今回、どちらが悪役なのかが分からなくなる描写が加速気味ですのでご注意下さい。
バカテスト!
第15問
「少年探偵団」や「怪人二十面相」を世に送り出した日本の小説家の名前を答えなさい。
姫路瑞希の解答
「江戸川乱歩」
教師のコメント
「正解です。さすがですね、姫路さん。 江戸川乱歩は大正から昭和にかけて活躍した推理小説を得意とした小説家で、アメリカの文豪”エドガー・アラン・ボー”の名にちなんだペンネームです。 日本推理作家協会初代理事長としても有名です」
シャルナクの解答
「江戸川乱歩」
教師のコメント
「貴方の名前を見ただけで×を付けようとした先生を許して下さい」
吉井明久・テティスの解答
「犯人はこの中にいる!」
教師のコメント
「先生ではありません」
プロメテの解答
「それはオレだ!」
教師のコメント
「なにをしたのかはしりませんが、もし大きな事件を起こしてしまったのなら一度警察へと足を向けて素直に自首をすると良いですよ?」
「お茶をお持ちしました……」
ムッツリーニが中に入って行く。 どうにかうまい事制服を手にしたみたいだけど……
「あーっ、もう! このロールチビ、さっきからいい加減にしろ!?」
なっ、一体何が起こったんだ!
「(明久、オレだ)」
「ムッツリーニ!!」
「(早く来た方がいい、清水が何度も"反撃"する為に暴れ出して……相手も我慢が限界を超えて清水が突き飛ばされた。 このままだと本当に大変な事になる)」
ムッツリーニからの進言には申し訳ないけど、既に突入の準備は完了しているんだよね。
美春さんの男嫌いは筋金入りだしね…… 前にナンパ野郎が美春さんに声をかけた時に20秒で地面とナンパ野郎の血の区別が付かなくなるような惨劇が其処では繰り広げられていたからね……
だから既にロックマンに変身してはいるし、セイバーまで振ったら流石に誘拐犯と美春さんの命の保証は出来ないからさっきの不良が持っていた木刀を拾っておいたし。
「『ちょっと失礼しまーす!』」
「「ぶべらっ!!」」
取り敢えず、扉に飛び蹴りをして突入! この時飛んでいった扉に挟まれた二人が圧殺させられたみたい。(死んでないよね?)
「おいてめぇ! 一体何者だ!?」
「敵に決まっているだろうが…ってええ!?」
ちょっ! なんで拳銃なんて持ってるの!? 今の僕には全然効かないけど、僕以外の人間に撃ったら流石に危ないって!!
「危ない!」
とにかく、ここは一人殴り飛ばしておこう。 さっき盗聴した時には2・3人ぐらいだと思っていたけど、何があったのか意外と人がいるな……
「ムッツリーニ! 葉月ちゃんと美春さんを連れて部屋から出て!」
さっき壊した扉を盾に一度、三人を匿っておこう。
さっきの銃器の弾が防げたらいいんだけど……
「くそっ、こいつまさか、ウチのボスと同じ……」
ボス? どういう事だ?
それに僕がこいつらのボスと同じって一体・・・?
「おい、誰か一人ここを出てボスを呼んで来い! 他はこいつを囲って一斉射撃で仕留めるぞ!!」
「「応っ!」」
行かせるか! ココはまず逃げようとするやつを……
「撃てぇぇぇー!」
しまった! 僕が動くよりもこいつらの一斉射撃の方が速い!!
って、痛い! イタイイタイイタイ!! ロックマンに変身しても痛い物は痛いんだから!
RPGっぽく言うなら何千ポイントあるHPの内の数ポイントだけが削れた程度だけど、ダメージを負う事には変わらないんだからね!!
……こうなったら!!
「……流石にウチのボスとは違うよな? あんな規格外がポンポンと出て来るなんてあるはずねぇもんな?」
「そうっすよ…… ビビり過ぎですって……」
「だけど、念には念を入れて置け。 更に追撃を畳みかけて確実にヤれ。 それぐらいやっておかねえと安心できねぇ」
「「押忍っ!」」
「全員装填は終わった…… あ、あれ?って、プギャ!!」
ふーっ…… 死んだふりも楽じゃないよ……
ま、そのおかげで油断してくれたから助かったけど。
油断していた所を全員、木刀が折れるまで滅多切りにしておいたからもう当分立てないだろうね。
「キミ達は一体何やっているんですか……」
あれ? なんか、こいつらとは違う感じの奴が来たけど…… もしかしてこいつらが言ってた”ボス”がこの男なのか?
