第2問
以下の意味を持つことわざを答えなさい。
『(1)得意なことでも失敗してしまう事』
『(2)悪い事の上にさらに悪いことが起きる喩え』
姫路瑞樹・霧島翔子・ヴァン・エールの解答
『(1)弘法も筆の誤り』
『(2)泣きっ面に蜂』
高城雅春・夏川俊平・常村勇作・佐藤美穂の解答
『(1)猿も木から落ちる』
『(2)踏んだり蹴ったり』
教師のコメント
皆さん正解ですね。 他にも(1)なら『河童の川流れ』、(2)なら『弱り目に祟り目』などがありますね。
土屋康太・アッシュ・木下秀吉の解答
(1)『弘法の川流れ』
教師のコメント
シュールな光景ですね。
吉井明久・坂本雄二・ヘリオス・アトラス・テティスの解答
(2)『泣きっ面蹴ったり』
教師のコメント
キミ達は鬼か悪魔ですか!?
島田美波・清水美春・シャルナクの解答
(1)『猿を木から落とす』
(2)『弱り目にトドメ』
鉄人のコメント
よし、三人には倫理と道徳の補習授業も追加してやろう。
後で生徒指導室に来い!!(10分以上の遅刻で強制連行)
グランドパークside
景品を手に入れ次第、すぐに他のチームの増援に向かう予定になっていた明久達は、ひとまず先に姫路チームと3年チームと共に如月グランドパーク(建設中)に向かっていた。
「それで、景品の場所がここだっていうのは間違いねぇんだよな?」
「ヘリオスが言うんだから間違いないでしょ」
『あのねぇ…ヘリオスは天才ではあっても神様じゃないのよ……』
「まあ、中に入ってみればわかる事です、早く行きますよ」
「ちょっ! おい、待てって!!」
「置いて行くなよ!」
そう言って高城は早々と中に入って行った。
それを常夏コンビと明久・テティスが追いかけていく
「あの? エールさんいったいどうしたんですか?」
「あわわ…… 青のお姉ちゃん、お顔真っ青です……」
「え?」
そんな中、エールの様子がおかしい事に気が付いた瑞樹と葉月ちゃんが心配して話しかけて来る。
「あ、うん! 大丈夫よ。 さ、急いで皆を追いかけましょう?」
「エール?」
さっきまで、青い顔をしていたのが嘘のように優しい笑顔に戻ったエールの事が気になりながらも、ひとまず先に中に入った皆を追いかけるために中に入って行った。
(……まさか…また、こんな場所に来ることになるなんてね…)
グランドパークside end
体育館side
一方で体育館の方は、イベントの開始時間までしばらくかかるという事で、その開始時間まで適当な雑談をしていたのだが……
「はなせ! 俺はこんな組み合わせは……」
「雄二よ、もうあきらめるのじゃ。 わしなんぞあの姉上となのじゃぞ?」
とても嫌な顔をしながらつい、優子を見てしまった秀吉。
「ひーでーよーしー? お姉ちゃん、ちょっとお話があるんだけどな~?」
『おおおおおおおおい! 優子!なんかその笑顔がマジで怖いんだけど!!』
「は、離すのじゃ姉上! 一体どこに連れ…… ああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「オ・オイ、木下! 一体何処ニ秀吉ヲ連レテ行ク気ダ!!」
「シャルナク、アンタにも話があるのよ!!」
「何ダト? ……ッテ離セ! アアアアアアアアァァァァァァァ!!」
一体何を言おうとしていたのか? 優子は秀吉とシャルナクを連れてどこかに行ってしまった。
少し離れた所で謎の爆発と共に「貴様!一体ドウイウツモリダ!」「ちょっ姉上! 関節はそっちには曲がらぬのじゃぁぁぁ!!」「ロックオン!!」などという声が聞こえたが、他の皆は助けに行けずにそのまま話を続ける。
「……ヘリオスが夫婦の絆を信じているって言ってくれていたから、私もそのヘリオスの信頼に応え…」
「絶対嘘だろ! ヘリオスの事だから、俺たちで楽しんでいるに決まってる!!」
「そう言えばだけど、あの試召戦争の次の日にヘリオスと何か相談していなかったかな?」
「……愛子? もしかして、聞いていた?」
