絶望少女の言子ちゃんが可愛くて萌え死にしそうになったり、クロクマを火炎弾で滅多撃ちにした後、ジェノサイダー翔で切り刻んだりしたりしていました。
とか言っているけど、仕事になった時の荷物量が恐ろしい量になるんですよね……
バカテスト 第3問!
家計の消費支出の中で、食費が占める割合を何と呼ぶでしょう?
ヘリオス・姫路瑞樹の答え
『エンゲル係数』
ヘリオスの追加解答
『おそらく明久辺りが「木下秀吉」と答えると思います』
教師のコメント
正解です。 ちょっと簡単すぎる問題だったでしょうか。
しかし、ヘリオスさん。 いくら何でも、そんな解答をする訳はないと思いますが……
テティスの答え
『エンジェル係数』
教師のコメント
惜しいです。似たような単語ですが、間違わないようにしっかりと覚えましょう。
吉井明久の答え。
『木下秀吉』
教師のコメント
ヘリオス君の言うとおりでしたね……
貴方にとってのエンジェルを聞いている訳ではありません。
清水美春の答え
『島田美波お姉さま!』
貴方もですか……
バカテスト 第4問
2対2で行う試合をダブルスと言います。 では1対1は何というでしょう?
ヴァン・エール・佐藤美穂の答え
『シングルス』
教師のコメント
正解です。 特に言う事はありません。
グレイ・アッシュの答え
『タイマン』
教師のコメント
不正解ですが、先生は男らしくてかっこいいと思います。
『アタシは女なんだけど?』
ごめんなさい、堂々としてかっこいいと思いますよ?
シャルナクの解答
『デスマッチ』
アトラス・謎の大鎌使いの解答
『バトルロワイアル』
教師のコメント
そんな物騒なゲームはしないでください。
それ以前にバトルロワイアルは最後に生き残るのが一人なだけで実際には多対一の戦いになります。
グランドパークside
「死、死ぬかと思った……」
「脱出できてよかった……」
「でも、60体もいたのによく全員無事でいられたと思うよ?」
「テティス……お前が投げ飛ばしてきたおかげで無駄に体力を消費させられたんだけど?」
「「何かいう事があるんじゃないのか?」」
「はい適当に買ってきたジュースをあげる」
「「おお、ありが…… そう言う事を言ってんじゃねぇよ……」」
結論だけを先に言うと、彼らは中央の突破には成功していた。
だが、犠牲者こそ出なかったものの、体の弱い瑞樹や、例のごとく敵を投げ飛ばされて押し付けられてしまった常夏コンビは体力の限界なのか、
常夏コンビはもう怒る気力も無いのか、完全に疲れ切っている。
「明久君、ありがとうございます。 途中で倒れそうになってしまって……」
「大丈夫だよ、姫路さん。 それより、グレイ君も姫路さんの召喚獣を守ってくれてありがとう」
「なっ! 勘違いするなよ! 瑞樹姉ちゃんが倒れそうだったから助けただけで、お前なんかの為に助けたんじゃ…… って頭なでんじゃねええええぇぇぇぇぇぇ!!」
「グレイが完全に手玉に取られているわね……」
『あそこまで反発し合う関係も珍しいと思うけどね……』
素直に感謝出来ないでいるグレイの頭をなでる明久。
しかし、敵だとしか思っていないグレイにとってこの行いは逆効果でしかなく、むしろ彼を怒らせる要因でしかない。
だが、ペースは完全に明久の物になっており、『明久が可愛がる→グレイがツッコミ(キレる)』という流れが繰り返されている。
「(ぷーっ!)」
「あれ、どうしたの葉月ちゃん?」
「別に、バカなお兄ちゃんなんて知らないです!!」
今度は葉月ちゃんまで拗ねてしまう。
