バカとライブメタルと召喚獣   作:閻魔刀

30 / 42
バカテスト

第10問

以下の文章の(    )に入る正しい物質を答えなさい。

『ハーバー法と呼ばれる方法にてアンモニアを生成する場合、用いられる材料は塩化アンモニウムと(    )である』



姫路瑞希の答え


『水酸化カルシウム』


教師のコメント
『正解です。 アンモニアを形成するハーバー法は工業的にも重要な内容なので、確実に覚えておいてください』


土屋康太の答え


『塩化吸収剤』


教師のコメント
『勝手に便利なものを作らないでください』


吉井明久・テティスの答え


『アンモニア』


教師のコメント
『それは反則です』


アッシュの答え


『硝酸ナトリウム』


教師のコメント
『非常に危険な組み合わせので絶対に用いたりしないで下さい』



第4話

「いつもはただのバカに見えるけど、坂本の統率力は凄いわね」

「たった数日であのFクラスをここまで仕上げるとは…… あいつはただの仮面代表だと思っていたんだが、その認識を改めないといけないな」

「ま、ユウジには『協力しなかったらキリシマにデート用の映画チケットをあげる』って言っておいたから」

「「『それってただの脅迫だよね!?』」」

 

 清涼祭初日の朝。

 Fクラスの教室は適当に強奪してきたテーブルなどを整理し、中華風の喫茶店に様変わりしていた。

 テティスの脅迫のせいで一生懸命な雄二の目を見ていると、かわいそうになってくる……

 

「だけど、本当に大丈夫なのかしら? 勝手にテーブルを応接室から持ち出してきて」

「心配いらねえよ、一旦喫茶店に使ってしまえばコッチのモンだからな。 一般客が使用する為のテーブルを当日になって回収なんて教師でも出来やしねえよ」

 

 今まで本当に扱いが酷かったが、本来坂本は、非常に悪知恵を働かせる事が得意な人物である。

 そんな彼が本気になればこの程度の悪行は簡単にやってのけるのだ。

 

「室内もきれいに装飾しているし、これならうまくいくんじゃないかしら?」

「……飲茶もカンペキ」

 

 いつの間にか土屋も戻ってきていた。

 普段からそんなに気配を消さなくてもいいと全員が思った瞬間だった……

 

「ムッツリーニ、厨房の準備もOK?」

「……味見用」

 

 そう言って、土屋が差し出したのは木のお盆。 その上には美味しそうなゴマ団子が3個だけ載っていた。

 

「オ? カナリ美味ソウナ胡麻団子ダナ」

「土屋、これウチ達が食べちゃっていいの?」

「・・・・・・(コクリ)」

「では遠慮なくいただこうかのう」

 

 シャルナク・美波・秀吉の3人が美味しそうにゴマ団子を頬張る。

 

「トテモ美味イナ」

「本当! 表面はカリカリ、中はモチモチで食感も良いし!」

「甘すぎないところもいいのう」

 

 その3人はとても美味しそうに食べており、惜しみない賛辞の言葉を贈り続けた。

 美波に至ってはトリップしてしまっている。 このあとの話し合いに支障をきたす為に、テティスは彼女の鼻の穴に飲茶を軽く流し込む。

 その結果美波は、鼻に水が入りそうになることで生じた痛みによって意識を現実に引き戻されてしまっていた。

 鬼の形相で追いかけてくる美波を笑い飛ばしながら逃走したテティスは、教室中をネズミの様に逃げ回って彼女をからかっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それで、姫路・島田のバックアップで大会に出る奴らを決めておかないとな」

「一人はアキで確定よね。 この中で召喚獣の操作が一番上手いのって言ったらアキぐらいでしょ?」

 

 島田の意見で真っ先に明久の出場が決まる。

 だが、この大会にはペアで参戦しないといけない。 どうしても相棒となる人物を選出しないといけなくなってしまうが、彼に匹敵するほどの操作能力を有するはずのアトラスとテティスは学園長との取引の条件で参加が出来ない事になっている。

 

