俺達が決勝で戦う相手を決める準決勝が行われるが。試合開始直前。雄二はあらかじめ考えてた作戦通りにいってるかと思い、目の前にいる優子(秀吉)に声を掛けたが
「秀吉?秀吉って、あのバカのこと?」
優子がステージ脇の一角を指すと
「ひ、秀吉!何でそんな姿に!」
「バ、バカな!」
「・・・・・・雄二の考えなどお見通し」
「まっ、匿名の情報もあったんだけどね」
俺の思った通り、雄二の作戦は霧島さんにバレており。優子にボコボコにでもされたのか端の方で秀吉は亀甲縛りをされていた。
いくら何でも公衆の面前で秀吉にその格好をさせるのはどうかと俺は言いたいが。
ん?さっき優子は匿名の情報があったって言ってたがひょっとして・・・・・・
「す、すまぬ雄二。ドジを踏んだ・・・・・・」
や、ヤバイ。ただでさえ秀吉はチャイナ服を着てる上そこから更にそんな縛り方をさせたら。益々俺の興奮が高まるじゃないか。
「・・・・・・・・・・!!(パシャパシャパシャパシャ!)」
「ムッツリーニ!いつの間に!?」
ムッツリーニも縛られた秀吉に血眼で撮影をしている。これはさすがに止めないとな。
「待て、ムッツリーニ。
「そうだよ。撮影なんかしてないで、
「二人とも。本音が混ざっておるぞ」
まあいいじゃないか秀吉。秀吉がチャイナ服から縛られてる姿なんてまさに俺の好み・・・・・・ん?何か恐ろしい気配を感じたので見てみると
ゴゴゴゴゴ(俺に強い眼差しを向ける優子)
優子が今すぐにでも俺を殺さんとする目で見ていた。
「・・・・・・ムッツリーニ、今は下がるか」
「・・・・・・・・・・了解」
そして秀吉の縄を解いてから俺達は後方に下がり、フィールドを見てみると
「大人しく、降参してくれないかなぁ。弱いものいじめはしたくないし」
優子は勝ったと思ってるのか。降伏を勧告してくるが
(明久、さっき俺が伝えたヤツをやれ)
(了解)
俺は明久に目線で伝えると、明久は了承し、雄二に耳打ちをする。さて、ここからは俺が考案した作戦だが果たして上手くいくかな。
(雄二。さっき斗真が秘策を教えてくれたからそれを使っていい?)
(斗真が?一体何を・・・・・・)
(今は迷ってる余裕なんてないよ。とにかくよろしく!)
(お、おう)
俺の指示だとバレないよう。明久は雄二の後ろに行き
そして念のためジェスチャーで秀吉を呼ぶ
(それじゃ行くよ。僕の言ったことをそのまま口に言うんだ。棒読みにならないようにね)
(わかった。今回はお前とあの野郎に任せよう)
雄二が小さく頷き。開始される。
〈翔子、俺の話を聞いてくれ〉
「翔子、俺の話を聞いてくれ」
雄二は明久の台詞をそのまま伝える。よしここからだ
〈お前の気持ちは嬉しいが、俺には俺の考えがあるんだ〉
「お前の気持ちは嬉しいが、俺には俺の考えがあるんだ」
「・・・・・・雄二の考え?」
〈俺は自分の力で、ペアチケットを手に入れ。お前と幸せになりたいんだ!〉
「俺は自分の力で、ペアチケットを手に入れ。お前と幸せになりたいーって!ちょっと待て!」
雄二が慌てて明久の方へと向く。明久もそうなるのが分かってた為、後ろから雄二の頭を抑える。
「・・・・・・雄二」
一方の霧島さんは作戦に引っ掛かったのかうっとりとしている。まさか本当に上手くいくとは。
〈だからここは譲ってくれ。そして、優勝したら。結婚しよう〉
「だからここは譲ってくれ。そして、優勝したらーって!誰がそんな事言うかボケェ!」
雄二が激しく抵抗してきた為。明久はというと
「くたばれ!」
「くぺっ!」
雄二の頸動脈を押さえた。普通は頸動脈を押さえるなんてなかなかできないが。
「・・・・・・雄二?」
霧島さんは続きの言葉を待っている。大丈夫です。貴女の期待に応えてあげましよう。
(秀吉、頼む)
(うむ。了解じゃ)
ここであらかじめ呼んでおいた秀吉の出番だ。秀吉は声真似が得意である為、雄二の声色にすると
「だからここは譲ってくれ。そして、優勝したら結婚しよう。愛してる。翔子!」
本人と区別がつかない物まねで最後の言葉が紡がれる。
しかし秀吉は凄いな。演技とはいえ、ここまで完璧に真似するなんて。
「・・・・・・雄二、私も愛してる・・・・・・」
霧島さんは物まねとは言え、雄二からプロポーズされたと思い込み、トリップしている。
「ま、待て・・・・・・俺は愛してなど・・・・こぺっ!?」
雄二が反論しないよう明久は再び頸動脈を押さえつける。
「だ、代表!?」
優子はトリップしている霧島さんに驚いてる。悪いな優子、今回ばかりは明久達に勝たせて貰うね。
「ふはははは!これで最強の敵は封じ込めた。残るは君だけだ木下優子さん!」
「ひ、卑怯な・・・・・・!」
霧島さんは雄二の亡骸(気絶してるだけです)に抱きつき、胸元に顔を埋めている。
ふっ、ざまあねえな雄二。そのまま結婚という名の地獄に落ちるんだな。
「でも、アタシ一人でも吉井君に負けない筈!行くよ、
「ふふっ。それはどうかな?この勝負の科目が保健体育であることを恨むんだね!」
まぁ、これは雄二があらかじめ霧島さんと優子と戦う事を想定して保健体育にしたんだけどな。
「行くよ!
