バカとライブメタルと召喚獣   作:閻魔刀

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バカテスト!

第11問

次の(   )に当てはまる薬品名を答えなさい

アルミニウムに(   )をかけると塩化アルミニウムと水素が発生する


姫路瑞希・ヘリオスの答え
アルミニウムに(塩酸)をかけると塩化アルミニウムと水素が発生する



教師のコメント
『正解です。 ただし実際にやってみると反応しにくい場合があります。 これはアルミニウムが表面に酸化アルミニウムの膜を作る為です。 実験を行う場合はやすりなどで表面を削ってから行うと良いでしょう』


土屋康太の答え
アルミニウムに(魔法の言葉)をかけると塩化アルミニウムと水素が発生する

プロメテの答え
アルミニウムに(波紋)をかけると塩化アルミニウムと水素が発生する


教師のコメント
『かける言葉もありません』




吉井明久の答え
アルミニウムに(情け)をかけると塩化アルミニウムと水素が発生する

教師のコメント
『この答えは情けないと思います』


パンドラの答え。
アルミニウムに(塩)をかけると塩化アルミニウムと水素が発生する

教師のコメント
『料理してるのではありません!』


第5話

「えー、これよりCブロック第1回戦第5試合を行いたいと思います」

 

 特設ステージへと向きながら歩いて行く明久とパンドラ。

 ステージへの扉へと入るまではテティスが付いて行っており、パンドラへの警戒度は相変わらず高い状態である……

 

「3回戦までは一般公開もありませんので、リラックスして全力を出してください」

「頑張ろうね、律子」

「ええ真由美!」

 

 どうやら、明久とパンドラの対戦相手は仲良し女子コンビのようだ。 本当に微笑ましい光景である。

 

「では、召喚してください」

 

 

「「試獣召喚(サモン)!!」」

 

 

 相手の二人が呼び声を上げると、毎度おなじみの魔法陣の様な物が展開され、召喚者をデフォルメしたような姿の召喚獣が呼び出される……

 

 

 Bクラス 岩下律子 & Bクラス 菊入真由美

 

 教科 数学

 

 点数 179点 & 163点

 

 相手の召喚獣は両者ともに似たような西洋鎧と一般的な鋼の剣だった。 瑞希の召喚獣の下位互換のような感じの印象を受ける……

 

「さてと、僕らも召喚しようか?」

「……うん、分かった」

 

 あくまでも機械的に答えるパンドラ…… あくまで距離は置いておきたいようだ。

 

 

「「試獣召喚(サモン)!!」」

 

 

今度は明久とパンドラの召喚獣が呼び出される。 明久の召喚獣は相変わらずで改造学ランに木刀という粗末な装備だ。

 一方、災厄のロックマンとまで称された”魔女”パンドラの召喚獣は……

 

 

 

 

 

「ほとんど僕と変わらないじゃないか!?」

「……失礼、貴方と違って身なりはきれいな方」

 

 きれいな制服を装備していることを除けば明久の召喚獣とほとんど差は見られなかった。

 一応、流石に召喚システムの方も女子を相手に突っ張ったヤンキースタイルにすることは出来なかった様で、身なりが普通の学生である事以外は明久と全く変わっていない……

「行くわよ! 修学旅行のお土産コンビ!」

「律子、違うわよ。 チンピラコンビよ!!」

 

 パンドラの召喚獣は一応普通の学生と言う感じなので、チンピラとは違うと思うのだが……

 

 

 Fクラス 吉井明久 & パンドラ

 

 教科 数学

 

 点数 79点 & 152点

 

 

「!? パ、パンドラ!」

「……何?」

「Fクラスに編入されたくせになんでそんな点数になってるの!?」

 

 明久はパンドラの点数に驚いている。

 強制的にFクラスに編入させられた生徒のはずなのに、その割には点数がかなり高い事が信じられないのだ。

 

「……一応、ドイツでも勉強はしていたからある程度は出来る」

 

 パンドラの話を聞いて納得する明久。

 美波も総合でFクラスに所属させられているが、一応”数学”だけはBクラストップレベルの成績を誇っているのだ。

 それを考えると、パンドラの数学の学力の高さにも納得がいくのである。

 

 

「律子!」

「真由美!」

「「ええ、行くわよ!!」」

 

 パンドラと話をしている間に対戦相手が名前を呼び合ってから突っ込んでくる。

 明久とパンドラを挟み込むように移動してきて、徐々に間合いを詰めていく。

 

 

「なるほど、仲良しごっこをしている女子同士にしては意外とやるね?」

「女子二人だからって舐めないで!」

「ええ、私と律子のチームワークは無敵なのよ!!」

 