「ボクも代表がヘリオス君に相談しているところを偶然聞いちゃったんだ?」
「おい、工藤! 翔子がいったいどんな相談していたか分かるのか!?」
翔子がヘリオスにどんな相談をしたのかが気になってしょうがない雄二はどうにかして聞き出そうとしている。
「うん、ボクが聞いた話だと……」
「……愛子、いい、自分で言う」
「なあ、何か嫌な予感がするのは俺だけなのか?」
「……『雄二とより濃厚な時間を過ごすにはどうしたらいいか』と『雄二との子供の名前について』ちょっとだけ」
この言葉と同時に雄二はシャルナクの次にすごいと思える程の反応速度で逃げようとした。
が、それすらも許される事も無く、霧島に一瞬で縛られてしまった。
「あはは、坂本君も往生際が悪いねぇ。 いい加減に諦めたほうがいいと思うよ?」
「……ヘリオスも適当に拾った長刀を曲げようとしたら、真摯になって考えてくれた」
「それ、完全に脅迫しているだろ?」
愛用の長刀を人質に取られて、恥も外聞もなく慌てふためくヘリオスの姿が想像できる話であった。
そして、翔子は言葉を続ける。
「……ヘリオスはこう言ってくれた。 『いっその事子供を産んで結婚してしまったらどうだ?』って」
「最近の過激なアプローチはあいつのせいか!!」
「しかも、子供の名前の話ってその話からつながっていますよね?」
「……うん、しかもその名前についてもしっかりと考えてくれて、とても嬉しかった」
「そんなに顔を赤くするな! しかもヘリオスの野郎、途中からノリノリじゃねぇか!! 絶対にここから楽しくなって来ただろ!?」
「……多分、そうだと思う。 因みに、これが『子供の名前候補のリスト』……お勧めは私が考えた、私と雄二の名前を組み合わせた方」
「どれどれ~?『しょうゆ』に『こしょう』って調味料じゃないんですから…」
苦笑いしながらついツッコミを入れてしまう愛子。
「ちなみに男の子が『こしょう』……」
「『しょうゆ』ガ女ノ子カ!? ット一体何ノ話ヲシテイル?」
『途中で戻ってきてみたはいいが、何をどうすればこんな話になるんだ?』
「姉上のせいで酷い目にあったのじゃ」
「仕方ないわよ。 あれは事故の様なものだしね」
『オイラからしてみれば、あれは立派な事件だと思うけどね』
あの3人の間でいったい何があったのだろうか? ボロボロになった3人がいつの間にか戻ってきていた。
「それにしても雄二も災難じゃったな」
「ヘリオスノ奴、トンデモナイ事ヲシヤガッテ。」
「坂本君も大変ね。 そう言えば代表、他にはいったいどんな名前があるんですか?」
ヘリオスも考えたというだけあって、子供の名前も豊富である。
霧島から子供の名前リストを借りて、二人が考えた名前を一部だが読み上げていく。
「ええっと…… まずは『左馬之助』に『秀光』?」
「すごいのかすごくないのかよくわからない名前じゃな!!」
「『鬼〇者』っていうゲームで有名になったとは思うけど、実際の歴史的には微妙な所だな」
「他には…… 『義政』に『清盛』、『正宗』なんて普通にいいですね。 この辺あたりからヘリオスも本気になっていると思うんですけど?」
「……『名前を出すだけなら容易。 むしろ、そのつけようとした名前に納得する方が難しい』って言っていた」
「俺だって、『しょうゆ』とか『こしょう』なんていう名前は……」
「因みにリストの中には『周瑜』『孔明』『荀彧』なんて言う名前も…」
「今度は偉くなりすぎだろ!」
「今度三国志から取ったのじゃな! これは適当に……」
「……ヘリオスが思いついてくれた名前は全部、私が『しょうゆ』と言う名前を出した後」
「霧島ノ出ス名前ガ不安ダラケダカラ仕方無ク、アドバイスヲ出シテイルンジャナイカ!!」
シャルナクの言葉も尤もだろう。
そんな雑談をしている間に、体育館のカギが開く。
どうやら準備が整ったようである。
「それよりも中に入るぞ。 景品が他に取られたらたまったもんじゃないからな。」
「本音ハ?」
「早くこのイベントを終わらせて、ヘリオスの奴に余計なことをしやがった分の仕返しをしてやろうと思った」
