明久「もう正月なんてとっくにすぎてるんだけど?」
アトラス「いったい何をやっていた?」
職場の上司について労働局に相談するべく証拠を集めようとしていたり、ゲームをパソコンにつないでからプレイできるようになったからそれで大喜びしていたり、中古ゲームの特売でPS3が手に入って龍が如くシリーズをプレイしようとしていたり……
あと、東方の二次創作ゲームで「東方紅輝心」って言うゲームを快適にプレイできるように設定をいじるのに苦労していたりもしましたね……
雄二「おいコラ! 最初でさらっと流しやがったけど、結構メンドクサイことになってんじゃねぇか?」
実際に証拠になりそうなのをメモってるのがバレてるのか、しっぽを掴ませないようにしつつさらに脅迫してくるようになった……
気分を変えていきましょう! 遅くなってしまいましたが、番外編をお楽しみください!!
番外編:メリークリスマス!!
あれは…… クリスマス前日だった……
坂本Side
「おーい明久! 遊びに来たぞー…… って、うおっ!!」
今日はクリスマス。 明久のバカ面をからかってゲームで賭けでも吹っかけてから色々と巻き上げてやろうと思って遊びに行った時の事だった……
「あ、雄二。 メリークリスマス!!」
「”メリークリスマス!!”……じゃねぇよ! 何だよこのありさまは? 誰かに襲われたんか!? アトラスのやつが大暴れした後みたいになってんじゃねぇか!?」
一部の仕事をしている人間を除けば遊びほうけている日であるはずのクリスマスに、明久を含めた謎の居候が総出で散乱したガラスや家具類を動かしながら大掃除をしているところを見せられてそう思わない人間はいねぇだろう?
「愚かなる質問…… 明久から今日はクリスマスという未成年の私達にとっては喜ばしいイベントが数多く行われている日であるという話を聞いていないと思っているのか?」
「ヘリオスだったか? 頭巾とマスクを装備してはたきでほこりを落としながら言っても説得力がねぇよ」
ダメ人間を見下すような目で見るんじゃねぇよ! クリスマスに大慌てで大掃除しているお前らの方がダメ人間だろ!?
「私達にもそれなりの理由があってこんな大掃除を始めているんだ」
「どうせクリスマスパーティーをやろうと思っていたけど、できないくらいに汚れていたから仕方なく慌てて大掃除してるとか…… そうじゃなければパーティーで何やりたいかでもめて戦争レベルの喧嘩をやらかして部屋をまたぶっ壊したとか、そんな容易に想像が着く理由で掃除してんだろ?」
アトラスも言い訳してんじゃねぇよ。 お前らがいろいろと普通じゃねぇってのは今更なんだからそんなテンプレじみた理由で変な事をしていても気にする読者なんていな……
「このクリスマスってイベントが終わったら大晦日には年越しそばを食べてそのままお正月っていうイベントがあるんでしょ?」
「イベントとは違う気がするんだが…… まあ、クリスマスが過ぎればそうなるな……」
「ソノ間、学校ハ冬休ミニ入ッテ自由ニ遊ベルト聞ク」
「正確には宿題とかもあるから、それさえ終わらせれば自由ではあるが……」
なんでクリスマスの話からいきなり大晦日とか正月の話になってんだよ? 話を明後日の方向に持って行ってごまかそうってか?
「そう! そんな宿題とかただでさえ邪魔なものが多いのに、この大晦日にはどこもかしこも慌てて大掃除を始めるだなんて馬鹿らしい事をするなんてやってられないじゃないか!!」
「こう見えて私達は、年を越す前になって慌てふためいて大掃除と称したバカなことをやっていられるほど暇を持て余してなどいない……」
いや…… まあ、確かにヘリオスやテティスの言う通りで日本人は末期になってからようやく慌てふためいてから仕事をし始める”ラストスパート思考”の奴らが多いが……
「そこで明久が私達にこう言ったんだ……」
「「「せめて一週間前にはこんな大掃除を終わらせて余裕を持って年を越そうとするべきなんじゃないか? ……と」」」
「正真正銘のアホ軍団かお前らあああああああ!! 大晦日の一週間前って言ったら完全にクリスマスじゃねぇか!! せめて大晦日の三日前とかにしとけよ!!」
「愚かなる発言! その日までには文月学園から出てくる宿題を終わらせねばならんだろうが!! 安心して年を越すためにはその三日前までに宿題も大掃除も終わらせ、その後の時間はゆっくりとそばをすすったり、のんびりと本を読んだり、家計簿をまとめたりせねばならんのだぞ!!」
「誰が愚か者だ!! メリハリのつけ方を間違えてるお前らの方が一番の愚か者じゃねぇかあああああ!!」
「「「……?」」」
「”訳分かんねぇ事言ってんじゃねぇよ?”みたいな顔をしながら首を傾げてんじゃねぇぇ!! マジでぶっ殺すぞお前ら!?」
何だよ! 俺がおかしいのか? こいつら全員が異常者に見える俺の方がおかしいのか!?