 先程律子と呼ばれた女子が明久の召喚獣に攻撃を仕掛けて来る。

 

「って、危なっ!」

「……吉井、作戦がある」

「作戦?」

 

 果敢に攻撃を仕掛けて来る召喚獣の相手をしながら、パンドラの話を聞くことにする明久。

 

「……まずは貴方がおとりになる」

「うんうん、それで?」

「……もう一方が攻めて来た隙に貴方が倒す」

「『それって明久が二人とも相手をするって事だよな!?』」

 

 

 パンドラが楽をする為の提案に驚いた明久とモデルZ。

 

「……仕方が無い、スペアプランがある」

「絶対碌な作戦じゃないと思うけど、一応聞いて置くよ」

「……点数の高い私が攻撃を担当する。 ……貴方は盾を担当して」

「『結局僕(明久)だけが一方的にやられるじゃないか! 明久の召喚獣が観察処分仕様だと知ってていているのか!?』」

「……貴方は本当にワガママ」

「『あんた(オマエ)の作戦が無茶すぎるんだよ!!』」

 

 呆れ切ったと言う態度を取り、溜息を付くパンドラ。

 

「……だったら仕方が無い。 ……正面から真っ向勝負」

 

 結局作戦も何も無いまま真っ向勝負という事で話が付いてしまう。

 二人はそれぞれの相手の召喚獣に目掛けて突っ込んで行き攻撃を開始する。

 

「律子、どうしよう?」

「こんなバカ達を相手に構っている暇なんて無いわ! さっさと終わらせて次の試合に備えましょう」

「うん!」

 

 結果、二対二と言う構図ではなく一対一が二つと言う構図になった。

 明久の対戦相手は律子と呼ばれていた髪の長い方の女の子だ。

 

「やあっ!」

 

 敵が手にしている剣を上から振り下ろしてくる。

 一方の明久は、それに合わせるように一歩だけ横に動かす。

 

「このぉっ!!」

 

 簡単に避けられた事で、今度は大きく剣を横振りで攻撃してくる。

 それに合わせるように今度は一歩後退。

 相手はしびれを切らして何度も攻撃を繰り出してくるが、たった1~2歩動いただけで避けられ続けている事にだんだん焦りを覚えて来る。

 

「この、このぉっ! いい加減にやられなさい!!!」

「う~ん…… なんだかこれじゃあ弱い物いじめになっちゃうな。 とは言っても、これ以上避け続けても埒が明かないし…… 喰らえ”円水斬”」

 

 敵の攻撃のタイミングに合わせて、明久の召喚獣は超高速回転切り”円水斬”の連撃を叩き込む。

 カウンター気味に放たれた円水斬に対応出来なかった相手は一方的に上からの乱れ切りをモロに喰らい、地面に叩き伏せられてしまう。

 

「所で、パンドラの調子はどうなんだろう……」

 

 しばらく相手が動けないと判断した明久はパンドラの様子が気になって視線を向けてみる。

 そこでは……

 

「……”天裂刃”・”落鋼刃”・”雷神撃”・”疾風牙”・”重破斬”」

「僕のロックマンとしての剣術を真似されてるよ…… いや、あの人?もロックマンだっけ? しかも僕らの大先輩……」

 

 明久の持つ剣術を模倣して一方的に相手を叩きのめすパンドラの姿があった。

 その攻撃の流れの美しさは格闘ゲームの連続コンボのそれだった。

 パンドラの最後の攻撃を食らった相手の召喚獣は、明久がダウンさせた相手の召喚獣の方に飛んで来た。

 

「……今だあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」

「……追い打ち」

 

 最早戦意を喪失して手を取り合いながら怯えてしまっている相手二人の召喚獣。

 それでもなお追撃を掛けるべく挟み撃ちにして一方的に召喚獣にリンチをさせる明久とパンドラ。

 

『あまり望ましい光景ではありませんね』

『教育者としては何かしらの逆転劇によって明久・パンドラペアにはぜひとも負けてもらいたいと……

 別の試合場ではもっと酷いチームがいるようですね……』

 

 ”チンピラと素行不良少女がか弱い女子二人を一方的に痛めつけている”光景はたまたま見ていた人間全員の反感を買ってしまう。

 ……が、もっと酷いチームがいると速報が入って来たようで、そのもう一方の試合場の観客席では怒号が飛び交い、禍々しい殺気が飛んでいる。

 

「あ!」

「……あれ?」

 

 元の威力が低いとはいえ、何十回も攻撃を重ねられてすでにボロボロな召喚獣にいつの間にかとどめを刺してしまっていた明久とパンドラ……

 