そんなことを言って、皆で体育館の中に入って行く。
そこで目にしたものは……
『ハ~ズレ!! (バーカ!バーカ!)』
『んとほうばのしょとはなりぷのーる』
と書かれた、看板であった。
「「「
そして、体育館の中では雄二達を含め、問題を自力で解いてきた人たちは全員怒りの叫びを上げていた。
体育館side end
商店街side
「うう……」
「……一体どうした? 何があった!?」
商店街に到着したアトラス達はすぐにでも景品探しをしようとしていたのだが、入口の前にある点数補給所で疲れ切って倒れかけている人物の介抱をしていた。
「この入口から入ったらすぐに、試練の様なものが始まったんだが、突破条件が厳しすぎて、帰ってこれない奴らがいるんだ」
「この大会って市が主催だったわよね!!」
「帰ってこれないって、ほとんど戦場だな……」
演出なのだろうか? 大火事になっている建物が多数あった。
「たのむ…この救難信号送信用PDAを使って、みんなを助けてやってくれ! 。 そこに脱落者を救援してくれる人たちが来てくれるはずだ……」
そう言って、懐からPDAを出してくる男性。
「……どうする?」
「どうもこうも、要は中で迷子になっていて出られない人たちを見つけたらこれで連絡してほしいって言ってるんでしょ?」
「アタシは別に構わないぞ? こう見えても救援活動とかは軍にいたころに経験しているし、こういった任務はむしろ得意な方だ」
「……意外」
「そうよね。 普段から強者がどうこう言って、人の事をぶんなぐっている印象しかなかったから、正直驚いたわ…」
「おい貴様ら、一体アタシを何だと思っていたんだ!?」
「
「……女版ミニ鉄人」
「文月の重戦車!」
「「対鉄人用最終兵器!」」
「祈りは済ませたか、キサマラァァァァァァァ!!」
二人の言葉にとうとうキレて超高速の回し蹴りを振るうアトラス。
「キャー! ちょっ!アトラス、危ないでしょ!!」
「……撤退」
「貴様ら、待てぇぇぇぇぇぇぇぇ…… っとそのPDAを貰うぞ。」
優子の時のそれとは違ったものではあったのだったが、それでも十分怖い。
反射的に美波とムッツリーニは商店街の中に逃げ込んでしまった……
追いかける前にアトラスがPDAを受け取った。
二人からより詳しく話を聞くためにアトラスはキレかけた状態で鬼のような顔をしながら、追いかけていく。
商店街side end
発電所side
「些細なる疑問…… なぜ、こんな場所に景品を隠したのだろうか? 万が一何かあったらどうするつもりなんだ?」
ヘリオスはかなり規模の大きい発電所を見て、こんなことを呟いてしまう。
発電所と言ったら、別の場所だったとはいえ、ヘリオス達が来る前に放射線の問題で大事故を起こしたこともある、とても危険性の高い場所でもある。
そんな中で誰とも争わずに、被害を出す事も無く、景品を探すというのは流石のヘリオスと言えども無理があると言う物だ。
「なんですか? 今更怖じ気付いたんですか?」
「愚かなる間違い…… 本当にここに景品があると言うのなら、確実に探し出して見せる自信がある」
ヘリオスが自身に満ちた顔で言う。
そして、警戒しながら発電所の扉を開け、中に入っていく。
「でも、あの豚野郎に任せて本当に大丈夫でしたの?」
「何が言いたい?」
「いくらあの豚野郎が強いとは言っても、Aクラスレベルの人が相手では流石に無理だったのでしょう?」
「ええ、あの時の対戦相手は私でしたから、苦戦はしましたけど、強引に力でねじ伏せる形で勝つことは出来ましたから……」
明久から試召戦争の結果を聞いていた美春は、ヘリオスと佐藤に問いかける。
実際に明久の召喚獣の操作技術は観察処分者の中でも第1位と言っても良い程のものになっていたが、少しでも操作を間違えると、佐藤との戦いのように一発でやられてしまう事もあるのだ。
