バカとライブメタルと召喚獣   作:閻魔刀

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最近、本当に忙しいです。

仕事をやめることにして職業訓練を受けるための願書を取りに行ったり、ダンガンロンパに興味が出てきたり、ホロウフラグメントのOSSスキルの熟練度が上がらないってやきもきしていたり、話をつなげきれず苦労して新ネタ探しをしていたり・・・

はい、半分は忙しいのに関係なかったですねwww



第13話

エールside

 

「モデルA、見つからないわね……」

「そうだね、アッシュ……」

「いったいどこまで飛ばされたんだ?」

『それがわかればこんな苦労はしていないと思うけどね』

 

 エール達はどこかに飛ばされたモデルAを探し回っていたがまったく見つからず途方に暮れていた。

 気が付けばもう夜中で、この様子だとモデルAも探し回って動いている可能性が高かった。

 

「仕方がないわね。 もしかしたら、既に橋の下に戻ってきているかもしれないし、一旦戻りましょう」

「うん…」

 

 最後の可能性『もうすでに拠点の橋の下に戻ってきてる』に賭けて戻る事を提案したエール。

 皆もそれしかないと思ったのか、それに賛同してそのまま橋の下に戻る。

 

 

「結局いないじゃないの」

『そんな、既に戻っている可能性に賭けてきてみたのに、本当にどこに行ったんだ?』

「誰かに拾われている可能性もあるな。 だが、そうなると……」

 

 実際ヴァンが言った通り、モデルAは木下優子と行動しているのだが、彼女たちは彼女たちでまったく見当違いな場所を探しているため、お互いがお互いを探し合っているこの現状でモデルAとは会えそうにもない。

 グレイ達の体力ももう限界で、もう今日はモデルAを探し出すのは不可能だろうとひとまず、川の水で冷やした飲み物を適当に出そうとした時だった。

 

「あの? いったいどうしたんですか?」

 

 

エールside end

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

姫路side

 

「あの、いったいどうしたんですか?」

 

 体力が切れて明久君に逃げられてしまったあの後、私が目を覚ましたのは保健室でした。 何でも、あの後倒れてしまったという事でした。

 もう外も暗くなってしまって、明久君の事は諦めて仕方なく家に帰ろうとしていた時でした。

 

「いや、何でもないよ。 ここの川で冷やしていたジュースを飲もうとしていただけだから、気にしないで?」

 

 髪が長いですけど、男の人でしょうか? 川で飲み物を冷やすって、もしかして?

 

「あの、天気予報で夜は雨風がとても強くなるそうなので橋の下ではしのぎ切れませんよ?」

 

 この人たちは橋の下で住んでいるんでしょうか? 一応テントは張っていましたけど、この天気だとあれだけではしのぎ切れないでしょうし、雨が降るなんて思ってもいなかったのかほとんど片付けらしい片付けをしていないようでした。

 

「くっそー! いったいどこに行ったんだよ、モデルA!?」

 

 モデルA? そういえば明久君達もモデルZとかFとか、モデルLってテティス君も言っていましたね。

 何か関係があるんでしょうか? もしかしたらこの方たちなら何か知っているかもしれません。

 

「あの… 貴方のお名前を教えてくれませんか?」

「……グレイ」

「グレイ君、今日はもう遅いですし、皆さんと一緒に私の家に泊まっていきませんか?」

 

 どうにかその、モデルAと言う物について話を聞きたいですし、もしかしたら明久君達がこそこそとなにをやっているのかもわかるかもしれませんし。

 

「僕らはそういうことをしている場合じゃ!……」

「…それぐらいにしておけ。 お前ももう限界だろう? せっかくモデルAが見つかってもお前が倒れてしまっていたら意味が無いだろう? 大丈夫。 明日にはきっと見つかるよ。」

「何よ、急に先輩風ふかしちゃって…… 実際私ももう限界だし、今日の所は休みたいわね。」

「…わかってるよアッシュ、ヴァン。 ……あ、ありがとうお姉さん」

 

 体が弱い私だからこそわかるのかもしれません。 本当にあの子は体力の限界なんだと思います。

 私が倒れそうになっている時と全く同じ、息の仕方をしていますから、この様子だと本当に倒れてしまいます。 一度どこかで休ませてあげないといけないですし、私の家に泊めてあげたらそのままお話を聞くことが出来るかもしれません。