「うう、悔しい……」

「あんな二人に負けるだなんて……」

 

 本気で泣きながら退場してしまった相手ペア。

 さすがに可哀想になって来てしまう。

 

「……勝者”吉井・パンドラ”ペア」

「「信じられない! やり直しなさいよ!!!」」

「「くたばりなさい! 薄汚い卑怯者!!」」

 

 周りから罵詈雑言の限りを尽くした暴言が飛び交う。

 その勢いは先程隣の試合場から飛んで来た怒号と何ら遜色がない程に強烈な物で、パンドラは無表情を貫いているが、明久は申し訳なさそうな顔をしながら退場していった……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よう、お前らの所もすごかったじゃねえか……」

「雄二も浮かない顔しているけど、もしかしてさっき隣の試合場から聞こえた怒号って……」

「ああ、オレらの仕業だぜ? 全く、甘っちょろい事ばかり吐くガキどもだったぜ」

 

 何の悪びれも無くプロメテが答える。

 彼曰く、こんな展開になっていたそうである。

 

 

 

 

 another story 坂本・プロメテside

 

 

 

「ここまで来たら小細工は無用! 正面から真っ向勝負だ!」

「ああそうかよ! さっきから坂本! お前だけが楽しようとする策ばっか弄しようとしやがって!」

 

 どうやら、途中までは明久・パンドラペアと同じような話をしていた様で、プロメテは勝手に捨て駒にされて激怒している。

 因みに、プロメテの召喚獣は黒一色で固められたスーツ、片目には九つの頭を持つ龍の眼帯を着用し、両手には短剣を装備している。

 その風貌は完全にヤクザ同然のものだ……

 

 

 

 Fクラス 坂本雄二 vs Eクラス 野々村啓太

 

 教科 数学

 

 点数 179点 vs 82点

 

「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラァ!!」

「ちっ! Fクラスのくせになんでそんな点数なんだよ! あまりにも点数が違いすぎる!!」

「点数に頼り過ぎなんだよ、このザコが!!」

 

 ”次こそはAクラスに勝つ”…… そんな思いで勉強を再開した彼はFクラスの人間とは思えない点数を持って、一方的に相手の召喚獣を殴り倒している。

 その内相手の召喚獣が倒れ、なかなか立ち上がれなさそうにしている時だった……

 

「よっしゃぁ、今がチャンス!!」

「くっ、急いで体制を……」

「ふはははは、無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァァ!!

WRYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYッ!!

無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァァァァ!!!」

 

 必死になって脱出を試みている敵の召喚獣を相手に一方的に殴り続けていた。

 あまりにも殴り過ぎた為か、殴られていた召喚獣が殴られた衝撃で浮き上がってしまう。

 だが、そんな中さらに雄二の召喚獣は敵にボディーブローを叩き込み、全身を余すところなく怒涛のラッシュを叩き込み続け、最後の一撃で敵の召喚獣をフィールドの外まで殴り飛ばしてしまう……

 その時間は約”27秒”、その間に叩き込んだ拳の計数は雄二曰く”たったの”421発程度らしかった……

 

 

 

 その一方でプロメテの方も……

 

 Fクラス プロメテ vs Eクラス 飯野涼

 

 点数 114点 vs 76点

 

 

「くそっ! なんで、Fクラスの奴がこんな点数を持ってんだよ!?」

「おいおい、拍子抜けだな。 後始末はどうするか……」

 

 どう相手を壊すかだけを考えながら、適当に相手の召喚獣の腕を折ったり、捻じ曲げたりしている。 何で召喚獣の点数がゼロにならないのかが不思議な程である……

 あまりの容赦のなさに、流石に相手の方も泣きそうになっており、たまたま見ていた観客も『この外道』『社会のクズ』『やり過ぎだ!!』とプロメテを相手に怒声を浴びせ続けている。

 最終的にはあまりにも変形しすぎた相手の召喚獣にモザイクの規制がかかってしまい、強制的に0点扱いにされて召喚獣だった何かが消滅していった……

 

 

「し……勝者、”坂本・プロメテ”ペア!!」

 

 

「ふざけんな! やり過ぎだろ!」

「そうよそうよ!!」

「プロメテ、くたばれ!!」

 

 周りの客席から大ブーイングが飛び交う……

 中にはパイプ椅子を持って襲い掛かろうとしている人物もいるほどだ……

 そんな中、周りのブーイングを無視するように笑顔で手を振りながら悠々と歩いて退場していくプロメテ。

 その態度はまさしく調子に乗っている外道のそれだった……

 

 

 

