美波の苦労が少しだけ分かったような気がします。
そんなこんなで、今回はバカテストはお休みしたいと思います。
明久達がたどり着く前に一体何があったのだろうか?
事は、体育館に向かった6人があのイライラとする看板に隠された暗号を解き、景品を手にして商店街に向かった時の事だった……
「しかし、シャルナクが看板の暗号文に気が付いてくれて良かったのじゃ」
「ソノ後ノ妙ニ深イプールノ中デ召喚獣戦ト言ウノハ予想外ダッタガナ……」
彼らは隠された暗号を解き、本当の隠し場所であるシンクロ用の特別プールがある場所に向かったのだ。
そこで、『ルアール・ジ・アビスロイド』と言うアンコウチョウチンのような少女と戦ったのである。
「……でも頑張ったのにプレミアムチケットが無かった。
……残念」
プレミアムチケットが無かったことに落胆しかけている霧島。
因みに体育館で手に入れた景品は……
1.「扇風機・エアコン(暖房機能無し)・電気ストーブ3点セット」
2.「プール1年間使い放題券」
3.「蟹・牡蠣・アワビ・その他豪華海鮮食品セット(4万相当)」
の3点であった。
「でも、あの召喚獣で戦ったあの小さい子がプレミアムチケットについて教えてくれただけでもよかったじゃないですか」
「良くねぇよ! むしろあのチビのせいで俺の人生が……」
優子の言葉に雄二が反論しようとするが、皆彼の言葉を無視し、そのまま商店街に向かっていく。
そして、商店街の救援イベントを終え、狙いの高額景品を探しているアトラス達と合流した。
商店街side
商店街でパニックになっている人々の救助活動はアトラスのおかげで簡単に終わらせることが出来た。
どうやら、ただのイベントだったようで、燃え盛る商店街の方はただの演出、避難が出来ないで困っていたという人たちはただのエキストラというオチだった。
しかし、そのおかげで3人は「解放の指輪」をゲットすることに成功。
商店街の何処かにいるという、ライオンのような風貌をした男の召喚獣を倒しに行く事となっていた。
「でも、アトラスのおかげで助かったわよね」
「……楽勝」
「と、言うよりアタシが殆どの人救出したんだが!」
「……アトラスに皆感謝していた」
「そしてラスボスの魔王を倒してファンファーレと共にエンディングに突入……
するわけないだろ、このバカ共!!」
ノリツッコミで、ローキックを土屋に叩き込むアトラス。
一応手加減しているとはいえ、元軍人の蹴りを食らってしまってはかなりの痛さだろう……
そんな土屋を無視し途中でシャルナク達の姿を見つけたアトラスは、一度彼らと合流することに決めた。
「うわっ! 大丈夫、ムッツリーニ君?」
「……これくらい平気」
一応手加減はされていたとは言え、元軍人の蹴りを食らって明らかに悶絶している土屋。
そんな彼を心配し、介抱する工藤。
「こっちはもう終わったんだが、アトラス達はどうなっているんだ?」
「アタシ達は避難民救助とか言う変なイベントをクリアして『解放の指輪』とか言うアイテムを……」
アトラスと雄二と霧島の三人はお互いの状況と成果を確認することにしていた。
そこで、雄二はアトラスの『解放の指輪』と言うアイテムに付いて疑問を持った様で……
「解放の指輪っていうのは一体どんなアイテムなんだ? 名前から察して、召喚獣の強化アイテムのようだが?」
「ああ、アタシ達もまだ話しか聞いていないんだが、聞く限りでは点数の上限に関係なく召喚獣の能力を使えるようにするものらしい」
「召喚獣の能力…… って、ああ腕輪の能力の事か?」
「口で説明するより、見せた方が速いかもしれんな」
「アトラスの言う通りね。 せっかくだし、ウチらで使ってみましょう?」
ひとまず指輪について説明する為に、召喚獣の能力が判明していない(それでいて、点数の低い)雄二・秀吉・美波に指輪を貸してから召喚獣による模擬戦をすることにした。
「「「試獣召喚!サモン」」」
アトラス・島田美波・土屋康太 vs 坂本雄二・木下秀吉・木下優子
教科
数学 260点・197点・46点 vs 152点・73点・384点
「あら? 指輪を付けている人の召喚獣も腕輪が付いていること以外には変化はないのね?」
「じゃが、点数の上限に関係なく腕輪の力が使えるというのは非常に良いのではないか? 強力な腕輪の力さえあれば、点数差に関係なく逆転だって狙えるやも知れんのじゃからな」
「裏を返せば点数を無駄に消費した挙句にボロクソにやられるっていうのもありえるけどな?