 お父さんとお母さんも事情を説明したらわかってくれると思います。

 

「ふふっ、素直なんですね」

「うるさいな、馬鹿にするなよ」

 

 本当に子供なんですね。 顔を赤くしちゃって可愛いですけど、それよりも今はこの人たちをきちんと休ませないといけません。

 急いで家に行きましょう。

 

「私の家はここからすぐですので急いでいきましょう。 えーっとお名前は?」

「私? 私の名前はエールよ 貴方は?」

「私ですか? 私は姫路瑞樹って言います。」

「じゃあ、姫路さんでいいわね。 本当にありがたいんだけど、一つ聞かせていいかしら? なんで私達を助けてくれるのかしら?」

 

 やっぱり、初対面の人が助けるなんて言ってもこうなりますよね。 明久君ならきっとこういうんでしょう。

 

「困っている人を助けるのに理由なんていりませんよ。 って私の好きな人の受け売りなんですけどね。 その人の事を見ている内にいつの間にか、私も同じようなことをしていました。 さあ、話はこのぐらいにして行きましょう?」

 

 

姫路side end

 

 

 

 

 

 

 Aクラス戦から翌日

 

「改築が終わったらFクラスの机は段ボールか……」

 

 皆と学校に行く準備をしている明久はそうつぶやくとはぁ~とため息をついた。

 昨日のAクラス戦で代表の雄二が負けてしまったせいで、Fクラスの机がミカン箱になってしまったのだ。

 

『それでどうやってノートを取るんだ?』

「モデルZ? ノートなんて取れるわけがないだろ」

『つーか、ちゃぶ台でもありえねーって言うのにさらに下があるとは思わなかったな』

『だが、今回の戦争のおかげで畳や窓ガラスなどが新調されることになったんだろう? モデルFが言うほどそう悪い事ばかりでもないだろう』

「些細なる問題…… 別に今日からと言う訳ではないだろう? それに、家畜以下の冷遇を受けるわけでもあるまい。 貴様ら一度水でも飲んで気を落ち着かせておけ」

 

 アトラス達が気落ちしている中、ヘリオスが何気なく冷蔵庫で冷やしていた水を全員分用意してくれいていた。

 

「ヘリオスってこの世界で言うツンデレだったの?」

『あらあら、ならそのツンデレのデレはいったい誰に向けた物なのかしらね?』

「ほう? テティスはどうやらいらない様だな!」

「わー! うそうそ! ごめんヘリオス、ボクにもお水を下さい!」

「何ヲヤッテイルノダ、オマエラ。 ヘリオス、俺モ水ヲ貰ウゾ?」

 

 テティスとモデルLがヘリオスを冷やかすが、ヘリオスがせっかく用意した水をそのまま戻そうとしたために、テティスも慌てながら水を持って行った。

 シャルナクはすでに準備が出来ているのか、今もっとも苦手としている(全部だめだが、特に勉強すらしていなかった)英語の参考書を読みながら、ヘリオスが用意してくれた水を持って行った。

 

『おい、もう8時半を過ぎているぞ?』

『皆、そろそろ出ないと遅刻になるでござるよ?』

 

 モデルHとモデルPが時間が無いことを告げ、残りの準備をした後、明久がカギを掛けて家を出た。

 

「しっかし、昨日は大変だったよ……」

「明久も散々だったな…… しかし、勝手な贅沢をして家計に響いてしまってはせっかくの節約生活も台無しになってしまうからな」

「ヘリオス、あまり明久を困らせるな。 一応私たちを住まわせてくれるだけでも……」

「アトラス、弟子が可愛いのも分かるのだが、貴様らに家計を任せたらどうあがいても赤字だった状況下でどうにかやっていくのがどれだけ大変か、分かっているのか? 確かに明久のそういう所は感謝しているが、それで飢えるのとでは話は別なのだ。」

「1週間くらいなら塩と水で生活しても大丈……」

「ソレデ生キテイケルノハ明久ダケダ!」

「ってそう言う事じゃなくて!」

 

 昨日、試召戦争後に起こった事を明久はヘリオス達に説明する。

 

「昨日、島田さんから逃げていた時にライブメタルを持った人たちに会ったんだよ」

 

 この言葉に4人に緊張が走った。

 しかし明久は4人の様子に気が付かないまま話を続ける。

 