へぇ…… なんか意外と優男な感じだね。 何気取っているのか、紫っぽい変な色のスーツなんて来ているし。
凄く長い金髪とかも特徴的だけど、殺気とかも隠しているのか雰囲気もなんだか戦いに特化した人間には見えないや……
どっちかって言ったらインテリ系の印象が強いかも?
「ふふふっ…… なるほど、貴方が”あの男”が言っていた僕のライバル足り得る存在と言う訳ですね」
「ライバル?」
「分かりませんか? つまりこう言う事なんですよ……」
男が手品の様に取り出したのは今まで見た事の無いデザインとカラーリングのライブメタル。
男は微笑し、そっと前にライブメタルを掲げながら優しい声音で口を開いた……
”ロックオン”……と
ロックマンに変身したその姿は中世の騎士を彷彿させる姿であった。
メタリックカラーの鎧に赤紫色の帽子、その帽子と同じ色の禍々しいエネルギーを放つレイピア。
そのエネルギーから感じる力はまさしく、ロックマンのそれと全く同じ物であった。
「なっ!アトラス達から聞いていた話と全然違うぞ!? もうライブメタルに空きは無かったはずじゃないのか!?」
「あの男は新しく作った物だとおっしゃっていましたね。 この力を使いこなせばもうつらい思いなんてしなくてもいい。 王となり、誰かに虐げられる事無く幸せに暮らす事が出来ると!!」
あの男? この男は一体誰の事を言っているんだ?
なるほど、だけどこれなら納得できるよ。 ただ不良なんかじゃ絶対に手に入れられないような拳銃を大量に持っているのも、”烏合の衆”…って言っていたっけ? 何十人もの不良が集まっているのも、この誘拐犯共に皆が誘拐されたのも、主にコイツのせいだ!!
「なるほど、結局はアンタをぶちのめせばこの事件も終わるって事なんだよね?」
「さあ? それはどうでしょう?」
なっ、こいつ僕の事をバカにして……『がんばれ! バカなお兄ちゃーん!!』はい、実際にバカだったね……
「ふふっ、とても微笑ましい声援ですね?」
「それはどうも!! コンチクショウ!!」
ああもうっ! さっきからこいつ僕の事をバカにして……
いや、実際バカなんだけどさぁ…… それでもな~んか釈然としないんだよ!?
「ああ、それと……」
「何?」
「こちら側のロックマンは私だけではありませんよ?」
え、もう一人いるの? みんなからの情報が全くアテに出来なくなって来たんだけど?
「そ、そんな…… そんな事って」
「どうやら流石に其方にとって厳しい展開の様ですね。 当然の結果でしょう…… 絶大な力を持ったロックマンがこちらには二人もいるのですから。 いくら貴方が私達と同格のロックマンであったとしてもこれは……」
確かに厳しいかもしれないね…… だって……
「ですから今回は大人しく諦めて貰いましょうか? 正直、あなたをこちら側に引き入れたい気持ちがあるのですが、今回の依頼の関係上それが出来ないのが残念で仕方が無いのです。 申し訳ありませんが無駄な抵抗はやめて大人しく横になりなさい。 せめてもの情けに一瞬であの世に送って差し上げましょ……」
いや、むしろ厳しいのは……
「……下らない」
「え?」
「僕のレベルがあんたと同程度だってのは否定しないけどさ、僕らの大将がロックマン一人で突入なんてさせると本気で思っているの?」
「……はったりですね。 他のロックマン達は独りよがりな理想を掲げ続けており、その結果全く利害が一致しておらず、協力的な関係になる事などありえないという情報もこちらでは掴んでいるのですよ?」
そう思うなら思い込んでいるといいさ……
多分そろそろ来るはずなんだけど?