「オレガ出ルカ?」

「アタシなら土屋をパートナーとして出てもらうが?」

「なんだったらユウジが出てみたらどう?」

「ワシが出てみてもよいかのう? Dクラス戦では前線でそれなりに戦い抜いた経験もあるぞい」

「いや、シャルナクと土屋と秀吉には別の任務を頼みたい。 俺は、はっきり言って明久とは出たくない」

「だったらスガワは…… ああ、FFF団じゃ足手纏いか(プッ!)」

 

 テティスの言葉に割と本気で落ち込んでしまうFFF団員……

 

「他のクラスに増援を頼めないのか?」

「お前、他のクラスに無償で協力してくれるほどの友達がいるのかよ?」

「「ああ無理だ、かつて友だった奴らは我ら『異端審問会』の掟を破った罪で葬り去ってやったのだからな……」」

 

 結局の所、《彼女が出来た友達に嫉妬して嫌がらせ行為を繰り返した結果、他クラスの友達がみんな離れて行ってしまった》だけなのだが……

 

「う~ん…… 本当に誰をパートナーにするの? なんだったらアキが決めても」

「お姉さま、美春がお姉さまの中華喫茶のお料理を食べに来ました!」

 

 Fクラス試召戦争大会対策会議に乱入してきた美春。

 いきなり抱きついてきた美春をどうにか引き剥がそうとしている美波だが、全く剥がれてくれる様子が無かった為、アトラスが強引に引き剥がした。

 

「ああん、もう少しお姉様と戯れていたかったですのに……」

「ウチにその趣味は無いから!」

「(美春さん、今度も作戦失敗だったね)」

「(私はまだ諦めませんわ! 次のプランはもう練ってあります。 次にも協力してもらいますわよ)」

 

 二人して怪しい会話をしている…… どうやら美春にはまだ美波篭絡作戦は存在するようだ……

 

「それで、一体何の話をしているんですの?」

「僕も試験召喚大会に出場するんだけど、そのためのパートナーが決まらなくてさ……」

「なら別に出場しなければよろしい事ではありませんの?」

「そういう訳には行かないんだよ。 色々と事情があってさ、姫路さんと美波のバックアップの為のチームが必要なんだよね。 でも、雄二は参加したくないって駄々をこねるし、秀吉・ムッツリーニ・シャルナクの3人は別の任務があるし、FFF団は弱すぎてアテにならないし……」

「全く、よくもまあそれで試験召喚大会に出場しようと思えましたわね……」

 

 明久の話を聞いて、若干美春も呆れ気味である……

 

「ならどうするんですの? 話を聞く限りですとアトラスとテティスなら問題なさそうに思えますが……」

「「ボク(アタシ)はこの大会に出場するのを断られてしまったんだよ」」 

「なんですのそれ? 既に状況が詰んでいますね。 他のクラスから増援を呼べるなら話は別でしょうけど、どうせ『ほかのクラスの生徒にも頼れない』なんて事態にもなっているんでしょう?」

 

 「なら美春に出来ることはあまりなさそうですね」と彼女がいいながらそのまま出入り口で待機してしまう。

 どうやら、席を一番に確保して美波に接客してもらいたい様である……

 

「あれ、瑞希さん? 皆で揃って一体何の話をしているんだい?」

「ヤッホー瑞ねぇ! 遊びに来たよ~!!」

 

 今度はアッシュとヴァンの二人である……

 ヴァンが苦笑いしながら入ってきた辺り、アッシュに散々振り回された様だ。

 

「なに皆で集まって話をしている訳? ちょうどいいからアタシも混ぜなさいよ」

「別にかまわんが、ここには暑っ苦しくてむさい男連中しか……」

「あれ? 姫路さんの妹さんか?」

「可愛いなぁ~ ねぇ、3年後にお兄さんと付き合わない?」

「俺はむしろ今だからこそ付き合いた……(ウボァァァ!!)」

「『この変態野郎!!』」

 

 あっという間にFクラスの男子に囲まれてしまうアッシュとヴァン。

 そんな中、とんでもないロリコン発言をした男子を相手に殴りかかったヴァンと体当たりを仕掛けたモデルAの行動は絶対に間違っていないはずである……

 