葉月ちゃんも腕輪の力でみんなを守りながら戦っていたのである。
なのに、ほめてももらえないというのは葉月ちゃんとしてもいい気分ではないだろう。
「ごめん葉月ちゃん。 葉月ちゃんが途中で前に出て頑張っていたことは皆分かってくれてるから」
「みゅう~(ゴロゴロ)」
優しく頭をなでられて子猫の様にすり寄って甘えてくる葉月ちゃん。
「やっと解放された……」
その一方で明久から解放されたグレイも疲れ切った様子でエールの元に向かう。
「さてと、強行突破した先にあるものがこんな厳重な扉だとはね……」
そう言って高城が見た先には他の場所とは明らかに違う、いかにも「何かありますよ」とでも言いたげな不自然なまでに厳重な扉だった。
「で?どうする……(ガン!ガン!ガン!)おい吉井、お前の召喚獣でぶっ叩いても壊れねーと思うぞ?」
「100万回くらい繰り返せば十分壊せますよ」
「日が暮れちゃいますよ!!」
「アキヒサ、そんなに待っていられるわけないって!」
「さっきからガンガンうるせぇぇぇぇぇぇぇ!! こちとら部下への指示で忙し……」
扉の中には誰かいたようである。
明久の召喚獣による嫌がらせ同然の行いにキレた謎の大男が扉の中から出て来た。
「……パープリル?」
「ハテ? ナンノコトダヨ?」
「……いえ、何でもないわ」
『何でここで知らないふりをするんだい!?』
エールと彼は知り合いなのだろうか?
お互い何も知らないふりをしているが、エールからは殺気がビンビンに出ているのに明久とテティスが気が付かないはずがない。
「この扉は、こちらから開ける仕様にしてあるんだよ。 だから2・3回ノックしてくれれば普通に開けるっての!!」
「そうとは知らずに無理矢理開けようとしてしまい、本当に申し訳ありませんでした」
そう言って高城が謝るが、あまりにも事務的過ぎる対応に男は逆に苛立ちを覚えてしまう。
とにかく、中に入っていいと言われた皆はひとまず中に入る。
ジャングルジムや滑り台などがある、子供向けの遊び場のような場所であった。
「で、なんだぁ! もうオレ様が隠し持っている景品をかっさらいに来たっていうのか?
ヒャハッ! なんだよ、参加者連中も空気読まねぇよなぁ!」
「別に空気もへったくれもないと思うけど……」
「ゴリラのオジちゃんが景品を持っているんですね! ならその景品全部貰っていくです!!」
「なんだ、オレの部下じゃねぇなら邪魔するんじゃねぇよ!」
「こんな下らないシチュエーションの隠し場所を作るなんて……」
「ヒャハ! セルパン・アイス主任のオレとやろうってのか?」
「いや、職場の階級って関係ないですよね?」
「「『…………』」」
高城のツッコミに全員が黙ってしまう。
男の方に至っては恥ずかさのあまり、その太い両腕で顔を隠してしまっている程だ。
「……おもしれえ!
魔改造しまくって究極的に間違えた強さになった『パープ……ザ・マンダロイド』様の召喚獣の力を見せてやるぜぇ!!」
「『召喚獣戦ってもはや試練でもなんでもねぇ!!』」
『いや、むしろ間違えた強さの方に突っ込みなさいよ!!』
「「……待ちな!」」
「何?」
いざ召喚獣でバトルをしようと思って前に出ようとした明久達に対して待ったをかけたのは、さっきまで体力が尽きたとでもいう様に疲れ切っていたはずの常夏コンビであった。
「「お前ら、俺らの事、忘れてたろ?」」
「「『いや、ちゃんと覚えてるよ?』」」
「なら、聞くぞ? 俺らの名前を言ってみろ!!」
彼らは一体何処の殺人拳法家なのだろうか?