もし、あの2チームの内どちらか一方でも裏切る事があったなら、一部の教科を除き、比較的点数が高い程度しかないテティスと、点数が事前に高めに設定されていても召喚獣そのものを扱った経験が無い小学生では戦いにすらならないだろう。
「些細なる問題…… あの組み合わせなら絶対に裏切りや殺し合いは起きないという確信があったから、あの組み合わせにしたのだ。」
「ですから、なぜそうならないと言い切れるのかの説明を……」
なかなか理由を言おうとしないヘリオスの態度に美春がキレかける。
そんな彼女を見て、ヘリオスはため息をつきながら、理由を説明し始める。
「まず姫路の方だが、一つ目はあの女はアプローチの仕方はどうあれ、明らかに明久に好意を抱いている。 あの毒弁当事件の後の様子がいい証拠だ」
この話を聞いて佐藤は『毒弁当事件って一体何だろう?』とつい首を傾げてしまう。
まあ、好きになった男性を相手に毒入りの弁当を持って行ってしまうなんて言う話の地点で意味不明なのだが……
「ああ、最後にヘリオスとシャルナクの二人があの女にトラウマを植え付けたあの時ですか。 私でしたら、あんなことをされた後なら、暗器を準備をして仕返しをするところですけど」
「愚かなる選択…… 実行前に4倍返しにしてやるから安心していろ… 話がそれてしまったな。
あの後にシャルナクから聞いたのだが、5時限目の授業が終わった後に改めてあの弁当を食べた者達全員に謝りに来ていたそうだ。 何故か虚ろで赤い目をしていた上に体が震えていたそうだが……」
「それってかなり危ないじゃないですか!!」
完全に自分で自分を追い詰めている危険な状態である。
返答次第では錯乱状態に陥ってどんな行動に出るか分からなくなるだろう。
「些細なる問題…… その時、アトラスが説教をしてしまってかなり危なかったそうだが、明久が庇ったそうだ。
最終的には全員許したという事もあり、明久にはかなりの恩義があるという訳だ」
「でも、姫路さんと一緒にいた男の子は吉井君に敵意むき出しでしたけど?」
「それ以前に、一人で裏切っても大したことは出来んし、敵意云々はともかく、姫路にはなついているようだったからな」
「そうですか、姫路さんが吉井君を庇って、攻撃しないように言う可能性に賭けたという訳で……」
「しっ!(トンッ!)」
しばらく雑談をしながら発電所の中を散策していた3人だったが、いきなり話を止めさせる。
「一体どうしたんですの?」
「警戒すべき事態…… そこの扉の先に何かがいる」
そう言って、ヘリオスが指を指した先にはローラー付きの廊下があり、その先に職員と思われる男性と、大型のローラーを付けた、戦車のような戦闘機械がそこにはあった。
「な! なんていうデカさですの!?」
「それ以前に、どうやってあんなものを発電所の中に持ち込んだのかが気になるんですけど!?」
あまりのありえなさについ二人は驚愕してしまう。
「些細なる問題…… あれが何にせよ倒さねば先へと勧められぬというのなら吹き飛ばすまでだ」
ヘリオスがかっこいいセリフを吐いて二人を庇うようにしながら前に出て行くが、内心ではかなり驚いていた。
それもそのはず、廊下の先にある戦闘機械には見覚えがあったからである。
『な…なんで〈クラッシュインパクト〉がいるんだ!』
クラッシュインパクト
ヘリオス達ロックマン達の時代に存在するイレギュラーと呼ばれる殺戮マシーンの中で、非常に高い耐久力とローラーを生かした突進攻撃、そして、大型の波動砲による砲撃を行う広域殲滅型のイレギュラーである。
もし、何かしらの事故で未来からのイレギュラーが、この世界にやってきたというのなら、二人を危険な目に合わせるわけにはいかなかった。
先程までの探索で、イレギュラーのような危険因子が確認できなかった以上、他のイレギュラーがいる可能性はほぼないと言っていいだろう。
念の為に、シャルナク特製のスタンロッド(出力最大1億ボルト、並のイレギュラーなら一瞬でショートする仕様)を美春に預け、少し離れた場所に隠れてもらう。