「アッシュちゃんとヴァンさん、かなり早いですね? エールさんとグレイ君も来ているんですか?」

「あー…… えっと…… その……」

「前にここに来た時の事を覚えているか? 瑞希さんの両親にその時の話をした事をまだ気にしているみたいで、エールはグレイを部屋から引きずり出そうと必死になって、説得中だね」

「グレイって、実は結構バカなのかな? この学校の事をそっくりそのまま話したら、普通の親は転校を進めるに決まっているじゃないか?」

「テティスだったかしら? アタシも今、この目で直接見るまではただの冗談かなんかだと思っていたわよ。 でも愛娘が本来の実力が評価されずにバカ集団の中に放り込まれているって話を聞かされたら普通はキレるわよ?」

「「『姫路の親が転校を勧めたきっかけはそれか!!』」」

 

 アッシュの言う事も尤もである……

 先ほどの行動をヴァンに見られてしまった事もあり、つい何も言い返せなくなってしまうクラスメイト達……

 

「えっと? それで話を戻すけど、坂本くん達は一体何の話をしているのかな? もしよかったら……」

「いや、協力してくれるのはありがたいが、この問題はFクラス内だけで解決しないといけない問題なんで、申し訳ないけど断らせてください」

 

 ヴァンからの協力を泣く泣く断る雄二。

 仕方が無いと思ったヴァンは「今は普通に学園祭を楽しもうと思うけど、何かあったら力になるから呼んでくれ」と伝え、そのままアッシュと一緒に外に出て行ってしまった。

 

「結局どうするの雄二!? アトラスとテティスは学園長からの依頼の件で参加できないし、シャルナク・ムッツリーニ・秀吉は別の役割があるし、ほかのクラスメイトはアテにできない、雄二に至ってはワガママ言って参加したがらないじゃないか!」

「おう、邪魔するぞ。 Fクラスってここか?」

 

 大会の申し込み受付が終了する時間まであと少ししか無い。

 最初のんびりとしていた明久も流石に焦り始めている中、教室の扉を開けて入ってくる人物がいた……

 その瞬間にその場の空気が凍り付く……

 『死神』のような死の匂いを纏わせたドス黒い殺気を放つ少年。 島田美波最大のトラウマの原因となったと思われ、なおかつ前回のトレジャーハンティング大会でFクラスに襲撃を仕掛けた彼らにとって第1級の危険人物。

 

 

「なんだ、いきなり大量殺人鬼を見かけたようなアホ面見せやがって?」

「プロメテ…… それよりも全員始末するつもりで潰したのにたった数日で復活している回復力の方が驚き……」

 

 プロメテとパンドラの二人だった……

 文月学園の制服で来ていることにも驚きだが、プロメテの方の制服が若干ブカブカでサイズが合っていなかったりと明らかに制服の注文ミスである。

 美波が発狂しそうになった為に、とっさの判断でテティスが美波を気絶させ、それと同時に明久達がライブメタルを掲げてロックマンに変身して前に出る。

 

「おい、一体なんの用があって来た? 事と次第によっては……」

「事と次第だぁ? ……別に無ぇよ、この赤ゴリラ?」

「敢えて言うなら、『本当なら数日前から転校生として入学するはずだった』だけ……」

「「『はあぁ!?』」」

「あ? もしかして勘違いしてやがったか? わざわざお前らみたいなクズを相手にわざわざ潰しに来たとか思っていたりしていたのかよ?」

「ふふふっ、本当に面白い……」

「「『面白い!?』」」

 

 パンドラの発言にプロメテを含めた全員が驚いていた。

 とは言っても、FFF団は初めて「自分を認めてもらえた」と思っている様な驚き方だったが……

 

「……嘘」

「「そんな馬鹿なァァァ……」」

 

 パンドラの言葉が嘘であった事に絶望したFFF団は全員膝をついて落ち込んでしまった。

 中には壊れたかのような虚ろな目になってしまっている人もいて、こんな精神状態だと午前中の間は、中華喫茶の仕事はできないだろう……

 

