今回でBクラス戦は終わり次からはいよいよAクラス戦ですがよろしくお願いいたします
「それじゃ、嬉し恥ずかし戦後対談といこうじゃない負け犬代表さんよぉっ」
雄二が座り込んでいる根本に話しかける。
根本はあれだけ卑怯な手を使ったにも関わらず俺達に負けたのが相当くやしかったのかかなり落ち込んでいる。
まあこんな奴に同情する価値は微塵もないが
「本来なら設備を明け渡して貰い、お前等には素敵な卓袱台と畳をプレゼントしてやりたいが、特別に免除してやらんでもない」
雄二の発言にBクラスだけじゃなく、Fクラスも騒ぎはじめる。
「落ち着け、皆、前にも言ったが、俺達の目標は悪魔でAクラスだ。ここがゴールじゃない」
「うむ。たしかに」
「ここはあくまで通過点だ。だから、Bクラスが条件を呑めば解放してやろうと思う」
その言葉でFクラスの皆は納得したような表情になっていく。さすがにやるからには打倒Aクラスを為し遂げるまで足掻くのも悪くはないな。
「・・・・・・条件は何だ?」
力なく根本が問うと
「条件?それはお前だよ、負け組代表さん」
「俺だと」
「ああ。お前には好き勝手散々やってもらったし、正直気に食わなかったからな」
今に至るまで根本はそう言われる程の事をやってきたからな。その証拠に周りには根本をフォローする人間はおらず、根本もそれについては自覚してるみたいだな。
「そこでお前らBクラスにチャンスだ」
雄二がBクラスに与えるチャンスはおそらく今朝アランが言い当てたアレだな。
「今からAクラスに行ってもらい、試召戦争の準備がしてあると言ってもらう。ただし宣戦布告はするな、悪魔で戦争の意思と準備ができているとだけ伝えてもらう」
雄二がBクラスを向かわせるのはAクラスと交渉する際一騎討ちになるようにする為なのは俺とアランそして霧島さんは分かっていたからな。これで少しはこちらに有利になってきたかな。
「・・・・・・それだけなのか?」
根本は疑っているみたいだが雄二は言葉を続ける。
「ああ、Bクラス代表がこれを着てだがな」
雄二が懐から出したのは今朝秀吉に着せた女子の制服だ。ちょっと待て、何故そこでこいつに女装させるんだ雄二の奴?
「ば、馬鹿な事を言うな!この俺がそんなふざけたことを・・・・・・」
『Bクラス生徒全員で必ず実行させよう!』
『任せて!必ずやってみせるから』
『それだけで教室を守れるなら、やらない手はないな』
根本が慌てふためくなかBクラス生徒達が温かい声援を送る。これをみるだけでこいつが今までどういった行動をしてきたのか想像がつく。
「んじゃ、決定だな」
「くっ!よ、寄るな変態ぐふぅ!」
「とりあえず黙らせました」
「お、おう。ありがとう」
一瞬で根本を見限って腹に拳をBクラス男子が打ち込む。
流石の雄二も変わり身の速さに驚いてるみたいだな。
「では。着付けに移るとするか。明久、任せたぞ」
「了解」
ぐったりと倒れている根本に明久は近づき制服を脱がせる。
「なぁ雄二、何でアイツに女子の制服を着せるんだ?どう考えたってただでさえ気持ち悪い根本が更に酷い絵面になるぐらいしか想像つかねえけど」
「ああアレはさっき明久から根本の着ている制服が欲しいって頼まれてな。俺の趣味も兼ねてるがあの姿でAクラスに向かわせたら交渉する際俺の要求を聞いてくれるかもしれんと思ってな」
「成程。・・・・・・霧島さんが聞いたら絶対怒るな」
「ん?何か言ったか?」
「別に」
雄二が俺の小言に耳を傾けるが何でもないように言い返す。
明久の奴、根本が持っている姫路さんの便箋を取り戻す為とは言え、何でそんな大雑把な頼みをするんだよ。
「う、うぅ・・・・・・」
呻き声をあげる根本が目を覚ますみたいだが。俺は根本に近づき
「まだ眠ってろ」
ドスッ‼
「がふっ‼」
根本の腹に容赦なく蹴りを入れ、根本を失神させる。
こいつには俺も腹が立ってたからこれくらいしてもバチは当たらんだろう。