墨汁とコーヒーを間違える俺のお袋でさえ、クリスマス用に親父と食べるための料理を作ろうとしてるってのに……(それでもお袋のレシピが滅茶苦茶だったからオーブンで焼きあがるだけでできるようにある程度の下準備はしてきたが……)
「せっかく来てくれて悪いけど、今日は一緒に遊べそうにはないからおとなしく帰ってもらって……」
「普通に友人が遊びに来たけど急用ができて遊べなくなった的な感覚で追い返そうとしてんじゃねぇよ明久!! ……ったく、どうせお前らだけだとまとまりが無くてまともに掃除も進めきれてねぇんだろ? せっかくだし、俺も手伝ってやるよ」
「なんだかんだでユウジも手伝ってくれるんだ。 ユウジのツンデレ~」
「それ以上言ったら本気でぶっ飛ばすぞ?」
「ごっめんなさぁ~い~」
本気で謝る気のないテティスの返事を軽く流してタンスなどの大きな家具をアトラスと運んでから拭き掃除を始めることにした……
それから30分後……
「明久よ。 遊びに来たぞ……い?」
「……明久。 ……ムッツリ商会のクリスマス限定作を持ってきた…… ……なにをやっている?」
後から来ると言っていた秀吉とムッツリーニが明久の部屋を見てあっけにとられている……
やっぱり明久達の言っていることの方がおかしいよなぁ……?
普通クリスマスって言ったら思いっきり遊んで楽しむ日だって言うのが普通だよなぁ……
「あ、秀吉にムッツリーニ。 見ての通り大掃除だよ?」
「いやいやいや! ワシらが言いたいのはそういうことではなく……」
「……なぜ今になって大掃除?」
やっぱり当然の疑問だよなぁ……
しかもこいつら放って置いたらまた愚者呼ばわりして今度こそ大喧嘩になりそうだしなぁ……
「この家の連中曰く”年末になって慌てるようなバカな真似はしたくないから”って理由で一週間前終わらせて気持ちよく年を越したいんだそうだ」
「雄二まで何をやっておるのじゃ……」
「……理解不能」
仕方ねぇだろ…… こいつらの事だから、放置していたら絶対にクリスマス中ずっと掃除ばっかで終わらせるに決まってるし……
「アキ! メリークリスマ……ス?」
こいつは確か……? 明久とテティスの二人がいろいろと面倒?を見てた島田だったか?
「アキ……テティス? ナニヤッテルノ?」
「「大掃除!」」
「……エ?」
島田の奴も斜め上の回答にポカンと口を開ける事しか出来てないな……
しかもその手にある手紙付きの袋…… たぶん感謝のプレゼントとして今日の為に用意したんだろうが…… まさかイベントを楽しむでもなく、イベントを開く側でもなくただ年末に備えての大掃除だなんて思ってもいなかったんだろう……
「ニホンジン、トテモキンベンネ! アキトテティス、キホンテキニアホダトオモッテイマシタ! ヨカッタラ、ワタシモテツダウ! イマハドコヲハジメテルノ?」
待てええええええい!! 今の光景をみていったいどうやったらそんな解釈になるんだよ!? ドイツじゃクリスマスの日には掃除をするのが当たり前なのか!?
プレゼントらしき袋を置いてエプロンとか装備してんじゃねぇ!! まともな女子である島田までそんなことを言い出したら……
「のう、ムッツリーニよ…… ワシら、何かおかしなことを言ったかのう?」
「……妹と兄貴達に確認。 ……なにもおかしなことは言ってない」
やっぱりな…… 秀吉とムッツリーニまで自分の正気を疑い始めたじゃねぇか!?