「そのうちの男の子と戦闘になっちゃって、相手にしていられないから逃げようとしたんだけど、物凄い勢いで追いかけて来るもんだから逃げきれずに…… ってみんなどうしたの?」

 

 様子のおかしいヘリオス達に気が付いた明久。 

 明久の言葉にヘリオスが明久に質問をしてきた。

 

「明久、そのライブメタルと持った人とは、プロメテとパンドラと言う二人組じゃなかったか?」

「いや、4人組だよ? そのうちライブメタルを持っていたのは二人で、たしか、青い方のライブメタルを持っていた女の人がエールでいろんなロボットに変身した子がグレイって言っていたけど?」

「明久、お前あの二人と戦ったのか!?」

 

 明久の返答にアトラスが驚く。 アトラスに限らず、ヘリオス達は全員、グレイとエールに敗北を喫しているのである。 

 プロメテとパンドラではなかっただけましではあるのだが、それでも今の彼らにとって十分危険な相手と言えるだろう。

 

「とは言っても、あの子はまったく冷静じゃなかったし、うまく森の中に誘導してそのまま逃げてきたからたぶん大丈夫だと思うよ?」

「まあ、アキヒサが、殺しをせずに済んだならそれでもいいじゃない?」

「ダガ、アノ二人ガコノ世界ニイルノナラ暫ク厄介ナ事ニナルナ」

「そう言う事なら、今後は二人以上で動くように努めて、青のロックマン達が3人以上でいたなら即座に逃げて戦わないようにしていくしかないな。」

「ああ、正直あの二人はかなり強い。 今の明久でもまともにやり合うのは危険だ」

 

 ヘリオスは皆に団体行動を心がけるようにし、警戒するように呼びかけた。

 ひとまず、学校に行きFクラスの仮教室の場所を聞きに行こうとした時だった。

 

「おはよう秀吉! 秀吉は今日も可愛いね!!」

「お…おはようなのじゃ、明久」

 

 たまたま、一緒になった秀吉と……

 

「あら? 吉井君、おはよう。」

 

 優子も一緒だったようだ。 明久に挨拶を返すが、一緒にいたアトラス達を見て警戒しだしていた。

 アトラスも昨日の試召戦争の件で折り合いが付かないのかと思っていたのだが、何かがおかしかった。

 まるで、悪党を相手に信用が出来ないかのような視線が一瞬だが垣間見たのだ。

 その一方で、明久は秀吉と先程のあいさつの話をしている。

 

「明久よ…… ワシじゃからいいとしても、女子相手に同じようなことばかりをしておると要らぬ誤解を招くぞい!」

「何でさ?」

「イヤ、秀吉モソレデ良イノカ?」

 

 シャルナクも秀吉の奇妙な迷言にツッコミを入れてしまう。

 

「あっ、姫路さんだ! 『おはよー! 姫路さん』」

「おはようございます、明久君」

「アキ! おはよー」

「おはよう、島田さん」

 

「オイ!」

「ワシだけ可愛い付きじゃと!!」

 

 まさか、秀吉だけ可愛い付きだとは思わなかったのか、シャルナクと秀吉はツッコミを入れてしまう。

 

「一体、Fクラスの仮教室ってどういう所なのか楽しみですね」

「Dクラスレベルの教室っていていたわよ?」

「おーい! シャルナク、秀吉、皆もはやく行こうよー?」

「すまぬのじゃ、姉上たちはまだ、話が続いているようじゃから先に行っておかぬか?」

 

 

 どうも優子とアトラス達は話が長くなりそうだったため、テティスに先に行っておくと伝えたシャルナクと秀吉は明久、姫路、島田と共に先に学園へと向かっていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アトラスside

 

 

 明久達が少し離れたところで話していた頃、優子とアトラス達は優子から一方的に警戒されたまま話を続けていた。

 

 

「そういえば、昨日の試召戦争を覚えているかしら? 私が1回戦で出た際にヘリオスと話をしていた時なんだけど?」

「意味深なる質問…… いきなり何を言っている?」

「確かにユウコとヘリオスが何か話していたね。 僕のいた場所では何を話していたのかはよく聞こえなかったけど」

 