スタンロッドを受け取った美春は『何を警戒しているのかは分かりませんが、相手を殺す気ですか!!』と言って、受け取った手が震えていたが……
「……モデルH」
『何だ?』
「こんなイベントで大きな危険はないと思うが、あれがもしイレギュラーだったなら……」
『ああ…… 俺の力を使うんだな』
「……頼めるか?」
『構わないさ。 せっかく秘密にしてきたというのに、最悪、これで水の泡か』
「そうならないことを祈ろう……」
そう言ったヘリオスは左手は懐に隠しているモデルHに、右手に愛用の長刀を構えながら、職員と思われる男性の前に出る……
ヘリオスside end
場所は戻って
グランドパークside
「うおおおおおおおお! 何なんだよこいつら無限湧きしてんじゃねぇか!!」
「マジでキリがねぇな」
「おっと危ない、『波断撃』!」
一方で明久達グランドパーク組は無限に湧いてくる、マスコット達に襲われていた。
文月学園『吉井明久・テティス・夏川俊平・常村勇作』 vs マスコット軍団『フィー×3・ノイン×2・アイン×4』
教科 世界史
点数 「107点&149点&163点&176点」 vs 「70点×9」
まあ、一体ごとの点数はとても低いのだが、無駄に数が多い。
先程まで一緒だった瑞樹たちとはぐれてしまい、どうにか4人でマスコット軍団を迎撃していた。
この場を脱出して、全員の無事を(特に葉月ちゃんの方は重要!)確かめるためにも、こんな所で足止めを食らっている訳にはいかないのである。
「もう! 本当にしつこいなぁ!!」
普段は温厚なテティスも流石に苛立ちを覚えていた。
半端な攻撃では倒しても倒しても敵は無限に湧いて出てきてしまう為先には進めない。
その上、先へと進む道を6体以上の大楯持ちのマスコットがふさぐように陣取っている為、今この場にいる戦力では、強行突破して先に進むという事も出来なかったのである。
「皆さん、伏せてください!!」
姫路チーム『姫路瑞樹・エール』 vs マスコット軍団『フィー×3・ノイン×2・アイン×4』
4人はとっさに召喚獣を地面に伏せさせる。
すると、大型のバスターショットと熱線がマスコット達が召喚した召喚獣を一気に殲滅する。
教科 世界史
点数『402点・200点』 vs 『ALL・DEAD!』
「バカなお兄ちゃんと氷のお兄ちゃん、大丈夫ですか?」
「うん、大丈夫だよ」
「ありがとう、葉月ちゃん」
葉月ちゃんが心配そうに駆け寄ってくる。
明久とテティスは葉月ちゃんを安心させるために、軽く頭をなでる。
「でも、景品を持っているのはこいつらじゃなかったわね。 一体何処にいるのかしら?」
そう言って、あたりを見回すのは先程、右手の大砲からバスターショットを発射したエールの召喚獣。
テティスとは対照的な明るい青を基本としたシンプルなアーマーを装備し、右手は可変式なのだろうか?
今は普通の右手だが、攻撃する時には先程のバスターショットで攻撃するための大砲に変化するようだった。
「まだ探していない場所はどこですか?」
「まだ工事中のお化け屋敷と、そこの先にある遊具エリアだな」
「しっかしよぉ! さっきからマスコット連中が召喚獣呼びまくっていてマジでしつこいんだけど? 点数低いから楽勝だけど、無限に湧いて出て来るからマジでイラついてくるんだよ」
「だったら、僕の方も手伝ってくれよ! さっきから一人で抑えているの僕なんだけど!!」
姫路チーム 『グレイ』 vs マスコット軍団『フィー×2・ノイン×6・アイン×1』
教科 世界史
点数『200点』 vs 『45~27点』
高城は常夏コンビに探した場所を確認しているが、今はそんなことをしている場合ではない。
まるでゾンビのように復活を繰り返してくるマスコット軍団を相手にグレイが、2丁拳銃を装備した召喚獣を使いこなして、敵の進行を抑えている。
ロックオンマーカーのようなものが大量に表示され、そのポイントを目掛けて、追尾型のレーザーを同時発射しているようだ。
「あわわ! グレイ君、今手伝います。
「ボクも行くよ!