二人は激怒寸前の状態で本当に覚えているのかを確認しようとする。
「坊主頭の先輩が『
「「おう! ようやく…… 今度は誤字! 読んでいるやつにしか分からないような間違いはやめろよ!!」」
「バカなお兄ちゃんもわざと間違えるのはやめた方が良いです。 もう少しで喧嘩になると思うですよ?」
「とにかく、まずは俺らが出る。
なんだかんだで、お前らに期待しているって事だよ」
「ま、お前らはそこで大人しく見ていろよ」
明久達を後ろに下がらせ、前に出る常夏コンビ。
なぜだろうか、さっきまでのようなアホ丸出しな空気が消え、本当に頼もしい先輩にしか出せないような年長者特有のオーラのようなものを感じ…… いや、よく見ると悪意全開の嫌らしい笑顔をしていた。
セリフだけを聞けば、完全に後輩の身を案じて前に出る先輩らしいが、いつか大事件を起こしそうな危険な笑顔で言われても、皆反応に困るだけだ。
「まずはてめぇらか、後輩の前で恥晒す覚悟して置けヤァァァァ!!」
「「その言葉そっくり帰してやるぜ! 明日から職場でバカにされるような無様晒す覚悟しとけよ。 このマンドリル野郎がァァァァ!!」」
WARNING! WARNING!
「「「
3人の呼び声に応えて、魔法陣のようなものが展開され、召喚獣が呼び出される。
夏川の召喚獣は、何処か僧侶のような服を着こなし、キセルのような形をしたハンマーを装備している。
常村の召喚獣は、山賊のような風貌の鎧に、円形の大型剣を装備して、偉そうに構えていた。
それに対して、マンドリル風の男の召喚獣は完全に自身と同じ姿をしており、武器が全く見当たらない。
雄二やアトラスのように、手甲やメリケンサックのような装備になっているのだろうか?
「行くぜぇ、オラァ!!」
「「……ちょっと待て!!」」
試合開始かと思った瞬間に常夏コンビからストップがかかってしまう。
それもそのはず、召喚後には、必ず自分の召喚獣の点数が表示されるのだが、その時表示された敵の点数に違和感を覚えてしまったのである。
夏川俊平・常村勇作 vs パープリル・ザ・マンドロイド
物理 412点+408点 vs 500点
「おいおい、一体何だってんだ?」
「お前、学園の試験受けてこの点数なのか?」
「あ? 景品を守る為に大会用の特別な仕様にしてあるんだよ。
運営としては当然だろ?」
確かに、高額な景品を守る為の召喚獣が貧弱な仕様だったなら、一瞬で景品なんて持っていかれてしまうだろう。
そのようなことを未然に防ぐためには多少の特別扱いをしてでも景品を守れる仕様にするのも仕方ないことだろう。
「オーホゥ!」
先手を取ったのはパープリルの方であった。
完全に召喚者と同じ姿をした召喚獣で攻撃を仕掛ける為に、召喚獣と共に遊具の棒にぶら下がる。
「『バウンドボム!』」
「「やべぇ! 避けろ!!」」
上から降り注ぐ爆弾を避ける二人。
だが、タイヤ上になっているからなのか、部屋の中でスーパーボールの様に乱反射を繰り返している。
しかもボムと言うだけあり、途中で爆発までする為、すべてを避け切る事が出来ずに点数を削られてしまう。
棒にぶら下がっていたパープリルの召喚獣も数発程当たっていたが……
夏川俊平・常村勇作 vs パープリル・ザ・マンドロイド
物理 357点+352点 vs 489点
