バカと双子と二刀流   作:ペンギン太郎

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第十六問 阻止

アランと合流し、俺達六人は取引の精算をする為、今学園長室前まで来ていた。

 

「失礼しまーす」

 

「邪魔するぞ」

 

「おい二人共。相手からの返事を待ってから入れよ」

 

「お主ら、全く敬意を払っておらん気がするのじゃが・・・・・・」

 

「そう?キチンとノックをして入ったけど」

 

「だからと言って、そこは返事を待ってから入るけどね」

 

「そこのクソジャリの言うとおりだよ。アタシは前に返事を待つように言ったはずだがねぇ」

学園長も呆れた顔をして明久達に言う。

 

「あ、学園長。優勝の報告に来ました」

 

「言われなくても分かっているよ。アンタたちに賞状を渡したのは誰だと思っているんだい」

 

いつもどおり、遠慮のない学園長だ。明久は心の中じゃ気を遣えと思ってるかもしれんが

 

「それにしても、随分と仲間を連れてきたもんだねぇ」

 

ムッツリーニと秀吉を見て、咎めてるように言ってくるが一応二人も事件に関わってしまった以上話す必要があったから連れてきただけだ

 

「こいつらもババァの性で被害を被ったからな。元凶の顔を拝んでもばちが当たらないはずだ」

 

「・・・・・・ふん、そいつは悪かったね」

 

つまらなさそうに鼻を鳴らすが見たところ、負い目はあるみたいだな。これで負い目がなかったら問題あるが

 

「それで、白金の腕輪は返却した方がいいですか?」

 

今回の賞品である腕輪は、高得点を出したときに出てくる金の腕輪ではなく、召喚者自身が装備する仕様になっている。

 

「いや、それは後でいいさね。どうせすぐに不具合は直せないんだ」

 

「あっ、そうですか」

 

「全く、本当苦労しましたよ。・・・・・・んっ?どうした雄二?」

 

雄二が独り言を言ってるので聞いてみると

 

「そういえば、何であいつらは俺達とババァが繋がっていると知ってたんだ」

 

あっ、確かにそうだ。何で教頭先生達は取引について気付いてたんだ。この取引について知ってるのは、ここで話をした俺と明久と雄二に学園長。そして話す際、誰もいないのを確認した上でアランと秀吉そしてムッツリーニにも話したが、教頭先生達はどこでそれを知ったんだ?

ちょっと待て。確かあの時教頭先生はここを出るときに端の方を見て・・・・・・まさか‼

 

「じゃあ学園長。腕輪を手に入れましたんで教室の改修をー」

 

「待て明久!それ以上喋るな‼」

 

「え?」

 

「斗真の言うとおりだ!その話しはマズい!」

 

雄二も気付いたらしく明久に大声をだす。

 

「・・・・・・・・・・盗聴の気配」

 

「えっ、盗聴!?ってことはひょっとして」

 

ムッツリーニの言葉を聞きアランも気付いたみたいだ。

そして俺と雄二はすぐさま扉を蹴って見てみると、目の前には見知った二人が逃げていく様が見えた。

 

「やられたか!」

 

「追うぞ!明久、斗真!」

 

「ちょっ・・・・・・雄二、斗真、どういうこと?」

 

「盗聴だ!教頭先生はここに盗聴器を仕掛けてたんだよ!」

 

「えっ!?」

 

「なんじゃと!?」

 

「今の一連の会話も聞かれていた筈だ。もしも録音なんてされていたら、相当マズいことになる!」

 

「録音!?冗談じゃない!」

 

「そんな物が公開されたら全てが水の泡になるよ!」

 

アランの言う通り、もし録音された物が公開されでもしたら、学園の信頼は失墜し、学園の存続が難しくなる。そうなれば姫路さんだけじゃなく、ここにいる全員が転校してしまう。何としてでもヤツらを止めないと!

 

「急げ!」

 

「わかった!三人とも協力して!」

 

「うむ!」

 

「・・・・・・・・・・(コクリ)」

 

「勿論だとも!」

 

六人揃って学園長室を飛び出す。

 

「二人とも、向こうは例の常夏コンビでしょ!」

 

「そうだ!例の髪型がチラッと見えたから間違いない!」

 

「ここは俺とアラン。明久と雄二。そして秀吉とムッツリーニに別れて探すぞ!」

 

「オーケー!」

 

「秀吉、敵は喫茶店で騒いでたアイツらだ!」

 

「了解じゃ。ワシとムッツリーニは外を探す!」

 