「おい、いつまでかかっているんだ? さっさとケリを付けたらどうだ?」
「「……はい?」」
おっ、ちょうどアトラス達が来たね。
あそこの方が戦力が大きいから自然と速くなると思ったけど、まさかここまで一方的だとは思わなかったね……
あのロックマンどころか陰で隠れていた皆も唖然としているよ……
だって仕方がないよね。 アトラスが片手で引き摺っている男も完全にロックマンだし。
恐らくそれなりに良いマントだったんだろう…… 焼き焦げて完全にボロボロだし、それ以上に額に巻いてある鉢金のような巻物も粉砕されて額からは出血がひどいし、手足もへんな方向にひん曲がったままでピクリとも動かないし……
あそこまでやったならもう全身余さずにフルボッコだろうね……
「ふん、このバカは明久以上の妄言ばかりを吐いたからな。 徹底的に制裁を加えてやっただけさ」
そう言うアトラスの後ろには若干怯え気味の姫路さん達。
アトラス曰く、こんな事をやったらしい……
another story アトラスside
「シャルナク、一体どうした?」
明久よりも一足先に、アタシはシャルナクが入った部屋へと突入を掛けた……
だが、そこでは予想外な事態が起こっていた。
「ほう? なるほど、貴様らがあの男が言っていたロックマンと言う存在か?」
この男がロックマンと言う言葉を知っていたのに関しても予想外だったが、アタシが一番驚いたのはここからだ……
「悪いが、この変態はこっちで叩きのめしておいた。 流石に尻どころか股にまで手を掛けようとしていたからな…… そう言う手の撮影ではないから、指示に逆らう裏切り者として粛清した」
そう言った男が投げたのは先程まで秀吉に言い寄って嬲りたおしていた男である。
ふん、あらかた人質に対しての過剰な暴力及び凌辱を禁止していたのだろうが……
「と、いう訳だ。 オレを自由にしてくれないか?」
「「ハァ?」」
あの時はコイツの言っている事が分からなかったな。
なぜわざわざ目の前の敵を見逃さないといけないのか?と言う話だろ?
「この力をあの男から受け取っていろんなところを見て回ったが、そうしたら糞の様に扱われながらも真面目に働くという事が惨めったらしくなってきてな…… 人間社会から抜けようと思ったんだよ」
この言葉を聞いてアタシは、「ああ、こいつはただの社会の負け犬か……」と思ったね。
「この力を使えばまともに生きて行く事が出来ると知ったオレは、まず下らないプライドを押し付けるコイツの人格を封じたよ。 その後はいままでオレの心を壊そうとした下種共への復讐だ。 オレを奴隷扱いした下種共を叩きのめして病院送りにした」
「アタシからしてみればあんたの事情なんてどうでも良いね。 それと今回の誘拐とどう関係するんだ?」
「そして、今度は貧乏への復讐だよ。 あの下種共を束ねていた連中から俺が死ぬまで借りる程度のつもりで全てを持ちだして金に換えてやった。 そして、今回の”仕事”きちんとこなせば数百万もの金を貰えると約束してくれてな……」
コイツのあまりにも低俗な力の使い方にアタシはとことん失望したよ。
姫路と島田姉も最低だと罵っていたから余程ありえないことを言っているのは間違いないな。
「まともな人間として生きたいからと言って人間には過ぎた力を使っておきながら、求めたのは平素凡庸な幸せだけ? アタシからしてみればそこまで弱くて不幸で情けない人間は見た事がないね。 過去の人間と言うのはどうしてこうも回りくどい真似をするんだ?」
「俺は普通に生きたかっただけだ。 だが、他の連中はオレを嵌めて堕落させようとするクズだったのがそもそもの間違いだった。 それだけの事だ」
下らない言い訳と共に男が踵を返してどこかに行こうとしている。
ランチャーのような物を構えて壁に穴を開けようとしているようだが……
「オイ、何処へ行ク気ダ?」
よし、シャルナクがどうにか引き留めたぞ!
だが、本当にどういうつもりなんだ?
「もうオレは人間社会から離れて暮らす。 お前らみたいな奴らと戦ってせっかくの力を失うのはごめんだ」
「尻尾ヲ巻イテ逃ゲルノカ?」
「お前らの情報はある筋から仕入れている。 今のお前らなら無益な殺生はしないそうだな? 秀吉とやらもあの変態から解放された事で緊張が解けてしまって気を失っているだけだ。 オレは特に何もしてはいない」
ふん、誘拐の片棒を担いておきながら偉そうな事を。
結局の所こいつは自分の嫌な事からそのまま逃げる気だろ?