「おおおおおおおおおおおおおおおおお、マジでめんどくせぇ! 夏川、少し距離を取るぞ!!」
「ああ! あの作戦で行くぞ!」
バインドボムによる攻撃を耐えきった二人は、何か策があるのかパープリルの召喚獣から距離を取る為に後ろに下がりだす。
「逃がす訳がねーだろ、腕輪発動! 『スピニングダーク!』」
そして、そうはさせまいとパープリルの召喚獣が腕輪を発動させる。
すると、彼の召喚獣は手裏剣に変化し、二人に目掛けて突撃をかける。
「バァーカ! 今度はこっちから行くぜ!!」
「腕輪発動!『スモークディスチャージャー!!』」
「「『かっこいい言い方しているけど、結局ただの煙幕だ!』」」
手裏剣化した召喚獣の攻撃が当たるかと思ったその時、夏川の召喚獣から膨大な量の煙幕が、まき散らされる。
それに驚いたパープリルは召喚獣の攻撃を中断して止り込んでしまう。
煙幕の中から微かにだが、二人の召喚獣らしき何かが見える。
しかし、遠距離を攻撃する方法に乏しいパープリルの召喚獣では反撃に出るのは厳しいだろう。
一応、『ブラストボム』と呼ばれる小型爆弾を幾つか投げつけて、煙幕を爆風で吹き飛ばそうとして見るがまったく効果が無く、煙幕の中に隠れてしまった二人に当てることも敵わない。
「汚ねぇぞ! 姿を見せろ、オイ!」
「そうかよ…… 腕輪発動!『遠隔操作』」
常村の声を警戒し、召喚獣に防御態勢を取らせてしまうパープリル。
後ろに回っていた、大型の円剣に気が付かないまま……
その結果、二つの円剣の攻撃をモロに喰らい、せっかく高めに設定されていたはずの召喚獣の点数がゴリゴリと削られてしまう。
夏川俊平・常村勇作 vs パープリル・ザ・マンドロイド
物理 267点+302点 vs 270点
「ウソォォォォォン!!」
いきなりの奇襲に慌てて召喚獣と共に逃げ出してしまうパープリル。
しかし、その先にいたのは……
「ご、ごめんなさい。 これも勝負ですのでっ」
「逃がさないわよ!!」
「いただき!!」
バスター砲をフルチャージさせたエールとサーチ用のレーダーを構えてディフュージョンレーザーを発射しようとしているグレイ、そして腕輪をいつでも発動できるように構えている瑞樹の召喚獣の姿だった。
「何ぃっ!?」
とっさに腕輪を再発動させようとしたが、もう間に合わない。
グレイの召喚獣のサーチエリアに入ってしまい、計8発のレーザーに加え、超大型のバスター砲・貫通性の高い熱線まで放たれ、パープリルの召喚獣は上に飛ばされてしまう。
姫路・グレイ・エール vs パープリル・ザ・マンダロイド
物理 342点・200点×2 vs 25点
「ウソォ!?」
そして飛ばされた先には、葉月・テティス・明久の3人の姿。
残り点数が少ない召喚獣相手では、いささかオーバーキルのような気がするが、そんなことをお構いなしに攻撃を繰り出す。
詳細を説明するなら、葉月の高周波ブレードで半分に両断して、テティスが下半身を地面に激突させて粉砕し、明久が上半身を腕輪の力で滅多打ちにするという流石に可愛そうになってくる内容で……
「ブレードアタックです!!」
「無駄だよ!そぉれっ!」
「腕輪発動『高速剣』!」
島田葉月・テティス・吉井明久 vs パープリル・ザ・マンダロイド
物理 200点・156点・25点(腕輪使用済) vs DEAD!