さすがに一人で何体もの召喚獣を相手にさせるわけにもいかない為、瑞樹とテティスが助けに入る。
グレイが射撃で支援し、瑞樹とテティスが前衛で薙ぎ払う事で再び敵を殲滅するが、このままではすぐに復活してきてしまう。
「おい! さすがにここは下がった方が良いんじゃねぇか?」
「ああ、ここに来るまでに全員点数削られてしまっているだろう? だったら一度、体勢を建て直し……」
「常夏さん、ここは先に進みましょう」
「「高城まで省略するんじゃねぇ! 収集が付かなくなるだろ!!」」
「少し先に進んだところに安全エリアがあったです。 そこでお休みしながら作戦を立てることが出来ると思ったですけど…?」
「たまたま葉月が見つけたのよ」
「えへへ…… 青のお姉ちゃん、くすぐったいです」
お手柄の葉月ちゃんの頭をエールがなでると、葉月ちゃんが恥ずかしそうにしながら笑う。
もうしばらくその光景を見て和みたいと思うが、もう少しで謎のマスコット軍団が戻ってきて、探索を邪魔してくるだろう。
「ひとまずみなさん急ぎましょう。 先程倒しておきましたが、すぐにノインちゃん達が戻ってきてしまいます」
「ねぇ? それなんてホラー?」
「銀髪のお兄ちゃん、怖くなってきたですか?」
「おいこらチビッ子共! いちゃつくなら後にしろ!!」
遊園地のマスコットが何度吹き飛ばされても復活して襲い掛かってくるというのは、最初の数回ならほほえましい物だが、こう何十回も繰り返されると流石に不気味である。
テティス以下年少組も飽きが出てきて、うんざりと言うような顔になり始めていたので、一度休ませるためにも先にあるという安全エリアに向かう。
「お前ら全員先に行け!」
「常夏先輩一号さん、大丈夫ですか?」
「おい、じゃあ常村が二号かよ!? って『腕輪発動』!」
とうとう、省略されたコンビ名に号数までつける明久の暴言に文句を言いながら召喚獣の腕輪の力を発動させた夏川。
召喚獣の腕輪が光るのと同時に、召喚獣が思いっきり煙管のようなハンマーからあたりを覆い尽くすような煙幕を噴出させた。
葉月ちゃんが、「ボーズのお兄ちゃんの召喚獣が、煙を吹いていてかわいいです!」とか言って足を止めてしまいそうになるが、近くにいた明久が彼女をお姫様抱っこで連れて行った事で、他のマスコット軍団に襲われることなく、無事に安全エリアにつくことが出来た。
「ふう~っ…… ようやく一休みできるぜ」
「夏川先輩、あれは本気でヤバかったですよね?」
「主にお前らのせいでな!」
「攻撃が当たりそうになるたびに近くにいる俺らを盾にしやがって!!」
「まあまあ、常夏コンビ1号さんも落ち着いて……」
「1号言うな! 俺の名前は……」
「常川先輩と、夏村先輩ですよね? 流石にもう覚えて……」
「「吉井!テティス! お前ら覚えていろよ! いつかお前らのクラスを巻き込む形で仕返ししてやるからな!」」
仲がいいのか悪いのか分からくなってくる会話である。
「いつの間にか仲良しになっている4人は置いておきまして……」
4人を適当に放置し、今後の話を始める高城。
「僕にアイデアがあるんだけど?」
「グレイ君、何かアイデアがあるんですか?」
「全員で中央を強行突破する!」
「「気は確かか? 中央の方が一番敵が多いんだぞ!?」」
いきなりの無茶苦茶な作戦に猛反対する常夏コンビ。
「だけど、一番広い。 別ルートで時間を食う方が危険なんだ!」
「グレイの言う通りよ。 敵の脚は速くないし、私達の戦力もそれなりに高い。 大丈夫、強行突破できるわ」
「エールさん、年長者相手にこんな事言いたくないですけど、突破できるかどうかの話じゃないんですよ! 突破は出来るかもしれないけど、点数が極端に削られるという話なんですよ! 分かっているんですか!?」
「分かっていないのは常村さんの方です!」
グレイの作戦にエールは賛同するが、どうも納得のいかない人もいるようである。
そんな賛否両論で意見が飛び交う状態で、流れを変えたのは瑞樹の言葉であった。
「エールさんは確かに、召喚獣を操るのは初めてです!」
「けど、エールは対集団戦を想定した戦闘術と射撃の達人なんだよね」
「何でテティス君が知っているのかが、気になるところですけど、そう言う事です。
エールさんはこの手の修羅場についてよく知っているんですよ。
この場にいる誰よりもです!」
「エールさん、普段は一体何をしているんですか!?」
高城はつい、ツッコミを入れてしまう。