まずは俺から使ってみるぜ? 腕輪発動!」
試しにまずは雄二から腕輪を使ってみる。
すると、雄二の召喚獣がうっすらとだが、赤い闘気のようなオーラが鎧のように覆われていた。
「お? これってもしかして俺の召喚獣が強化されているのか?」
軽くシャドーボクシングの様に素振りをさせてみるが、少し力強くなったぐらいで大した変化はない。
さすがに疑問に思った皆だったが、雄二の腕輪にメールが届く。
「なんだ? ……どうやら、肉体強化っていうのは当たっているようだったが、かなり制約が厳しいみたいだな」
「どういう事じゃ?」
「これも見せた方が速いな…… 『セカンドギア・シフトアップ!』」
雄二が何かを詠唱した途端、召喚獣が纏っているオーラが強くなった。
「成程、一段目カラ徐々ニ上ゲテイカナイトダメトイウ訳カ?」
「どうやらそうらしいな。 しかも一定時間がたってからじゃねぇとギアを上げられねぇみたいだ。
結局元の点数が高くないと使いこなせないらしいな」
そう言って雄二は召喚獣を取り消し、指輪を美波に渡してしまう。
「なら、今度はワシが使ってみようかのう…… 腕輪発動じゃ!」
次に腕輪を使ったのは秀吉であった。
召還獣の腕輪が光り出すが、今の所は変化が見られない。
暫く待っていると、腕輪の効果について教えてくれるメールが、秀吉の元に届く。
「なんと! これは些かやり過ぎではないかのう……」
「ひ~で~よ~し~!いったいどんな能力なのか教えなさいよ? まさか、渋る気じゃあ無いわよね?」
「そんなつもりは無いのじゃ!? メールの内容を見て驚いただけだぞい!」
そう言って秀吉は召喚獣のカードを姉の召喚獣に刺し込んだ。
カードの半分以上がめり込んでいるが、多分そこまでしなくても大丈夫だろうと思ったのは皆一緒の様で、工藤も苦笑いで反応に困っていた。
「ちょっと秀吉何するの…… ってあれ? 召喚獣が動かない!?」
「「『……はい?』」」
優子が召喚獣を動かそうとするが、全く反応が無い。
秀吉の召喚獣が彼女の召喚獣の顔に両手を当てたとたん武装が外されてしまったのだ。
「どうやらワシの召還獣の腕輪は『設定改変』のようなのじゃ! 今は姉上の召還獣の装備を外して、ダンボールの鎧を…… 姉上すまんのじゃ! あっ… 関節はそこには曲がらなァァァァァァ……」
勝手に召還獣の設定を書き換えようとする秀吉を相手にとうとう優子がキレた。
いきなり変な装備に変えられる前に関節を変な方向に曲げながら押さえつける。
無理やり元の装備に戻させて、トドメとでも言うようにプロレス技を一つだけ決め、ようやく秀吉が開放された。
「本当に酷い目にあったわね……」
「関節技を極められたワシのセリフだと思うのじゃが…… って姉上!その拳銃はどこから出したのじゃ!