「ち…ちきしょお!… オレは… カンブなんだぞ…! 強いんだぞ…!」
まるで、エリアHの遊園地でやられた時のようなセリフを吐き捨てるパープリル。
「強い…… はずだろ……!? ヒャ…(バキュン!) ハアアアアアアアアア!」
「「『エール(さん)!』」」
爆発するふりをして逃げ出そうとするパープリルに対してとうとうキレてしまったエールが勝手にグレイの銃を借りて(奪って)、一発だけ撃つ。
わざと外したのか、その弾丸はこめかみをかすめただけだったが、小声で「次は当てる」とパープリルだけに聞こえるように言い、パープリルが恐怖で震えるのを確認した後、何事も無かった様にそのままグレイに銃を返した。
「お嬢ちゃん達落ち着けって…… おら、引換券になっているから、大会が終わった後に担当にでも渡せっての『……仕事終わったし、部屋に帰って絶対絶〇少女でもやるか……』」
もうこれ以上関わり合いになりたくないとでも言うような態度で、3チーム分の景品の引換券を渡す。
そうして、奥にある扉を開けて、この後の仕事をサボる気満々で帰って行った。
『文月商店街一年間特別割引券』
『グランドパークお菓子詰め合わせセット』
『召喚獣用荷電粒子コンバーター』を3組分手に入れた
「……仕事ヤル気なさそうな人だったね」
「部下に仕事を押し付けて自分は楽してやり過ごすタイプなんじゃね? 妨害してきたの全部あの着ぐるみ集団だったし?」
「そんな酷い人間いるんですか!?」
瑞樹が驚いているが、パープリルは人間ではなくレプリロイドである。
「姫路さん、今の世の中もっと酷い人間だっているんだよ……」
「うん、前にアキヒサから聞いた話だけど、前のバイト先で……『後輩を人権なんて無い奴隷としか思ってなくて』『陰で暴力で振るって客の注文品までダメにして』しかもそれに対して反抗したら『その自分の失敗まで他人のせいにして自殺するまで追い詰めて』挙句の果てに『これは全てあの子の為だから仕方がないんだ!!』とか言って自分を正当化までする最低な奴に会った事もあるって言っていたよね?」
因みに明久は今の『ラ・ペディス』で働く前にも別の場所でバイトをしていたのだが、それについて語るつもりは無いようだ。
「あー…… 吉井、お前も苦労しているんだな……」
ドンマイとでも言いたそうに肩に手を置いて励ます夏川。
基本常夏コンビはFクラスと言うだけで見下してバカにするところがあるのだが、流石に今回の話を聞いて、更に相手を貶めようなんて気にはならない。
「なんかすごい話を聞いてしまったような気がするんだけど?」
「「『それに賛成だ(です)!!』」」
テティスから、明久の苦労話を聞いて全員が賛同してしまう。
「とりあえず、こんな雑談は終わりにしましょう」
「エールさんの言う通りですね。 確か、この扉の先は……」
高城が地図を取り出して、グランドパークから最も近そうな場所を探し出す。
「ありました。 ここからですと、5分ほどで『発電所』に着きます」
「高城先輩、ありがとうございます。 先輩たちはどうしますか? 確か、手伝うのはここだけって言っていましたよね?」
「ああ、そうだな。 俺たちにも探しているもんはあるし……」
「そうでなくても点数の消費がやべぇから補給所で回復試験を受けないといけねーんだよ」
確かに、大半は明久達のせいだが、事実点数を一番消費しているのは常夏コンビなのである。
なんだかんだで仲良くなれたと思う先輩達だったが、他にやりたいことがあるのなら、無理を言う訳にもいかないだろう。
「そうですか…… でも助かりました。 今回は本当にありがとうございます」
「礼はいいから… おら、さっさと行け」
そう言って常夏コンビと高城は、自チーム分の景品の引換券を持って近場の点数補給所を探しに来た道を戻って行った。
「あの… 吉井君、私達は付いてきてもいいでしょうか?」
「姫路さん?」
最初、協力するのはグランドパークだけと言う話だったはずなのに、なぜ協力しようというのかが分からない明久。