「オレは関係ない奴を傷付けるつもりは無い。 だから
もういい……大体言いたいことは分かったよ……
「メガトンナックル!」
「十字手裏剣!!」
ようするに、ロックマンとして選ばれておきながら戦いには一切参加せずに逃げ回る気だろ?
叩き潰す理由としては十分だ……
「なっ、オレの話を聞いていたのか!? むやみに争う気は無いって!?」
「ふん、お前のような弱者にこの力は過ぎた物だ。 このライブメタルはアタシらが没収するよ」
「残念ダッタナ。 俺達ハ無益ナ殺生ダッテスルゾ? 無論、正義ノ味方デモナイ」
さっきの不意打ちが効いたみたいだな。
もう立てずにいるとは予想通りの雑魚だったな。
「「敵ならば躊躇なく叩き潰す只の”
ここでさらにアタシはグランドブレイクの連撃を叩き込んでおく。
ロックマン相手ならこの程度は当然だろ?
「ば、バカな! そう言うお前らは普通にチームを組んでるじゃないか! それなのになぜ……」
「勉強不足ダッタナ。 ロックマン同士ノ戦イデハ、チカラヲ持ッタママ逃ゲ回ル事ガ一番ノ大罪ナンダヨ」
「当然だ。 一切戦わずに漁夫の利を下賤な策を取ろうなど認められるはずがないからな」
けっきょくこの男はアトラスのグランドブレイクの連撃で装備はボロボロ。 しかも全身大やけどのおまけ付き。
これだけの重症だとこいつがこれまでに奪い取った金を全て使いきっても完全には治しきれないだろう。
取り敢えずコイツのライブメタルは回収して、明久と合流する事にしよう……
another story アトラスside end
「と、いう訳だ」
「ありえません…… アナタ達、本当に同格のロックマンなんですか!?」
「それが残念、これが現実だ。 いい加減受け入れろ」
アトラスの気迫に押されてしまったボスと呼ばれた男は尻もちをついて転びながらも後ずさっていく。
なまじ半端に賢いが故にここ来てようやく気が付いたのだろう……
中途半端な力を手にしてしまった結果、逆に相手を怒らせて自分の死期を早めてしまったのだろうという事に………
「ま、ままま待ってください! 私達……いえ、私だけでも構いません! 彼らが誘拐した少女たちはこれ以上は傷付けずに即この場でお返しします! 慰謝料代わりに依頼主から受け取った前金が数十万程残っています! このライブメタルも合わせてこの場でお渡しします! ですから命だけはお助け下さい!!」
周りの不良連中からの怨嗟の暴言が飛び交うが、この男にとっては最早どうでも良かったのだろう。
このままでは3対1のリンチが確定してしまう今の彼にとって、大事なのは自分の命だけ…… そんな彼の哀願に対して口を開いたのはアトラスであった。
「お前、間違っているぞ?」
「え?」
「このロックマン同士の戦いにおいてライブメタルの適合者として選ばれた以上力を持ったまま逃げる事だけは許されない。 ただの誘拐事件でしかなかったらこれに殴り飛ばすのを追加する程度で許してやれたんだが……
この事情にロックマン同士の戦いの都合も巻き込んでしまったこの瞬間、お前は完全に決着を付けるまで…… つまり負けて消えるまで戦い続けないといけないんだよ」
アトラスの非情にもほどがある発言に完全に傍観者と化してしまっていた人質組も唖然としてしまっている。
男の方も一縷の望みを抱きながら明久に視線を送る。 明久の方も最終的に自分の決定を待っていると悟って少し考える。
「確か、こうだったよね? 『無駄なあがきをやめてそこで大人しく横になれ。 せめてもの情けに苦痛なくあの世に送ってやる』……だっけ?」
たどたどしく先程男が言い放った言葉を再確認する明久。
つまり何が言いたいかと言うと、この瞬間に誘拐犯達全員の完全制裁が決定された。
無駄な抵抗を続けた誘拐犯達を、二度と喋ったり歩いたり出来ない程度(ギリギリ息は出来ている)に叩きのめした明久達は大急ぎで彼らのライブメタルを回収した。
「よし、脱出するぞ! ここに居ても仕方が無い」
「明久君達、容赦なさすぎですよ!?」
アトラスの指示の元、大急ぎで部屋から出て行く皆。
姫路さんの言いたいことも分かるけど、このぐらいはやっておかないと、こういう輩は何をしでかすかが分からないんだ……
「こっち、行けそうですわ! はやく行きましょう!!」
美春さんが裏口のような道を見つけ、急いで出て行こうと先走ってしまった……
って、何先走ってるの!? 全く、シャルナク達も皆の事で大変そうにしているし僕がカバーに入っておかないといけないかな?
