知の深海棲艦?は案外強いかもしれない。
こいつと戦いつつ、瑞鶴さんたちを助けるには...艦隊を分けるしかない。
零「...あのさ、白露。」
白露「ん?どうしたの?」
謎の物体からの攻撃を避けながら話す。
零「白露たち、先に行ってくれない?多分、瑞鶴さんたちも限界が来てる。だから、いち早く援護してほしいんだ。」
白露「え、でもこいつがついてくるんじゃあ...」
零「大丈夫。こいつは私が引き付けておくよ。だから先に行って。」
五月雨「む、無茶ですよ!危ないです!零さんが残るなら私も残ります!」
...批判するのも可笑しくないか。
零「じゃあ、私と五月雨がこいつを引き留めておくから白露たちは瑞鶴さんたちを援護して。こいつが片付けたら私らも後で行くから。」
白露は少し黙り...何かに決意したかのように見えた。
白露「...分かった。私からもお願いがあるの。」
零「何だ?」
白露「...必ず生きてね。死なないで...。」
その顔には涙が溢れそうになっていた。
零「大丈夫、死ぬ訳がない。英国では駆逐艦のことをデストロイヤーと言うんだぞ?駆逐艦だからって勝てる確率くらいあるさ!」
白露を安心させるために笑顔を見せた。
白露「...そっか!そうだよ!私達はデストロイヤーだもんね!うん!」
納得してくれたようだ。
白露「じゃあ、五月雨と零はそのまま戦闘を続行して、私達は救援に向かうよ!」
時雨 村雨 夕立 「了解!」
五月雨 零「了解「です」。」
時雨「...本当に大丈夫かい?二人だけだけど...」
零「大丈夫!ヤベエときは逃げるわ!...ほら、速く行って!敵はいつまでも待ってくれないよ!」
時雨「...分かった。どうか無事でいてよ。」
五月雨 零「了解!」
白露たちは陣形を組み直し、海の遠くへと消えていった。
...さて、どうしようか。こいつを。
この得体の知れない者を。
謎の物体「グオォオオー!!!」
五月雨と零はこの得体の知れない者と戦うのであった。
瑞鶴さんたちを援護するために出撃した零たちは途中、謎の深海棲艦と出会す...しかし、その深海棲艦は春雨(前)を殺した奴だったのだ...。
しかし、あの時にこの深海棲艦は沈んだはずだった...謎が多いこの深海棲艦...何故生きていたのか次回、第漆話後半『我、救出する!』にて判明する!!
次回、お楽しみに!