「ほう? ならなぜここに来ている? 学祭の準備をしていないキサマらが急にこの学校に転校してきたなどと言われてもアタシ達が歓迎するとでも思っているのか?」

「そんなの期待してねえから安心しろよ」

「……さっきも言った。 本当なら一週間くらい前から転校してくる予定だった。 プロメテが大暴れしたせいで、入学のタイミングが遅れた」

「本当だったらもっと後になるはずだったんだぜ? なぜかババア長からFクラスに編入することが決まったつー手紙が届いて今日から来いって話になったから来ただけなんだからよ」

 

 

 プロメテとパンドラの急な転校はババア長(学園長)の指示だったようである。

 だが、なぜこのタイミングで彼らを入学させてきたのかが分からずに、プロメテ・パンドラを含む全員が頭を傾げて考え込んでしまう……

 

「とにかく、こっちは今後の事で会議中なんだから邪魔しないでよ……」

「あ? 『このあとにある試験召喚大会で誰が出るか?』って話をしてんだろ?」

「さっき外で待っている女の子から話を……(ガシッ!!)」

「「明久(吉井君)!?」」

 

 パンドラの言葉を聞いて二人の胸ぐらをつかむ明久。

 もし、万が一彼女に何かしたというのならば、勝敗を度外視してでも二人を始末しようとする気だ……

 

「全く、疑り深いにも程があるぜ? 別に何もしてねえよ。 今のお前みたいに警戒していたけどな」

「……とりあえず、スタンロッドを没収して力尽くで取り押さえて、強引に話を聞き出しただけ。 ……あなたと違っていきなり襲いかかってきたけど、怪我はさせていないし、スタンロッドも返しておいた」

 

 彼らにしては珍しく大人しい対処法だったが、彼らの本来の危険度を考えるとそれだけでは信用するには全く値しないだろう……

 

「取り敢えず暫くは騒ぎは起こさねぇ、いや『起こせねぇ』からおとなしくしているつもりなんだよ」

「……よかったら、その娘の転校を阻止するのを手伝ってもいい」

 

 あまりにも意外なパンドラからの提案に、むしろ全員の警戒心が強まる。

 彼らがうかつな行動をすればそれだけで乱闘に発展してしまうだろう……

 

「お主らの悪行は島田やエールさん達から聞いておる。 そんなお主らの協力的な態度など誰が信用などできるか!!」

「おいクソアマ、さっきの俺の一言を聞いていなかったのかよ? 騒ぎを起こさないじゃなく『起こせねぇ』んだよ。 俺たちにも目的があってこの学園に転校してきたんだけど、あのババア長から騒ぎを起こしたら『放学処分』にするって念を押されてんだ。 今はここを出たくない理由が俺らにはあるから、少なくとも『暫くは平和的』にしていてやる安心しろよ」

 

 Fクラスの女神である秀吉を相手に『クソアマ』呼ばわりしたプロメテを相手に殺気立つFFF団だが、ここで乱闘に発展させてしまったら、瑞希の転校を阻止させることが不可能になってしまうために、おとなしく『プロメテ罪状リスト』をまとめ上げる。

 清涼祭が終わった後にツケとして精算させる気の様だ……

 

「ババア長ニ確認ヲ取ッテ来タ。 ソノ二人ハ、間違イナクコノFクラスニ編入シテイル」

「後、その二人も大会に参加する権利があるっぽいよ? 点数がFクラスで考えられる範疇だったら依頼を果たせた事にしてもいいっても言っていたし……」

「愚かなる選択…… 硬直状態であるからと重要戦力でもある貴様らふたりが無断で戦線から離脱するなど、あまりにもあり得んぞ?」

「まっ、そのありえない行動のおかげでアタシ達もここに来る事ができたんだからいいじゃないの。

 とは言ってもモデルAがこっちに遊びに来ていなかったらアタシは来る事が出来なかったけどね?