 いきなりの話に対してヘリオスとテティスは何とか誤魔化そうと適当に話を合わせようとしているが、それに対しての優子の様子がおかしかった。

 どういうことか、先日までの優子の視線は一クラスメイトに向ける猫を被ったような優等生と言う物であったが、今の彼女は明らかにこちらを睨みつけている。

 これまでの表情が、うまく周りに合わせるような笑顔で接してきている感じなら、今の彼女の表情は太陽すら凍り付かせるような大氷河期と言ってもいい程だ。

 

「貴方の声とは明らかに別人の男の声が頭に響くように聞こえてきたの? あの声がいったい何なのか知らないかしら?」

 

 今の優子の発言で混乱しだした3人。 ライブメタルの皆はどうにか悟られないようにと沈黙を貫いている。

 

「さあな? アタシにはお前の言うような男の声は聞こえなかったぞ?」

「そうだよ。 きっと気のせいだって!」

 

 アトラスとテティスがどうにか誤魔化そうとしているが、優子の疑いの目は晴れない。

 

「些細なる問題…… あらかた緊張感で私の声が高めか低めに聞こえただけであろう? 変に考え込むのも体に悪いと思うが?」

「ふーん? 本当にそうならいいんだけど……」

 

 納得したのか、優子は一度話を切る。

 その隙にうまい事アトラスとテティスの二人は明久達を追いかけようとするが……

 

「後、貴方達の口からたまに出て来るモデルHとかモデルLって一体何? その変なおもちゃみたいなやつを持ちながら何かと話をしていたわよね?」

「「『!?』」」

 

 その行動は失敗に終わる。 今の優子の質問で確信した。

 この女は確実にアトラス達の正体に気が付いていると。

 そして、かつてアトラス達が何らかの大事件に深くかかわっていることも。

 

「そして、私もた・ま・た・ま出会っちゃったのよね? このライブメタルっていう喋る彫り物みたいな金属に……」

 

 そう言って、鞄から取り出したのは明久が吹き飛ばしたはずのライブメタル『モデルA』であった。

 一体、どういう過程で出会ったのかは今はどうでもよかった。

 

『おい! オイラ達の世界で世界を滅ぼそうとしていたお前らがいったいどうやって普通に学生をやっていられるんだよ!!』

「ま、まさか…… モデルA!」

「過大なる疑問! 貴様はグレイのライブメタルではなかったのか?」

「って、アキヒサに吹き飛ばされた後でグレイと合流できなかったの!?」

『お互いに探し合っているみたいで、見つけられなかったんだよ!』

 

 ヘリオス・アトラス・テティスの3人は優子がまさか、ライブメタルを持ってしまうとは思わなかった。

 そんな中、モデルAと優子の二人が会話を続ける。

 

「あんた達がなんで、学園にいるのか何てどうでもいいの。」

『ええっ! 優子、こいつらがどんだけ危険なのか昨日の夜に説明したじゃないか! こうして出会ってしまった以上』

「モデルA、そんな事わかっているのよ。 でも、身元があいまいなのに普通に学生を続けていられるというのならそれなりに根回しがしてあるはず…… もしそうなら、今こいつらと戦おうとしたところで社会的にも私たちが不利になるだけ! 少しは頭を使いなさい!」

 

 何やら、こっちと会話していたはずなのに、モデルAと口げんかになり始めるモデルAと優子。

 

「もしかしてチャンス?」

『あんた達、もしかして……』

「ああ、こいつらに構っていられる時間もない。」

『逃げるってのか!?』

「些細なる問題、ここで3方向に散らばって逃げれば的を絞るのは困難」

『ヘリオス、お前最近逃げに一切抵抗が無くなっていないか?』

「ふん、明久と一緒に居続けていれば戦略的撤退程度なら躊躇なくできるさ」

「カウント、3…2…1……」

 

 優子たちの様子を見ながらテティスが逃げるタイミングを合わせるためにカウントダウンをはじめ

「ゼロ!」

「『ダッシュ!!』」

 

 テティスのカウントがゼロになるのと同時に、恥も外聞もなく一瞬で逃げ出そうとした3人であったが……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あら? 3人共どこに行く気なのかしら?」 

 

 

 コンマ3秒の間に『ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドン!』と言う音と共に3人の逃げようとする先の足場が撃ち抜かれていた。

 

「「「っ!?」」」

 