『オイ! オイラの力が勝手に引き出されているんだけど!』
『モデルA! おぬし、ROCKシステムを切っていないのか!?』
『切ってるよ! だけど、なんでか知らないけど銃だけが何でか取り出されてしまってるんだって!』
『あのアマ、無茶苦茶やりやがるな!?』
ライブメタル達も驚きの光景……
優子も当てるつもりは無いようだが、何十発もの銃弾を乱射したせいで、秀吉の周りは弾痕だらけになってしまっていた。
「そう言えばさっき島田も腕輪を使っていたな」
「あれ?島田さん、いつの間に使ったの?(クルクル…… ふっ!)」
秀吉への折檻?を終え、西部劇のガンマンの様に銃を回しながらモデルAに戻す優子。
その的にされかかっていた秀吉は、シャルナクの後ろに隠れており、その秀吉の怯えている顔をいつの間にか復活した土屋が、徹底的に写真に収めている。
どういう需要を狙ったものなのか、子犬のように震えている秀吉の頭を撫でているシャルナクも普通に映っている写真まで大量にある為、それから察して新たなカップリングの写真を売りさばこうとしているのだろう……
需要があるとは思えないが……
「ああ、島田の奴の腕輪は盾を作る能力らしい」
「盾? あれだけ攻撃的な島田さんの性格なら、3連続で『集束荷電粒子砲』とか撃ったり、『剣の重さを数百倍に操って敵を切った際バラバラにしてしまう』みたいな能力かと思ったわ……」
「ちょっ! 木下さん、ウチだって普通のか弱い女子なんだから、もっと可愛い能力が出たって不思議でもなんでもないでしょ?」
「……か弱い女子は防具である盾を武器にしない」
そう言ってリスのように頬を膨らませて怒る美波だが、彼女の性格を知っている人物なら実験に付き合った霧島の言葉の方がはっきり言って共感できるだろう。
「兎ニ角、島田ノ召喚獣ノ腕輪ハ『防御』ト言ウ事デ……」
「……それはちがう」
シャルナクが美波の召喚獣の能力の話を終わらせようとした時、霧島から反論の言葉が飛んでくる。
「何ダト?」
「……正確には『反射防御』。 私の腕輪の力を跳ね返してきた」
「翔子の腕輪? そう言えば、いろんな能力が出てきやがったが、一体どうなってんだ?」
「……まずは、美波の腕輪の話から。 美波の腕輪は3秒しか持たない」
「3秒? ずいぶんと短いな? 正直、数秒で意味をなくす防御など大した価値は……」
「……アトラス、話は最後まで聞く!(ぺちっ……)」
話をちゃんと聞こうとしなかったアトラスの額に軽く手刀で叩く霧島。
そんなにいうほど痛い物ではないのだが、アトラスは軽く額をさすっている。
「……だけど、その防御力と反射力は非常に強力で私の腕輪で再現した瑞樹の熱線を完全に跳ね返した」
「いろいろとツッコミどころが満載だが、姫路の熱線レベルの攻撃を跳ね返しただと!?」
「……結構点数を使った攻撃だったはずだけど、美波の召喚獣は無傷だった」
霧島の説明を受けてアトラスも流石に理解したようだった。
霧島の説明通りなら集団戦では継続時間の問題で大した力は発揮しないが、個人戦においては絶対的な防御力を誇るという事になるのである。
その防御力は『最堅の楯』と言うに相応しい能力だろう。
「ま、島田の召喚獣がチートだって言う事が分かった所で……」
「ちょっと、坂本! 人の召喚獣を化け物みたいに言わないでよ!?」
「あと二人、木下(姉)と翔子(特に重要)の召喚獣の腕輪って一体どんな能力なんだ?」
一度はぐらかされそうになったが、雄二にとって今後重要になるかもしれない事を聞き逃がすはずがない。
点数が足りないと言い訳しないように、解放の指輪もしっかりと準備している。
「じゃあ、代表の前にアタシが使って見るわ…… 腕輪発動!」
優子の召喚獣が腕輪を発動させるが、背中が少し青白く光るだけで何も起こらない……
一体どんな能力なのだろうかと、思っていたら優子の元にメールが届く。
「……『武装変換』? 何それ?
え~っと?『点数を消費する事で、今装備している武装をランダムで変更してしまう…』って」
「……ただ装備が変わるだけ?」
「その点数を消費した分に見合った効果を発揮してくれるみたい、今装備しているのは『グラビティー・ホイール』って……」
メールの説明を見ても詳しい事が分からないと思った優子は詳細を見ながら説明していく。
「そう言えば、明久とテティスがテレビで見ていたアニメに同じようなものが出ていたな」
「アア、確カZOI〇S 〇ューザー……」
『よせ二人共! それ以上はいかん!』
アトラスとシャルナクがいろんな意味で問題になりそうな事を言いそうになってしまい、モデルPが止めに入った。
「ゴホン…… まあ、そう言う事だ。 明久とテティスが見ていたテレビアニメで同じ名前の装備が出ていた」
「速イ話ガ、瞬間移動ノ様ナ事ガ出来ル装備ダソウダ。 ……ッテ、モウ別ノニ変エテイヤガル」
「これ、面白い能力ね? もう一回使って見たんだけど、今度は17連装の大砲になったのよ!