確かに、家に持って帰ってコピーでもされたら面倒な事になるから、学校の外から潰していった方がいいな。

 

「・・・・・・明久、斗真」

 

「ん?」

 

ムッツリーニは走りながら、俺と明久にある物を渡す

 

「ムッツリーニ愛用の双眼鏡?」

 

「・・・・・・・・・・予備」

 

普通学校に双眼鏡なんていらないがアイツらを探す為に必要だからありがたく使わせてもらおう

 

「サンキュ、ムッツリーニ」

 

「・・・・・・・・・・この学校は気に入っている」

 

おそらくそれは女子の制服とスカートかもしれんが、この学校が潰れて欲しくないという気持ちは一緒だ。

 

「目標を見つけたら携帯に連絡を入れてくれ!」

 

「うむ!」

 

「了解!」

 

「明久!まずは放送室を抑えるぞ!」

 

「オーケー!」

 

「アラン。俺達はどうする?」

 

「三年の教室に行ってみよう。もしかしたらそこで準備してるかもしれないからね」

 

「了解!」

 

そして明久達と別れた俺達は三年の教室へ向かっていった。

 

 

 

 

 

3-A 教室

 

「失礼します。ここに常村さんと夏川さんはいませんか?」

 

俺達が教室の扉を空け、中を見てみるがどうやらここにはいないみたいだ。

 

『あれ?あいつらは召喚大会で決勝に出てた東條と如月だよな?』

 

『何で二年生がここに?』

 

『確かあいつは、うちのクラスにいる東條の弟だったよな』

 

三年の先輩達は俺達が来たことに疑問を持っているが、今はそれどころじゃないので教室を出ようとすると

 

「ちょっと斗真。何の用があってここに来たのよ」

 

 

「ああ真理さん。お久し振りです。」

 

「ん?姉ちゃんか。俺達はここに常夏コンビがいるか見に来ただけだよ」

 

今俺に話しかけてきたのはこのクラスの生徒で俺の姉でもある東條真理だ。

 

「常夏コンビって、常村と夏川のこと?二人ならここにはいないけど」

 

「そうみたいだね。悪い姉ちゃん。訳は後で話すから、またね」

 

「あ、待ちなさい!」

 

そうして俺とアランは三年の教室を後にし、再び常夏コンビを探しに校内を走る。

 

 

「どうだ見つかったか?」

 

「駄目だ。放送室にはエロ本を持ってる奴とタバコを吸ってた人しかいなかったよ」

 

「一応校則違反だから没収したが」

 

「ちょっと待って、君達は別に風紀委員でも何でもない筈だよね?」

 

「むしろ、こんな柄の悪い風紀委員がいてたまるか」

 

「まあまあ別にいいじゃねえか。それよりもそっちはどうだ?」

 

「こっちも見つからなかったよ。ひょっとして旧校舎の方かな?」

 

「とりあえずそっちを探してみよう斗真」

 

「おぅ!」

 

「あれ?アキに坂本じゃない。そんなに急いでどうしたの?」

 

「斗真。顔が凄いことになってるけど何かあったの?」

 

「あっ、優子。悪い、今忙しいからまたな」

 

「ごめん美波!ちょっと先を急ぐんでまた後で!」

 

「あ、待って何か落としたわよ?えーっと、『女子高生緊縛物語』。・・・・・・何コレ?」

 

「え?・・・・・・ねぇ斗真。どういうことかしら?」

 

「逃げよう雄二、斗真。なんだか美波を中心に闘気の渦が見えるんだ!」

 

「ゲッ!?優子もいつも以上に恐ろしい顔をしているぞ‼」

 

「待ちなさい!アンタ達なんでこんな物を持ってるのよ!」

 

「ちょっと斗真!話を聞かせなさい!」

 

「うわぁっ!追ってきたぁ!」

 

「一先ずここは退却だ!」

 

そして俺達四人は修羅と化した女子二人に追い回されていくこととなった。

 

 

2-A 教室前

 

「・・・・・・雄二」

 

「翔子!悪いが今はお前に構っていられない!」

 

「・・・・・・大丈夫。市役所くらい一人で行ける。婚姻届を出すだけだから」

 

「何を言ってーちょっと待て!俺はそんな物に半を押した覚えはないぞ」

 

「雄二!ここにはいないから先を急ごう!」

 

「そういう幸せな事は後回しだ!」

 

「待て二人とも!こっちはこっちで大変なことになっているんだ!」

 

「それじゃまたね、霧島さん!」

 

「式には絶対行くからな」

 

「お幸せに」

 

「待て!頼むから待ってくれ!」

 

 

そして明久達と再び別れ、新校舎にいる俺達はというと。

 

「クソッ!旧校舎にもいなかったぞ。アイツらは一体どこに!?」

 

「ここは落ち着こう斗真。これだけ探しても見つからないなんておかしいね」

 

あの二人は何処に行ったんだ?放送室にはいないし、外は秀吉達が見張ってるからここから出られない筈。だとしたら一体どこに・・・・・・!