 これで6対2、アンタ達に勝ち目なんて無いわよ?」

 

 

 しばらく声がしないと思ったら、テティスとシャルナクはしばらく学園長室に行っていたようだ。

 それ後、Aクラスに立ち寄り、ヘリオスと優子に事情を説明。 ヴァン達と離れ、優子の元に遊びに行っていたモデルAにも手伝ってもらい、大急ぎでFクラスに戻って来たのだ……

 

『へっへ~! オイラ達も来たからにはもう大丈夫だ! このまま一気に……』

「おいそこのゴミクズ! 騒ぎは『起こせねぇ』って言ってんだろ!!」

「……どうしても信用できないなら、これを貴方達に預ける」

 

 そう言ってパンドラは明久の手にライブメタル《モデルV》を預ける。

 ロックマンに変身するためには必要不可欠なライブメタルを敵である明久に預けると言う行いには流石に明久といえどたじろいでしまう。

 それに続くようにプロメテもライブメタルを明久に渡す。

 だが、プロメテは嫌々ながらと言った感じで渡しており、その鋭い視線を明久に向け続けている。

 

「ちっ…… あそこまでされてしまたら仕方ないが信用せざるを得ねぇ…… ここでこのふたりを追い出してしまったら逆にFクラスは『臆病者(チキン)』の集まりだとその他クラスに噂されちまう……」

「おい坂本、取り敢えずあのふたりのライブメタルはこっちで預かっているし、アタシらでも監視しておくから今はこのふたりを入れておいてやったらどうだ?」

 

 堂々とした態度でぬけぬけと言い放たれても信用するのは難しいのだが、ここで追い出すわけにも行かなくなってしまった雄二は、アトラスの提案もあり仕方なくこのふたりを入れる事にした。

 これで戦いになる心配がなくなった為ヘリオスと優子は変身を解いた後、そのままAクラスに戻っていった。

 

 

 

「ったく……で? どう言う風にチームを組むんだ?」

「……赤のロックマンとゴリラ代表?がチームになる?」

「いや『ゴリラ代表』って…… それだと戦力バランスが偏ってしまう。 俺達、バックアップチームの目的はあくまでFクラスの事を姫路の親に認めさせる事が目的だからな。 だから、ここは《明久・パンドラ》《プロメテと俺》で編成しようと思っている。 そして姫路のチームを含めた各チームにはマネージャー替わりにアトラス・テティス・シャルナクの内誰か一人は必ず付いてもらう」

 

 マネージャー替わりなどと言っているが、実質的な監視役だろう…… 

 もし、何かしでかしたなら即座に取り押さえて追い出す為にこのふたりをマネージャー替わりにチームにつけたに違いない。

 

「……坂本、もう少しで大会の受付を締め切られる」

「やっべ! おい明久、急いで申し込むぞ!」

「了解!」

 

 大急ぎで試験召喚大会に申し込んできた明久達に受付の人も軽く引いていたが、どうにか申し込みには間に合った。

 そして、そのままプロメテとパンドラは召喚獣を呼び出す為の点数を補給する為に鉄人がいる補習室に向かう。

 受付の人が配慮してくれたのか、トーナメントではかなり後ろになる様なので、一度Fクラスに戻る事となった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そう言えばさっきから気になっていることがあるんだけど……」

「……何、赤のロックマン?」

 

 補習室の場所が分からないと言う事で、ふたりを案内することになった明久。

 念の為、テティスも明久の元に来ており、警戒だけはしていたが……

 そんな中、明久は比較的話が通じるパンドラに質問があるようで、雑談感覚で質問し出した。

 

「前会った時は外国語だったのに、なんで今は日本語で普通に喋ってるの?」

「「今更かよ!?」」

 

 プロメテとテティスも今更感がすごくて驚きの様である。

 先程まで緊迫した空気の中だったために聞くことが出来なかったが、流石にここで聞いておく必要があるだろう。

 

「……実はあの商店街での騒ぎの翌日にこんな事があった」

 

 そして、パンドラは大会後に二人に何が会ったのかを話し出す……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 another story プロメテ・パンドラside

 

「Hey du nicht, Jungs! Ich bin Deutscher war sagen Klasse in Japan!!(おいどういう事だ! 日本でもドイツ語が通用するって言ったよな!!)」

 

 プロメテは電話越しに激怒している。

 どうやら誰かに騙されたようだったが……

 

「Beruhigen Tamae Puromete Sie.(落ち着き給えプロメテ君。)

Ich, wie sauber sind, die Kalzium?(きちんとカルシウムを摂っているのかね?)」

「Der erste Ort, der Repuriroido Dattsu!!(そもそもレプリロイドだっつーの!!)