しかも、これ単発でも威力が結構高い!」
「姉上ぇぇぇぇ! 頼むから先ほどの仕返しとでも言うようにわしの召喚獣を攻撃しないでほしいのじゃぁぁぁぁぁぁぁ!」
姉弟同士でじゃれ合って? ……いる様子を、存分に堪能した所で、彼らは映画館に集まるFFF団達を見つける。
「「うおおおおおおおお!! 全ては神具(エログッズ)の為にぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!」」
「何訳の分からんことを…… ここでワシの拳にくだかれるがいい!」
どうやら誰かを襲っているようである。
が、FFF団員の人数が多すぎて、相手が誰なのかが確認出来なかった。
あらかた、ヘリオスからの作戦を実行していて、相手にAクラス級の強敵が混ざっていただけだと思い、助けに入ってやろうかと考えた雄二が最後方にいた近藤に声をかけた。
……が、近藤の話を聞く限り、そろそろ決着が付くようである。
ライオンのような風貌をした大男の召喚獣が、如意棒のような武器を持つ須川の召喚獣の攻撃をかわし、炎の拳で反撃しようとした時だった。
「腕輪発動!」
腕輪が光るのと同時に、FFF団の活動時のような装備をした横溝と福村の召喚獣が、大きく背伸びをした後で大男の召喚獣に突っ込んでいく。
「「え? 何… 何これ?」」
「儂の召喚獣が、爆発したぁぁぁぁ!?」
…そして、抱きついたかと思ったら点数の全てを消費して、自爆する。
とんでもない自爆行為の結果、男の召喚獣の点数が恐ろしく、削れていた。
須川亮・横溝浩二・福村幸平 vs 謎の大男
教科 物理
点数 DEAD!・DEAD!・DEAD! vs 43点
結局須川達が負けていたが……
「って、貴様達が負けているじゃないか!」
「「チクショウ!! ここで鉄人がいたら、『戦死者は補習ぅ~!』とか言って連行されるところ……」」
「いいからお前ら全員、回復試験を受けて来い!」
悔しそうにしながら、FFF団の皆が回復試験を受ける為に補給所へと行こうとした時だった……
「「ギャアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァァ!!」」
急にFFF団全員が宙を舞い、一瞬でゴミクズのように積み立てられてしまう。
中には気絶すら許されず、のたうち回る者までいた程だ……
FFF団の皆が向かっていた先には、団員から奪った物だろうか? 大鎌を片手に携えて笑顔で構える水色の髪をした少年。
その少年の後ろでキョトンとした顔で首を傾げている少女の二人の姿がそこにはあった。
「Was ist…(訳:何だ…)」
少年の方が何かを言おうとした瞬間だった。
苦無を構えたシャルナクが少年の方を瞬殺しようと奇襲を仕掛けようとした……
「Obwohl gute versucht haben die Zeichen der Live-Metall fühlte, Was ist das die Hölle? (ライブメタルの気配を感じてきてみたはいいが、一体何だこれは?)」
「「!?」」
だが、その攻撃は当たるどころか、すり抜けるかのように回避されてしまい、勢い余ったシャルナクはそのまま何処かへゴロゴロと転がってしまう。
「Kontaktieren Sie? Wenn Sie denken, Sie flog Enthärtung haben, nicht wahr? Siarnaq?
(お? なんか飛んできたと思ったら、シャルナクじゃねぇか?)」
「... Atlas Einige?(…アトラスもいる?)」
「あいつらなんて言っているんですか? アタシ、英語はともかくそれ以外の外国語なんて全く……」
Aクラスの中でも特に優等生である優子でも、ドイツ語は全くわからないようである。
誰かに訳してもらい、一体どうなっているのか誰かに事情を説明してもらおうかと思ったのだが……
「Puromete… Pandora…(プロメテ… パンドラ…)
Warum hier…(なんでここに…)」
彼女の隣には、「プロメテ」「パンドラ」の単語をブツブツとドイツ語でつぶやき、あのふたりに怯えている美波。
「イヤァァァァァァァ!
Danke!!
Nehmen off're gut!!
Und dann hast du auch imitieren Meeresschildkröte Eiablage, und schon kann es Gegenstand Darts geworden bist!!