ロックマンと言う物を全く知らない3年生の3人からしてみれば、エールの事はあまり余計な口出しをしない普通の女性くらいにしか見えないだろう。
そんな女性が戦闘のプロだなんて言われてもピンとこないものである。
因みに葉月ちゃんは過去に一度、ロックマンとなった明久達を見ている為か、瑞樹の言葉に特に思う事は無かった。
「皆さんも十分休んだでしょうし、そろそろ行きましょうか」
「それもそうね。 なら、ここは私たちのチームが前に出ようかしら?」
「すみません、エールさん。 お願いできますか?」
前衛は攻防のバランスが取れており、瑞樹の熱線やエールのバスターで一気に敵を殲滅することのできる姫路チーム
「そう言えば、葉月ちゃんの召喚獣ってどういう感じなの?」
「お姉ちゃんの召喚獣と似ていたです。 違うとしたら、服の色と武器が黄色い剣が2本あるという事くらいです」
「二刀流かぁ。 葉月ちゃんの召喚獣もカッコイイね」
中衛は、近接武器が中心で撃ち漏らした敵にとどめを刺すことを前提とした明久チーム
「悪いけど、今回俺らは後ろに下がらせてもらうわ」
「主に明久とテティスから盾にされまくったのが原因で、中央も同じ教科の中、今召喚しても大してできそうな事ってないんだよ」
「そうですか、仕方がないですね」
後衛は、後ろから追撃されないように敵を抑える役の3年生チームが担当することになった。
「そうだ! 明久君達に渡しておきたいものがあったのよ!」
「渡したいものですか?」
「そう、この袋の中にあるんだけど……」
そう言ってエールは袋の中から小さな箱のようなものを出してきた。
その中には何やら、黒色の小さな指輪が入っていた。
「エールさん! いきなり婚約指輪なんて渡されても反応に困る…… 『ごぶぁっ!?』」
勝手な勘違いをした明久の腹にグレイの全力の拳が叩き込まれる。
いくらアトラスに鍛えられたとは言っても、レプリロイドの拳をモロに喰らってしまったら耐えられるものではない。
「くたばれぇぇぇ!!」
「ちょっ! グレイ君落ち着いてください!」
「いや、なんかトリップしていたからつい……」
「一体何をどうしたら…そんな答えになるのかなぁ」
本当に明久とグレイの相性は最悪なようである。
ひとまず、後ろから抱きしめるように瑞樹がグレイを止めに入った。
エールは明久の意味不明な発言に頭を抱えている。
「あのねぇ、いくら何でもいきなり婚約指輪なんて渡すわけないでしょ!」
「そうですよ明久君!」
「これは僕たちがこの先にあるっていうのとは別のイベントで手に入れた『解放の指輪』っていうんだよ。」
「解放の指輪? 何なのそれ?」
「明久君達と合流する前にたまたま見つけたイベントで手に入れた景品なんです。 これを付けた人の召喚獣は元の点数に関係なく『本来、召喚獣が持つ腕輪の力を使うことが出来る』と言う優れものなんです」
「へぇ、それは便利だね。 でもミズキ? 本気で貰っちゃってもいいの?」
「はい、私と高城先輩は殆どの教科で腕輪を使えますし、他のみなさんはすでに貰って、先程の戦闘でも使っていましたから」
「え? じゃあ、エールさんの召喚獣の腕輪ってあのバカでかいバスターだったの?」
皆が持っていると聞いた地点で、普通はそう思うだろう。
「いえ、あれはエールさんが少し時間をかけてチャージしたものだそうですから、本来の腕輪の力ではないと思います」
「「嘘っ!?」」
「まあ、いずれ本当の腕輪の力を見る時が来るんじゃないの? 明久達の腕輪の力がどんなものになるかはぶっつけ本番になると思うけど?」
「何それ! 滅茶苦茶怖いんだけど!! ってちょっと待って、置いてかないでぇ~~!!」
どんな効果があるかが分からないなんて怖いにもほどがあると思うのだが、びくつきつつも明久は指輪をはめて先に行く皆を追いかけた。
グランドパークside end
何でだろう?
最初は2・3話くらいで終わらせようと思っていたのに、気が付いたらもう4話以上続いてしまっている……
しかし、今回は葉月ちゃんの召喚獣の仕様について悩んでしまった。
むしろ今回一番悩んだのって葉月ちゃんの召喚獣何ですよね。
夏川はアニメ版の仕様でなら意外と簡単に腕輪の力思いついたので、それはそれでよかったのですが、葉月ちゃんだけは相当悩みましたね。
詳細は設定の方に追記して、完全に反映されるのは次になりそうですが、そこまで決めておかないとかなり書きづらかったです。
今回のバカテストはどうでしたか?
感想も楽しみにしています。