Sie strecken Statur, was Sitz sogar menschliche Nahrung zu essen, frustrierend auch ruhig Nettsu von ~!!(人間の飯を食っても身長なんざ伸びねえし、イライラも落ち着かねぇよ!!)」

 

 電話先の相手に完全におもちゃにされているプロメテ。

 この光景だけ見ていると文月の街で大暴れした人物とは思えない……

 

「...... Wie auch immer, ich möchte Sie zu unserer Spracheinstellung nun geändert werden.(……とにかく、今は私達の頭の中にある設定言語を変更して欲しい)

...... Dieser bleibt Nun Gespräch selbst ist nicht erfüllt.(……このままじゃあ会話自体が成立しない)」

 

 まともに話が出来なくなったプロメテから一瞬でケータイを奪い取ったパンドラは電話先の人物に自身の頭脳にインストールされている言語の設定の変更を要請する。

 相手もパンドラが相手では遊びにならないと判断し、とある指定された場所に移動するように事務的に伝えた後で電話をそのまま切ってしまった。

 プロメテが喧嘩腰でロックマン化してその場所にいるであろう電話相手を仕留めようとしていたが、パンドラによる電撃で悲鳴をあげる余裕を与えないままで気絶させ、引きずったまま指定の場所に向かい、そこに置かれていた学習装置のような機械を着用。

 その日の間で日本語を頭の中にインストール。 これで日本における会話も問題なく実行出来る様になったのである。

 

 

 

 another story プロメテ・パンドラside end

 

 

 

 

 

 

 

「……そんなのあり?」

「ありだから、こうやって俺らが普通に日本語を喋ってんだろ?」

「……本当に凄い技術と言うのは表には出てこない物。

 ……とは言ってもその機械でできたのは私達の中にある言語の設定を書き換える事だけ。

 ……流石に知識の全てをインストールする事はこの時代では出来なかった」

 

 それでも十分滅茶苦茶な技術を使われたこと自体に明久は素直に驚いてしまう。

 そんな話をしている間に補習室の前に到着する。

 

「取り敢えず補習室はここだから、Fクラスに所属するならほぼ毎日世話になる部屋だと覚えておくといいよ」

 

 そう言って明久は扉を開けて、鉄人に事情を説明したあとでそのままFクラスに戻っていった。

 「え~?」と嫌そうな顔をしていた二人だったが、試召戦争とやらで召喚獣が殺られなければ大丈夫だろうと考え、そのまま補習室の中に入っていく。

 その中でふたりの悲鳴が聞こえたが、明久とテティスは聞かなかった事にしてそのままFクラスに走っていく……

 

 

 

 

 

 

「よう、遅かったじゃねぇか? 待ちくたびれたぞ」

「やっほーユウジ! 取り敢えずあのふたりを補習室に押し込んで来たよ!」

「なるほどな、あらかたあの二人が鉄人相手に抵抗したとかそんなところだろ? 取り敢えずお前らにもルールは説明しておくからきちんと覚えておけよ」

 

 封筒を取り出した雄二が、明久とテティスに今回の大会のルールの説明をしていく。

 まとめるとこうである。

 

 

 

 

 

1.出場するチームは二人一組である

2.トーナメント式で最期に勝ったチームが優勝である。

3.使用される科目はランダムで、各試合毎に変更される。

4.前回の大会で使用された新武装やアイテムは使用可能、その為に前回の大会で勝ち抜いた人物はある程度有利になる

5.一般客からの参加も受け付けており、一般枠からの参加者には自動的に一回戦で100点、勝ち進む事に+70点追加されていく。

6.この大会に限りある程度の逃走行為が認められるが、長時間続けた場合有無言わさずに失格とする。

7.また、召喚フィールド内にはリングが設置されており、そのリングの外に召喚獣が出された場合も失格とする。

 