「あの…… 吉井君がなんでグレイ君から嫌われているのかは分からないけど、一度きちんと話し合った方が良いと思うんです」
確かに一方的に嫌われているのにしても理由があるのは分かるが、グレイからしてみれば、友達であるモデルAをセイバーで打ち飛ばされて離れ離れにされたという地点で話し合いなんてやりようが無いだろう。
だが、明久も前回の戦いに関しては特に恨んでおらず、むしろモデルAを打ち飛ばした事に関しては謝りたいとも思っていたのだ。
「うん、分かった。 僕とグレイ君と二人で話し合おうと思うから4人で先に……」
「いえ、あそこまで嫌われていると吉井君の言葉だけでは聞いてすらもらえないでしょうし、ですけど私も一緒なら話を聞いてくれるかもしれません」
「ええ!?」
一体瑞樹とグレイの間に何があったのかは分からないが、グレイが瑞樹を信頼しているというのは間違いないだろう。
その内、エールとモデルXも話を聞きつけて、間に入る事になり、夕方に話し合いの場が持たれることになった。
グランドパークside end
発電所 side
結局、あのクラッシュインパクトの正体は試召システムで作り出した召喚獣で、このクラッシュインパクトを倒すことで自身の召喚獣が強化させることが出来る指輪が手に入るというイベントの為に作られたものでしかなかったようだ。
そして、今景品を持っているという人物を見つけ、景品を手にする為に戦っている所だったのだが……
「アハハハハハハ!! 私の腕輪の力で腐り墜ちて逝きなさい!」
「ぐっ…くうッ…! 死など おそろしくもない…! 俺のタマシ…… と言うより、オレの召喚獣の装備金属性だったはずだが、なんでドロドロに溶けてるんだよ!?」
「愚かなる問い、ゲームの設定を相手にいちいち細かい事でケチをつけていてはキリがないぞ?」
「くっ…… 旋回性能ではオレの方が上…… ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」
ヘリオス・佐藤美穂・清水美春 vs ハイボルト・ザ・ラプタロイド
物理 1029点(元は1300点)・345点・57点(腕輪使用済み) vs 18点(元は600点)
あまりにも一方的で残虐な拷問となっていた。
最初600点もあったはずのハイボルトの召喚獣だったが、ヘリオスの召喚獣とドッグファイトの末に翼をもがれて撃墜され、せっかくの後方支援用のビットも佐藤の召喚獣の手で完全凍結。
どうにか飛ぼうとしている召喚獣を美春召喚獣の腕輪の力で腐らされていっている光景はもう一方的な虐殺と言ってもいい物であった。
「あれ?ヘリオスもう終わったの?」
「愚かなる質問…… 小癪にも私と同様に空を飛んで来たので、まずは翼を切り落とし、3人掛かりでリン…… とどめを刺している……」
「おい! ヘリオスの奴途中で言い換えなかったか? 今、リンチっていおうとしていたような…… ってオイ、話を聞けよ!!」
グレイのツッコミに無視を決め込み、ハイボルトの召喚獣の点数が残り一ケタになった時、ヘリオスが腕輪を発動。
プラズマサイクロンを再現した竜巻で完全にハイボルトの召喚獣を粉々に砕いてしまった。
「「『ヘリオス、ボク達よりやっている事が酷くない!?』」」
パープリルよりも酷い仕打ちを受けてやられてしまった、ハイボルトの召喚獣に同情を禁じ得ない明久達。
そんな中なぜかヘリオスチームの3人だけは「ザマア見ろ!」とでも言いたそうな顔で見下ろしていたが……
「オレの翼が我らの理想に届かなかっただけの事だ。 本当に悔しいが、負けは負けだ……」
「我ら?」
ハイボルトの言葉にエールは疑問に思った事がある様だったが、一般人もいる手前疑問を解くことよりも、この大会を終わらせる事に集中する様だ。
一方、素直に負けを認めたハイボルトは、隣の部屋に行くためのドアを開け、事務室のような部屋の机から何かを取り出してきた。