「・・・・・・・・・・
呼び声に応え、出現した召喚獣は例え優子でも太刀打ちできない強さをもったー
「え!?それ土屋君の・・・・・・!」
ムッツリーニの召喚獣だ。これが秘策『代理召喚(バレない反則は高等技術)』である。
「・・・・・・・・・・加速」
「ほ、本当に卑怯ーきゃあっ!」
初劇からムッツリーニは腕輪を発動し勝負を決める。保健体育ならムッツリーニは無敵だからな。
「よしっ!僕と雄二の勝利だ!」
明久は物言いが着く前に勝鬨を上げるが
『・・・・・・ただいまの勝負ですが』
当然こんな勝負を先生が認める訳がなく物言いをつける。
「霧島さん。僕達の勝利でいいよね」
「・・・・・・それは」
「愛してる翔子(秀吉の声真似)」
「・・・・・・私達の負け」
霧島さんが秀吉の声真似による雄二の告白を聞いてすぐさま負けを認めてくれた。ごめんね霧島さん。
『・・・・・・わかりました。吉井・坂本ペアの勝利です』
勝ち名乗りを受け、会場を見渡すと観客は明久達に冷たい目線を送っていた。それはそうだ召喚獣勝負を見に来たのに、殆ど召喚獣を出してなかったからな。
「それじゃ、僕らはこれで!」
明久は一礼し、罵声を浴びる前に撤退する。
「明久、中々の機転であったな」
「まさか本当に霧島さんが引っ掛かってくれるなんてな」
「・・・・・・・・・・作戦勝ち」
「ありがとう。三人の協力があってこそだよ」
これで残るは決勝戦だけだ。これでもし明久達が勝てば姫路さんの転校は防げるかもしれんからな。
「ところで雄二はあのままにしておいて良かったのか?」
「えっ?別にいいんじゃない」
「雄二の事だ。あれぐらいじゃ死なないよ」
「そうか二人がそう言うのであれば良いのじゃが」
「ん?何か問題でもあるのか」
「あはは。雄二もたまには素直になるべきだとー」
「霧島が雄二に一服持って持ち帰ろうとしておったので心配になっての」
「えっ!?」
「き、霧島さん!雄二には決勝もあるからクスリは赦して!」
秀吉に言われ、引き返した俺達が見たものは、虚ろな目をしてタキシードに着替えている雄二だった。
まさか霧島さんがあそこまでヤンデレだったとは。
あっ、そうだった。
「・・・・・・・・ひっく」
「本当にごめん。優子」
雄二の蘇生を明久に任せた後、俺は先程準決勝に負けた霧島さんのパートナーである優子のところに行って土下座をしている。
こちらが卑怯な手を使ったとは言え、優子は負けた事にそうとう悔しかったのか目に涙を浮かべており。気まずい状況になっている。
「ひっく・・・・・・斗真のバカぁ」
「あ~、何て言うか、その~」
「ひっく・・・・・・もう、斗真なんて・・・・・・」
「これは、こうするしかないか」
ギュッ
「・・・・・・えっ?」
俺は優子に近づき、そのままゆっくり抱き締めた。
「悪かったな優子。これで許してくれるとは思わないが」
「ち、ちょっと・・・・・・斗真(////)」
優子は俺に抱きつかれ、顔を赤くしているが俺は話を続けることに
「ごめん、優子。実はなー」
「・・・・・・うん」
俺達が学園長と交わした取引について話そうとすると
明久が大声を出しながらこっちにむかってきた。
「あのバカ、何でこんなときに」
「・・・・・・ごめん、斗真。恥ずかしいよ」
「えっ?ああ悪い」
俺はすぐさま優子から離れる。
「斗真、君ってヤツは!こんなときに木下さんに抱きついてるなんて羨ましい、じゃなくて憎たらしいよ!」
「んな事はいいだろ。一体どうした明久?そんな大声を出しながら駆けつけるなんて、何かあったのか?」
「あっ、そうだった。大変だよ斗真!姫路さん達が連れ去られたんだよ!」
「何だと!?」
俺は明久から言葉を聞いてすぐさまFクラスへ向かっていった。
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