Bitte jeder es verpasst, weil Sie nichts!!」
そして、彼女は恐怖のあまりだろうか? 錯乱し、取り乱した末にガチガチに震え、へたりこんでしまう。
そんな彼女を落ち着かせようとしている霧島達『
「霊央拳『百鬼夜行!』」
「喰らえ『ナックルバスター(エディット!)』」
そう、アトラスとフィストレオの二人は即興の連携攻撃をプロメテに叩き込むために、正面から特攻をかけたのである。
・まずはティストレオの突進技『百鬼夜行』で正面から突撃し、いつの間にかロックマンになったアトラスによる弾道操作のスキルが付与された炎弾で支援する。
・行動が制限され、炎弾に対応しきれなくなって来た瞬間にフィストレオが掴みかかって、彼の豪腕を持って投げ飛ばす。
というのが二人がとった選択であった。
元々、パワー特化型で小細工を嫌う者同士という事もあり、この二人からしてみれば正面から強引にねじ伏せる以外の選択肢はなかったのだろう。
「なっ! 躱しただと!」
「Vermeiden Sie die!(躱せた!)」
……だが、数百年と戦い続けたプロメテ程の強敵を相手にそんな単純な作戦が通用しない事など冷静に考えれば容易に想像できるはずだった。
「Hier ist es!(こっちだ!)『イビル・ワルツ!』」
プロメテは上に回避し、フィストレオの横から鎌を構えて突進してくる。
アトラスもバスターを数発程飛ばして動きを止めようとしているが鎌で防がれ、無駄に終わってしまう。
「霊央拳・奥義!『阿鼻叫…』」
フィストレオも迎撃するために、自身の奥義技『阿鼻叫喚』を使おうと空中で突進しようとした……
「・・・?」
気が付いた時には既にフィストレオの体は半分に両断され、衝撃波によって粉々になってしまっていた…
そして、そのフィストレオを粉々にしたプロメテは上から美波たちに詰め寄る。
after・story 坂本side
「おいアンタ……」
「Was ist das?(何だ?)」
さっきから一体どうなってやがる!? いきなり変な二人組がやってきたと思ったら須川達がぶっ飛ばされたり、その二人組を見た途端に島田が発狂しやがったり、ライオンみたいなオッサンが炎吹き出すロボットだったり、挙句にアトラスが訳分かんねぇ変身ヒーローみたいな格好であのガキと乱闘し始めやがった!
…普段からふざけて馬鹿な友人同士で殴り合ったり、仲間同士で裏切り行為を繰り返したり、キレた鉄人からの逃走劇やら 校舎の器物破損まで平気でやらかしたりしている俺たちだが、こんな変な奴らにぶっ殺されるような事まではした事はないだろ…
「いや、大した用じゃないんだが……」
あーあ、どちらにせよあそこで見物に回っている女も含めて、二人にはあいつらの礼をきちんとしておかないとな……
「ちょっとそこまでツラ……」
そこでまずは男の方の胸倉を掴んでぶん殴ろうとした。
ちょっと大人しくさせる為に軽く4・50発くらいぶん殴ればいいだろうと思っていた……
俺が覚えているのはそこまでだ…
最後に俺が感じたのは腹を貫かれた様な痛みだけだった……
after・story 坂本side end
after・story 秀吉side
「いきなり襲いかかって来おって、あ奴らは一体何者じゃ!
シャルナクのお陰で指示通りに一瞬の隙を突いて映画館から出ることが出来た物の、シャルナクの考えている事が全く分からんぞ?
