聖なる力で敵を蹴散らしていきたいと思います。 作:テンペストランス
第二回イベント開催が決定した翌日、レティシアは一層の街からかなり外れた位置にある「祈りの聖堂」と呼ばれる場所に向かっていた
「『紅蓮の聖女』取った後イベントフラグっぽい会話とかはなくなっちゃったけど二層追加で何かあるかもなー」
レティシアは以前「祈りの聖堂」でその場にいたNPCの話を聞いて、聖堂で50時間以上祈りを捧げると言う運営の冗談じみた条件をクリアした結果強力なスキルをいくつか入手した
その後NPCの会話は当たり障りのないものとなってしまったがまだ何かあるのではないかとレティシアはにらんでいた
そうしてレティシアは祈りの聖堂に到着した
半分寝てるみたいに祈り倒したなぁ……と軽く遠い目をしながら中に入っていく
中には木の長いすがいくつか並んでおり、真ん中には祈りを捧げるための場所がある
両脇には天使の像があり、一番手前の長いすにはシスターが1人座っていた
「ん~ぱっと見変ってないな」
シスターに話しかけてみても前回と変らない当たり障りのない答えが返ってくるだけである
それでも何か無いかとレティシアは聖堂内をくまなく探す
すると右側の天使像がなにやら黒い球を手に持っているのを見つけた
「あっ、これは無かった気がする」
そう思いその黒い球にレティシアが触れると同時に聖堂の内部が燃えるような赤色に輝きだす
あたりだ、と笑いながらレティシアは聖堂からその姿を消した。
◆
転移した先は荒れ果てた聖堂の中だった
木製の椅子は焦げて中には完全に炭化しているものもある
天使像も真ん中で折れて胸より上が無く、シスターが元々いた場所には誰のものかもわからないが骨が散らばっていた
「……なんか想像と違うな」
レティシアは元々名前に聖女とつくスキルが手に入った場所だったこともあり、また防御系か回復系のスキルが貰えると思っていたが、この感じではそういうわけでもなさそうである
そして聖堂から出ると、所々地面が燃えている街のようなところに1人の女性が立っていた
その姿はレティシアとよく似ていたが、身にまとう装備は真っ黒で聖なる雰囲気はまるでなかった。
髪は銀色で肌は病的なまでに白い
そしてその女性はどういうクエストか分からず戸惑っているレティシアを見据えて口を開いた
「聖女か……いけすかないのが来たわね」
「ん?」
突然喧嘩を売られて思わずやるか?と聞き返しそうになったのを堪えていると相手は鋭く指笛を吹いた
すると風切り音が響き渡り、空が突然暗くなる
思わずレティシアが空を見上げるとそこには巨大な黒竜の姿があった
「ええ……何あれでっか……」
「私はあなたみたいなのに付き合う暇はないの、その子とでも戯れてなさい」
「え?」
そんなことを言ってその女性はふっと姿を消してしまった
後には困惑するレティシアと地面に降り立とうとしている黒竜のみ
「なんなのあいつ……」
困惑している間にクエストのウィンドウが表示される
「んーっと……『
凄まじく面倒くさいが元々スキルを求めてここまで来たのである
多少の苦労は覚悟の上だ
あれだけ大きなドラゴンを倒すクエストならば相当強いスキルをもらえるだろうという予想もあったため、レティシアは旗を握りしめる
「よっしゃいくぞ!」
その掛け声とともにクエストを受けるボタンを押した
ではラスベガス周回してきます