 

 

 

「以上だ。 何か質問はあるか?」

「「まだ全部覚えていないからその紙頂戴!」」

 

 明久とテティスの言葉に呆れた雄二はルールが描かれた紙をバカ二人に渡す。

 

「取り敢えず、事前に申し込んでいた姫路と島田はそろそろ時間だろ? 先に試合に行って来るといい。

 俺らは後半のブロックに分かれているから、あの二人が戻ってきたらすぐに向かう」

 

 雄二の指示に合わせて、美波を背負ってから出て行くテティス。

 「貧乳な分結構軽いや」と言いながら、瑞希と一緒に試合場に向かっていく。

 

 

 

「一体何なんだあのおっさん! 本当に人間か!?」

「……イレギュラー程度では一個中隊を組まないと勝てない」

 

 明らかにテストとは別件で疲れ切った表情でFクラスに戻って来たプロメテとパンドラ。

 パンドラの言った言葉は何かの冗談だと思いたい……

 

「おう、戻って来たか? ならすぐにオレ達も試合場に行くぞ」

「そう言えば坂本って言ったか? この大会で貰える賞品に付いて聞いたか?」

「賞品? ああ、たしか優勝者には特別な賞品が出るって聞いたぜ?」

「……『黒金の腕輪』試召戦争で役に立つとても便利な物らしい」

 

 土屋が厨房でゴマ団子を作りながら会話に入ってくる。

 どうやら彼も優勝賞品に付いて情報を入手しているようだった。

 

「いや、そっちじゃなくて如月グランドパークのプレミアムペアチケットの方なんだがな」

「それがどうしたんだよ? 普通の優待券じゃないのか?」

「ここに戻ってくるまでの間に女子共がキンキンうるさい声で騒いでいたんだけどよ、なんでもカップル同士で行くと『ウェディング体験』とか言って結婚までコーディネートする気らしいぜ? あの広まりようだと多少強引な手を使うのは間違いないだろうよ」

「なっ、何だとッ!?」

 

 いやらしい笑顔で言うプロメテ。

 そんな話を聞かされた雄二は大声を上げてプロメテに詰め寄る。

 

「どうしたのさそんなに慌てて?」

「慌てるに決まってるだろ!! プロメテの言った通りなら必ず翔子が必ず優勝を狙って参加してくる……

行けば結婚…… 行かなくても『約束を破ったから』と結婚…… お、俺の将来は……」

「……ゴリラの目が虚ろ?」

「一体何ガアッタ?」

 

 あらかた『チケットが手に入ったら一緒に行ってやる』とか言って安請け合いしたんだろうと思った明久は、生唾を飲みつつ後ずさる。

 もう少しで試合場がある運動場に付くという時だった……

 いきなり試合場で歓声が沸き起こる!

 どういう事だと大急ぎで試合場に入る4人。

 そして、試合場では異様な展開が起こっていた……

 

 

「一体この二人は何者なんでしょうか!? 初めて召喚獣を操るはずなのに、いとも簡単に30点差もあるDクラスコンビを相手に一方的に攻め立てたまま勝ち上がってしまいました!!」

 

 

 

 2-D 香川希・山田美香 vs ヴァンvsアッシュ

 

 教科 数学

 

 点数 132点(DEAD)・128点(残り12点) vs 100点(残り85点)・100点

 

 

 

 

「おい、試召戦争ではテストの点数と操作技術がモノを言うんだったよな?」

「うん、少なくとも初参加であんな結果になるなんて事はありえないはずなんだけど……」

 

 そう、一般枠で試験召喚大会に参加していたヴァンとアッシュが点数上では格上のDクラスコンビを瞬殺して見せたのである……

 今、その試合のVTRが流れているが、その展開は誇張無しで一方的だった。

 ヴァンの召喚獣は白色のマントと黒色の服を着用している。 武器は左腕の鉤爪の様だ。

 一方、アッシュの召喚獣も右手に鉤爪のような物を装備し、赤のライトアーマーに加え、足にはローラーシューズを装備している。 

 