「明久、根本が持ってるアレをさっさと出せ。後はBクラスの女子に任せておけば問題ないだろう」
「うん、そうだね。じゃあ後は任せてもいいかな。後折角だから可愛くしてあげてね」
「それは無理。土台が腐ってるから」
酷い言い様だが、間違ってはいないな。
「じゃよろしく」
Bクラスに後を任せ教室を出た俺は明久に聞く
「明久、探し物は見つかったか?」
「えーっと、あった。これだね。じゃあ僕は姫路さんにバレないよう返してくるから斗真、後は頼むね」
「了解。根本の制服は俺がごみ箱に捨ててくるから先行ってろよ」
「うん、じゃあまたあとで」
俺は明久と別れたら後、根本の着ていた制服を捨てるため近くのごみ捨て場に近づき制服を捨てると
「まさか本当に勝つとは驚いたよ斗真」
「アランか」
そこにはAクラスのアランが笑顔を見せながら立っており、俺に話しかけてくる。
「凄いね吉井くんは。Bクラスに勝つためとは言え教室の壁を壊すなんて僕には想像つかないよ」
「まっ、このあと鉄人先生に説教されるのは間違いないがな」
「確かに。いくら戦争中は何でもありとはいえこれは流石にやり過ぎだね」
「そういう馬鹿な事を何の躊躇いもなくやるのが明久の良いところさ。だからこそ俺は明久を普段バカ呼ばわりしてるがそれなりに信用してるんだよ」
「成程ね。じゃあ僕もそろそろCクラス戦と行きますか」
「アラン、お前が何を考えてるのか俺には分からんが戦うときは相手してやるから覚悟しておけよ」
「ふふっ、まあ首洗って待ってるからまた今度ね~」
そう言いながらアランは自分のいるAクラスへ戻っていった。
「それじゃあ俺も教室に戻るとする
『と~う~ま~、ちょ~っといいかしら?』
・・・・・・か」
声のした方を見てみるとそこには怖い笑みを浮かべる優子がいた。何故か全身に返り血がついているが
「ゆ、優子。ど、どうしたの?」
「どうしたも何も。さっき如月君が言ってたんだけどねぇ。アンタたち、秀吉をアタシに変装させてCクラスを豚呼ばわりしてたみたいじゃない」
「あっ!・・・・・・な、何の事かなぁ~?」
俺は笑顔を作り誤魔化しているが優子は今だに怒っている。アランの野郎、優子にバラしやがったな。
「まっ、まあ落ち着け優子、Aクラスは今からCクラスと試召戦争する筈じゃー」
「それについては問題ないわ。如月君が『丁度試したい事があるから木下さん達は教室で寛いでたらいいよ』って言われたからアタシは今教室を抜けてここにいるのよ」
試したい事?薄々感じてはいたがアランの奴Cクラスを相手に何をするつもりなんだ。
だが今はそのことよりも目の前にいる優子をどうにかしないとな。俺の予想だとおそらく
「ゆ、優子。だったら試召戦争が終わったら一緒に帰ってどこかデートしないか?折角だから秀吉も誘ってー」
「秀吉なら急用があるって言ってさっき早退したわ」
成程。優子はさっき秀吉の所に行ってお仕置きをしてきたんだな。おそらく返り血はその時についたのだろう。
秀吉、安らかに眠ってくれ(秀吉は気絶してるだけです)
「そ、そうなんだ。あっ、じゃあ俺戦争終わるまでFクラスで待ってるからまた後で」
ガシッ‼
「ゆ、優子さん?」
優子に掴まれ逃げられなくなった。
「斗真、アタシは別に怒ってないよ。如月君も黙っていたのは悪かったけど、斗真もクラスの為にやった事だから大目にみてあげてねって言ってたわ」
「ああそうなんだ。アランも気が利いてるな。アイツには今度お礼しないと」
「でも・・・・・・」
「でも?」
「斗真は秀吉の女装姿に興奮してたって言ってたけど、それって一体、 どういうことー!! 」
「お、落ち着け優子、確かに秀吉の女装は優子より可愛いなと思ったけど・・・・・・ま、待て!?その関節はそっちには曲がらなーー」
この日俺は優子に関節技をかけられ復帰する頃には外はもう真っ暗になっていたのであった。
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