『ココカラ出タラ急イデ『明久』カ『ヘリオス』二、緊急事態ト伝エロ!』と言っておったが… すまぬシャルナクよ、わしは昨日ケータイを姉上からの折檻の過程で壊されてしまっておるのじゃ……」
姉の凶行に愚痴をこぼしながら、どうにか公衆電話がないかとあたりを探し回る秀吉。
だが、一向に見つからず、それでも諦めずに探し回っていた時だった……
「うわっ! 一体何だね君は? 危ないじゃないか!!」
「すまぬのじゃ! じゃが緊急事態なのじゃ!」
道の曲がり角で、ス○夫のような山形ヘアーの男性とぶつかってしまう。
「何と? 君に一体何があったのだ?」
秀吉は映画館であったことを拙いながらも説明していく。
「わかった、もし良かったらその事件を解決できるかもしれないと言う子と連絡をするのに使いたまえ。
私は他の大会運営者に連絡をして被害が及ばないように避難指示を……」
そう言って男性は秀吉に適当な携帯電話を渡した。
「かたじけない……」
とにかく今は急いで明久かヘリオスに連絡を取るために電話をかける……
「もしもし、明久か? 今大変な…… なんと! もう付いているじゃと……?」
after・story 秀吉side end
場所は戻って映画館、明久達は全員困惑していた。
さっきまで学園のシステムを使った大会で楽しんでいたはずなのに、その楽しみが一瞬で吹き飛ぶようなことになっているのだから…
そこからヘリオスが取った判断は……
「お前達、一旦離れるぞ!! 『ロックオン!』」
『エターナル・サイクロン!』
コンマ01秒でロックマンに変身。
そして、ほぼ同時に強力な竜巻の中に二人を閉じ込める。
「Oder eingeklemmt! (閉じ込められたか!)」
「……Sie können nicht beantworten (……出られない)」
いくらあの二人といえど、荒れ狂う竜巻の中に完璧に閉じ込められてしまっては簡単には動けないようである。
「葉月ちゃん!清水さん、ごめん!」
「ちょっ!いきなり何を……」
「バカなお兄ちゃんの変身、久しぶりです!」
「代表と愛子も急いで!」
「……分かった」
「もうさっきから、訳分かんないよ~!」
「瑞希姉ちゃん、いきなりゴメン!」
「ひゃああぁぁぁっ! 一体グレイくんどうしたんです……ってなんでお姫様だっこなんですか!?」
「そんなことはいいから、いまはとにかくグレイと外に出なさい! (あのライブメタルに、この圧倒的な負の存在感…… なんであいつらがここにいるのよ!)」
「テティスは美波と土屋を、アタシがそこでノびている坂本とFクラスのバカ数名を連れてすぐに避難するぞ!」
「シャルナクは?」
「あのオカッパメガネ(佐藤)と別のFFF団数名を連れて(引きずって)とっくに逃げているよ!」
その隙にロックマン総出で、強制的にけが人を含めた全員を連れて映画館の外にある噴水前の広場に移動させる。
なぜか美波だけはテティスの手で近くの噴水の中に投げ飛ばされていたが……
そして数秒遅れで瑞希を連れて来たグレイと全滅していたFFF団の残り全員を引っ張ってきたヘリオス・エールが合流してきた。
ヘリオスの言葉への反応に一瞬でも遅れていたら、全員無事ではすまなかっただろう。
after・story 学園長side
一方、大会の運営者の方もパニック状態に陥っていた。
先程まで、普通に大会が進行していたはずの状況から謎の乱入者のせいで一転して大事件へと発展してしまったのだから……
「学園長! 今商店街の方から、連絡が……」
「わかっているさね! 一体どうなっているさね…」
学園長は何か端末を操作している。
どうやら、大会用に調整した試召戦争システムの設定画面のようだが……
after・story 学園長side end
「貴様らここを動くなよ、マジでな」
アトラスの真剣な言葉にみんなが頷いたあと、ヘリオス・テティス・シャルナクと共に、先行して二人がいた場所に戻る。
「あ、あの明久君? その格好は一体……?」
「……ゴメン姫路さん、詳しいことは後で話すよ」
「おいバカの兄貴!」
「『バカの兄貴!?』」
「あの二人はマジでヤバイからな、6人掛りだからって油断するなよ」
「グレイ君、ありがとうね!」
それから少し遅れて、明久とエールが4人の後を追うように中に入っていく。
「ロッ…ク……オオオオオオオオオオオオオオオオオン!」
『適合者確認、ROCKシステム・起動開始!』
その一方で優子は人目が気になるのか、顔を真っ赤にしながら叫ぶようにロックマンに変身していた。
額には大きな青い水晶のような飾りをつけたヘルメット、胸部にも同じ水晶が付いた赤と青を中心としたライトアーマー装着し、その両手にはこれまでに何度か出した事のある二丁拳銃を構えている。
「ね、ねえ優子……」
「……一体どうなっているの?」
友人がいきなりヘリオスや明久の様に変身している姿を見て、二人共心底驚いていた。
「代表…愛子…ごめん、アタシもまだ詳しいことは分かっていないの……」
「……優子?」
「とにかく、代表と愛子は今はここで待ってて」
『ちょっと待てよ! ここで皆を守る為に残るんじゃないのかよ!』
まるで、グレイと初めて会った時のような事を言い出すモデルA。
言い方は変えているが、プロメテ・パンドラのコンビとは何だかんだ言って戦いたくないのだろう。
「嫌なら今すぐ変身を解きなさい。
アタシ一人でも行くから」
『分かった、分かった! オイラも付いていくよ!
