元トリコ世界の料理人、遠月学園の教師になる(強制)   作:揚げ物・鉄火

2 / 3
なんか書けちゃいました。
一つだけ忠告しておきます。
ある原作キャラがキャラ崩壊を起こしています。


二皿目

ブロロロロロロ…

 

「……」ムスッ!

「うっ…」

遠月学園に向かう車の中を途轍もなく気まずい空気が支配していた。

 

「龍華…そろそろ機嫌を直してくれないだろうか?」

「お断りします…」フンッ!

急に縄や鎖でぐるぐる巻きに拘束されて車に詰め込まれ遠月学園に連れて行かれてしまっているので龍華は機嫌を損ねていた。

 

ウィーン

「チョコでも食べるか?」

「…はい」

車に搭載されている冷蔵庫から極々普通の板チョコを取り出し龍華に食べさせる。

 

ポリポリポリポリ…

「美味いか?」

「美味しいです…はい」

「まさか『神の料理人』の異名を持つお主の大好物が100円程度で買える普通の板チョコだとはな…これを知った時は驚いたぞ」

「良いじゃないですか。チョコ美味しいし…」

「はぁ…」

龍華の言葉に仙左衛門は一つ溜め息を吐いてから言葉を続ける。

 

「お主が在学中に起こした数々の事件…今でも語り告がれてるぞ?」

「例えば?」

「入学二日目にして十傑第一席に食戟を挑み完膚無きなまでに叩き潰し、それから卒業までの三年間ずっと第一席を維持し続けた事…」

「相手が悪いんですよ…私の唯一の友だちをバカにしたんだから」

「第一席を維持し続けた理由は?」

「友達を守るためです…」

仙左衛門の言葉に龍華は拗ねた子供のように返した。

 

「それに審査員に料理を提供をした際、食事の前の挨拶を強要した事。応じようとしなかった審査員から料理を奪い審査員を殴り飛ばした事もあったな」

「食事の際、料理人と食材に感謝するのは当たり前の事です。それを断る奴に提供する料理なんてありません…あと、殴り飛ばしたのは一回だけです。あとの審査員は平手打ちだけで済ませました!」

「いや…そういう事じゃなくてだな」

的外れな答えを返した龍華に仙左衛門は少し戸惑った。

 

「あとは、連帯食戟で「その話はやめて下さい。あれは一時の気の迷いです」そうか…お主が在学中唯一全力を出した調理だったからな。その後の事は思い出したく無いのだな」

連帯食戟の話をしようとした仙左衛門の言葉を遮った。

 

 

「仙左衛門様。もう間もなく着きます。お話はその辺りに…」

「うむ、分かった」

運転手の言葉に返事をした仙左衛門は龍華の拘束を解き始める。

 

ジャラジャラ…

「チッ…次やったら二度と料理を提供しませんからね!」グッパグッパ

「分かっておる。今回の件は深く謝罪させて貰う…すまなかった」

両手を閉じたり開いたりしながら睨みつける龍華に対して仙左衛門は頭を深く下げた。

 

「良いですよもう…さっさと用事を済ませて下さい」

「そうだな。では、行こう」

歩き出した仙左衛門に付いていくように龍華も歩き出し会場に案内された。

 

 

会場に着いた龍華は会場をぐるっと見た。

 

「ここは…月天の間?昔とまったく変わっていませんね…げっ」

真昼間だというのに月天の間に案内されたことに龍華は少しだけ疑問を抱きながらも審査員席の方を見て顔を顰めた。

 

 

「お久し振りですね…龍華先輩」(cv.速水 奨)

「お久し振りです!神野先輩」(cv.子安 武人)

挨拶をしたのは、彼女が高等部に在籍していた頃の後輩二人。

 

「銀くん…薊くん…どうしてここにいるの?」

分かりきった事を聞いた龍華の顔は絶望の表情に満たされていた。

 

「僕は、お義父様に招待されたからさ」

「俺は、先輩が見つかったと聞いてすっ飛んで来ました」

二人とも惚れぼれするようないい笑顔を浮かべて返事した。

 

「おーまいがー…」

二人の返事を聞いた龍華は膝から崩れ落ちた。

 

 

そしてさらなる絶望が待ち受けていた。

「なにを座り込んでいるんですか?先輩」(cv.中村 悠一)

「『神の料理人』ともあろう者がそんな顔を浮かべちゃダメですよ?」(cv.能登 麻美子)

「四宮くん…日向子ちゃん」

「と言うわけで我々5人で審査させて貰う。頑張ってくれたまえ」

床に座り込んでいた彼女の肩を軽く叩いた仙左衛門の言葉にヤケクソ気味に注文を取り始めた。

「うおっしゃおらー!なんでも掛かって来いやー!!」

 

 

「ご注文はお決まりでしょうか!?」

「では、僕から注文させて貰うよ。僕は、魚料理が食べたいな。今まで味わった事のない魚料理を食べてみたい」

「はい、魚料理ですね」メモメモ

「次の方どうぞ」

薊の注文をメモしながら次の注文を取る。

 