 これにはヘリオス達も驚きが隠せなかった。

 この一瞬の間に打ち込まれたと思われる銃弾の数は弾痕から察する限り、軽く50発はあるだろう。

 そんな超高速連射はグレイでも出来ない……

 だが、当の優子本人は……

 

「ふふっ」

 

 

 にこやかにいつもの優等生じみた笑顔を見せていた。

 いつの間にかモデルAも優子の鞄の中に戻ろうとして、もぞもぞと鞄のポケットの中に入ろうとしている。

 

「木下優子、貴様いったい何が目的だ。 どういうつもりで私達にこのことを話した? 私達の事をどの時期まで聞いている?」

 

 ヘリオスはどうにか落ち着きを取り戻し、優子に問いかける。

 

「ええそうね。 あんた達にもっと詳しいことを聞きたいし昼休みにほかのロックマンと一緒に図書館に来なさい。」

「逃げる気か?」

「勘違いしないでちょうだい。 別に負けるつもりはないけれど、こんな所でドンパチやるわけにもいかないでしょ?」

「昼に図書室だな…… 分かった」

 

 アトラスの返事の後、そのまま学園に向かっていった優子の後ろで

 

「よし、昼はアキヒサと屋上で食べようか!」

『いや、さっきの話聞いていなかったの!』

「いや、確かに分かったとは言ったが必ず行くとは言っていないぞ」

『確かに言ってなかったが、お前ら鬼か!』

「些細なる問題…… もし約束を破ったからと言って怒り出したら、その時には5人で私刑にしてやればいいだけの事だ」

『おおおおおおい! ヘリオス、おまえあの女と同じクラスだろ! どうやって抜け出す気だ!』

「? 別にほかのロックマンに声をかけてから行くと言って適当にごまかせばいいだけの事だろう?」

『『『お前ら本当に最低だな!』』』 

 

 完全に約束を破る気満々な3人の姿がそこにはあった。

 

アトラスside end

 

 

 

 

 

 

Fクラス(仮)では……

 

 

「「吉井! 貴様、大人しく異端審問会の裁きを受けよ!!」」

「イ・ヤ・だ・ねぇぇぇぇぇ! 力ずくで捕まえてみろ!」

 

 美少女3人と(誤字に有らず)登校していた罪で須川が会長を務める『異端審問会・FFF団』に追いかけまわされていた。

 シャルナクは別に明久なら問題ないと判断し、先ほどから勉強を続けている英語について、姫路から教えてもらっていた。

 

『しかし、こいつら本当に体力が無尽蔵だな。 前に見た映画のゾンビみたいだな』

「本当に腐った根性しているから…ね! っと」

 

「しかし、シャルナクよ。 おぬしは明久を助けにいかんで良いのか?」

「アア、明久ナラ大丈夫ダ。 アノ程度ナラ別ニ庇ワナクテモ一人デドウニデモスルダロウ」

「ああ、シャルナクさん。そこは違います。 そこは……」

 

 そんな会話から5分後にFFF団を同士討ちだけで全滅させてきた明久と途中で合流してきたアトラスとテティスが教室に戻ってきた。

 

「あ、あの。みなさん……」

「うん? あ、姫路さんどうしたの?」

「もしよければなんですけど、よろしければ今日のお昼は皆で屋上で食べませんか?」

 

 姫路が、屋上で食べないかと提案してきた。

 

「屋上って、アタシ達が良く弁当を食べている所だな」

「え? あ……じゃあ、私なんかが行っても迷惑にならないでしょうか?」

「そんなことないよ。 ねえアキヒサ」

「うん、そうだね。 後でヘリオスにも……」

「ヘリオスには僕が伝えておくよ! アキヒサとシャルナクは場所取りの方をお願い」

 

 テティスが優子との一件を誤魔化そうとするために明久とシャルナクに場所取りを頼み、それと同時にヘリオスのパソコンにアトラスが今日の昼の予定をメールで告げていた。

 

「むーっ…… 瑞樹って意外と積極的……」

 

 島田が、親の仇のように睨んでいる中……

 

「お姉さま~ 」

 

 美春が、島田の胸に思いっきり飛び込んできていた。

 

「お姉さま、いったい何をお考えですの? こんな汚らわしい豚どもとのお茶会を羨望するだなんて……」

「美春、離して! 寄らないで!」

「あれ? 清水さん、どうしたの?」

 

 いきなりの美春の登場につい声をかけてしまう明久だったのだが

 