 

「待てよ。確かあそこはまだ見てなかったな」

 

「あそこって?」

 

「屋上なんだけど・・・・・・マズい!早く向かわないと!」

 

「えっ?どうして?」

 

「屋上には後夜祭用の放送設備が置いてあるんだ。おそらくアイツらはそれを使って学園全体に流すかもしれないぞ」

 

「あっ!だとしたらヤバい。急ごう!」

 

そして俺とアランは急いで屋上に行き、扉を開けると

 

「いた!やっぱりここにいやがったか!」

 

目の前に常夏コンビがおり。見たところ、放送する準備ができているようなので俺はすぐさまヤツらを止めようと突撃するが

 

「待って斗真!アイツらの頭上を見て!」

 

「ゲッ!?花火の玉じゃねえか!一体何が!?」

 

 

 

 

「夏川、そっちの準備は大丈夫か?」

 

「大丈夫だ。へへっ。これが流れりゃ俺達の逆転勝利だな」

 

「そうだな。これで受験勉強なんかしなくてもーおぉぉぉっ!?」

 

「何だよ常村、そんなに驚いてーゲェッ!?マジかよぉっ!?」

 

「とにかく伏せろぉぉっ!?」

 

 

アランに指を指された方向を見るとそこには花火の玉がしかも引火したまま飛んでくる

 

ドォン!パラパラパラ

 

花火の玉は常夏コンビの近くに当たり、爆発した。

 

「って!もう一発くるぞ!」

 

「ここは一旦離れよう!」

 

アランの言うとおり、俺達はそこから離れる為屋上の扉を閉めると

 

ドォン!パラパラパラ

 

二発目が放たれ爆発する。

 

「ねぇ斗真。これはひょっとして・・・・・・」

 

「明久達の仕業だろうな。おそらく雄二が持っている白金の腕輪を使ってフィールドを形成し、物理干渉能力を持ってる明久の召喚獣を使って屋上に花火を投げたんだよ」

 

「成程ね。相変わらず無茶な事をしてくれるよあの二人は」

 

「でもそのおかげでヤツらの放送を阻止できたみたいだ。見ろ」

 

「確かに。パラボラアンテナも見事に破壊されてるし。放送機器も使えない以上、彼らは何もできないみたいだね。どうする?」

 

「決まってる。念の為ヤツらから録音機を取り上げ、壊せばいいだけだ」

 

「そうだね」

 

俺達は花火によって怯んでいる常夏コンビに近づき

 

ドゴォ‼

 

「ぐはぁっ‼」

 

すぐさま気絶させ、奴らが盗聴したであろう録音機を没収し、破壊した。

 

「よしっ、これでコイツらは何もできないな。昨日の騒ぎもあるから、口で言ってもおそらく誰も信じないだろう」

 

「そうだね。一応二人に連絡してみたら?」

 

「今してるとこだ」

 

俺はスマホを操作し明久に電話をすると

 

『あっ、斗真。無事だった!?』

 

「無事だったじゃねえよ。あやうくこっちにも当たりそうだったんだぞ」

 

『ごめん。じゃあ今から常夏コンビに向けて花火を放つからそこから離れて』

 

「えっ?ちょっと待て!コイツらはもう気絶してるからそこまでやる必要は!」

 

『行っきまーす』

 

 

『貴様らぁっ!何をやっているかあっ!』

 

 

電話越しに聞こえてきたのは、毎日聞いてるであろう。鉄人先生の怒鳴り声だ。

 

『うわぁっ!』

 

そして明久の召喚獣が投げた花火は屋上から大分反れてしまい。

 

 

ヒュ~・・・・・・ドォン!

 

花火は校舎の壁に激突し。壁や扉を破壊して瓦礫の山となった。

 

「・・・・・・これはさすがにマズいな」

 

「・・・・・・うわ、見事に破壊されてるね」

 

屋上から花火を打ち上げた所を見てみると、明久と雄二が鉄人先生に追いかけ回されていた。

 

「念のため、ババアに温情ある措置を取ってもらうよう頼むか」

 

「そうだね」




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