何故か、コインを入れて回すガシャガシャのカプセルのような物の中に引換券が入っていたが、どうやらハイボルトが勝手に入れ替えたようだった。
「オレに勝ったことによる景品だ。 引換券になっているからそのまま持って行け」
『召喚獣用アタックブースター』
『動くこけし・怪しい小型バイブレーション・妙にぬるぬるする液体の詰め合わせセット』
『ルイ◯ノ製 xc cas◯er マウンテンバイク』
の引換券が入っていた。
「さて…… これは一体どうしたものか……」
「ヘリオス! この景品は美春の物です!」
そう言って美春は、「動くこけしetcセット」の方を持ち去ってしまう。
その笑顔は子供のように無邪気で明るくて、だけどそれでいながら気持ち悪い生粋の変態としての危うさを孕んでおり、非常に危険な雰囲気を醸し出している。
「過大なる疑問…… 清水はなぜ、あんなものを選んだのだ?」
「…………」
「佐藤?」
ヘリオスが珍しく疑問に思った事を佐藤に問いかけてしまうが、肝心な佐藤は顔を真っ赤にしながらヘリオスと距離を取ってしまう。
「本当に何なんだ? ……皆はなぜ私の顔を見てため息をつく?」
「ヘリオス…… 保健体育で1300点以上取っていたのに本当に知らないの?」
「全く分からん」
普通なら明久レベルのバカですらがとぼけているとしか思わないような発言だろう。
しかし、ヘリオスの表情は年長者組が、一体何が言いたいのかが全く分かっていない疑問に満ちたものである事を悟り、説明を諦めた。
発電所side end
「しかし、これは想定外だったな。 商店街の割引券がこんなにも簡単に手に入ってしまうとは……」
そう言うヘリオスの顔は、とてもうれしそうだ。
まるで、家計の赤字に苦しんでいる中、バーゲンで安売りしている良品を運よく大量入手できたおばさんのようだった。
「ヘリオス…… なんか嬉しそうだね?」
「当然なる帰結! 毎日毎日、明久のバイト代をもってしても微妙に赤字が出て、塾や予備校で臨時講師のバイトをして補っておるのだぞ!」
「あの~ヘリオスさん? 居候をしているのならある程度のお手伝いは……」
「単純極まる換言…… そのバイト代の大半は明久達が起こした騒ぎのせいでほとんど意味の無い物になっているとしてもか?
自分と同い年の高校生や年上の大学生を相手に偉そうに教える為に塾の教室に入る時、生徒から睨まれる時が地味に痛いのだぞ!」
「「『ヘリオスの学力ってどんだけ凄いの!? ってすごい年上の人から嫌われてるね(いますね)!?』」」
一体ヘリオスの知識量はどうなっているのだろうか?
もう、学校には生徒として通うより教師として働いた方が良いのではと皆は思い始める。
因みに、ヘリオスは「年齢と資格の壁が邪魔をする」とか言っていたため、一時考えてはいたようだ。
今明久達は商店街前の点数補給所で聞き込みをしながらアトラス達の行方を追っていた。
シャルナク達からは一度終わったと連絡があり、そのまま商店街に向かうという連絡を最後に一切の反応が無いのである。
今、テティスと美春は教師立会いの下で回復試験を受けており、葉月・グレイは一般枠の為、召喚獣の点数の補給の手続きの為に列に並んでいる。
ついでに葉月は、ヘリオス達が先程手に入れた召喚獣専用装備の設定も入力している。
エールと佐藤はその二人の付き添い中である。
「もう少しかかるようだな。 今のうちに集まった情報を整理する」
「そうですね。 では、アトラスさん達が商店街に付いたのは『私達がグランドパークにつく10分前』」
「確か、大会関係者の話だとアトラス達がここのイベントをやって時間かけてクリアしたって言っていたよ?」
「その後、私達が景品持ちという事で召喚獣バトルを申し込んで来た人たちから聞いた話ですと、アトラスさん達は街中を色々と探し回っていたそうです」