 

 another story 坂本・プロメテside end……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「二人ともやり過ぎだよ……」

 

 あまりの容赦のなさに明久も苦笑いしか出来ずにいた……

 

「ま、お互い第一回戦は勝ったんだ。 さっさと中華喫茶の方を手伝って来ようぜ」

「それもそうだね。 美波の方も忙しくしているだろうし(主に暴走気味の美春さんの事で……)」

 

 

 Fクラスの様子が心配になって来た明久と雄二は、その場を後にして教室に戻る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ただいー…… 『いい加減にしなさい! この豚ども!!』まああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああぁ!?」

 

 教室近くに付いた明久がドアを開けようとした瞬間だった。

 教室内では大変な騒ぎになっていた。

 

「お帰りじゃ明久。雄二。 ちょうど良かったのじゃ。 ちと厄介な客が来ておってのう。まあ、見事に暴れだしおって……」

「営業妨害か?」

「そんな所じゃ……」

 

 その言葉に4人が教室を除き込んでみると、

 

「”まだお冷持ってきてくれねぇの?”っつー話なんですけど?」

「って言うかさ、なんなのこの女? こんなうるせぇ客放置してるとかあり得ねぇんすけど?」

「「しかも、美味いマズい以前に注文すら取りに来ないお店ってどうよ? 客の事舐めてんの?」」

 

 そこには、坊主頭でガラの悪い服を着ている男とソフトモヒカンで無駄に露出の多い(よく学園に入ってこれたと思う程に凄い)男が教室のウェイトレスである瑞希・美波に絡んでいる。

 しかもそこに彼らの行動に我慢できない客として美春が間に割って入ってきていることで、教室の中は完全にパニック状態になっているのである。

 

「けっ、あんなクズになに手間取ってんだあのデブとガリ」

「プロメテ、その言葉は僕に対して喧嘩売ってるの?」

『明久、取り敢えず落ち着け』

 

 プロメテの言葉に怒り心頭の明久はロックマンに変身しようとしているが、どうにかモデルZに宥められて大事にはならずにすんだ。

 

「プロメテは基本的に異性に興味は無い……」

「パンドラ!! オレをホモみたいに言うんじゃねぇェェェェ!!」

 

 プロメテの大声でのツッコミが中の不良に聞かれていないか心配になった明久だが、どうやら聞こえていないらしく、不良二人は女子3人に絡み続けている……

 因みにプロメテは多少は異性と言う存在についての配慮くらいはしています。

 

「ねぇ秀吉、確かシャルナクとアトラスがバウンサー(用心棒)代わりに教室に残っていたはずじゃあ……」

「すまぬ、シャルナクとアトラスは島田妹とエール・グレイが学園に来ているという事で彼女らを迎えに行って出て行ったのじゃ。 後、テティスは少々用を足しに行くと言って出て行ってしまったきり帰ってこないぞい……」

 

 明らかにFクラス最強のバウンサーの不在を狙ってのクレームである。

 いや、店としては直接的な関係の無い客まで巻き込んでいる地点でクレーマーのそれを遥かに超えた悪質な嫌がらせ行為だ。

 

「おい、さっきからいい加減にしろよこのアマ!!」

 

 間に入っている美春を相手にとうとうキレた不良二人。

 相手が女である事もお構いなしに顔面を狙って殴りかかる!

 

「おいおい、ああいう場合は相手を殺してもいいんだっけか?」

「……後始末はまかせて」

「清水殿が殴られそうな中何を言っておるのじゃ!?」

 

 そんな中でも平常運転のプロメテとパンドラ。

 いきなりの事に動けずにいた秀吉がプロメテとパンドラの二人へ怒りをぶつける。

 

「あ? なに言ってんだこのアマ?」

「ワシは男……ってそんなことは後ででいいのじゃ! おぬしらなぜそんなに落ち着いていられるのだ!!」

「……よく見てみる」

 

 いきなりパンドラが教室の中を指し出す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「美春さん、大丈夫?」

 

 自身の体を盾にして美春を庇う明久の姿だった。

 美春は何が起こったのかが分かっていないようで、明久の顔をポカンとしたまま見ているだけでなにも答える事ができずにいた。

 

「ボクぅ~? いきなり乱入してきてナイト様気取りですかぁ~?」

「だったら憂さ晴らしにてめぇからぶっ殺し…… って、ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」「遅れてしまって大変申し訳ありませんでした。 私が代表の坂本雄二と申します。 なにか不満な点でもございましたか?」

「不満も何もツレが思いっきり殴り飛ばされてるんだが……」

 