優子に何かあってみんなから怒られるのはゴメンだからな』
「よし、行くわよ!」
映画館の中に入りたがらないモデルAを強引に説得してから、明久とエールから少し遅れて優子が中に入っていった。
「Allerdings ist kleiner Fisch, es ist für Nanno ausgerichtet Schwanenhals?(しかし、雑魚が雁首揃えてなんの用だ?)」
「Was ist falsch an der separat zu helfen ...... Freunde?(別に…… 友達を助けて何が悪いの?)」
ロックマンの中で唯一ドイツ語が喋る事ができるテティス(ヘリオスはフランス語なら大丈夫だったらしい……)がどうにかプロメテと会話を始める。
そんな中、さすがのプロメテも6人のロックマンを相手に不意打ちは出来ないようである
「ハーッハッハ!
No way, der Mann aus dir etwas von Mund war nicht einmal gedacht Nante kommen Worte zu Nante Freunde sagen
(まさか、お前なんかの口から人間が友達だなんていう言葉が出てくるなんて思ってもいなかったぜ)」
「Socci wie gewohnt Ich bin nicht daran interessiert sind nur in der Schwester?
(そっちは相変わらず妹にしか興味がないシスコンなんだね?)」
「Wer ist nicht nur daran interessiert, Schwester!(誰がシスコンだ!)
Die Buttobasu haben Hozai dass schlampig, nur weil nicht durch die anderen Wörter in 'em!(他の奴らに言葉が通じないからっていい加減な事をほざいてるとぶっ殺すぞ!)」
テティスの挑発に乗せられ顔を赤くしているプロメテだが、この場に置いてその会話は3人以外にはわからないので恥ずかしくはないはずである……
そう! 特別恥ずかしいことではないはずだ!!
「Gibt es tut? So ist es geworden anorganischen, wirklich liebe meine Schwester ......(あれあれぇ? そんなにムキになっているって事は、本当にシスコン……)」
「……Ich töte (……殺す)」
謎の単語と共に大鎌を構えるプロメテ。
流石に6対1では分が悪いと思ったのか急に変身してプロメテの隣に立つパンドラ。
その顔は少しだけだが、兄の発言に呆れているようである。
「ねぇ、ヘリオス……」
「何だ、明久?」
「あのふたりの言葉は分からないけど、だいたい言いたいことが分かるのって僕だけかな?」
「いや…… 私も明久と同じだ……」
「「あの女の子(パンドラ)といちゃついているとか言って激怒させたな!」」
プロメテとテティスの舌戦の末、構えを取るロックマン達。
プロメテの方は顔は笑顔だが、こめかみに青筋を立てて口元はヒクついている。
「Buttobashi'll!(ぶっ殺してやる!)
デストロォォォォォォォイ!!」
「「「うわあああああああああ! プロメテの奴、錯乱してやがる! 離れろおおおおおお!」」」
「あの炎に触れたら一瞬で溶けるぞ! 気を付け……『グランドブレイクW!』」
「あの炎は邪魔だな…… 出て来い!『フリージングドラゴン!』」
顔を赤くしてプロメテは大量の衝撃波や火柱で襲いかかってくる。
アトラスとテティスの二人が皆を守るようにしながら当たりうる攻撃を迎撃しているが、プロメテが冷静ではないからか、意外と簡単に対処できている。
だが、そのせいで映画館の中は原型を留めておらず、その中はただのゴミ部屋と化していた。
「ちょっ! 何よこれぇ!!」
少し遅れて優子とモデルAが到着したのだが……
カオスと化した中の状況を見た優子とモデルAが真っ先に思った事、それは……
「『一体なにがどうなったら…… こういう状況になるのよ(なるんだよ)……』」
だった……
最初のバカテストで模範解答に間違いがあったので、追記しておきました。
ヘリオスさんが激怒しています。