「希!」

「一般の参加者だろうと容赦しない、一瞬で終わらせてあげるわ!」

 

 希と呼ばれた少女の召喚獣が、武器である剣を構えて切り掛かろうとした瞬間だった……

 

「きゃああああああああああああああああ!!」

 

 つっこんできた彼女の召喚獣はアッシュの召喚獣の右手に捕まり、膨大な熱エネルギーを照射され、膨張したまま爆発しまった。

 描写の規制でその光景ははっきりと映る事が無いよう、光のようなもので隠されてしまったが正直な話光の向こうで何が起こっているのかは容易に想像できてしまう……

 

「あのねぇ、こっちの武器は可動式の鉤爪なのよ? 速攻で掴みかかるに決まっているじゃない。 あまりにもバカ正直だったから何か裏があるんじゃないかと疑ったくらいよ?」

「くっ、だったら仕方ないわね! 本当はもっと先で使いたかったけど…… 解放の指輪装着、腕輪発動『ラッシングバーナー・フルチャージ』!」

 

 

 パートナーが瞬殺されたところを見せつけられてしまったからか、山田美香という少女は解放の指輪を装着して召喚獣の腕輪を解放する。

 それと同時に、彼女の召喚獣が全身に炎を纏う。

 とは言っても、愚直に突っ込んで行く事はせずに慎重になって二人の周りをまわるように様子を見つつ、高速移動しながらも徐々に間合いを詰めていく。

 

『速い速い、とても速いぞ! 流石に一度試召戦争を経験しているからか、これまでの試合で出て来た召喚獣とは全く違った動きをしている!』

「あんな攻撃、連続使用は出来ないはず! ならば……」

 

 彼女の予想自体は正しかった。 アッシュの召喚獣はすぐに攻撃できないのか、ナイフのようなものを左手で構えているが、なかなか攻めて来ることは無かった。

 

「今ね! 食らいなさい、私の召喚獣の全身全霊の突進を!」

『おっと! ここで仕掛けて来た山田選手! 敵は超高速の突進攻撃を前に動かない? いや、両者の召喚獣は動けないぃぃぃ!!』

「そうはさせないよ! 『スラッシュクロー』!!」

「なっ…… きゃああああああああああああああああ!!」

 

 チャンスとばかりに飛び込んだ彼女の召喚獣を今度はヴァンの召喚獣が迎撃する。

 突撃してきた彼女の召喚獣を交差法気味に切り掛かって行った結果、若干のダメージは受けたが敵の召喚獣は上に弾き飛ばされてしまった。

 同時にクーリングタイムが終わったアッシュの召喚獣が接近。 再び召喚獣の腕を掴み、高周波の熱エネルギーによる追撃を打ち込む。

 どうにか腕を引きちぎり、強引に距離を離した山田美香の召喚獣だったが……

 

「ギブ……アップよ…………」

 

 このムチャによる点数へのダメージが大きく、点数が殆ど残っていなかった。

 結局、戦意を喪失してしまった彼女は悔しげな顔をしながらギブアップを宣言した。

 これが、明久達が試合場にやってくる前に起こっていた出来事の全容であった……

 

 

 

 

 

 

「今大会の台風の目となるのか! 一般参加枠の『ヴァン』・『アッシュ』選手2回戦に進出です!!」

「「ナイスファイト!!」」

 

 お互いに手を叩きながら試合場を出て行く二人。

 その様子はまるで仲の良い兄妹の様でもあった。

 

 

 

 




今回はモブキャラの能力として使った必殺技に付いてです。

・ラッシングバーナー

ロックマンx2の8大ボス「フレイム・スタッガー」から入手する特殊武器。
エックスが使用する時は前方に炎を纏ったロケットを2発、1セットで発射。 地上で発射すると地面に残り火が発生し、さらにダメージを与えられる。

フルチャージしてから使用すると全身に炎を纏って突進するタイプの武器に変化する。



召喚獣の設定も更新しました。
次の話を出した時にはプロメテ・パンドラの召喚獣の設定も更新したいと思います。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。