ソードアート・オンライン IF(アイエフ) 作:イノウエ・ミウ
そこで今回は毎年恒例の先行公開ですが、今年はSAOIFルートの方を公開します。そろそろこっちの執筆も進めていきたいところです。
「おらっ!」
先に攻撃を仕掛けたのはザントだ。
素早い動きで接近し、《蒼嵐》をテュフォンに向けて振り下ろすが、テュフォンはその動きに反応して両手剣で防ぐ。
「やるじゃねか」
「そっちもな!」
お互い笑い合いながら、剣の打ち合いを開始する。
激しい剣戟が次々と森の中に響き渡る。お互い持っている武器は両手剣だが、二人とも両手の武器を持っているとは思えない程のスピードで斬り合っていた。
何度かの剣戟の後、テュフォンが両手剣を振り上げると剣が光り出した。ソードスキルが発動する前兆だ。
「(馬鹿が!)」
心の中で罵倒しながらザントはジャンプして、テュフォンの後ろに回り込む形で着地した。
同じ両手剣使いだから分かるが、両手剣のソードスキルは威力こそ強力だが、発動後の膠着時間が長いのだ。故に対人戦だと無闇に使うと隙ができやすいのだ。
相手は既に構えのモーションに入り、反応できたとしても対処することはできない。
ザントはがら空きとなったテュフォンの背中に《蒼嵐》を突き刺そうとする。
「そいつを待ってたぜ」
次の瞬間、剣に纏ったソードスキルの輝きが突然失われて、テュフォンは体を捻らせて自身の後ろに回り込んだザントと向き合った。
「!? フェイクか!」
「貰った!」
ソードスキルを使った渾身の一撃かに見えたが実はフェイクで、発動仕掛けたソードスキルにわざとモーションを間違えることでスキルキャンセルを起こし、その隙を狙おうとしたザントに逆カウンターを仕掛けたのだ。
テュフォンの両手剣が振り下ろされるが、ザントは咄嗟に《蒼嵐》を前に出して防いだ。
「ほう、防いだか」
「ちっ」
ザントは舌打ちすると、《蒼嵐》を動かしてテュフォンの両手剣を受け流すと、彼に蹴りを入れる。
テュフォンは両手剣で受け止めたが、威力が強かったのか少しだけ後ろに飛ばされる。当然大したダメージにはならない。
テュフォンから距離を取る形になったザントは一旦冷静に相手を分析する。
先のフェイクといい、少なくとも素人ができる動きじゃない。この男は間違いなく攻略組、それもトッププレイヤークラスの強者だ。
「こいつ、強ぇな・・・」
そう呟くザントだが、その顔は未だに笑っていた。
一方、テュフォンもまた笑みを浮かべていた。
「やるじゃねぇか。噂に聞く《
お互い相手の実力を認めながらも、再び剣戟を開始する。
「なんて戦いだ・・・」
「凄いね。あの人、ザントさんの動きに反応してる」
「それだけじゃないわ。さっきのフェイクといい、明らかに熟練のプレイヤーの動きよ。下手したら、キリト君と同等かそれ以上かもしれないわ・・・」
あまりにもハイレベルな戦いに圧倒されるアスナ達。
「こ、これがトッププレイヤー同士の戦い・・・」
「どっちも化け物ですね。マジパネェっすわ」
シリカは恐怖混じりに見守り、モルテも顔は笑っているが頬に冷や汗をかきながら見守っていた。
両者一歩も譲らず、剣戟を繰り広げていたが、ふとテュフォンが動きを止めて口を開いた。
「次でしまいにしようぜ。これ以上やったら、どっちかが死ぬことになる」
その言葉にザントは不機嫌な様子を見せる。
「おいおい、テメェから仕掛けておいて何言ってんだ?こいつはデュエルじゃなく、互いの命を掛けた正真正銘の
「ちげぇよ。そもそも、この戦いは俺にとって予定外のものだったからな。あんたの強さに誘われて、うっかりデュエルの設定を忘れていたが、俺は戦うのは好きでも殺すのは好きじゃないんだよ」
「ハッ、そいつは結構だ。素晴らしい騎士道精神どうも。まぁ、俺も意味のねぇ殺しはあまりしたくねぇからな」
そう言いながら、ザントは《蒼嵐》を構える。
「いいぜ。思いっきりこいよ。俺とお前、どっちの剣が強いか決めようぜ」
そう言って、ザントの持つ《蒼嵐》が光り出した。
テュフォンもまた両手剣を大きく振り上げて、ソードスキルの光を放つ。お互い全力のソードスキルで決着を付けようとしていた。
ソードスキルの輝きが場の空気を支配し、両者の間に緊張感が走る。
「「おぉぉぉぉぉぉ!!」」
雄叫びと共に接近し、互いのソードスキルを発動させる。
刹那の如く、速く鋭い一撃がぶつかり合い――
先行公開はテュフォンVSザントでした。
テュフォンはSAOIFのオリキャラであり、作中トップクラスのキャラでもあります(どのくらい強いのかというとSAOIF主人公と互角に戦えます)。そんなキャラがオリキャラ最強のザントと対等に戦っても違和感はないと思います。