「吉井明久! 仕事場でもないのにわたくしに声を掛けないでください!?」

「ひどっ!」

『いや、別にバイトの関係で話があるのかと思っても不思議でもないだろう!』

『本当に清水殿は男と言う物が嫌いなのでござるな』

 

 見事に一蹴。 そして、そのまま島田と話を続ける美春。

 

「ああん  お姉さまは本当は美春の事を愛してくださっているはずなのに、照れ屋なんですね」

「ウチにその趣味は無いから! アキ、アキも何か言ってやって!」

「清水さん、もしよかったらお昼を屋上で食べるんだけど、島田さんと一緒に来ない? そこでならうまい事島田さんといちゃつけると思うよ?」

『『『うわぁぁぁ…… 明久も酷いな……』』』

 

 明久の一言にライブメタルもドン引きである。 いくら、島田が暴力的ツンデレであまり好きではないからと言って、彼女を好いている『女性』とくっつけようとしているという光景は流石に酷いとしか言いようかなかった。

 

「アキ!?」

「おおおおおおお!! 豚野郎にしてはとてもいいアイデアですわ! 昼に屋上ですね。 楽しみにしています、お姉さまぁ~」

「アキィィィ! また私を売ったわね!? 何でそんなことをするわけぇぇぇぇ!!」

 

 キレかけている島田は明久の胸倉をつかみながら明久に問いかける。

 

「何でってそんなの決まっているじゃないか?」

「え?」

「二人の恋が育まれる事で二人が幸せになれると信じているから(暴力的な島田さんを幸せと称して縛る事が出来るから)さ!」

「ウチにその趣味は無いから!」

 

 明久の本音と建前が同時に聞こえ、ライブメタルの本日2回目のドン引きであった。

 

「……いま、建前と本音が同時に聞こえたのは気のせいなのかのう?」

「気ノセイダロウ……」

『あー…… オレは応援しているぜ』

「モデルF、お願いだから冗談でもそんなこと言わないでよ……」

 

 そんな中、明久は別の話題に切り替えようとする。

 

「所で、皆は雄二を見なかった? 昨日霧島さんとデートに行ったきりだったで、今日はまだ会っていなかったよね?」

「ユウジ? ユウジならあそこに……」

 

 テティスが雄二の場所に指をさすが、その光景に映った者は……

 

「・・・・・・・・・・」

「「「『『アウトォォォォォォォォォォォォ!!』』」」」

 

 

 猿轡をされ、縛られている無表情な雄二の姿であった。

 その光景には島田と姫路を除く全員がツッコミを入れていた。

 テティスに至ってはむせるまで大爆笑していたほどだ。

 一体何があったのか? 雄二の耳には最新型の無線式のヘッドホンまで取り付けられていた。

 

「おい坂本、お前一体何の趣味に目覚めたんだ?」

 

 勇気を持ってアトラスが猿轡をほどき雄二に問いかけるが

 

「あんたは俺が趣味でこんな目にあっていると思っているのか!?」

「いや、でもユウジはキリシマと付き合っている訳だし、彼女さんのお願い位聞いてくれそうな感じが……」

「いくら、俺でもこんなお願いなんて聞く訳ねえだろ!?」

 

 テティスは雄二がマゾとして開花したと勘違いして、とんでもないことを言い出そうとしている。

 

「トコロデ、コノヘッドホンハ、一体何ダ?」

 

 シャルナクがヘッドホンを取り出しその内容を聞こうとしていたが、5秒で投げ飛ばしてしまう。 

 

「アウトォォォォォォォォォォォォ!!」

「「いったい何があった!?」」

 

 シャルナクの反応に驚愕した皆はどうにか無事なヘッドホンを拾い、その中身を確認しだす。

 

『……雄二、愛してる』

『……雄二、結婚して』

『……雄二、愛してる』

『……雄二、結婚して』

「「『アウトォォォォォォォォォォォォ!!』」」

 

 アトラスが窓を開け、ヘッドホンを遥か彼方に星になる勢いで投げ飛ばした。

 

「アハハハハハハ!(涙) ユウジ、こんな曲聞いていたんだ!!」

「曲!? どっちかと言うと洗脳だろ!?」

「アタシもこんなものを聞かされたとしたも耐えられる気がしない……」

「ごめん、聞いちゃいけないものだったね……」

「明久…… そう思うなら、助けてくれ……」

 