「ヘリオスと姫路さんの連携が凶悪だったよね。 最初地上で熱線を使って、発動中は動けないと思わせておいて、ヘリオスと空を飛んで空中から熱線砲を放射だなんてさ」
「運よく避けた相手を高速剣で瞬殺する明久君も十分酷いですけど……
最後の目撃情報は『映画館』で坂本君達と合流している所が目撃されています!」
「過大なる疑問? 映画館などと言う人が多い場所で何で情報が途絶える?」
「あ、その時入り口で死神みたいな人たちが集結していて、怖すぎて中に入れなかったって……」
「FFF団! 須川の奴、あれを最後に連絡が途絶えたと思ったら、あやつは映画館なんかで何をやっているのだ?」
「なんて指示したの?」
「数の暴力で、我が連合外の大会参加者を補給所送りにしてやれと言って来たのだが……」
「異様に補給所が混んでるのはお前の仕業かよ!?」
どうやらヘリオスの作戦自体は上手く行っていたらしい。
そのせいで手続きに時間がかかったと愚痴っていたグレイが、佐藤と一緒に戻って来た。
「あの? それでヘリオスさん達の方は何か分かりましたか?」
「ああ、映画館の方に向かうぞ。 そこを最後に情報が途絶えている」
「あ、ちょうどテティス達も戻って来たよ?」
「うむ、ならテティス達にも事情を説明して、すぐに映画館に行くぞ」
戻って来たテティス達に事情を説明して、映画館に向かう。
『モデルX様…… 私は何か嫌な予感がします』
『モデルH? いったいどういう事だい?』
『ああ、オレ達はアトラス達と明久の家で世話になって?いるが、意外とアトラスとシャルナクの二人はこういった時に連絡は欠かさないんだ。 少なくとも失敗したらしたできちんと報告するように配慮しているんだよ』
『ええ、でも今回はそれが無いんです。 しかも、明らかに怪しい場所に入っておきながら…… まるで、遊びの範疇では考えられないような危険にあっているかのような』
『しかし、この日本でそんな危険な状況ってあるのか?』
『不良や暴力団に絡まれた時も、私達ライブメタルの力を使わなくても撃退できていた事を考えると、そう簡単に負けるとは思えませんが?』
『あいつ等が馬鹿をやって全員の携帯が破壊されただけの可能性もあるだろう?』
『『その可能性も否定できないが(わね)・・・』』
『キミ達は一体どんな生活をしていたんだい!?』
あまりの非日常的な日常を普通であるかのように語りだしたモデルZ達に対して驚愕の表情を隠せないモデルX。
未来世界のエールやアッシュのように危険な場所に何度も足を運んでいる状況ならまだ分かるのだが(それでも全員の通信端末が破壊されるというのは余程の事である……)
体力の無い瑞樹のペースに合わせて移動していた皆はようやく映画館に付いた。
そこで見た光景は…………
『壊滅しているFFF団』
『ロックマンとして謎の二人組と戦っているアトラスとシャルナクと優子』
『何がどうなっているのかが分からず混乱している中、ガチガチと震え、泣き叫ぶ美波を落ち着かせようとしている工藤・土屋・霧島の三人』
『気絶している雄二』
そして……
「Fliegen, die Penner wieder ... Was oder erhöht ...
Kleine Fische ... die Jama Fuck off(訳:なんだ? またたかるハエが増えたか…… ジャマだ… 雑魚は失せろ)」
「Wut zitternden... ...? Oder ... Angst ...?(ふるえてる… いかり…? それとも…おそれ…?)」
ウロボロスの生贄にされたはずの『死神』と『魔女』の姿がそこにはあった。
解放の指輪なんていうオリジナルアイテムを作ってしまった為に、設定の描写が無い人物の召喚獣の腕輪に付いてかなり考え込んでしまいました。
詳細は設定の方で更新します。
因みに最後の方は一体何語か分かりましたか?
話の中に答えは書いたつもりですが、一応ヒントを残しておきたいと思います。
ヒント『島田美波』
感想待っていまーす!
10/14 誤字訂正