 ホテルのウェイターの様に恭しく頭を下げる雄二。 だが、その言葉の前に相手を殴り飛ばしている所を見ていると模範的な責任者には全く見えない。

 

「それは私の”拳から始まる交渉術”に対しての不満という事でよろしいでしょうか?」

 

 『平和ボケした国の学校でまさかこんな凄い交渉術を使う奴がいるとはなぁ』と言いながら笑い転げているプロメテ。

 

「な、何が拳から始まる交渉術、ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」

「そして次に”元軍人の蹴りでつなげる交渉術”です。 そして最後に”元天才暗殺者のトドメで締める交渉術”がまっていますので……」

 

 いつの間にかエールとグレイ、島田葉月(エールによって耳栓・目隠しをされている)を連れて戻ってきていたアトラスとシャルナクの二人が攻撃を開始する。

 

 シャルナクに至っては本気で殺しにかかっており、倒れている彼らの首元にはシャルナクお手製の苦無が見事に刺さっており、後一センチで喉を捌いて見せただろう……

 流石にマズイと思った秀吉によって裏の厨房に大人しく連行されてしまった。

 恐らく正座させられたまま秀吉からの説教を食らってしまっているのだろう……

 

「わ、分かった。 こっちからはこいつを交渉にやるよ。 俺はもう何もしないから交渉は不要だぞ!」

「おい、ふざけるな。 オレを売って自分だけ助かろうってのか!?」

 

 完全に仲間割れである。 所詮なれ合いでの繋がりなど簡単に切れるといういい証明である。

 

「それで? まだこちらからの交渉術は必要か?」

 

 長々と居続ける不良二人への苛立ちでついに雄二の仮面が剥がれてしまった。 彼の勤勉な態度はあまり持続しないのである。

 

「いや、もう十分だ。 大急ぎで退散させてもらうよ……」

 

 モヒカン頭で無駄に露出の多い不良が坊主頭の不良を置いてそのまま逃げて行ってしまった。

 外からは女子達の悲鳴が木霊している。 このままいけば逃げ出した不良は鉄人によって捕まり、そのまま警察に捕まってくれるだろう……

 

「お、おい! オレはもう何もしてないよな!? 一体その苦無2本を拾って何を…… うわああああああああああああああああああああああああああああ!!」

 

 取り残された不良は、アトラスと雄二によってそのまま壁に括り付けられてしまい、そのまま眼前に目掛けて苦無を投げ飛ばされた。

 本気で殺されるかもしれない恐怖に耐えきれなかった坊主頭の不良は泡を吹いて気絶。

 アトラスによって学園のプールにそのまま投げ飛ばされてしまった……

 

「元天才暗殺者のトドメで終わらせる交渉術の代わりに”元軍事教導官の遠投による交渉術”にて交渉は終了しました」

 

 とんでもない交渉術である。

 プロメテは爆笑しながら雄二のこの行いを称賛していたが、はっきり言ってこの交渉術は門外不出であってほしいものだ……

 

「失礼いたしました。 こちらでの対応が遅れてしまったせいで不愉快にさせてしまった事を深くお詫び申し上げます」

「ま、まあ…… あんな変態がいる席に関わり合いにはなりたくないしな……」

「見ていて不愉快だったし」

「むしろブッ飛ばしてくれてスカッとしたわよ!!」

 

 どうやらあの二人は他のお客様にも悪影響を与えていた様で、中には感謝すらしている人物もいる。

 とは言っても、Fクラスの対応が遅れた事が原因で周りの気分を害していた側面があるのも事実なので……

 

「お詫びと言っては何ですが、今いるお客様皆さんの代金を2割引きにさせていただきます」

「あ、後もしよろしければおすすめのゴマ団子もどうぞ! 表面はカリカリ、中はモチモチで最高の食感となっておりますよ」

 

 頭を下げて、改めて謝罪する雄二。

 美波が持って来たゴマ団子の事もあり、機嫌を良くしたお客様も皆満足して出て行った。

 

 

 

 

 

 こうして謎の営業妨害は事なきを得た。

 

 

 

   

 

 

 

 

 

 

 

 




この辺りで明久×美春のストーリーも進めたいと思います。
営業妨害をした人間に関してはどんな人物なのかは想像に任せますwww


しかし、最近オープンした大型ショッピングモールを見回って楽しんでいました。
ああいう人が集まっている所を見ているとゾンビゲーの『デッドライジング』をイメージしてしまいます。
せっかくなら純粋に楽しみたかったですが、夜勤明けで途中で眠くなってしまうんですよね……

因みに12.5巻はそのオープンしたショッピングモールの本屋で見つけて購入しました。 今、購読中ですwww


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