島田からしてみれば明久とテティスへの感謝のつもりだろうから余計に文句も言えねぇし……
つーかこの状況で何かと突っ込んだら俺と秀吉とムッツリーニが変人扱いされるにきまってるし……
「ワシもクリスマスだからと言って浮かれておったのかもしれぬ…… 今日ばかりは明久達を見習って部屋の掃除くらいはきちんとせねば……」
「? 秀吉、お前も結構部屋とか汚している方なのか?」
「多少は自分で掃除もしてはおるのだが…… 時々演劇用で使っているメイク道具がなくなっておることがあるから、もしかしたらきちんと整頓できてはおらんのではないかと思って……」
「……お前、確か双子の姉貴がいるって言ってなかったか?」
「確かに容姿だけならワシと瓜二つ姉がおるが…… もしや姉上ええええええ!!!」
うおっ! 秀吉が血相を変えて走っていきやがった……
あいつのポーカーフェイスがあそこまで崩れるってどんだけ思い入れのある道具を盗られてんだよ?
「……明久。 ……ムッツリ商会、クリスマス限定版写真集があるんだが?」
「一冊だけもらおう!!」
「……毎度あり」
「それでも買うんかああああああああ!! ……っと、ムッツリーニ、俺も一冊」
「……毎度あり」
あ、ヘリオスとアトラスが頭を抱えてやがる……
「一応、小遣いの範囲内でやっているようだが……」とか「あのようなものにうつつを抜かせるほど強くはなっていない分際で」とか…… いや、まあしょうがねぇだろ? 俺らみたいな思春期の男にとってはああいうのは結構希少なんだからよ……
「とにかく、さっさとこんなくだらない掃除なんて終わらせるぞ! クリスマスの本当の楽しみ方ってやつも教えてやらないといけねえしな!!」
「フフッ、ホントウニサカモトハツンデレ」
「おい、島田…… 一応聞いておくが、誰がそんなことを言っていた?」
「テティス」
「テティスてめぇ! どんだけ俺の風評被害を広げてやがんだこの野郎!!」
結局小さい体を生かしてあちこちへと逃げ回るテティスを捕まえきれずに島田から”照れ隠しの為だけに掃除中に勝手に暴れまわる変人”と覚えられそうになりながらも夕方になる前には掃除を終わらせた。
一応、手伝ってくれたお礼と言う事で”純和風のクリスマス”とかほざいた明久がサンタの顔が書かれた巻き寿司やトナカイ風になっているチキンの照り焼き、抹茶味のクリスマスツリー型パンケーキなんてものを持たせてくれた。
……明久の料理の腕が凄いって事はわかってはいたが、このケーキはいったいどうやって作ったんだ?
坂本side end
番外編その2:お年玉とは?
「「「happy new Ear!!」」」
大晦日の夜。 僕らは文月で一番有名な神社でお参りをするために行列の中を……
「よし! 1番手から5番手までの独占成功!!」
「「「イエーイ!!」」」
……ヘリオスのアイデアのおかげもあって並ぶこと事もなく真っ先にお参りをすることができている。
因みにそのために僕らは前日に野宿をしようとしていたが、神社の神主さんに一度追い出されたのは秘密である……
「そういえば、日本のお正月には”お年玉”って言うのがもらえるんだったよね?」
「テティス…… なんでそんな事を知ってるの?」
「雪乃ちゃんから聞いた」
「その雪乃ちゃんって人が誰なのかは分からないけど、実はウチでお年玉って言うのはもらうものじゃ……」
「さすがにそれはわかるけどさ……」
「愚かなる問い…… 明久の親は異国の地にいるのだろう? ならばあまり期待しない方が……」
ヘリオス…… まだ言ってなかったんだけど実は……
「む? 明久、おまえ…… まだ言ってなかったのか?」
「へ?」
え? アトラスにもまだ言ってなかったはずなのに…… なんでそんな知ったような口ぶりを……?
「ドウイウコトダ?」
「お前の母親から大晦日の日に電話があったんだが……」
え? 電話? そんな話聞いてないんだけど?