 そう言われ、皆でどうにか縄をほどいた事で自由になった雄二。

 

「そう言えば、今日のお昼だけど……」

 

 明久が、雄二に昼の話をしようとした時だった。

 

シャルナクが数秒消えたかと思ったら、教室の数か所が板で打ち付けられ、その手にはいくつかの小型機械があった。

 

「盗聴器ト、隠シ扉ダ。 全部封鎖シテ置イタカラ安心シテ話セ」

「え、盗聴器!? 何でこんなものが?」

「あらかた浮気防止とか言って翔子が仕込んだんだろう? そんなことよりもいったい昼になんだ?」

「あ、どうでもいいんだ……」

「うん、今日の昼になんだけど、姫路さんと島田さんと、清水さんの3人も一緒に食べようって話になっていたんだけど」

「まあ、いいんじゃないか? 俺もべつにかまわないぞ」

 

 雄二に伝言を終え、皆はシャルナク指示の元、敢えて潰さずにおいた盗聴器をいつの間にか『何が聞こえても浮気がないように聞こえる』よう改造した後、元の場所に戻しておいた。

 アフターケアもばっちり忘れないシャルナクに感謝した雄二はそのまま、席に戻り適当にだらけ出し、いつの間にか眠ってしまっていた。

 

 

「そう言えば、明久よ」

「うん? どうしたの、秀吉? (はっ! まさか秀吉から告白してきてくれるなんて!)」

 

 秀吉に呼ばれ、明久はなぜか秀吉から告白されると勘違いしているが

 

「うむ、昨日の夜、姉上が明久達が持っておる金属みたいなものと同じような物を持っておったのじゃ」

「え? それって一体どういう事!?」

「詳しい事までは分からんのじゃが、急に飛んで来たものを拾ったと言っておったな。 明久達なら何か心当たりがないかと思ったのじゃが?」

 

 ライブメタルの話が秀吉の口から出てきたことに明久は驚いていた。

 

「あの、その金属なんですが、もしかして優子ちゃんが『モデルA』なんて言っていなかったですか?」

「姫路さん!?」

 

 いきなりの姫路の乱入に更に驚く明久。

 

「あの、昨日たまたま出会った男の子が秀吉君の言ったおもちゃを探し回っていたので、多分それの事ではないかと思ったのですが……」

「(これはマズい……)」

 

 焦る明久は、話を聞いていたアトラス達に目の動きとわずかな指の動きだけでサインを送る続ける。

 非常事態時に備えてアトラス達と作ったサインであるのだが、どうもアトラス達も策が浮かばないのか手が出せなかった。

 

「もし、よければ秀吉君、お姉さんに事情を話をしてその金属と言う物を借りることはできませんか?」

「ううむ、姉上が話を聞いてくれるかは分からぬが承知した。」

 

 いつの間にか、姫路と秀吉の間でライブメタルが渡る可能性が高い。

 そう判断した明久は二人の間に入って説得しようとする。

 

「ち、ちょっと待って!」

「どうしたんですか、吉井君?」

「その秀吉のお姉さんが見つけたっていう金属? とても危険なものだってアトラス達から聞いた事があって、かつてアトラスの国の軍が独自に開発していた物が流出したものだって聞いたことがあるんだ」

「なんじゃと!?」

「吉井君、それ本当なんですか?」

 

 真虚を織り交ぜてうまいこと説明しようとする明久。

 

「それはむやみに人に渡したりしないようにしてもらってもいいかな。 それで、もしよかった僕たちに渡してもらってもいいかな?」

「む、言っていることが矛盾しておらんか? むやみに渡すなと言っておきながら、なぜお主たちに渡さねばならんのじゃ?」

「あ、正確に言うとアトラスを介して、向こうの国の人にどうにか厳重に封印してもらいたいから、それまで誰にも渡してほしくないっていうだけなんだけど」

「ううむ、いささが納得いかんところもあるが、承知した。 念の為姉上には変に弄ったりせん様にも伝えておこう」

「ありがとう、好きだァァァー秀吉!!」

「ワシは男じゃ!」

 

 

 

 




正直、明久の行動は失敗だったと自分でも思っています。

でも、これも戦いの為の伏線のつもりで書いています。

この行動がどう出て来るか楽しみにしていただけたらと思います。
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