「お……俺のダチの仇イイイイイ!!」
「なっ!」
しまった! たまたま離れていた残党がいたのか!?
このままじゃ美春さんが危ない!!
「間に合ええええええええ!!」
今アトラス達は10メートル以上も離れている。 このままでは間に合わない。
誘拐犯の振るったバットが彼女の頭に向かっていく。
この中で最も速いシャルナクと土屋は清水を除く人質だった皆の介抱に回ってしまって動けない…………
「明久!(豚野郎!?)」
痛っ!! 背中にすっごい違和感が!? ロックオン(変身)を解いていたら骨折れてたかもしれないじゃないか!!
「邪魔すンじゃネェ!! 消エロォォォ!!」
誘拐犯の残党が今度は明久を狙って金属バットを再び振り下ろす。
本気で明久を消そうとする狂気によって完全に狂ってしまっている。
「「お前がな(オ前ガナ)!!」」
シャルナクが両足の腱を苦無で切り、体勢をくずした瞬間にアトラスが床に頭を叩き付けて連続で踏みつける。
シンプルだが、凶悪で見事な連携である。
「明久君!!」
「アキ!!」
「バカなお兄ちゃん!!」
事態に気が付いて部屋から出て来た3人が明久に詰め寄る。
「全く、ロックマンじゃなかったらアウトだったよ!?」
「「「そりゃあ、何十発も拳銃で撃たれたにも関わらずピンピンしている位だからね!!」」」
「取り敢えず、じゃれ合ってないでだれか手伝え。 正直アタシも姫路と島田姉を運ぶのでようやくなんだが……」
今、アトラスはロックマンとしての変身を解いてから、腰が抜けて動けなくなっている姫路と島田を運んでいる。
ロックマン・モデルFの装備では両手が完全に塞がってしまう為、人を守りながら移動するのは出来ないのだ。
「吉井明久、今回ばかりは礼を言わせてもらいますわ。 ”ありがとう……”」
嘘!! あの超男嫌いの美春さんが、寄りにもよって僕にお礼を言うなんて……
しかも顔を真っ赤にしながら!! これは明日、学校で大事件が起こるかもしれないぞ!?
「この豚野郎! 今失礼な事を考えていたでしょう!? お前は美春の家でバイトをしている、美春にとってはいわば”部下”でもあるんですの。 それを相手にあれだけの恩がありながらどうでも良いゴミの様に扱うなんて事をして、それがお母様にばれたらどんな目にあわされるか分かった物ではありませんもの……」
うん…… 美春さんのお母さんって本気で起こったらシャレにならないからね……
僕も詳しくは分からなかったけど、何日か前に美春さんが清水主任と口げんかをしている様な声が聞こえたと思ったら、「お母様! 美春になにをする気ですか!? お尻にお灸は色々とマズ……イヤアアアアア!!」……とか言ってたもんね。
あの時の美春さんの悲鳴は今でも思い出すだけでも……
「明久君! アトラスさんがさっきから”急げ”って怒っていますよ~?」
「ごめん姫路さん! 今行くから~!!」
取り敢えず、さっきからブツブツと何か呟いている美春さんの手を取って皆を追いかけよう。
これだけの騒ぎを起こしたんだから、もう警察が来てもおかしくない。
傍から見たらこっちが悪い様に見えるから、これ以上の面倒事には巻き込まれたくない。
早くここから大急ぎで逃げよう……
人質以外に善人らしい役回りの奴がいない……
悪のロックマンの根底にあるものは変わっていない的な感じで納めるつもりだったのに……
最近ヤンデレモノにハマっていたのですが、美春ちゃんの愛情をどういう風に書き上げてみようか少し迷っています。
依存型ヤンデレにしてみるか、常識系の普通のカップルにしてしまうか……