「なぜかお年玉として日本に送付しようとしたら、運送の会社からストップがかけられてしまったから口座に直接振り込むって言っていたぞ?」
「へ?」
どゆこと? 僕が聞かされていた話と全然違うんだけど……
「ナゼ明久ハ、訳ガワカラナイミタイナ顏ヲシテイルンダ?」
「いや…… おかしいんだけど……? 昔、母さんから聞かされていた話とは全然違うから……」
「大いなる矛盾…… お年玉についてお前はなんと聞かされていた?」
「いや…… 母さんからは、『お年玉と言うのは新年の無病息災を祈るために”歳神様(としがみさま)”へのお供えとしてお餅を用意してからみんなで分け合ってから食べるものなのよ?』って聞かされて……」
「「『それ、絶対にお母さんに騙されてるって!?』」」
そ、そんな! な、なぜ母さんは僕にそんなウソをついたというんだ……
another story 吉井玲 Side
「これでよし、あの子がヘリオス君達の為にきちんと使ってくれるといいんだけど……」
私としては正直に言うと不安なのよねぇ…… あの子は本当にバカだけどお父さんに似て実直で行動的で困っている人を助けてあげられるいい子に育ってくれたけれど、それでも金銭面と勉学に関してだけは全くと言っていいほど期待できない子になってしまったから心配だわ……
「あら、お母さん。 いったいどうしたのですか?」
そういえば、玲にはこっそりと普通のお年玉をあげていたわね。
明久がせめてもう少しまともにお金を使ってくれる子だったら普通にお年玉をあげていたというのに……
「いやねぇ…… 日本はもう新年でしょう? 今年に限っては”あの子が助けた人達の援助のために”って事でアトラスさんへの伝言の電話と一緒に20と数万程あの子の口座に送っておいたんだけど……」
「そういえば、アキ君が小学校の高学年になってからお年玉をあげなくなってましたね…… まあ、事情が事情だから仕方が無いですけど……」
玲も覚えてくれていたのね…… あの子、いくら困っている子がいるからと言ってせっかく”明久の為に”あげたお年玉を他所の子相手にいろいろと奢る為に使ってしまって……
あんな幼い内から施しなんて覚えさせるべきではない…… だからと言って、人の言う事を善悪に関係なく素直に信じてしまうあの子に非情な事を突きつけさせるような全く真逆の事を教えてしまったらどうなるかが分からなかった……
そのために方便で教えたのが、今や完全に廃れた風習の…… 中世の頃に無病息災を祈る為の神様への供物としてお餅を用意する方を徹底して教え込んだ。 その過程で半ば洗脳に近い方法をとってしまったし、それがばれたときに最低な行いとしてとがめられる覚悟はできているけれど、私はそれが一番の方法だと信じている。
一応、その日に限ってあの子が望むものは何でも買ってあげたけど…… ほとんどが遊び道具だったけど……
「でも、今回の件でさすがにばれそうね……」
「アキ君も流石に怒りそうですね」
「母親として覚悟はしているわ。 今日はもう仕事を休んでいつでも電話に出られるようにしてるわ。 玲も覚悟は決めておきなさい」
another story 吉井玲Side end
アトラスの話を聞いてから僕らはすぐに営業中のATMへと向かう。
そして口座を確認すると、そこには通常の仕送り金とは別の20万以上の大金が記載されていた……
「どういう事なんだ? ……あ、そうか!!」
「何かわかったのアキヒサ?」
そうだよね! いくらなんでも僕が金銭面で間違った使い方をしていない以上(ヘリオス達が来てからの話であって、その前は食費をゼロにしてまでゲームを買い込んでました)こういう事なら納得がいく!!
と、言うよりこれ以外にはありえない!!
「きっと、これまでの節約が認められたから『正月くらいはみんなで贅沢してもいいよ』って言う母さんからの配慮なんだよきっと!!」
「なるほど! さすがはアキヒサ!!」
「愚かなる解答!? これまでの節約は私の努力であって、明久はむしろ家計を圧迫しそうになった方……」
「それ以前にそれだけで20万以上も入れるか? いくら学生5人分とはいっても、さすがに多すぎやしないか?」
ヘリオスとアトラスが何か言っているけど、この際はどうでもいい!!
これだけの大金。 これだけの大金を母さんがくれた以上、このお金の使い道と言えば……
「今日の午後でみんなが学校に通うために必要な制服とか鞄とかを買いに行くよ! あ、でもお金足りるかなぁ……」
「些細なる問題…… 幸か不幸か、明久と私、そしてシャルナクの服のサイズに対して違いは無い。 制服に関して買うとしたら、せいぜいテティスとアトラスの分だろう……」
あ、確かに制服に関しては何着も父さんが買い込んでくれていたけど…… 5着は流石に要らないって……
結局、送られてきた大金はヘリオス達の為に使われていた。
吉井母の心配は無用だったと言う事になる……
another story 吉井母Side
「あの子、結局怒ってないのかしら?」
「都合よく解釈して全く気が付いていない可能性もありますよ?」
「さすがにないと思うけど……?」
吉井母Side end
番外編お楽しみいただけたでしょうか?
お年玉云々に関してはネットで調べた知識ですので、もしかしたら語弊などがあるかもしれませんが、そう言った情報もお教えしてくださったらありがたいです!
感想お待ちしております!!