「じゃあ俺は、肉料理が食いたい。がっつりでも、あっさりでも、どちらでも構いません。死ぬほど美味い肉料理を作って下さい」

「はいはい、お肉ね。次の方どうぞ!」

堂島の注文を取り次の注文も聞く。

 

「俺は、野菜料理を頼む。肉や魚なしの野菜オンリーだ」

「豆腐は、オーケー?」

「その程度なら大丈夫だ」

「はいはい、野菜料理ね。次の方どうぞ!」

何気に難しい四宮の注文をメモしながら次の注文を取る。

 

「じゃあ私は…あれ(・・)を下さい!」

「あ、あれ?」

「はい!昔、一度だけ先輩のお店でご馳走になって以来、忘れようにも忘れられない…あのスープ(・・・・・)がもう一度だけ飲みたいです!」

「あ、あれねー…分かりました。その代わり気をしっかり持ってね?」

「はい!」

「では、最後に総帥はどうされます?」

日向子の注文も取り終え最後に仙左衛門の方を向くと一瞬で答えが帰って来た。

 

「では儂にもあのスープ(・・・・・)を頼む!」

「あ、はい」

「じゃあ、失礼します!」

全員の注文を取り終えた龍華は、備え付けられた調理台…では無く授業で使う調理台が置いてある教室に向かった。

 

 

~2時間後~

 

 

ガラガラガラ…

「お持たせしました…って、うわぉ!」

調理を終えた龍華がカートを押しながら料理を持ってくると審査員の薊、堂島、日向子、仙左衛門がよだれを垂らし四宮は、よだれを必死で我慢していた。

 

「相変わらずすごく美味しそうな匂いですね…もうすでに少しはだけてしまいました」

薊は料理が運ばれてきた時の臭いだけで既に上着が脱げていた。

 

「料理を見る前の匂いだけで既に『途轍もなく美味い』と分かる…素晴らしい」

堂島は何故かよだれを垂らしながら淡く光っていた。

 

「クッ…」

(なんだこの音は!?)

四宮は野菜料理の皿から 聞こえてくる旨味の音に戸惑っていた。

 

「ああ、この香り…懐かしいです」

日向子は昔一度だけ食べたスープの味を思い出し頬を赤く染めていた。

 

「これがあのスープの香りか…真凪を一口で満足させたあの伝説のスープ!」

そして仙左衛門は自分の娘の事を思い出しながらよだれを拭う。

 

 

「え、えーと、お持たせしました。まずは、薊くんから」

「こ、これは…!」

薊の前に出した皿のクロッシュを持ち上げる。

「こちら…『フグ鯨、サンサングラミー、王陸鮫の刺身盛り合わせ』です」

「おお!!」

 

「次は、堂島くんの肉料理『宝石の肉(ジュエルミート)のハンバーグステーキ』です」

「こ、これは!?」

クロッシュを取った時の湯気とともに香ばしくも重い香りが漂った。

 

 

「じゃあ次は、四宮くんの注文通り大豆と野菜だけの料理『豆腐野菜ハンバーグ.オゾン草を添えて』です」

「なるほど…こう来たか」

クロッシュを持ち上げ出て来たメニューに四宮は僅かに感動を覚えた。

 

 

「では、最後に日向子ちゃんと総帥の料理ですね?」

「はい!」

「ああ」

二人の返事を聞いた龍華は二人の前に皿を置く。

 

「お待たせしました。こちら…」

龍華がクロッシュを持ち上げた瞬間、空中にオーロラが上がった。

「「おお!!」」

「「「なっ!?」」」

「センチュリースープになります!」

 

全員に料理を出し終え手を大きく広げ堂々と宣言する。

「先に挨拶をしてから召し上がり下さい!」

 

「そうだな。では…」

「「「「「いただきます!」」」」」

「どうぞ!」

全員が食事の前の挨拶をしたのを確認し食事の許可を出す。

 

 

パクッ!

「「「「「!!?」」」」」

パァーン!!

全員が一口目を食べた瞬間、着ていた服が一斉に破裂した。

 

 

「あ、あぁ…」

「う、美味い…」

「これが…」

「えへ、えへへへ…」

「ふへへへへ…」

味に感動し涙を流す者、語彙力を失う者、美味さのあまり放心してしまう者、そして幸せの絶頂に昇った者達など反応は様々だった。

 

 

~数分後~

 

 

「文句なしの合格だ!」

「うそ~ん…」

元に戻った仙左衛門の合格宣言にショックを受けた龍華の目は死んだ。

 

 

 

 

 

 

 

「うぅ…やだ~。行きたくない…お給料は良いけど食材の悲鳴が聞こえまくる場所になんか二度と行きたくない…けど、お給料は良いんだよねぇ。毎月養育費を支払っても十分余る程貰えるからね…けど、行きたくないなぁ」

そして遠月学園に用意された屋敷のベッドで蹲っていた。




と言うわけでキャラ崩壊を起こしたのは薊さんでした。
この小説で薊さんは、ただの親バカになっています。
つまり、えりな様にトラウマなんて存在しません。

前話の後書きにオリ主について少しだけ追加して置きました。
出来れば見て行って下さい。
次回は…いつかな~?
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。